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2026/09/10

サンパギータ

 

 



【発売】ソニー・コンピュータエンタテインメント
【開発】シュガーアンドロケッツ、プロダクションI.G
【発売日】1998年10月15日(PlayStation the Best版:2001年8月16日)
【定価】4,800円(PlayStation the Best版:2,800円)
【媒体】プレイステーション用CD-ROM
【容量】CD-ROM2枚組
【ジャンル】アドベンチャー
【周辺機器】アナログコントローラ対応(振動のみ)




「やるドラ」とは何だったのか その3


【ストーリー】
 その夜、主人公は秋の冷たい雨が降り続く中、黙々と家路を急いでいた。気の乗らない合コンに付き合い、終電を乗り逃し、友人の1人にホテル代を貸したおかげでタクシーにも乗れず、ずぶ濡れになって歩くしかなかった。

 ようやく見慣れた光景が見えた辺りで、主人公はふと、物音を聞いた様な気がした。酒屋の裏の小道。覗き見ると、ひとりの女性がしゃがみ込んでいる。主人公の呼びかけに振り向いた彼女は、東南アジア系の朝黒い顔立ち。額からは血が流れている。放っておけなくなった主人公は、彼女を背負い、自分の部屋へ連れて行く。人心地ついたところで名前を聞いた主人公に、彼女は「マリア」と名乗る。出身はたぶんフィリピン。

 「...たぶん?」

 マリアはどうして雨の夜にあんな場所にいたのか、まるで思い出せないと言う。手掛かりを求めてマリアの荷物を調べてみると、2枚の写真に、カセットテープや化粧品、現金の他に一丁の拳銃が出て来る。驚いた主人公。混乱状態のマリアに、どういう言葉を掛けていいのか分からない。とりあえず、その晩は彼女を休ませ、明朝、主人公はバイトに出かけた。多分マリアはいなくなっているだろう。そう思いながら帰宅すると、部屋の中は綺麗に掃除されていて、見る限り誰もいない。だが、突然トイレの中から音がして、マリアが出て来る。

 「だって、行くトコないもの」

 こんな風にして、主人公とマリアの同居生活が始まった…。


【概要】
 「みるドラマから、やるドラマへ。」のキャッチコピーで98年にソニー・コンピュータエンタテインメント(現ソニー・インタラクティブエンタテインメント)が発売した「やるドラ」シリーズ4作の第3弾。キャラクターデザインは『アップルシード』や『攻殻機動隊』の士郎正宗氏。アニメーション制作会社のプロダクションI.Gによるフルアニメーション&フルボイスのクオリティは非常に高い。やるドラシリーズは当初、『フォーシーズンストーリー』という1本のソフトとして企画されていたため、各作品ごとに季節と花が設定されている。本作は当初『ダヒル・サ・ヨ』=フィリピン語で「あなたの故に(あなたを愛している)」というタイトルで、舞台の季節は「秋」、象徴的な花は「マツリカ」=フィリピン語で「サンパギータ」。


【ゲームシステム】
 フルアニメーション&フルボイスで進行するアドベンチャーゲーム。プレイヤーは途中で表示される選択肢を選び、その結果によってストーリーが変化する。マルチエンディング方式で、ベストエンディングは3種類、ノーマル及びバッドエンディングは25種類ある。1周するごとにゲーム中に存在する経路のうち、どれくらいの経路を通過したかが分かる「達成率」が表示され、その数字が高くなるごとに新たな選択肢が登場するため、プレイする度にストーリーのバリエーションが増える。マニュアルは珍しい縦読み表示で、士郎氏のイラストが大きく掲載されている。

 何度もクリアする事が前提なので、1回のプレイ時間は1~1時間半と比較的短く、また、1度クリアしただけでは登場しないキャラクターもいる。


【総評】
 「やるドラ」シリーズは4作全て「大学生の主人公が記憶喪失のヒロインと出会う」という共通点がある。そのため、そーんな簡単に上手い事いくわけないだろー的な思いは導入部分に感じるが、そこはもう『季節を抱きしめて』と『ダブルキャスト』で慣れました。まあ、これはそーゆーモンだとしよう。全体的に前2作よりブラッシュアップされており、特にアニメーション部分は、更に高品質になっている。



