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2026/07/15

ドラゴンバスター

 


【発売】ナムコ
【開発】ナムコ(開発1課)
【発売日】1985年1月
【媒体】アーケード
【容量】Namco Pacland
【ジャンル】アクション




お姫様さらわれまくりんぐ


【ストーリー】
 まだ森や湖の精霊達が人間と共存していた頃のお話です。ローレンス王国という美しい国に1人の若者がおりました。名を「クロービス」と言います。彼は王国の親衛隊長の息子でありながら乱暴者で、ケンカが耐えませんでした。父親はそんなクロービスを見るに見かねて、勘当してしまいました。帰る家も友人も失ったクロービスは、ひとり放浪の旅に出るのでした。さて、ローレンス王国からほど近い山の中、1匹のドラゴンがおりました。元々は神の使いでしたが、自分の力を過信したドラゴンは謀反を企て、神の国を追放されたのです。ところが、ドラゴンは反省するどころか、今度は人間界を支配しようと考えました。世界で最も美しい国、ローレンス王国が狙いです。ドラゴンは王国に攻め込み、王女セリアを人質にして、自分を新しい王にするよう要求したのです。この話を風の便りに聞いたクロービス。セリアの美しさと優しさに秘かな想いを寄せていた彼にとっても辛い事でした。クロービスはセリアと故郷を守るため、打倒ドラゴンを決意します。長く厳しかった旅は、クロービスを強く優しい若者へと変えていたのです。そしてクロービスは再び旅立ちます。そう、「ドラゴンバスター」の旅に!


【概要】
 85年にナムコ(現バンダイナムコエンターテインメント)から発売されたアクションゲーム。企画段階ではタイトル名が『ドラゴンクエスト』だったが、社内投票の結果、僅差で『ドラゴンバスター』となった。ちなみに、この時点ではエニックス(現スクウェア・エニックス)からの『ドラゴンクエスト』は未発表である。コピーライト表記が「1984」となっているのは、前年にロケテストが行われたためだ。
 本項では『ナムコミュージアムVOL.2』収録作品として、収録されたオリジナル版(アーケード版)について記述する。


【ゲームシステム】
 サイドビュー形式のアクションゲーム。主人公の「クロービス」は、まずラウンドマップ左下の「ローレンス王国城」からスタートし、右上の「ドラゴン山」にいくつかのルートを選択しながら進む。ルート上には洞窟や山があり、その内部ダンジョンを探索しながら各部屋にいる「ルームガーター」を倒して脱出する。いくつかのダンジョンをクリアし、ドラゴン山にいるドラゴンを倒すと1ラウンドクリア。全12ラウンドで、13ラウンドからは9~12ラウンドが繰り返される。通常攻撃は剣をぐるぐる回すだけだが、「2段ジャンプ」後に下ボタンを押しながら攻撃ボタンを押すと、敵に通常の2倍のダメージを与える「兜割り」ができる。


【総評】
 テキトーに楽なルートを選択する事も当然できるが、ルームガーターを倒すと手に入るアイテムは9種類あり、これらを装備する事で後々の道のりが多少なりとも楽になる。そのため、マップ上でルートと残りライフを考えながら進む必要がある。残りライフだが、ルームガーターを倒すと回復アイテムが出現する場合もある&ダンジョンクリア後に回復するが、いずれも全回復ではない。アクションとしては上記の兜割りの他、ダッシュと2段ジャンプだけなので、キモはやはりいかに早い時点で兜割りをマスターするかにかかっている。案外簡単じゃないんだ、これが。ダンジョンの種類は、廃墟、塔、鍾乳山、奇岩山、墓地、ドラゴン山の6種。ドラゴンのグラフィックはなかなかの迫力っつーかですね、このゲーム、余計な要素を足さずにグラフィックだけ現代版に強化すれば、それだけで通用すると思うんですよね。



 サウンドは『ディグダグ』などの慶野由利子氏が担当。本作では「慶野節」が確立されつつある。難易度はそれなりに高く、クロービスは1機(1人)限りでコンティニューもない。これが難易度を上げている要因のひとつだ。「セリア姫」をさらったドラゴンはラウンド3、5、8、12のドラゴンで、この際、ドラゴンにまたさらわれない様にする「セプター(杖)」と「クラウン(王冠)」を所持していないと、まーた気軽にさらわれてしまう。ただ、さらわれる度にセリア姫の衣装がドレス→ミニスカート→バニーガール→ビキニと変わるので、なんか、アレですか、姫とドラゴンは、実はそんな仲で、グルじゃないんですか?みたいな。対ドラゴン戦では兜割りをマスターしていないと厳しいが、ドラゴンやルームガーター達はこちらに攻撃の隙を与えない様に「ハメ技」的な攻撃を仕掛けてくるため、強引に力押しで倒すしかない。具体的には、ダメージを喰らって空中に放り投げられる形になると、着地点が敵キャラクターなので、またダメージを受けて空中に放り出されるの繰り返しだ。また、ダンジョン内を一定時間うろちょろしてると、「ケイブシャーク」という蛇が噛みついて来て、ライフを急速にガシガシ吸い取ってしまう。噛みつかれる前なら倒せるが、いったん噛みつかれると倒せないため、急いでダンジョンから脱出するしかない。でも、たぶんその前に死ぬね。死ぬ死ぬ。



 僕らの世代(←戦争を知らない世代)だと、アーケード版より、87年発売のファミコン版の方が身近だ。通常のカートリッジの成形色は黒だが、『スーパーゼビウス ガンプの謎』と同じ様に金メッキ仕様になっている。理由は分かんないけど、特別感があった。内容も、アイテム数の増加やラウンド13から始まる『裏ドラゴンバスター』など、より遊び応えのあるゲームにリメイクされている。また、89年にはファミコンオリジナル作『ドラゴンバスターII 闇の封印』も発売された。他にも多くのコンシューマ機及びパソコンに移植されており、現在でも手軽にプレイできる佳作だ。



Goods
『ナムコミュージアム カセットピンズコレクション』







【発売】バンダイ

【発売日】2018年12月
【定価】300円


 バンダイからカプセル玩具用に発売された、ナムコ製ファミコン用カートリッジのピンズコレクション。パッケージの再現度は非常に高く、ピンズの手触りもよい。この『ドラゴンバスター』は実物同様、黄金に輝くピンズだぜ!全10種。


Produced by NAMCO LTD. (C)1984 1996 NAMCO LTD.,ALL RIGHTS RESERVED

2021/09/21

シティコネクション

 



【発売】ジャレコ
【開発】トーセ
【発売日】1985年9月27日
【定価】4,500円
【媒体】ファミコン用カートリッジ
【容量】256Kbit
【ジャンル】アクション




80年代のポップさが詰まった惜しい作品


【ストーリー】
 カリフォルニア生まれのスピード狂少女・クラリスが、世界中のハイウェイを走り回って各国はもう大騒ぎ!!追いかけまくるパトカー達もなんのその。オイルをぶつけてスピンさせ、体当りで跳ね飛ばしちゃう。6ヶ国の美しい背景を舞台に繰り広げられるクラリスカーとパトカーのハチャメチャパニックカーチェイス!!


