2015/11/20

マイティボンジャック

【発売】テクモ
【開発】テクモ
【発売日】1986年4月24日
【定価】4,980円
【媒体】ファミコン用カートリッジ
【ジャンル】アクション




高難易度を誇るテクモの人気作


【ストーリー】 
 7つの海と6つの大陸の平和を守るパメラ王。誰もその姿を見た者がいない伝説的な王である。ある日、地上界を破滅に導こうとする魔王ベルゼブルによって、このパメラ王とその王妃、王女が連れ去られてしまった。そこは魔の大ピラミッド。この中のどこかにパメラ王が幽閉されている。しかし、王の救出に向かったマイティ一族の兄弟達はことごとく魔王の前に敗れ、あとには末っ子ジャックが残るのみ。ジャックは遂に勇気を振り絞って、最後の闘いを挑んだ。負けるな、我らのジャック!世界の平和を呼び戻せ!


【概要】
 84年にテーカンがアーケードで発売したアクションゲーム『ボンジャック』の続編で、同社のファミコン参入第1弾ソフト。同時に社名をテクモ(現コーエーテクモゲームス)へと変更した。全256画面にも及ぶ広大なピラミッドの中には多くのトラップが仕掛けられており、難易度は相当に高い。ゲームオーバー時には、それまでのクリアしたラウンド数やスコア、倒した敵キャラクターなどの条件によってプレイヤーの腕を評価する「ゲーム偏差値GDV(Game Deviation Value)」が表示される。


【ゲームシステム】
 サイドビュー形式のアクションゲーム。全16ラウンド。主人公「ジャック」は基本的にジャンプしかできず、十字キーとの組み合わせによってジャンプの高さと降下中のスピードを調節する。降下中のスピードを落として十字キーの左右を押せば空中浮遊もできる。画面内の爆弾を集めてのスコアアップや、宝箱に隠されているアイテムなどを見つけつつ、敵や障害物を避けながらピラミッド内を探索し、囚われの身となっている兄弟と王家一族を救い出すのが目的。GDVは7段階評価で、最低は48~54、最高は75~100。


【総評】
 前作『ボンジャック』を元に僅か3ヶ月で開発された本作は、耳に残る軽快なBGMが楽しいファミコン初期を代表するアクションゲームのひとつで、その見た目とは裏腹に恐ろしく高い難易度に投げ出した人もきっと多いはずだ。256画面にも及ぶ広大なピラミッド内は、倒しても倒しても湧き出てくる敵キャラクター、ノーヒントの隠しアイテムや隠し部屋、欲を出したプレイヤーに課せられる時に死を以ってでしか出る術がない「拷問部屋」などなど。更にはマルチエンディング制を採用しており、苦労してクリアしても報われない可能性まである徹底っぷりだ。当時、友達の家で数人がかりでプレイして投げ出したが、オトナになって久しぶりにプレイした今回も途中で投げ出した。だって難しいし!

 とは言え、高い難易度に対する救済措置も用意されている。至る所にある爆弾を20個集めると出現する「パワーボール」。これを取ると画面内の敵が金貨に変わり、更にこの金貨を40枚集めると1UPアイテムの「エクストラコイン」が出現する。無視して出口に飛び込んでもクリアできるが、地道に進めればいつかは(ある程度)道が開くはずだ。また、宝箱の中に入っている「マイティコイン」を集めると、「マイティパワー」が使え、ノーマル状態では不可能だった宝箱を開けたり、敵を金貨に変える事ができる。一見して無尽蔵に湧き出る敵も、一画面内での表示数が決まっているため、スクロールアウトさせれば消せるのだ。

 難易度の話ばかりになったが、ゲームの完成度自体も3ヶ月で作ったとは到底思えないほど高い事を忘れてはならない。上下左右はもちろん、斜めへの入力もストレスなく反応する操作性は極めて良好だ。基本アクションがジャンプしかないだけに、この操作性のよさは本作のキモと言ってもいい。操作性のよさとそれに裏打ちされたテクニックが高い難易度に対するフォローとしてしっかり機能しているからこそ、本作は今でもファンが多い名作のひとつに挙げられているのだ。

 現在ではWii Uやニンテンドー3DSなどのバーチャルコンソールでダウンロード販売されている。また、フジテレビ公式サイト内では、本作をパロディ化したブラウザゲーム『お台場ボンジャック』で遊ぶ事ができる。同局の番組『ゲームセンターCX 有野の挑戦』では、第6シーズンに都合3回本作が採り上げられた繋がりからか、14年には『ゲームセンターCX THE MOVIE 1986 マイティボンジャック』という本作がタイトルとなった映画まで公開され、ストーリー中でも重要な役割を果たしている。びっくりするほど面白くなかったけど。



(C)TECMO LTD. 1986

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