 ノーマルエンディングには無難な選択肢を選んでいけば比較的早く到達できるだろう。グッドエンディングに辿り着けなかった場合は、2回目以降のプレイで選択肢に「こっちを選べ」と「H」マークが表示され、グッドエンディングへと導かれる。前作でも述べたが、これをやっちゃうと完全に「見るドラマ」になってしまい、「見るドラマから、やるドラマへ。」の「やるドラマ」の根本が揺らいでしまう。また、本作からはプレイヤー(主人公)にも「声」が充てられ、更に「見るドラマ」の割合が強くなり、それに合わせてゲーム性=「やるドラマ」の部分が弱くなってしまっている。



 『季節を抱きしめて』のSFファンタジー、『ダブルキャスト』のサイコサスペンスに次ぎ、本作では硬派なサスペンスドラマに仕上がっている。キャラクターデザインとイラストを担当した士郎氏のグラフィックも際立っている。個人的好みだが、シナリオも前2作より面白かった。アニメーションも更に美しく動く様になっている。一方、主題歌「Hold On」はフィリピンのジャズ歌手であるマリーン・ペーニャ・リム氏の歌声はゲームとも合っているが、シナリオやグラフィックに比べて、サウンド面の弱さが目立つ。



 やるドラの面白さは、1度同じ選択肢を選んでノーマルかバッドエンディングにまで辿り着くと、次のプレイでは、新しい選択肢が出るだけではなく、前回までと同じ展開と思いきや、選択肢が出ずに急展開する事も多く、本作ではその部分もまたストーリーの展開が何度も気になって繰り返しプレイしたくなる魅力的なストーリーだ。前述した事と反対になるが、そう言った意味では好みに合ったストーリーでは、「やるドラマ」の部分も決しておろそかにはなっていないと言えるかもしんない。


 本作ではアニメ『機動戦士ガンダム』や『うる星やつら』、『めぞん一刻』などの演出を手掛けたやまざきかずお氏の原作によるものだが、主人公の住んでいた木造アパートやフィリピンを彷徨っていた際に女性に案内された事、そして、そのフィリピン人の女性と結婚して移住。日本には「出稼ぎ」の様な生活をしていたそうで、やまざき氏の経験が存分に反映されている。特にフィリピンの日差しの美しさなどは素晴らしい描写だ。また、回想シーンで出て来る「九龍」の街並みは、映画監督の押井守氏が『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』で使用した写真集を使っている。『攻殻機動隊』は士郎氏原作のマンガであり、面白い繋がりですな。やまざき氏はネットでの情報によれば、13年に糖尿病を患い、右足の膝から下を切断。逆に奥様が日本へ移住しているという。そうだよなぁ、レトロゲーム扱ってるブログだけど、プレイステーションやセガサターンは喋るし動くしで「レトロ感」が個人的には薄くても、およそ30年前後経って、開発スタッフもその分お歳を召されているんだもんなぁ。しみじみ。

 個人手には必ずしもノーマルエンディングが悪いわけではなく、展開や個人的思いではそれがグッドエンディングとなる時も多い。ここがやるドラシリーズの面白い部分だ。逆に「グッドエンディング3」なんかは僕には共感できなかったなーとかね。やるドラが発表された際に、一番個性的で面白そうだと思っていたけど、その考えは間違ってなかったですよ。3作目だからこそ、個性的と言うか少しクセのあるデザインやストーリーにしたのはよかったと思う。



Books
『オフィシャルやるドラファンブック サンパギータ CD-ROMスペシャルデータ集』


   




【著】murmur's GROUP
【発売】ソニー・コンピュータエンタテインメント
【発売日】1998年10月15日
【定価】2,500円

 SCEIのオフィシャルブック。基本的には前2作と同じ構成。キャラクターや舞台背景などの設定画、スタッフインタビューなど、特にビジュアル面での内容が充実している。付属のCD-ROMにはグッドエンディング3種類のセーブデータ、ドラマ台本、キャラクターや舞台の設定画、スタッフインタビューと充実している。


(C)1998 Sony Computer Entertainment Inc. All rights reserved. Produced by Sugar & Rockets Inc.
※「やるドラ」はソニー・コンピュータエンタテインメントの商標です。

2026/06/24

アール・タイプ Δ(デルタ)





【発売】アイレムソフトウェアエンジニアリング
【開発】アイレムソフトウェアエンジニアリング、USP
【発売日】1998年11月19日(R's BEST版:2001年10月25日)
【定価】5,800円(R's BEST版:2,940円)
【媒体】プレイステーション用CD-ROM
【ジャンル】シューティング
【周辺機器】アナログコントローラ(振動のみ)対応




