
【発売】データイースト(普及版1,500円シリーズ:メディアリング)
【開発】データイースト、光遊社
【発売日】1999年8月5日(普及版1,500円シリーズ:2001年2月1日)
【定価】4,200円(普及版1,500円シリーズ:1,500円)
【媒体】プレイステーション用CD-ROM
【ジャンル】アドベンチャー/オムニバス
ハードボイルドアドベンチャーの初期名作集
【収録作品】

02.探偵神宮寺三郎 横浜港連続殺人事件(88年2月26日)
03.探偵神宮寺三郎 危険な二人(前編)(88年12月9日)
04.探偵神宮寺三郎 危険な二人(後編)(89年2月10日)
05.探偵神宮寺三郎 時の過ぎゆくままに(90年9月28日)
【概要】
データイーストが誇るハードボイルドアドベンチャーゲーム『探偵神宮寺三郎』シリーズのファミコン用ソフト全5本を収録したオムニバスソフト。シリーズの話題やミニゲームが楽しめる「神宮寺TOPICS」、各作品のパッケージや説明書などで使用された寺田克也氏のイラスト、オリジナル音源はもちろんのこと、同社サウンドチームのゲーマデリックによるアレンジ曲まで聴ける「ART & SOUND GALLERY」、90年代に再開した新シリーズ3作の紹介、各ゲームを進めるうちに埋まっていく登場人物名鑑など、データライブラリーとしての価値も高いデコファンのみならずアドベンチャーゲームファン必携の1本だ。買おう!
【ゲームシステム】

【総評】
シリーズ第1作『新宿中央公園殺人事件』から毎年続編が発売されていたが、90年の『時の過ぎゆくままに』を最後に、シリーズはいったん終了する。その大きな理由は、「コマンドを総当たりしていけばいずれクリアできてしまう」という、コマンド選択式アドベンチャーゲーム全般のシステムの行き詰まりによるものだった。スーパーファミコンでは『弟切草』(チュンソフト)や『夜光虫』(アテナ)などのサウンドノベルとして、既にCD-ROMを導入していたPCエンジンでは『うる星やつら STAY WITH YOU』(ハドソン)や『機動警察パトレイバー グリフォン篇』(リバーヒルソフト)などのデジタルコミックとして袂分けするが、91年から95年の間は、コマンド選択式アドベンチャーゲーム不遇の時代だった。この時期にヒットしたほぼ唯一と言ってもいい92年発売のPCエンジン版『スナッチャー』(コナミ)でさえ、オリジナル版は88年発売の作品だった。

シリーズに一貫しているハードボイルドタッチの作風は、比較的低学年層をターゲットにしたファミコン市場の中ではかなり異例だった。ダシール・ハメットによる『マルタの鷹』の「サム・スペード」、『大いなる眠り』や『長いお別れ』などレイモンド・チャンドラーの「フィリップ・マーロウ」といったハードボイルド探偵小説の匂いを醸し出す異例の作風は、シリーズを重ねるごとに深みを増し、特に再開後のシリーズでは、寺田氏の原画そのままのグラフィックとジャズ+サスペンス調の音楽が確固たる様式美を築いた。シリーズ累計約222万本を売り上げながら現在も家庭用アドベンチャーゲームでは最長シリーズ記録を更新中だ。

01年にはメディアリングの「普及版1,500円シリーズ」より廉価版が発売されている。オープニングに「普及版」のテロップが表示される以外は全く同じ内容で、中古市場でも500円前後と入手しやすい。04年からはワークジャムが携帯アプリ及びニンテンドーDSiウェアでの短編シリーズも展開。本作収録の4本もフルリメイクされて配信された後、07年に発売された『探偵神宮寺三郎DS いにしえの記憶』(アークシステムワークス)にもそのアプリ版が収録されているが、これはハッキリ言ってリメイクの出来があまりに酷かったのでなかった事にしよう。

Goods
発売前に配布されたA4二つ折りのチラシ。神宮寺、洋子、熊野の紹介と、収録作の概要(結構細かい)がビッシリと書かれているなかなか濃い内容。裏面は3ヵ月後に発売される『灯火が消えぬ間に』のキービジュアルが「NEXT COMING SOON」の文字と共に掲載されている。
(C)1999 DATA EAST CORP.
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