【概要】
 オリジナル版は85年にジャレコがアーケードで発売したアクションゲーム。同年にはファミコンに移植された。ファミコンでは初の女性が主人公のゲーム。パッケージイラストやゲームのモデルとなった車はホンダ・シティ初代AA型ターボIIに見えるが、ゲーム内では「ジャンプ機能を備えたツインターボエンジン搭載の4WDSのミッドシップ車」とされ、タイトルにかかる「シティ」は、あくまでもゲーム内での各国の都市を意味する。でも、ホンダ・シティだよなー。


【ゲームシステム】
 サイドビュー形式のアクションゲーム。「クラリスカー」はパトカーに追われながらアメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、インド、日本の世界6ヶ国のハイウェイを走破するのが目的。路面にあるパターンはクラリスカーが通過すると塗り潰され、全ての路面を通過すると1ステージクリア。全6ステージ。パトカーは道に落ちているオイル缶を投げ付け体当たりする事で倒せるが、ランダムに現れる「オジャマ猫」を轢き殺すとアウト。また、時折路面から生えてくる鉄製の「タケノコ」に激突してもミスとなる。


【総評】
 パッケージイラストとステージ1の摩天楼のグラフィックが80年代のポップさとオシャレ感をよく醸し出している。BGMはピョートル・チャイコフスキーの「ピアノ協奏曲第1番変ロ短調第1楽章」だが、当時よくあった著作権切れのクラシック音楽を単に鳴らすのではなく、
各ステージごとにアレンジされている部分も好感が持てる。一大ブームとなったホンダ・シティも絡め、見た目からは当時のジャレコなりのオシャレ感が伝わってくる。敵のパトカーも各国ごとに種類が異なり、クラリスカーのグラフィックパターンも多く、車へのこだわりも見える。

 ハイウェイのパターン(マス目)を走り、塗り潰していくアイデアも悪くない。が、数段に分かれているハイウェイに行くには十字キーの上ボタンを押しながらAボタンで大ジャンプをするこの操作性が最悪と言っていい。大ジャンプをするにはある程度の飛距離が必要だが、少しでも飛距離が足りないと、上段のハイウェイに天井をこすって失敗する。また、大ジャンプが成功しても、ハイウェイ先端のマス目を飛び越えるため、ここを埋めるためには先端ギリギリで車体を左右に上手く操作してやる必要がある。クラリスカーにはブレーキがなく常に走り続けているため、この操作がこれまた難しい。

 そして、なんと言ってもオジャマ猫の存在だ。出現場所はランダムで、画面をスクロールさせると消える場合もあるが、大ジャンプしたその先にまるで死を待ち望んでいたかの様に立っていたり、クラリスカーを挟む様に2匹で現れたりと、どうにも避けようのない場合が多い。轢くと「猫踏んじゃった」が流れてお空に飛んで逝くが、そんなに死に急ぎたいのかー>ネコチャン。コンセプトも明確で操作も単純明快ながら、詰めの甘さがジャレコらしいと言えばそうだが、そこをあと少し詰めていれば「良作」になっていたかもしれない惜しさを感じてしまう。

 尚、14年に倒産したジャレコ作品の知的財産権は12年にハムスターが獲得するが、その後、本作の名を冠した株式会社シティコネクションに渡り、リメイクや関連商品の展開など、新たな活動をこれまた本作の主人公のクラリスにちなんで、「クラリスレコード」名義で他社へジャレコ作品のゲームライセンスの貸与などをしている。発売当時はMSXなどで、現在では各ハードのダウンロード版などで気軽にプレイできる他、オリジナルのアーケード版はプレイステーション4及びNintendo Switchでダウンロード販売(共に発売はハムスター)されている。

 どーでもいい話だが、僕は10年ほど4代目ホンダ・シティ(日本名は「ホンダ・フィット・アリア)に乗っていたのでした。セダンだけどステアリングに半ミッションへ変換される「スポーツモード」が搭載されてたりといい車だったなー。もう売っちゃったけどっつーか、本当にどーでもいい話だな。



(C)1985 JALECO LTD.

2021/09/19

バーガータイム

 



【発売】ナムコ
【開発】データイースト
【発売日】1985年11月27日
【定価】4,500円
【媒体】ファミコン用カートリッジ
【容量】320Kbit
【ジャンル】アクション




高い難易度とシュールな世界観でバーガー作り


【ストーリー】
 どんどん作って、美味しく食べよう!キミも一流コックさんになれる。おもしろハンバーガーゲーム出現!襲い掛かるウインナー、ピクルス、タマゴ軍団をものともせず、美味しく焼き上げるのがキミの使命だ。テクニック次第でいくつでも食べられるぞ。さあ、頑張って作ろう。


【概要】
 オリジナル版は82年にデータイーストがアーケードで発売したアクションゲーム『ハンバーガー』で、アメリカ(発売元はミッドウェイゲームズ社及びデータイーストUSA社)や日本国内でヒットし、LSIゲーム(バンダイ)まで発売された。後に商標権の問題を避けるため、途中からタイトル名を『バーガータイム』に変更。ファミコン版はデータイーストが開発し、ナムコ(現バンダイナムコエンターテインメント)から発売された。


【ゲームシステム】
 固定画面サイドビュー形式のアクションゲーム。主人公のコック「ピーター・ペッパー」を操作し、巨大なハンバーガーを作り上げるのが目的。画面には縦方向に具材が並んでおり、この巨大な具材を土足で踏みつけて歩く事で、連鎖的に具材が一段ずつ落下する。画面内の全ての具材を土足で踏み歩いてハンバーガーを完成させればステージクリア。全7ステージ。敵はピーターと同じ大きさのウインナー、目玉焼き、ピクルスである。





【総評】
  画面には縦一列にバンズ、ハンバーグ、レタス、チーズといった具材が並んでおり、前述した様に、この上を土足で歩いて具材を下に落としていき、最下段の受け皿に全てのハンバーガーを完成させればステージクリアとなる。操作性は悪くないが、縦方向へは梯子を、横方向へは床を移動する際に、1ドットズレると引っかかってしまうので案外シビアだ。敵キャラクターは基本的にピーターを狙って直線的に動く。敵が具材の真下にいれば、具材を落とす事で挟んで倒せる。また、上手く誘導して具材の上に敵がいる状態で落とすと、通常だと1段ずづ落ちる具材が敵の重みで2段3段と落ちていく。また、ピーターは、手持ちの「コショー」を振りかけて、敵を一時的に動作不能にする事もできる。