良質シューティングの条件を満たした久しぶりのシリーズ新作


【ストーリー】
 休息―西暦2163年。バイド帝国の中心域に存在する悪の根源を破壊した異層次元戦闘機R9「アローヘッド」は、任務遂行後、空間の歪みに漂っていたところを巡洋艦クロックムッシュによって回収された。クロックムッシュは、次元トンネルを抜けて太陽系へ戻り、地球の衛星軌道にある宇宙要塞アイギスに無事帰還した。バイド壊滅とR9帰還のニュースを聞き、ある者は歓声を挙げ、また、ある者は安堵の息をついた。2か月後、アイギスでは、対バイド兵器の凍結作業に入った。傷付いた「英雄」R9アローヘッドは、修復もされずアイギス内の格納庫に保管された。翌年3月、宇宙要塞アイギス一時封鎖。残存部隊として残されたのは、僅か1個小隊だけであった。

 観測―中央アジアの山岳地帯にある天文台は、大気圏突入で燃え尽きる隕石群の中に、異常高温に達しながらも大きさが変化する事なく落下する幾つかの物体を捕捉した。観測員達は一瞬どよめいたが、物体の元々のサイズがあまり大きくない事と、地上から1,500mの高さに達した辺りで小さくなりだした事とで、彼らに感心外の事となった。事実、その16秒後にはセンサーで捉えれらなくなっていた。

 異変―幾つかの都市で電子制御兵器が暴走。山岳部では異常熱反応あり。更に、R9アローヘッドと共に宇宙要塞で封印されていた殲滅ユニット「モリッツG」の地上への投下が確認された。

 出撃―モリッツGは、アジアのとある市街地に落下。惑星破壊プログラムは現在のところ機能していないものの、それ自体が備える自己防衛システムにより何者も寄せ付けない。第1級非常態勢となり、戦闘機が向かうも歯が立たず、テスト機である「R9 delta」までもが作戦に駆り出された。



【概要】
 87年にアーケードでアイレム(現アピエス。以降は便宜上「旧アイレム」と表記)から発売された『アール・タイプ』は、エネルギーを一定時間溜めて放つ「溜め撃ち」や、半無敵状態に近い「フォース」システムで大ヒットを博したサイドビュー形式のシューティングゲームの名作である。PCエンジン発売時には容量の関係から『アール・タイプ』、『アール・タイプII』の2本(ハドソン)に分けて発売されるも、その移植度の高さから、PCエンジンの代表ソフトのひとつとなった。各パソコンからゲームボーイまで数多くのハードに移植されるが、旧アイレムは94年に開発中のゲームを次々に発売中止とし、ゲーム事業から撤退。三洋物産のパチンコやパチスロ関連の内臓ソフト開発を中心とした事業展開に営業方針が大きく舵を切られた。ゲーム開発を再開するにあたっては、旧アイレムが100%子会社として「アイレムソフトウェアエンジニアリング」を設立し、ゲーム事業及び版権は同社に譲渡された。その後、ゲーム開発は「アイレム」ブランドから発売再開され、本作も久しぶりのシリーズ新作となる。


【ゲームシステム】
 サイドビュー形式のシューティングゲーム。プレイヤーは特徴の異なる「R9 Delta」、「Rx」、「R13」の計3機種から乗機を選択する。通常攻撃(連射ショットあり)、自機のスピードアップorダウンを行う。ショットボタンを押し続けるとゲージにエネルギーが溜まり、途中状態でも「溜め撃ち」ができる。また、無敵生命体「フォース」を装備しており、前方合体で前方攻撃or後方合体で後方攻撃が可能であり、敵弾を吸収する。更に、フォースで敵を倒したり、敵弾を吸収すると「Δ(デルタ)ウェポン」ゲージが溜まり、最大値になると画面上の敵を一掃できる。全7ステージ。


【総評】
 シリーズ初のフルポリゴンで描かれた『アール・タイプ』独特のグラフィックは、自機の「当たり判定」などは2D、ポリゴンは敵、特にボス機の動きに迫力を与える演出だ。また、搭乗する機体は特徴の違う「R-9 aII Delta」、「RX アルバトロス」、「R-13 ケルベロス」の3機種から選べる。難易度は3段階で、最も易しい(と言ってもそれなりに難しい)「KIDS」モードなら、「頑張ればなんとなかなる」という絶妙さで、いいシューティングゲームの条件が揃っていると言えるだろー。更に今作では地形に接触してもミスにならず、大胆な動きが行えるのも特徴だ。

 ラウンドセレクトやクレジットの増加など、裏技も多いが、簡単にコマンド入力でできるものは少なく、プレイ時間の長さや出撃回数の多さによるものが多く、条件は厳しい。あ、そうそう、ゲーム開始前のセッティング画面にある項目の中の「パイロット名(REGISTER PILOT)」は、ゲーム終盤に関係するので、きちんと名付けておいた方がいい。ロールプレイングゲームの主人公を「ああああ」で始めちゃうみたいなのはやめよう!


