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2026/08/30

マザー2~ギーグの逆襲~


 





【発売】任天堂
【開発】任天堂、エイプ、HAL研究所、パックスソフトニカ
【発売日】1994年8月27日
【定価】9,800円
【媒体】スーパーファミコン用バックアップカートリッジ
【容量】24M
【ジャンル】ロールプレイング




前作の「名作」を超えられなかった「良作」


【ストーリー】
 『MOTHER 2』の舞台は、199X年の地球です。主人公の少年「ネス」が住んでいるのは、イーグルランドの緑豊かな町「オネット」。ありふれた田舎町だったオネットの新聞にも、近頃は大都市の新聞で見かけるものと同じ様な事件や事故の記事が載る様になりました。

 …そんなある日の夜、ネスは今まで聞いた事もない様な轟音とパトカーのサイレンに起こされました。ネスの家の裏庭に、巨大な隕石が落下したのです。好奇心の強いネスは、いても立ってもいられなくなり、隕石の落下現場を見に行く事にしました。

 バリケードを張り巡らせた警察官に追い返されたネスは、しぶしぶ家に戻り、まだ自分の温もりが残るベッドに潜り込みました。「明日は必ずあの場所に行くんだ...」。ウトウトとしていたネスの目を再び覚ましたのは、大きなノックの音。行方不明になった弟の「ピッキー」を探し出してくれと、隣に住む「ポーキー」が頼みに来たのです。警察官の姿も見えなくなった深夜、ネスとポーキーはピッキーを見つける事ができました。しかし、彼らが見つけたのはピッキーだけでなく…それは、地球上の生物ではありませんでした。ネスは彼から大変な事を知らされます。

 「えっ、ぼくが人類の運命を担っている子供なんだって!?」


【概要】
 89年に発売されたコピーライターの糸井重里氏による任天堂初のオリジナルロールプレイングゲーム『マザー』の続編。現代のアメリカが舞台、全ての建物が等身大で地続きになっている、ユーモアあるセリフ回し、ムーンライダースの鈴木慶一氏と任天堂主力ゲームの音楽を手がけた田中宏和氏による美しいサウンド、各所に気遣いが見られる丁寧に作られている点などは前作と同じだが、ストーリー的には前作と直接的な関りはない。キャッチコピー「おとなも、こどもも、おねーさんも。」は糸井氏によるもの。


 当初はスーパーファミコン発表時のラインナップに本作も名を連ねていたが、開発は難航を極め、幾多の発売延期を行った後、テコ入れとしてHAL研究所が加わり、発表から実に5年後に発売された。これほどの延期期間を経ての発売は稀な事である。TVCMは木村拓哉氏を起用し、前作以上の知名度と売り上げ(約52万本)になり、併せて前作も再評価される形となった。尚、続編の『マザー3』は本作より長く、発表から発売までに6年以上かかっている。


【ゲームシステム】
 トップビュー形式のロールプレイングゲーム。8つある「ぼくだけのパワースポット」で「音のかけら」を集め、最終的には「ギーグ」を倒すのが目的。基本的には前作を踏襲した形で全体的に底上げがされているが、大きく変わったのは戦闘システムだ。敵とのエンカウント方式は、前作の「ランダムエンカウント方式」(RPGでよくある突然画面が切り替わるやつですな)から「シンボルエンカウント方式」に変更された。これは、町の住人などと同じく、フィールド上に予め敵の姿が見えていて、プレイヤーが接触する事により戦闘開始となる。通常は敵シンボルが主人公達に向かって来るが、こちらのレベルが大きく上回っている場合、今度は敵が逃げ回るに様になり、力差の大きい場合は、戦闘画面に入る事なく一瞬で勝利が決まる。ザコ敵をいちいちエンカウント方式で倒す煩わしさがないナイスアイデア。また、敵と接触する際、正面から接触すると敵味方関係なく素早い者から攻撃を開始、敵の後ろを取ると先制攻撃、逆に後ろを取られると敵側から先制攻撃される。