 んがっ!ピーターのコショーは僅か5回しか使えず、やられてリスタートしようがステージをクリアしようと基本的には増えない。たまにボーナスアイテムが現れ、コショーを増やすチャンスになっても、そのボーナスアイテムはわりかしとっとと消えてしまう。挟み込んで倒した敵もすぐに復活し、更に時間が経つに連れ、敵の速度が上がってくる。ゲームが進むに連れ、プレイヤーはどんどん不利になっていくのだ。うそーん。本作を買って30年以上経つが、僕の腕前ではステージ4にたまたま1度だけ進んだ以外、大抵がステージ2で全滅してしまう。コショーがなければ僕の様なへなちょこゲーマーにはこれが限界の高難易度なのです。

 巨大なハンバーガーにプレイヤーと同等身の食材が敵キャラクターというデータイーストらしいシュールな世界観だが、これが画面上では違和感なくまとまっている。美味しそうな画面だ。単調だが軽快で邪魔にならないBGMもよい。当時、母に買ってもらったのだが、『バベルの塔』と悩んだ末、この「美味しそう」という理由で本作を選んだ。昔から食い意地が張ってたんだなー。高難易度ではあるが、現在でも根強い人気で、各ハードでパッケージ版及びダウンロード版がプレイできる。中でも91年にデータイースト本家からゲームボーイ用ソフトとして発売された続編『バーガータイムデラックス』はいずれ手に入れようと思っている。あと、このゲームやってるとお腹が減るので注意!



(C)1985 DATA EAST CORP. 1985 NAMCO LTD.

2021/08/30

ちゃっくんぽっぷ






【発売】タイトー
【開発】トーセ
【発売日】1985年5月24日
【定価】4,500円
【媒体】ファミコン用カートリッジ
【ジャンル】アクション




人生最初の推しキャラ、ちゃっくん


【ストーリー】
 ちゃっくんを上手にコントロールして、時間内に「もんすた」にさらわれた迷路内のハートを取り戻せ!口をパクパクさせながら追いかけて来る「もんすた」を、ハイテクを駆使して爆弾でやっつけよう。テクニックひとつで、ちゃっくんはすっごい動きをしちゃうのだ!


【概要】
 オリジナル版は83年にタイトーがアーケードで発売したアクションゲームで、PC-8801やMSX、SG-1000など、多くの機種に移植されている。主人公の「ちゃっくん」は『バブルボブル』など、一時期タイトーのマスコットキャラクターとして使用された。かわいい。


【ゲームシステム】
 パズル要素の強いサイドビュー形式のアクションゲーム。各ステージの檻に閉じ込められている「ハート」を解放し、ちゃっくんを出口に導けばステージクリア。ちゃっくんの足は伸びるため、天井に張り付く事ができる。武器は爆弾で、ステージ内の「もんすたエッグ」から産まれる「もんすた」を倒したり、檻を破壊できる。爆発前の爆弾に触れてもノーダメージだが、爆発後の爆風に触れると死亡。また、画面最上部には「まいた」がタイマー役として出口を塞ごうとじわじわ進んでおり、こいつに出口を塞がれるとタイムオーバー。全9メイズ(ステージ)で、以降はループ。


【総評】
 まずはちゃっくんがかわいい。当時は駄菓子屋のシールなどに本作もあり、ちゃっくんと『ドアドア』(エニックス)の「チュン君」をよく描いてたなー。かわいいし。個人的にゲーム性よりそのキャラクターに愛着を持った最初の作品かもしれないっす。人生初の推しキャラ、みたいな。

 ちゃっくんのうにょーんと伸びる足は、両足が地面に着いていれば身長の2倍伸びて天井に張り付けるが、片足しか地面に接していない場合は半分しか伸びず、気が狂った様に半分ジャンプを繰り返すのがバグったみたいでちょっと怖い。左右で投げ分けのできる爆弾は、引力で転がるため、狙った箇所に設置するにはちょっとした練習が必要だ。若干の運要素はあるものの、時差のある爆風の広がり方、もんすたエッグがもんすたに変わるタイミングなど、前述した様にパズル要素が強く、この爆弾の使用タイミングがひとつのキモとなる。

 大き目に描かれたキャラクター達はかわいいし(←こればっか)見やすいが、いかんせん操作性が悪い。ここぞという時に半分ジャンプになったり、左右の檻にハートが閉じ込められている場合にはなかなかピッタリと正面を向けずと、この操作性の悪さで即死してしまう事もままあるっていうかほとんどが操作性のせい←韻を踏んでみた。1メイズ中、もんすたを1匹も倒さずにクリアすれば20,000点のボーナスと1UPができるが、それでもうっかりどこかに引っかかって即死するちゃっくん。でも、かわいい。BGMはいわゆる「ピコピコ」そのまんまである。

 各メイズのもんすたエッグの位置や孵化するタイミングは決まっており、大抵はハートを開放するまではあまり孵化しない。と言うより、どっちかっつーと、ハートを開放してからが勝負だ。もんすたはちゃっくんを追いかけて来るタイプ、特に何も考えずにうろうろしているタイプ、爆弾を投げると逃げるタイプと、見た目は一緒でもそれぞれに特徴がある。こいつらに行く手を遮られたり、もしくは殲滅に夢中になっていると(全滅させれば5,000点のボーナス)、案外タイムオーバーになりやすいのにも注意だ。あ、あと、書き忘れてたけど、左右に動く床「ムービングブロック」に挟まれても漢の一発即死である。

 現在では05年発売のプレイステーション2用ソフト『タイトーメモリーズ 下巻』や、06年発売のプレイステーション・ポータブル用ソフト『タイトーメモリーズ ポケット』でオリジナルのアーケード版をプレイできるので、キミもちゃっくんのかわいさを刮目せれ!みたいな。



(C)TAITO CORP. 1985

2019/03/28

スターフォース


【発売】ハドソン
【開発】ハドソン
【発売日】1985年6月25日
【定価】4,900円
【媒体】ファミコン用カートリッジ
【ジャンル】シューティング




ゲームは1日1、2時間!