 サウンドはゲームサウンド専門の製作会社であるUSPが担当。『アール・タイプ』シリーズは、その独特のグラフィックが話題になるが、サウンドもまた秀逸なのだ。91年にスーパーファミコンで発売された『スーパーアール・タイプ』(旧アイレム)なんかはそのサウンドのよさを手紙にしたため当時のファミコン通信(現週刊ファミ通)に送ったら「読者クロスレビュー」に採用されたりしたのを今思い出した!金のガバスをもらったぜ!あの頃のファミコン通信はよかったよねー←また脱線する。


 しっかし、本作に限らずジジイになるとシューティングゲームは集中力が続かないのと動体視力が弱まっているので、それでも何度もトライするシューティングはいいシューティングゲームなのだ。ゲームシステム、グラフィック、サウンドなど、全てが高い水準の本作もその中の1作だ。


(C)1998 IREM SOFTWARE ENGINEERING INC.

2026/05/12

探偵神宮寺三郎 夢の終わりに


   






【発売】データイースト(普及版1,500円シリーズ:メディアリング)
【開発】データイースト
【発売日】1998年4月23日(普及版1,500円シリーズ:2001年10月19日)
【定価】5,800円(普及版1,500円シリーズ:1,500円)
【媒体】プレイステーション用CD-ROM
【ジャンル】アドベンチャー




コマンド選択式アドベンチャーゲームが頂点に昇華した珠玉の名作


【ストーリー】
 「またあの夢か…」

 吐き捨てる様にそう言いながら、最後の記憶を辿る。机上で乱雑に積み上げられたファイルの山が目にとまる。昨晩の成果だった。立て込んでいた仕事もこれで一段落する。しばしの安堵感...。ソファーで眠り込んでしまった事を少し後悔しながら、愛用の煙草に手を伸ばす。寝起きの一服…遠くの喧騒に耳を傾けながら、一度だけさっきの夢を回想してみる。だが、その疑問は、隣室から聞こえた電話のコール音によってすぐかき消されていた。

 「なぜ、今頃また…」


【概要】
 データイーストのハードボイルドアドベンチャーゲーム『探偵神宮寺三郎』シリーズの第6作目。前作『探偵神宮寺三郎 未完のルポ』を踏襲しながら、メインキャラクターデザインやムービーシーンの作画を第1作目からパッケージデザインを担当している寺田克也氏、サブキャラクターを寺田氏の作風に近いデータイーストの高橋光氏が担当。オープニングムービーは映画監督の佐藤嗣麻子氏が手掛けた。グラフィック全体の色調もシックなものに統一されている。また、サウンドは打ち込みではなく、全て同社のバンド「ゲーマデリック」によるジャズの生演奏と、細部までこだわりが溢れている。

 本作は当初、セガサターン版との同時発売を予定していたが、ゲーム中の麻薬描写がセガ・エンタープライゼス(現セガ)の倫理規定に抵触したため、セガサターン版は「18歳以上推奨」区分にされ、特に注意喚起の表示義務もないプレイステーション版との同時発売はユーザーの混乱を招きかねないとして、内容は全く同じだが発売日が異なる(セガサターン版は同年7月9日発売)。国内のゲームソフトで「暴力」や「性表現」以外、麻薬問題では初の「18歳以上推奨」ソフトとなった。

 データイーストの本作への力の入れ具合は強く、ブランクはあるが「シリーズ10周年記念」として、1作目から本作までのゲーマデリックによるアレンジメドレー、「神宮寺三郎」、「御苑洋子」、「熊野参造」各3人のラジオドラマが収録された『探偵神宮寺三郎シリーズ10周年記念CD』の8cmCDも付属している。




【ゲームシステム】
 新宿で探偵を営む神宮寺三郎を主人公にしたオーソドックスなコマンド選択式アドベンチャーゲーム。捜査に行き詰った際はシリーズ恒例「タバコ吸う」コマンドでヒントを得られる。ゲームオーバーはなく、セーブ画面終了後にザッピングのプレイヤーを選択できる。ストーリーを深く知るためにもまずは神宮寺でクリアし、後から他の3人の視点からもプレイする事をオススメする。本作もまた、難解な謎に挑むというよりも、じっくりとストーリーを楽しむスタンスが正しいと言えよう。