 更に、戦闘画面ではは体力(HP)と超能力(PP)の数値が「ドラムカウンター形式」で表示され、敵から攻撃を受けた場合、すぐに数値が変化するのではなく、時間をかけて数字が増減する様になっている。敵の攻撃を受けてHPが減少中であっても、回復させるか戦闘を終えると減少は止まる。他にも、残りHPを上回るダメージを受けても、「ガッツ」の数値が高いと残りHP「1」で踏み止まる事も。パーティー全員が「全滅」するか「固まる」と、ゲームオーバー。再開後は所持金が半分に減るが、ATMに預けている分はそのままなので、なるだけキャッシュは少な目に持って置くと吉。

 戦闘システムと同じく、もうひとつ大きく変更されたのが「電話」だ。前作はセーブをする際の「パパ」にしかかけられなかったが、本作では「ママ」(かけると「ホームシック」が治るうえ、フツーの会話も楽しい)、「エスカルゴ運送」(手持ちアイテムを預け入れできる)、「マッハピザ」(HP回復アイテム「ピザ」のデリバリー)と増え、冒険をサポートしてくれる。


【総評】
 まず、大前提として、「良作」である事は間違いない。前作同様『ピーナッツ』(チャールズ・シュルツ著)の雰囲気が苦手でなければ、「スーパーファミコンでオススメのRPGは?」と問われれば、僕はとにもかくにも本作を挙げるだろう。糸井氏のユーモア溢れるメッセージや「母性(MOTHER)」を感じる温かく優しい作り。隅々まで気が利いた全てが一級品だ。


 んがっ!ここからは超個人的な感想だがっていうかこのブログ自体がそうなんですけど、言いたい事もまた山ほどあるんだわ、本作では。まずはファミコンからスーパーファミコンに変わり、できる事が増えた。ところが、前作では「それとなく」だったのが本作ではあからさまに「お使いゲーム」になってしまっている。パッケージ裏面には「イベントは大小合わせて100以上」とあるが、半分は理不尽とまでは言わないけど、必要性を感じさせないお使いイベントだ。前作でそれとくなくできていた事がなぜ続編ではできんのかー!ここを感じてしまうと、途端にやる気がマイナス30パーくらい減る。

 ゲームのパーティはデフォルト名で「ネス」、「ポーラ」、「ジェフ」、「プー」の4人の少年少女だ(もちろん名前は好きな様に変えられる)。主人公ネスの主観でプレイしてると、突然にジェフやプーを仲間にするために彼らの主観に切り替わる。また、ゲームの都度都度に天から降って来る「写真屋」。イベント時だけでなく、何もないとこでも(見えないポイントを踏むと)登場し、記念写真を撮って行く。画面もシャッターの切り替わりになる。これが、ゲームに没頭している集中力や緊張感をブツッ!っと切って、現実世界に引き戻させる。写真はなんの事はない、エンディングに「思い出の写真」として使われるだけであり、プラスとマイナスで考えたら、この写真屋の存在はマイナスと言える。他にも「これは今あなたが遊んでいるゲームの事ですよ」的な余計なメッセージが多い。興覚めである。

 そして、問題はポーキーの存在である。どこかで悪事が行われた、次は別の場所で…というイベントの動機も繋ぎも「ポーキーのせい」で済まし、狂言回しの都合のいいキャラクターになっており、開発側からすれば「使い勝手のいい便利な奴」として作られたのではないかと勘繰ってしまう。

 また、糸井氏自らが特性フォントまで作成した「どせいさん」や、魔境に追いやられた「グミ族」など、糸井氏の「個性」がよくも悪くも前作のさりげなくではく、全面に出ており、しまいには糸井氏の掌の上で遊ばされている様な気持ちになった。


 サウンド面でも「捨て曲」がなかった前作に比べ、新曲はほとんど印象に残らない。よかった曲は前作のアレンジまたは前作のアレンジCDからのアレンジと、各町のテーマ曲くらいだ。バンドマン「トンズラブラザーズ」が度々登場して曲を披露するが、個人的にはどうにも好みじゃなかった。敵キャラクターについては本作では複数人で描いてるらしく、個性的な様でそうでもなかったりする。とにかく「やりたい事を全部やって糸井重里色でベッタリ塗りました」という感じになってしまっている。『がんばれゴエモン!からくり道中』(コナミ)の項でも述べた「満開全席メガ盛り定食」になってしまっているのだ。