【ストーリー】
 暗黒の宇宙を、殺戮と略奪を繰り返しながら進む、浮遊大陸ゴーデス。キミの使命は、「ファイナルスター」に乗り込み、ゴーデスを破壊する事にある。


【概要】
 オリジナル版は84年にテーカン(現コーエーテクモゲームス)がアーケードで発売したシューティングゲームで、83年に同社が発売したものの返品の嵐となった『センジョウ』の基盤を流用して半年で開発された。本作はそれを85年にハドソン(現コナミデジタルエンタテインメント)がファミコン用ソフトとして移植した。ハドソンの第1回全国キャラバン用ソフト。


【ゲームシステム】
 自機「ファイナルスター」で敵の「ゴーデス」を倒すトップビュー形式のシューティングゲーム。敵には地上物と空中物が存在するが、対地対空で撃ち分ける必要はなく、同一のショットで倒せるシンプル操作。捕虜護送艦「カルデロン」に捕らわれている友軍機「パーサー」を救出して合体すると、連射が可能となる。ザコキャラを一定数倒すとボス戦になるが、ボスはユラユラと画面下部に移動するため、逃亡前に撃破すればステージクリア、逃げられた場合は、再び一定数のザコキャラを倒してボスの登場を待つ事になる。全24ステージで、以降はループ。


【総評】
 多聞に『ゼビウス』(ナムコ)を意識して開発されているが、宇宙空間に漂う謎の浮遊大陸や隠し要素など、『ゼビウス』の持つ奥深さを取り込みつつも、対地対空の撃ち分けではなく、同一ショットでどちらも破壊できるシンプルさ、敵を撃破した際の効果音、ボーナス得点を含むスコアの競い合いなど、シューティングゲームとしての爽快感は本作の方が上かもしんない。また、敵のアルゴリズムも『ゼビウス』に比べ、より明確になっており、ちょーすげー速さで突っ込んで来る敵や、ちょーすげー勢いで突っ込んで来る敵、なまらはええ敵など、まずはザコキャラの動きを覚えるのがハイスコアへの第一歩となる。

 前述した様に、オリジナル版はテーカンだが、ファミコンへ移植したハドソンは、本作のハイスコアをプレイヤーに競わせる全国キャラバンを展開し、大好評を得た。ここでゲームの「指南役」として登場したのが、ハドソン宣伝部に所属していた高橋利幸氏(現一般社団法人e-sports促進機構代表理事)であり、小学館との共同イベント「コロコロまんがまつり・スターフォース発売前ファミコン大会」で「高橋名人」としてデビュー。そして、本作で必殺の「16連射」を披露するや、たちまち全国のチビッ子達のハートを鷲掴みにし、ゲーム化、マンガ化、アニメ化、映画化(毛利名人と戦うんだーぜー)、CDデビューなど、一躍人気を博す。「ゲームは1日1時間」という名言も有名ですな。

 高橋名人効果もあって大成功を収めた第1回全国キャラバン。そこで、ハドソンは翌年の第2回大会用ソフトとして、続編となる『スーパースターフォース』の開発に入るが、86年に『マイティボンジャック』でファミコンのサードパーティに参入したテーカンが同名タイトル『スーパースターフォース 時空暦の秘密』を開発中だったため、ハドソン側の「続編」は『スターソルジャー』として発売。本作をよりブラッシュアップした爽快感で約100万本の大ヒットとなり、以降も『ヘクター'87』、プラットフォームをPCエンジンに移して『ガンヘッド』、『スーパースターソルジャー』など、次々とヒット作を輩出。

 『ゼビウス』がビデオゲーム業界に与えた影響は計り知れないが、この『スターフォース』のファミコン市場での影響は、ある意味で『ゼビウス』以上だった。

 一方のテーカン改めテクモも、オリジナルのアーケード版こそ『センジョウ』の流用基盤であったために売り上げ自体はそうでもなかったが、このファミコン版のヒットによるロイヤリティー収入は相当の額であったと思われる。また、海外版ファミコンのニンテンドー・エンターテイメント・システム版への移植はテクモ自身が行っている。

 現在での中古市場価格は100円程度と非常に入手しやすく、また、ハドソンからキャラバン用ソフトのパックソフトとして95年にスーパーファミコンで発売された『キャラバンシューティングコレクション』、06年発売のゲームボーイアドバンス用ソフト『ハドソンベストコレクションVol.5 シューティングコレクション』の他、プレイステーション4やニンテンドーSwitchなどの各種ダウンロード販売など、多くのプラットフォームで今も遊ぶ事が可能だ。

 そして、高橋名人もまた、現在も多くのメディアで活躍中である。14年にはゲームの企画・開発会社であるドキドキグルーヴワークスを設立し、代表取締役名人に就任。また、16年には一般社団法人e-sports促進機構代表理事に就任した他、映画『THE NEXT GENERATION パトレイバー』など、役者としても映画やドラマに出演中のナイスガイである。

 ちなみに、僕は本作発売時に全く記憶にない人の家でこのゲームをプレイしており(なにそれこわい)、そして現在、いつどこで入手したのか全く記憶にないのに手元にソフトがあるのだった。謎である←そーとーどーでもいい話。あとなー、プロ野球やJリーグの後ろ盾があるとは言え、どー考えてもe-sportsはスポーツじゃねーよなー。



(C)1985 TEHKAN LTD.and HUDSON SOFT

2015/11/04

エクセリオン

【発売】ジャレコ
【開発】トーセ
【発売日】1985年2月11日
【定価】4,500円
【媒体】ファミコン用カートリッジ
【容量】192Kbit
【ジャンル】シューティング




独特のシステムで他社との差別化を図った意欲作


【ストーリー】 
 宇宙世紀2991年。青銀河CP17ゼニスの第6惑星「エクセリオン」は、かつて友好関係にあった第7惑星「ゾルニ」の奇襲を受けた。ゾルニ軍撲滅のため、エクセリオン軍の最新鋭迎撃機「ファイターEX」は次々と発進して行った…。


【概要】
 オリジナル版は83年にジャレコがアーケードで発売した縦スクロールシューティングゲーム。擬似3Dによる背景描写や、自機にかかる独特の慣性、敵を連続して撃ち落とす事でスコアが増加する「コンボボーナス」など、特徴的な要素を盛り込んで『スペースインベーダー』(タイトー)や『ギャラクシアン』(ナムコ)との差別化を図った意欲作。本作がジャレコのファミコン参入第1弾ソフトとなる。


【ゲームシステム】
 擬似3Dによる縦スクロールシューティングゲーム。山岳地帯、草原、未来都市、遺跡の4ステージ+ボーナスステージによるループ。自機の「ファイターEX」には慣性がかかっており、逆方向のボタンを押してバランスを取る必要がある。攻撃方法は2種類。連射ができるものの弾数に限りがある「シングルビーム」と、連射はできないが弾数制限がなく2発同時に発射できる「デュアルビーム」を使い分ける。シングルビームは敵を倒す事でチャージされるため、コンボボーナスを狙って1発も撃ち漏らさなければ弾数は相殺されて減らない仕組みだ。また、ボーナスステージでは、弾数制限が解除されるので、弾数を減らさずにチャージできる。