【総評】
 前作のユーザーからの不満点や反省点を徹底的に分析してフィードバックさせ、キャラクター造形から独特の雰囲気なども一から見直し、結果的にシリーズ随一の非常に高い完成度の作品となった。次作『探偵神宮寺三郎 灯火が消えぬ間に』発売後、03年にデータイーストが倒産し、ワークジャム(こちらも12年に倒産)、現在の発売元となっているアークシステムワークスが引き継いだ現在も、本作を踏襲しており、シリーズの大きな転換点ともなった。



 主人公の神宮寺三郎だけでなく、助手の御苑洋子、ベテラン刑事の熊野参造、本作のゲストキャラクターである洋子の友人の妹「永田三貴」の4人をザッピングして多角的にストーリーを追えるのは前作同様だが、そのフローチャートもかなり分かりやすくなっている。基本的には1度神宮寺に絞ってクリアした後、他の3人の「その日」をプレイすると全体像がディテールまで把握できる。そして、アニメーションムービーや3Dシーンなどもかなりブラッシュアップされ、全てが高品質な、コマンド選択式アドベンチャーゲームの1種の頂点にまで昇華させた。



 神宮寺だけのモードだが、コマンド選択だけではなく、今までの調査結果をまとめてみたり分析して頭を整理する「推理モード(D-MODE)」や、特定の場所(主に部屋)ではポリゴンで描かれた360度の場所をくまなく調べていく「探索モード(S-MODE)」も、調査にメリハリと緊張感、臨場感を出すのに一役買っている。ゲームに詰まったら(あまり詰まるところはないが)、いつも通りタバコを吸えば何かしら閃くが、98年当時から徐々にタバコへの印象が悪くなって喫煙場所が少なくなってきているのが分かる。うんうん、喫煙者にとっては肩身狭いよなー。


 本作のメインシナリオは、前作『未完のルポ』で企画サポート担当だった稲葉洋敬氏が執筆。架空の麻薬「PCD」を通して、「何かに凝りなければ自分を変えられない現代人の甘さ」を痛烈に描いている。エンディングは今回の事件の各人の「心象」を語っており、神宮寺でクリアすれば、4人のエンディングを選択して見る事ができる。




 とにかく、現在の目で見ても本作の出来は極めて高いクオリティで、細部の細部に至るまで隙なく製作陣のこだわりが見える、アドベンチャーゲーム好きにはぜひともプレイしてほしい傑作だ。



Books
『『探偵神宮寺三郎 夢の終わりに』全記録 Jinguji Saburo Chironicle '87-'98』

 












【著】murmur's GROUP
【発売】メディアファクトリー
【発売日】1998年5月15日
【定価】1,200円


 本作のクリアフローチャートを章立てして丁寧に描いている他、メインキャラクターのラフ画、寺田氏を始め開発陣へのインタビューはもちろん、数多にあるハードボイルド小説の中から、主人公が神宮寺と同じ特徴を持つ個性的な私立探偵が登場する書籍の紹介。そして、1作目『探偵神宮寺三郎 新宿中央公園殺人事件』から前作『未完のルポ』までの攻略、イラストなどまで、まさに「全記録」の名著である。現在は残念ながら10倍以上のプレミアムが付いており、簡単に手に取る事が出来ないのが残念だ。滅べ、プレミア価格!





Goods
「『探偵神宮寺三郎 夢の終わりに』マグカップ」




【発売】データイースト
【発売日】1998年

 前に神宮寺グッズのほとんどを手放した事は書きましたが、マグカップだけは手元に残していたのでした。いえい。たぶん1,000円前後だった気がする。グッズ日常使い派なので、画材のマーカー立てに今でも我が家の第一線で活躍(?)しとります。


(C)1998 DATA EAST CORP.