 こどもとおにーさんの中間くらいの発売当時も少し気になっていたが、おじさんになって今回改めてプレイしてみて、この「糸井色の濃さ」が嫌味にも感じてしまったのが正直なところ。前作が「名作」だったが、本作は「良作」の域を超えなかったなー。


 …などと不満な点ばかり書き連ねたが、そ・れ・で・も!良作です。『マザー』マニアの戯言とでも思ってくれい。ギーグを倒したらそれでおしまいではなく、これまで辿って来た場所が平和に戻った様子をじっくり尋ね歩いたり(これだけでもゆっくり楽しめば2時間は経つ)、良い点はこの何倍もあるからね。家族、特にママとの絆の深さとエンディングでは必ずやグッと来るよー。ぐんまけん!




Music
『MOTHER オリジナル・サウンド・トラック デジタル・リマスタリング』






【作曲】鈴木慶一、田中宏和
【編曲】鈴木慶一、田中宏和、David Bedford、
    斉藤毅、Michael Nyman
【歌】Catherina Warwick、Jeremy Holland-Swmith、
   Jeb Million、Louis Philippe、Jermy Budd、
   St.Paul's Catthedinal Choir
【発売】ソニー・ミュージックダイレクト
【発売日】2004年2月18日
【定価】2,500円
【収録時間】約76分

 『マザー』の項でも述べたが、オリジナル版は89年にCBSソニー(現ソニー・ミュージックレコーズ)から発売。この『デジタル・リマスタリング』版では、本作のテーマ曲「SMILE AND TEARS」のアレンジ版が最後に加えられている。また、アルバムオリジナル曲の「FLYING MAN」も本作で「フライングマン」が登場する際に使われている。名盤である。ただし、本作のアルバムはアレンジ版ではなく、オリジナル音源版収録の物しか発売されておらず、曲数も全曲ではない。これは、本作のサウンドが様々な有名ジャンルのオマージュ&パロディ曲になっている都合で未収録になったと思われる。残念。

【収録曲】
01.POLLYANNA (I BELIEVE IN YOU)
02.BEIN' FRIENDS
03.THE PARADISE LINE
04.MAGICANT (INST.)
05.WISDOM OF THE WORLD
06.FLYING MAN
07.SNOW MAN (INST.)
08.ALL THAT I NEEDED (WAS YOU)
09.FALLIN' LOVE,AND (INST.) 
10.EIGHT MELODIES
11.THE WORLD OF MOTHER (EXTENDED VERSION)
12.SMILE AND TEARS (DEMO TRACK)



Books
『任天堂公式ガイドブック マザー2~ギーグの逆襲~』
 





【著】エイプ
【監修】糸井重里
【発売】小学館
【発売日】1994年11月1日
【定価】980円

 公式ガイドブック。立体化されている登場キャラクターは立体で、されていない敵キャラクターはドット絵で掲載。マップや買い物リスト、スチャダラパーの対談、しりあがり寿氏の四コマ漫画、鈴木氏と田中氏のサウンド対談や開発陣の一言コメントなど、そつのない、しかし、読み応えありで美しく作られている。難点はマップが少し小さいってところか。いや、こどもやおねーさんにはいいけど、おじさんにはちょっと見難くて。ちょっとだけね。



Books
『マザー2 ひみつのたからばこ~Young Little boy's winding Journey!~』







【著】ファミコン通信責任編集
【監修】糸井重里
【発売】アスペクト
【発売日】1994年11月1日
【定価】1,280円

 ファミコン通信責任編集でこちらも監修は糸井氏が行っている。まずはマップが「手描き」であるという大胆さ。これは恐らく「ネスが書いた」設定だろう。また、各キャラクターの公式イラストが全て掲載されているのも嬉しい。アイテム類は編集部独自の3DCGで描かれ、ゲームの一場面を実写的にCG作成したイメージ写真も多い。また、14ページに渡る「ほんとうのひみつのふくろとじ」として、クリア後に読むと愉快な読み物も掲載。データ類に関しては安心のファミコン通信責任編集だけの事はある。公式ブック共々、クリア後にも「読み物」として楽しめる。