【総評】
 本作は特に昨今のインターネット上で低評価を受けているが、実際にプレイしてみれば、その評価の多くが表面的なものである事が分かるだろう。確かに独特の操作感覚に慣れるまでは戸惑うが、トップビュー形式の固定画面の体裁を取りながら、自機も敵機も縦横無尽に動き回る全方位スクロールの要素を組み合わせ、緊張感あるドッグファイトの表現に成功している。また、画面の左右両端は繋がっているのだが、この「空間」は敵機のみしか移動できない事も、プレイヤーに戦闘空間の広さを感じさせる。画面下部の擬似3Dも当時としては珍しく、『スペースハリアー』(セガ・エンタープライゼス)を彷彿とさせるが、登場は本作オリジナル版の方が2年も早い。

 緊張感を生み出す要素は他にもある。慣性がかかるため、敵機の動きを先読みしながら出現パターンを覚え、シングルビームで一掃。一方のデュアルビームは、自機から発射した弾は敵機に当たるか画面外に消えるまで次弾を撃てない。どちらを使うにせよ、無駄弾を撃たずに連続して敵機を撃墜し、コンボボーナスを狙うのだ。そして、その攻撃のパターン化による緊張感の薄れを回避しつつ、他社との差別化を図るために慣性が加えられた。いや、全部僕の想像ですけどね。『忍者じゃじゃ丸くん』の項でジャレコの体たらくっぷりを嘆いたが、本作開発時のジャレコにはその独特のセンスを活かす技術と意欲があったため、そこまで考えて作っていたとしても不思議ではない気がするのだ。

 何の世界であっても、他とは違う新しい試みを実践する際に失敗は付き物だ。本作の試みがゲームとして「失敗」とは思っていないが、人を選ぶ作品なのは確か。比較的低学年層の多かったファミコン用ソフトの中では、必ずしも「成功」とは言えないのかもしれないが、後年になって「クソゲーとして笑ってやろう」という安易なレビューが掃いて捨てるほど生まれた時に、なぜか本作はよく取り上げられるフビンな作品のひとつである。僕はヒットを狙った大作主義の安牌ゲームよりも、少々イビツになっても新しい試みをする開発者の志が見え隠れしたゲームの方に惹かれる。この『エクセリオン』もそんなゲームのひとつなのだ。



(C)1986 JALECO LTD.

2015/04/24

忍者じゃじゃ丸くん

【発売】ジャレコ
【開発】トーセ
【発売日】1985年11月15日
【定価】4,500円
【媒体】ファミコン用カートリッジ
【容量】256Kbit
【ジャンル】アクション



UPLとジャレコ(下)


【ストーリー】
 裏切者のなまず太夫が我らのアイドル・さくら姫をさらってしまった!兄・忍者くんは修行の旅。留守を預かる弟のじゃじゃ丸くんが1人でさくら姫を助けに行く事になった。兄者の教えを受け、今や一、二の忍法の腕を競うじゃじゃ丸。果たしてじゃじゃ丸くんは、妖怪達を倒して悪のなまず太夫からさくら姫を救い出せるのだろうか!


【概要】
 前作『忍者くん 魔城の冒険』から派生した横スクロール型アクションゲーム。前作はUPLから発売されたアーケード版の移植だったが、今作はジャレコのオリジナル作。前作の基本システムを踏襲しつつ、多彩な敵キャラクターやアイテムによるパワーアップ、忍法を使って召還する巨大蛙「ガマパックン」の登場など、オリジナル版の世界観を更に膨らませつつユーザー層の間口を広げた新要素により、約100万本を売り上げた。全21ステージ。


【ゲームシステム】
 1ステージに登場する敵キャラクター8体を制限時間内に全滅させればクリアという基本部分は前作をそのまま継承。3面ごとに敵キャラクターが入れ替わり、1体のみ中ボス的存在で登場するキャラクターが以降のステージではザコキャラに置き換わるという部分も同じだ。画面構成は縦スクロールから4階構造の横スクロールに変更され、一部の天井をジャンプで壊すとアイテムが出現する様になった。この画面構成と、アイテムを発見する楽しみにより、独特のモッサリしたジャンプに対してストレスをあまり感じずにプレイできる様になった。


 飛距離の短い手裏剣と、相手に体当たりを喰らわせて気絶させるというアクションは前作同様だが、全体の難易度は低くなっているため、ライトユーザーにもとっつきやすくなった。ステージ13以降に登場する「ピン坊」&ステージ16以降に登場の「カクタン」は一度気絶させてからでないと手裏剣が効かない強敵だが、救済策はある。アイテムを3種類集めると忍法でガマパックンが呼び出され、ステージ内の全ての敵を食べ尽くす事ができるのだ。呼び出すステージのタイミングさえ図れば、難敵揃いの後半戦もある程度は力技でクリアする事ができるのだ。


【総評】
 どこか哀愁を漂わせる前作とは異なり、賑やかな画面に愛らしいキャラクター(「おゆき」がかわいい)、耳に残る軽快なBGMなど、短期間で見事にオリジナル版を昇華させた本作は、2ヶ月前に発売された『スーパーマリオブラザーズ』(任天堂)の大ヒットによるファミコンブームと、前月から始まったテレビアニメ『ゲゲゲの鬼太郎』による妖怪ブームという2つの流れにうまく乗った事もあり、ミリオンセラーを達成した。「養子」として買い取った「じゃじゃ丸くん」は、デビュー作でジャレコを代表するキャラクターとなり、オリジナル版の『忍者くん』さえジャレコ製と思うユーザーもいるほどだった。

 だが、じゃじゃ丸とジャレコはこのデビュー作以降、迷走し続ける事となる。翌86年には『じゃじゃ丸の大冒険』がリリース。『忍者くん』から受け継いだ基本システムを捨て、『スーパーマリオ』タイプのありがちな横スクロール型アクションゲームに、本作で助け出した「さくら姫」が実は偽者だったという文字通り取って付けたストーリーが添えられた凡庸なキャラクターゲームだった。基本システムのみならず、UPLと約束した「忍者くんの弟」という設定もこの作品以降葬り去られた。ジャレコが志を捨てた作品と言ってもいいだろう。

 一方のUPLは、この『じゃじゃ丸』シリーズを「自分達の預かり知らぬもの」として、87年にアーケードで『忍者くん 阿修羅ノ章』を発売。『忍者くん』を正統進化させつつ、「産みの親」としての志が随所に見られる奥深いアクションゲームに仕上げた。翌88年には初めて自社ブランドでファミコン版も発売。だが、その難易度の高さは『じゃじゃ丸』シリーズのライトユーザー層には合わず、販売本数の少なさも災いしてか、「隠れた名作」としての評価に留まったまま、4年後の92年に倒産してしまう。