2026/04/20

ナムコアンソロジー2

 



【発売】ナムコ
【開発】トーセ
【発売日】1998年9月23日(PlayStation the Best for Family版:1999年10月14日)(PS one Books版:2001年12月6日)
【定価】5,800円(PlayStation the Best for Family版:2,800円)(PS one Books版:2,200円)
【媒体】プレイステーション用CD-ROM
【ジャンル】オムニバス




昔のナムコが好きだ! その8

【ストーリー】
 この度は『ナムコアンソロジー2』をお買い上げ頂きまして、誠にありがとうございます。おかげ様で前作の『ナムコアンソロジー1』もご好評を頂き、今回も新たに4本の作品を厳選して皆様にお届けする事ができました。前作共々末永くご愛用下さい。




【収録作品】
01.『ワルキューレの冒険 時の鍵伝説』(ファミコン版:86年    
  8月1日)
02.『ワルキューレの冒険 時の鍵伝説』(アレンジ版)
03.『キングオブキングス』(ファミコン版:88年12月9日)
04.『キングオブキングス』(アレンジ版)
05.『ナムコクラシックII』(ファミコン版:92年3月13日)
06.『ナムコクラシックII』(アレンジ版)
07.『パックアタック』(SNES版:93年10月)
08.『パックアタック』(アレンジ版)


【概要】
 ナムコ(現バンダイナムコエンターテインメント)が、過去に家庭用ゲーム機で発売した作品のオリジナル版とアレンジ版を収録したナイスソフトとして、全2本が発売された。本作はその第2弾。アーケードゲームを完全移植した『ナムコミュージアム』シリーズとは異なるコンセプトだが、ナムコファンとしてはまたまた嬉しいソフトである。
 尚、『パックアタック』は、海外版スーパーファミコンであるスーパー・ニンテンドー・エンターテインメント・システム(SNES)で先行発売され、日本では92年にアーケードで発売された『コズモギャング・ザ・パズル』にアレンジされて発売されている。国内での純粋な移植は94年にゲームボーイ用ソフト『パックパニック』に名称変更され発売された。


【ゲームシステム】
 98年はインターネットが家庭に普及した時期でもあり、本作のメニュー画面もそれを意識した作りになっている。ホーム画面では各タイトルと、「ナムコアイランド」というセーブ&ロードや、各タイトルの説明が表示される。アレンジ版にはオープニングムービーが加えられており、これもホーム画面で見る事ができる。





【総評】
 本作収録作品の中は、比較的新しい『パックアタック』を除けば、大幅にアレンジされている。『ワルキューレの冒険 時の鍵伝説』は、ファミコン版の様に初期設定はなく、画面構成からサウンドまで『ワルキューレの伝説』に準じている。ファミコン版では全方位スクロールだったが、アレンジ版では画面切り替え式になっており、すぐに敵キャラクターに追い詰められてしまったりして難易度は高いが、ゲーム開始前に冨士宏氏のイラストのムービーがあるので、個人的には嬉しい。



 『キングオブキングス』は、ロード画面のロゴも入り、これだけで1本のゲームとして発売してもいいくらいアレンジに気合いが入っているが、ファミコン版の開発元であるアトラスとの権利関係からか、サウンドはオリジナルのものになっている。欲を言えばファミコン版のN160音源を意識したサラウンドの効いた響くものにして欲しかった。


 『ナムコクラシックII』もこれまた1本のゴルフゲームとして発売されてもおかしくないくらいのアレンジだ。ファミコン版では質問に答える事でキャラクターが設定されるが(僕がやるとおっさんになる)、アレンジ版ではアニメ調の男女6人のキャラクターから任意に選択できる。また、キャディーも4人おり、こちらは立ち絵とメッセージウインドウが表示され、更にフルボイスではないが喋る。全27ホール。



 前作の時も書いたが、本作の制作コンセプトは、当ブログのコンセプトと一致しており、見た目は古くても、まだまだゲーム性じゃ今出ているゲームにも負けない作品が山の様にあるのだ。特に今作はアレンジ版の『キングオブキングス』と『ナムコクラシックII』はファミコン版の超正当進化系として、今でも熱中して遊べる完成度だ。中古市場での価格は定価からあまり下がっていないが、機会があればやりなはれ。



Books
『ナムコアンソロジー2 攻略マニアックス』












【発売】ティーツー出版
【発売日】1998年11月30日
【定価】1,400円


 『マニアックス』というタイトル通り、オリジナル版とアレンジ版のデータ類、マップ類、裏技を全て網羅しており、実用的な内容になっている。『ワルキューレの冒険 時の鍵伝説』はムービーの全グラフィックや一部ボツ案などが掲載されているのが嬉しい。最後の2ページは本作までに発売されたナムコのコンシューマゲーム機用ソフトの一覧まで付いていて、必携だと言えよー。


Produced by NAMCO LTD. (C)1998 NAMCO LTD.,ALL RIGHTS RESERVED