Goods
『どせいさんシール』

 どっかのゲーセンにいたら、突如どせいさんの等身大(?)着ぐるみが現れ、シールをくれた。いや、ホント。非売品だぞ。しかし、今世紀に入ってどせいさんに会えるとは!結構でかかった!嬉しいです!ぷー。











(C)1994 Nintendo Co.,Ltd. (C)1994 SHIGESATO ITOI / APE inc

2026/07/10

バーチャレーシング



  




【発売】セガ・エンタープライゼス
【開発】セガ・エンタープライゼス(第2AM研究開発本部)
【発売日】1994年3月18日
【定価】9,800円
【媒体】メガドライブ用カートリッジ
【容量】16M+セガ・バーチャプロセッサチップ
【ジャンル】レースゲーム
【周辺機器】ファイティングパッド6B対応




メガドライブの底力で未来へと希望を繋いだ一作


【ストーリー】
 私達は、業務用で人気を博した『バーチャレーシング』をメガドライブに移植するにあたり、2つの事を最も考慮しました。それは、「ポリゴンの高速コントロールによるスピード感」と「リアルな操作感覚」です。業務用の技術をベースに、メガドライブ用に新たに作成した高速プログラムによって、車のスピード感を保ち、尚且つ道路のバンクやヘアピンなど、リアルな表現も可能になりました。また、車体重量や摩擦係数、ダウンフォースなど、高度な物理計算を行う事で、限りなく実車に近いドライビング感覚を表現できました。それでは、私達の自信作、メガドライブ版『バーチャレーシング』をお楽しみ下さい。


【概要】
 オリジナル版は92年にセガ・エンタープライゼス(現セガ・フェイブ)がアーケードで発売したレースゲームで、F1をモチーフに、グラフィックはポリゴンでの描画機能を搭載した新世代アーケード基板である「MODEL 1」基板で開発された。「MODEL 1」基板は、『バーチャファイター リミックス』の様なポリゴンにテクスチャーを貼る事ができず、見た目はポリゴン剥き出しの「板状」パーツだけで構成されたグラフィックだが、「映像的なリアリティ」よりも「F1カーをドライブする感覚」を優先し、「ゲームが上手い人間ではなく、実際の運転の上手い人間が速く走れるレースゲーム」という観点で開発された。


【ゲームシステム】
 3Dビューのレースゲーム。レース中はドライバー視点から車体後方からの視点まで細かく6視点に切り替えが可能。アーケード版同様のコンピュータが操作する15台のマシンと競い合う「Virtua Racing」モード、プレイヤー1台でのフリー走行、2人対戦モードと主に3つのモードがある。コースは3種。「Virtua Racing」モードでは、制限時間が0になる前にコース内の各ポイントを通過して、5周する。

【総評】
 本作はオリジナル版同様、第2AM研究開発部が開発を行い、ディレクターは後に『バーチャファイター』を手掛けた鈴木裕氏、短いが印象的なアイキャッチは『Jリーグ ビクトリーゴール'96』の主題歌などでお馴染み「世界一歌の上手いサラリーマン」こと光吉猛修氏が担当している。元々は「MODEL 1」基板の性能確認のために作られたゲームだったが、出来がよかったために商品化されたという特異な経緯を持つ。F1カーの座席を模した筐体にギュッと収まり、現在の目で見れば「板人間」だが、当時は珍しかった全ポリゴンのそのリアルな動きに300円(←フツーのゲームより1プレイの値段が高かった)をガシガシ投入したのだった。僕が。



 本作メガドライブ版は、オリジナル版とほぼ遜色がない。これは、本作用に開発された「セガ・バーチャプロセッサ」チップによって、1秒間に9,000ポリゴンを表示させ、メガドライブ本体の12倍の高速演算処理を可能にした。そのため、カートリッジの形状が通常とは大きく異なり、パッケージも見た目は成形色が黒からグレーになっただけだが、内部のカートリッジ固定爪などが作り直された専用の物だ。移植度としては、ポリゴン欠けなどはあるものの、「メガドラすげえ!」と当時は思ったくらいの出来だ。