 UPLの倒産で権利による縛りが事実上なくなったジャレコは、その後、キャラクターデザインを無残なほどマンガチックに変えたRPGや、シリアスタッチへ180度方針転換したアクションRPG、再びライトユーザー層を狙って全世界から宇宙にまで無意味に世界観を広げたアクションゲームなど、節操なく駄作を輩出し続けた。ジャレコとしては任天堂の「マリオ」の様な看板キャラクターに育てたかったのであろう事は容易に想像がつくが、「忍者」というキャラクターにそこまで汎用性の高さはない。新作がリリースされる度に、じゃじゃ丸は個性を失っていった。ジャレコはあまりにもじゃじゃ丸に固執し過ぎた気がするのだ。

 ファミコン初期サードパーティ6社(ハドソン、ナムコ、ジャレコ、タイトー、カプコン、コナミ)の中でジャレコが輝いていた時期は、ごくごく僅かな期間だ。それは一連の『じゃじゃ丸』シリーズを見れば分かる様に、キャラクターを生み出す力も、大事に育てる土壌もなく、ゲームメーカーとしての志さえ見失っていたからではないか。そうさせたのは本作のミリオンセラーにあったのかもしれない。いずれにせよ、独創的でどことなくオシャレな作風は、本作以降急速に色褪せていった。結局、「ジャレコ」というブランドがゲームファンの中で確立されたのは、93年に登場する『アイドル雀士スーチーパイ』シリーズまで待たなければならなかった。

 ジャレコの迷走は更に続く。00年に香港の通信会社に買収され、ゲーム開発部門が大幅に縮小。一時は不動産業界や証券業界に参入するなどして、06年にジャレコ・ホールディングスへと社名を変えるが経営改善の見込みは立たず、09年に今度は韓国のオンラインゲーム会社の子会社となる。その会社も総額22億円以上という負債を残して14年に破産。辛うじてゲーム開発部門だけは残っているらしいが、これまでに発売した全ての作品の権利をハムスターへ譲渡し、その幕を閉じたのだった。

 コアユーザーの心を掴んだ個性的な兄「忍者くん」と、ライトユーザーの支持を受けミリオンセラーのデビューを飾った弟の「じゃじゃ丸くん」。UPLとジャレコの両社がなくなった今となっては、どちらの「親」に育てられた方がよかったのか分からないが、こうして今も時折遊ばれる事が、兄弟にとっては一番幸せなのかもしれない。



(C)1985 JALECO LTD.

2015/04/21

忍者くん 魔城の冒険

【発売】ジャレコ
【開発】トーセ
【発売日】1985年5月10日
【定価】4,500円
【媒体】ファミコン用カートリッジ
【容量】192Kbit
【ジャンル】アクション




UPLとジャレコ(上)


【概要】
 オリジナル版は84年にUPLが開発したアーケード版で、翌85年にジャレコよりファミコンに移植されたアクションゲーム。プレイヤーは「忍者くん」を操り、岩山や天守閣などの足場を上下に移動しながら敵と戦うが、特にストーリーはない。


【ゲームシステム】
 サイドビュー形式のアクションゲーム。基本動作は左右の移動、左右のジャンプor降下、手裏剣を投げるというシンプルな操作方法だが、忍者くんは忍者のくせに真上にはジャンプできず、加えてジャンプの幅も大きい。また、上ボタンとジャンプボタンを同時に押すと下段へ降下する。通常のアクションゲームにおけるジャンプとは正反対の動きに加え、忍者にあるまじきモッサリした動作に初見ではにんともかんともと思うかもしれない。まずはこのクセのあるジャンプを会得しない事には始まらないでござるよ。1ステージに登場する敵キャラクターは8体で、制限時間内に全滅させればクリアとなる。全32ステージ。

 忍者の武器は当然手裏剣だが、飛距離が短く、連射もできない。敵も手裏剣や鎌などの飛び道具で攻撃してくるため、正面から撃ち合っても相手の飛び道具とぶつかって相殺されてしまい、プレイヤーが不利となる。そこで、うまくジャンプを使ってまずは敵に体当たりを喰らわすでござる。飛び道具に当たると一発アウトだが、敵の体に触れてもダメージは受けず、相手がビコビコと2秒ほど気絶する。この隙に手裏剣を当てれば比較的簡単に倒せる…と言いたいところだが、これらの条件はプレイヤー側も同じであるばかりか、敵は複数連なっている場合も多々あるので、ひとたびジェットストリームアタックを喰らえば終わりである。にんともかんとも。

 倒した敵は画面最下部まで落下するのだが、この時に更に手裏剣を当てるとボーナス点が入る。なにせ開始時の残機は3、パワーアップもなければライフもない一発即死のゲーム。長丁場を戦い抜くには残機を増やすしかなく、そのためにはとにかく高得点を狙う以外にない。忍者の世界とは屍にさえ容赦しない非情なのでごわす←キャラ間違い。また、無駄な手裏剣をひとつも投げない=8発でクリアした場合もボーナス点が入る他、敵を倒した直後に一定時間現れる「巻物」を取ったり、残り時間が80秒を切ると落ちてくる「魔法の玉」を集めてボーナスステージへ行くなど、得点を稼ぐ方法はいくつもあるが、その全てにおいてプレイヤーには一定以上の技量が求められるのだ。


【総評】
 本作では敵キャラクターに複数の行動パターンが設定されているらしく、いわゆる「覚えゲー」的な攻略パターンが通用しない。低年齢層向けのパッケージイラストやかわいらしい見た目のゲーム画面とは裏腹に、実際には相当なテクニックが要求されるゲームなのだ。アーケード版と比べて低い評価を目にするこのファミコン版だが、クセのある基本動作をプレイヤーの腕一本で乗り切るテクニック重視のアクションゲームとして、本作はもうちっと評価を見直されてもいいのではなかろーか。

 さて、ここからはひゃくぱー主観となるので、「オレは三度のメシよりジャレコが好きで好きでどうしようもにくらいジャレコ命だぜーっ!」というジャレコファンの御仁には先に謝っておきます。ごめんなさい。85年にハドソン(現コナミデジタルエンタテインメント)、ナムコ(現バンダイナムコエンターテインメント)に続いてファミコンへ参入したジャレコだが、初期サードパーティ6社(ハドソン、ナムコ、ジャレコ、タイトー、カプコン、コナミ)の中ではいささかブランド力に欠けていた。同年2月に『エクセリオン』、翌3月には『フォーメーションZ』を発売するが、共にマニアックでファミコンのユーザー層にはイマイチ引きが弱かった。

 一方、UPLは栃木県のソフトハウスで、本社には70名ほどが在籍していたらしいが、実質的な開発は東京支店の10名弱で行われていたそうだ。個人的には、一般的な知名度は低いものの高い実力を持つソフトハウスという印象がある。ブランド力の向上と新作リリースを急ぐジャレコの目に『忍者くん』がどういう経緯で止まったかは不明だが、比較的早くファミコンへ移植したジャレコにとって相応の費用対効果があったのは確かだろう。正確な販売本数こそ公表されていないが、初期サードパーティの特権で、生産数の制限がなく、シールやメンコといったグッズが駄菓子屋でさえ売っていた。二兎追うジャレコは二兎とも手にしたのだ。

 本作の売り上げが相当よかったのか、これで気をよくしたジャレコは、UPLが産んだ本作のキャラクター「忍者くん」を自社キャラクターとして養子にしたいと言い出した。結果的にはUPL側が一部条件付きで「忍者くん」のキャラクター権利を売却。その条件とは、見た目が同じでも「忍者くんの弟」という設定にする事。こうして本作から半年後にジャレコから発売されたのが『忍者じゃじゃ丸くん』であり、以降ジャンルやプラットフォームを問わず主にライトユーザー向けにシリーズ化され、ジャレコを代表するキャラクターとなった。しかし、これはUPL側にとっては忸怩たる思いにも似た心境であったと言われているが、それは次回の講釈で。



(C)1985 JALECO LTD. (C)1985 Licensed by UPL Co Ltd.

2015/04/03

ポートピア連続殺人事件

【発売】エニックス
【開発】チュンソフト
【発売日】1985年11月29日
【定価】5,500円
【媒体】ファミコン用カートリッジ
【ジャンル】アドベンチャー
【受賞】2006年:文化庁メディア芸術祭10周年エンターテインメント部門賞





アドベンチャーゲームの古典


【ストーリー】
 突然、部下のヤスが血相を変えて飛び込んで来た。

 「大変です、ボス!ローンヤマキンの社長、山川耕造が自殺しました!」
 「な、なに~っ!?」

オレは捜査一課の腕利き刑事である。山川耕造…サラ金会社社長。その悪質な経営ぶりで人を自殺に追い込んだ事はあったが、まさかその耕造が自殺してしまうとは…。オレにはどーしても信じられなかった。

 「しかし、ボス。耕造は完全な密室で死んでいたんですよ」
 「話してみてくれ」と、オレ。
 「ええ、見つけたのは、耕造の秘書の沢木文江って女性なんですが、耕造がいつまでたっても会社に現れないので、耕造の屋敷まで様子を見に行き、そして…」

ヤスの話をまとめてみると、こうだった。屋敷に着いた文江は、門番の小宮という老人に中へ入れてもらう。「たぶん書斉におるんじゃろ」と、小宮老人。しかし、書斉のドアには鍵がかかっていて、いくら呼んでも返事がない。おかしいと思った2人は体当たりしてドアを叩き開け、そこで耕造の死体を発見したという事だった。

 「しかも、ボス。小宮が気付いたんですが、書斉のドアには内側から鍵が差し込まれていたそうです」

 ヤスの話を聞きながら、オレは煙草を灰にする作業に専念していた。これは、本当に自殺なのだろうか…?


【概要】
 『北海道連鎖殺人オホーツクに消ゆ』(アスキー)、『軽井沢誘拐案内』と共にシナリオライターの堀井雄二氏が手がけた「堀井ミステリー三部作」のひとつで、83年にPC-8801で発売されたオリジナル版では、シナリオ、プログラム、グラフィックとほぼ全てを堀井氏が1人で手がけ、「日本初の本格推理アドベンチャーゲーム」と言われている。85年にファミコン初のアドベンチャーゲームとして移植された際に、キーボードによるコマンド入力方式から予め用意されたコマンド選択方式へとインターフェイス部分が大幅に改良された。どうでもいいけど、ストーリー説明時のボスのキャラクターがちょっと軽い。

 81年に開催された神戸ポートアイランド博覧会「ポートピア'81」は、地方博ブームの火付け役となっただけでなく、神戸市の都市価値を一躍高め、博覧会終了後もそのレジャー施設を受け継いだ「神戸ポートピアランド」が80年代後半を代表する都市型テーマパークとなった。オリジナル版開発時は、ちょっと背伸びしたいお年頃の若者達にとってオシャレで旬な街の代表が神戸だったのだ。そんなわけで(かどうかは不明だが)、「ポートピア」の名を冠した本作は、神戸市を舞台にしたタイムリーな作品でもあり、約70万本を売り上げた。


【ゲームシステム】
 で、キーボードのないファミコンではコマンド選択式に変更されたわけだが、ともすれば単純作業になってしまうコマンド総当たりを防ぐため、「むしめがね」や「たたけ」コマンドでは、カーソルで画面内を自由に調べる事ができるという以降のアドベンチャーゲームの基本システムを完璧なまでに作り上げている。堀井雄二という人の仕事の全部がすごいとは言わないけど、やっぱり天才だと思うのだ。それも、さしたる根拠もないアーティスト気取りがテキトーにインスピレーションで閃いたー!ってんじゃなく、技術と工夫と根気で商品としての要求クリアを遂行するプロフェッショナルな職人気質の天才だ。すごいぜ堀井さん!


【総評】
 「犯人はヤス」-今やネットスラングとして一人歩きしたこの言葉通り、一連の殺人事件の犯人は、プレイヤーの部下である「ヤス」こと「真野康彦」である。ゲームはプレイした事ないが犯人は知っているという人も少なくない中、今更ネタバレを隠すのも無意味なくらいに犯人はヤスなのだ。改めてパッケージイラストを見ると、大きなヒントが隠されている。この緊張感の中に悲哀を感じさせるオトナなイラストに当時とても惹かれたんだけど、どうやらマンガ家の北条司氏が描いている事を今日知った!いや、確定ソースはないんだけど、確かに似てるし、もし本当なら30年目にして新たな真実を知ってビックリ!