 『バーチャファイター』などと同じく、静止画ではなかなかゲームの楽しさが伝わらないが(これは当時の専門誌などでも言われていた)、テクスチャーを貼っていないポリゴン剥き出しのこのグラフィックが、今見るとかえって「無駄のないポリゴンゲームの美しさ」にも映る。「様式美」ってやつですな。アーケードでは93年10月に『リッジレーサー』(ナムコ)が登場し、セガも94年4月に『デイトナUSA』を発売。共にポリゴンにテクスチャーを貼ったグラフィックも進化したレースゲームで、徐々に『バーチャレーシング』の筐体は減っていった。そんな新技術の競争時期に発売された本作は、ハードの性能をソフト側で限界以上に引き出す「セガ・バーチャプロセッサチップ」でメガドライブの底力を見せた。次世代競争の中で現行機の意地を見せた『スターフォックス』(任天堂)と正に同じだ。

 同年12月にはメガドライブ・スーパー32Xに移植(あんまし面白くなくてビビった)され、現在はオリジナル版がニンテンドーSwitchでダウンロード販売されているが(思ったより難しくてビビった)、個人的にはこのメガドライブ版が好きなのは、もちろん思い出補正も入ってるだろーが、「新チップを専用に開発してでもメガドラで出そうぜ!」っつーセガの心意気がメガドライバーとしては嬉しかった。「Virtua Racing」モードでは難易度設定もあり、フリー走行ではもう100円玉の数を気にせず、見た目は板なのに動きはリアルなある意味不思議な空間を思う存分走れるのがいい。

 近年、「バーチャルリアリティ」という言葉がまた使われる様になったが(場合によってはまるで新しい言葉の様に)、本作タイトルの略称『V.R.』は「バーチャルリアリティ」の意味もあり、30年以上経った現在、ようやく当時のクリエイター達が思い描いていた未来がやってきた...のカナ?カナ?


(C)1992,1994 SEGA

2026/05/24

バーチャファイター

 


 


【発売】セガ・エンタープライゼス
【開発】セガ・エンタープライゼス(第2AM研究開発部)
【発売日】1994年11月22日
【定価】8,800円
【媒体】セガサターン用CD-ROM
【ジャンル】アクション
【周辺機器】バーチャスティック、バーチャスティックプロ対応
【受賞】1998年:アメリカ国立スミソニアン博物館アワード賞
【レーティング】全年齢




ゲーム業界の流れを変えた衝撃のエポックメイキング作


【ストーリー】
 昭和の時代。軍は清朝最後の皇帝を利用すべく接近を図ったが、八極拳を使う彼の親衛隊の前に敗れ去った。軍は最強の歩兵部隊を造り出すため、この八極拳の極意を基に、究極の武術を完成したと伝えられる。それからおよそ半世紀の月日が流れた今、八極拳を使う1人の若者が、自分の腕を試すべく武者修行の旅に出た、彼の名は「結城昌」。これより、世紀末格闘伝説が始まる。

 「世界格闘トーナメント」。それは、世界中から集まったあらゆる格闘家が、己の肉体だけで死闘を繰り広げ、世界一の格闘王を決める究極の武闘大会である。この大会を彩る戦士達の顔ぶれは、そうそうたるものだ。八極拳を扱う結城昌、ジークンドーの担い手である「ジャッキー」と「サラ」のブライアント兄妹、虎燕拳(こえんけん)の「ラウ・チェン」、燕青拳(えんせいけん)の「パイ・チェン」親子。更に、パンクラチオンの使い手である「ジェフリー・ホークフィールド」、葉隠流柔術の「影丸」ら8人。そして、最後に待ち受けるのは…。


【概要】
 オリジナル版は93年12月にセガ・エンタープライゼス(現セガ)がアーケードで発売した世界初の3D対戦型格闘アクションゲーム。キャラクターグラフィックはポリゴン初期の荒い造形だが、モーションキャプチャーによる人間の動きを限りなく模したそれと、立体空間においての駆け引きという、当時の最新鋭技術を投入された今までの2D対戦型格闘アクションゲームとは根本的に異なる。個人で筐体ごと購入するユーザーもいた。それまでの2Dから3Dへとゲーム業界全体に大きな影響を与えたエポックメイキングな作品である。本作は、およそ1年後にセガサターンとの同時発売ソフトとしてほぼ忠実な移植で、約100万本を売り上げた。


【ゲームシステム】
 サイドビュー形式の対戦型格闘アクションゲーム。プレイヤーは使用するキャラクターを選択し、各種技を駆使して順に登場する対戦相手を倒せば、勝利。2本先取の3ラウンド制。各ラウンドには時間制限があり、タイムオーバーになると強制的にラウンド終了となる他、リングから落ちるとリングアウトとなる。アーケード版同様の1人プレイ専用「ARCADE」、2人対戦の「V.S」、各種設定の「OPTION」の3モード。1人プレイで対戦相手8人全員を倒すとボーナスラウンドが追加され、試合後は「RANKING MODE」で「段位」が認定される。


【総評】
 初期の3Dポリゴンゲームは、雑誌や当ブログの様に静止画では面白さが伝わらない。それまで見事なドット絵でグラフィックの向上が目覚ましい中、ロボットみたいなカクカクのキャラクターに紙の様にペラペラなオブジェクト。見た事のない様なゲームが登場した。だが、1度プレイしてみて、まるで人間の様な「動き」に衝撃を受けた。高校生時分の僕はアーケード版登場後、学校が終わると家とは逆方向の電車に乗って、同じクラスのヤマダくんと100インチ画面が設置されているイオン(←当時はサティかニチイだったかもしらん←どうでもいい)に毎日行って対戦したもんだ。途中でヤマダくんの家に寄って、ヤマダくんのおばちゃんによくピラフとかのオヤツやゴハンを御馳走になったヨ!ありがとう、ヤマダくんとヤマダくんのおばちゃん!


 ゲームはパンチとキックとガードのみなので、初心者でもガチャガチャやっていればある程度は戦え、その過程で固定技が指に自然と覚え始める。上級者は「フレーム」単位で動き、「ただ勝つ」だけではなく、「華麗に勝利する」事を目指した。その中でも一際その様なプレイスタイルで勝ち続けるユーザーは口コミで「有名人」となり、一部のプレイヤーはゲーム雑誌からスカウトされたり、各大会での賞金稼ぎになる者までいた。


 現在では当たり前の様にグラフィックも本作とは比べ物にならない美麗な3Dゲームで溢れているが、その全ての「起源」が本作と言ってもいい。『バーチャファイター』シリーズが現在まで続いている要因の一つは、この1作目の完成度が高過ぎ、以降のシリーズではブラッシュアップに専念できるからでもある。結果的にプレイステーションに敗れたセガサターンだが、スタートダッシュではプレイステーションには特にキラーソフトと呼べる物はなく、セガサターンの方に軍配が上がった。とにかく、「サターンを持っていてよかったなー」とユーザー全員が思ったに違いないほどの再現度と、任天堂一辺倒だったそれまでとは違う業界の構造になるのではないかという予感。ゲーム業界に変革が訪れ、本作の発売は、これから活気に溢れる時代のスタートを切ったのであった。なんちて。



Books
『バーチャファイターマニアックス』
 









【著】渋谷洋一
【監修】羽田隆之
【発売】アスペクト
【発売日】1994年8月24日
【定価】1,800円

 ハイローラーの渋谷洋一氏が極めて熱く、そして、極めて冷静に執筆した『バーチャファイター』が最も盛り上がっている時期に発売された1冊。単なるゲームの攻略本に終わらず、内容、デザイン、レイアウトなど、「書籍」として未だにこの本を超えたゲームの攻略本に出会った事がない。開発史や本作に至るまでのポリゴンを使用した他社を含めたゲームの開発史、プロデューサーの鈴木裕氏(現YS NET代表取締役社長兼セガR&Dクリエイティブオフィサー)のインタビュー、各キャラクターのひとつひとつの技の丁寧な解説は本書では当然として扱われている。特筆すべきは「もっと『バーチャファイター』を分かろう」という渋谷氏の情熱である。中国拳法研究家であり、特に八極拳においては国内第一人者の松田隆智氏による拳法系の技を専門家による視点から解説、筐体の設計図、各ゲームセンターで当時定期的に開催されていた大会の模様、ゲーマーとしてはなかなか目を付けないコミックマーケットでの本作の人気などなど、本作に関する事はこの1冊で全てが分かる。監修には、対戦98人抜きをして以来、ストリートゲーマーから「新宿ジャッキー」と呼ばれる様になった羽田隆之氏(現セガ第2AM研究開発部)が行っている。資料集としての価値も高い。A4大型版全224ページ。古本屋で見かけたら買おう!デザイン的にも今の目で見ても遜色がない事に驚くはずである。