【2018.12.22.追記】
 投稿者00様より、本作のパッケージイラストは北条司氏ではなく、当時エニックスの作品を手がけていた眞島真太郎氏(現アルテピアッツァ代表取締役社長)である事が分かりましたので、ここに訂正致します。貴重な情報をお教え下さってありがとうございます。

 いかんせん容量が少なく、タイトル画面もゲーム内の流用なら、BGMもなく、更には効果音もほんの数種類と、今の目で見れば笑っちゃうくらいシンプルで寂しいんだけど、そこがまた想像力をかき立ててくれる。ほら、ファミコンってグラフィックやサウンドがチープなぶん、想像の余地があるっつーか、今のゲームって実写バリバリ&ハイクオリティーCG満載の超美麗グラフィック!ロンドンフィルハーモニーオーケストラによる臨場感溢れる音楽!エンジン音は全て実車から録音!人の動きをそのまま取り込んだリアルな動き!手に汗握るドックファイト!飛び交う銃弾!吹っ飛ぶパトカー!浅草一帯が火の海!ハリウッド全面協力!豪華声優陣起用!日本プロ野球機構監修!ジーコがパッケージ!?っつー具合で表現があまりにも写実的かつ過剰過ぎて、それが画一化されたものになっちゃってるから、マシンとしての表現能力が劣るファミコンの方がかえって想像力をかき立てられるっつーか、まあ、懐古趣味ゲーム野郎の戯言なんですが、こういう「味わい」って馬鹿にしたもんじゃないんすよ。

 古いが故に欠点も多いっちゃ多い。登場人物の心情描写が乏しく、舞台にした神戸の街もそーんなには活かされていない。まあ、この部分はある程度プレイヤーの想像力に任せ、ファミコン初のアドベンチャーゲームとしてストレスのないインターフェイスに容量を割いた結果だろう。想像力ではどうしようもない点としては、セーブ機能はもとよりパスワードもないため、ゲーム開始からエンディングまで電源を切る事ができない。また、序盤で3D視点のダンジョンっていうか山川邸の地下室に入るんだけど、この地下が『オホーツクに消ゆ』の夕張炭鉱より広く、ここで投げ出したプレイヤーも多いはずだ。はい、30年前の僕もココで挫折しました。だって、無駄に広くて複雑なんだもん。

 他にもノーヒントで画面の何もない所を調べないと手がかりが発見できない箇所もある。とは言え、今は良質な攻略サイトも多くあるし、最短なら30分かからずにクリアできるため、他機種に移植されていないこの「古典」を紐解いてみるのもたまにはよかろうて。そして、なぜ刑事であるヤスが犯行に至ったのか、その動機を自分の目で確かめてみてほしい。



(C)1985 ENIX

2014/11/03

ドアドア

【発売】エニックス
【開発】チュンソフト
【発売日】1985年7月18日
【定価】4,900円
【媒体】ファミコン用カートリッジ
【容量】512Kbit
【ジャンル】アクション




アイデアとキャラクターが光る黎明期の佳作


【概要】
 ゲームクリエイターの中村光一氏が高校3年生の時に制作し、エニックス(現スクウェア・エニックス)が主催するパソコンソフトのプログラミングコンテスト「第1回ゲーム・ホビープログラムコンテスト」にて優秀プログラム賞(準優勝)を受賞したアクションゲーム。これを機に中村氏はチュンソフト(現スパイク・チュンソフト)を設立し、多くのパソコンへ移植。85年にはエニックスの参入ソフト第1弾としてファミコンにも移植され、約20万本のヒットを収めた。


【ゲームシステム】
 主人公の「チュン君」を操り、4種類の有象無象どもを誘導して全員をドアの中へ閉じ込めればクリアというシンプルなルール。全50面。

 中村氏の同級生がデザインしたキュートな化け物は、ひたすらチュン君を追いかけるストーキングナメクジ野郎の「ナメゴン」、チュン君との間にハシゴがあると昇ってしまう火星野郎の「インベ君」、チュン君との間にハシゴがあると下りてしまうアメーバ野郎の「アメちゃん」、チュン君がジャンプするのに合わせてジャンプする猿真似野郎の「オタピョン」の4種類(なぜかオタピョンだけタイトル画面でハブられてる)。また、ハシゴも「チュン君とモンスター共に使えるハシゴ」、「チュン君のみ使えるハシゴ」、「モンスターのみ使えるハシゴ」の3種類で、ドアの開く方向も「右」、「左」、「両開き」と3種類ある。

 チュン君は移動とジャンプ以外できないが、オタピョンにジャンプ避けは通用せず、下から突き上げを喰らって即死する。もちろん他の敵に当たっても即死だ。また、突如現れる爆弾に当たっても即死。床に落ちてる釘に刺さっても即死という一発アウトの即死野郎であり、3つしかないバッファローマンにもらった命を増やすには、敵をまとめて誘導する「半ドア」のテクニックで高得点を狙うか、時折出現するスイーツを拾い食いして得点を稼ぐしかない。が、この「半ドア」を狙ったばかりにかえって窮地に陥り、「こんな事なら地道に1匹1匹閉じ込めておけばよかった」と、己の腕の未熟さと欲深さにさいなまれるのだ。

 でも、やられた時のキュート過ぎるチュン君を見る度に癒されるのでオッケー!なにせ昔のゲーム、フクザツな事はできないが、限られたキャラクターとオブジェクトに明確な特性を持たせたアイデアが、シンプルなゲームを一段深いものにしているのだ。こういうゲーム大好き。


【総評】
 さて、この『ドアドア』、カセットを買ったのは先月で(裸で250円だったヨ!)、実を言うとこのファミコン版を初めてプレイしたのも先月なのでした。と言うのも、僕にとって『ドアドア』と言えば、83年発売のメディアがまだカセットテープだった、ロード時間に30分はかかるPC-8801版だからなのだ。

 小学4年の頃だったと思うが、僕は同級生と英会話スクールに通っていた。英会話のある日は、学校が終わるとその友達のアパートへ行き、『ドアドア』をセットしてもらう。PC-8801がゲームを読み込むまでの間、友達のお母さんがサンドイッチやお茶漬けなんかを作って食べさせてくれた。中途半端な時間に食べるそのサンドイッチやお茶漬けが、いつも無性に美味しかった。食べ終わっても『ドアドア』はまだ始まらない。そんな時、医者を目指していた友達は中学受験用の参考書を読み、僕はノートにチュン君やナメゴン達を描いて、ゲームが始まるのを待った。実際、いつもゲームをやる時間はそう長くなかったし、英会話自体も半年かそこらで辞めてしまったけど、僕にとっては思い出深い、子供の頃の記憶の片隅に『ドアドア』があったのだ。

 小学校を卒業すると、そいつは県外の私立の中学・高校へと進み、それ以来20年近く会っていない。北海道で医者になり、結婚したのを知ったのは、ずいぶん後になってからだ。僕は僕でアートディレクターとして順風満帆な時もあれば、人並みに苦労も経験して、今年フリーのデザイナーになった。もしかしたら、あいつはもうこのゲームの事なんか覚えていないかもしれない。それどころか、僕の事さえ忘れているかもしれない。もう会う機会はないのかもしれない。それでも、もしかして、いつかまた再会する事があるのなら、その時僕はこう言おうと思ってる。

 「一緒に『ドアドア』やろうぜ」ってね。



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