(C)SEGA 1993,1994

2022/02/18

スーパーストリートファイターII ~The New Challengers~



【発売】カプコン
【開発】カプコン
【発売日】1994年6月25日
【定価】10,900円
【媒体】メガドライブ用カートリッジ
【容量】40M
【ジャンル】アクション
【周辺機器】ファイティングパッド6B、CPSファイターMD、カプコンパッドソルジャーMD対応




対戦型格闘アクションの雛形をメガドライブで限界まで再現


【ストーリー】
 己の肉体を極限まで鍛え抜き、磨き抜かれた技を炸裂させる!戦いは常に一瞬で雌雄が決まる…。4人の挑戦者の出現で新たな戦いの予感。格闘家達は最強を求め、熾烈を極めん!


【概要】
 オリジナル版は93年にカプコンがアーケードで発売した対戦型格闘アクションゲーム。91年発売の『ストリートファイターII』は、『スペースインベーダー』(タイトー)以来の爆発的なアーケードゲームブームを巻き起こし、以降に他社から発売された対戦型格闘アクションゲームの雛形ともなった。その後も3度のマイナーチェンジを行い、本作は4度目にしてバージョンアップされ、以降『スーパーストリートファイターII』シリーズとして3作が発売されている。シリーズのメガドライブへの移植としては、93年発売の『ストリートファイターII ダッシュプラス』に続いて2作目。当時のメガドライブ用ソフトとしては最大容量となる40Mbitのカートリッジを採用している。


【ゲームシステム】
 サイドビュー形式の対戦型格闘アクションゲーム。プレイヤーは使用するキャラクターを選択し、各種の技を駆使して順に登場する対戦相手を倒せば、勝利。2本先取の3ラウンド制。各ラウンドには時間制限があり、タイムオーバーになると強制的にラウンド終了となり、残り体力の多い方が勝者となる。残り体力が同じ場合や、互いの攻撃が同時に当たっての相打ちは引き分けとなる。3ラウンド目が終了した時点でどちらも2本取っていなければ、ファイナルラウンドの4ラウンド目が行われる。
 
 登場キャラクターは「リュウ」、「ケン」、「春麗」、「ガイル」、「ザンギエフ」、「ダルシム」、「エドモンド本田」、「ブランカ」、「マイク・バイソン」、「バルログ」、「サガット」、「ベガ」。これに本作から追加された「キャミィ」、「フェイロン」、「ディージェイ」、「サンダー・ホーク」の以上16人を使用できる。

 本作では各キャラクターのストーリーを追った「スーパーバトル」、対戦用の「バーサスバトル」、対戦用団体戦「グループバトル」、8人枠の「トーナメントバトル」、タイムやスコアを競う「チャレンジバトル」、難易度設定やタイム制限の有無が決められる「オプションモード」がある。

 基本動作は『ストリートファイターII』同様、パンチとキック、投げ、ガード、ジャンプ、しゃがみ込み。上段攻撃と下段攻撃があり、それに対応したガードが基本だ。また、各キャラクターには破壊力の大きな「必殺技」を持っているが、発動途中に隙が伴うので、出しどころがポイントとなる。連続攻撃(コンボ)をヒットさせると、相手の頭上にヒヨコがピヨピヨ現れ、数秒間動けない状態になる。この「コンボ」という単語は、それまで海外での表記だったが、『ストリートファイターII』が日本国内に広めたとも言われている。たぶん。


【総評】
 爆発的ヒット作だけあって、92年発売のスーパーファミコン版『ストリートファイターII』は発売日に買って指がおかしくなるまでプレイしたなー。今もおかしいけど(いろいろと)。このスーパーファミコン版は日本国内で288万本、世界累計では630万本を売り上げた。で、本作だが、アーケード版は何度かプレイしたものの、メガドライブ版と比較できるほどはやり込んでいないため、純粋にメガドライブ版の『スーパーストリートファイターII』としての感想をば。

 

 メガドライブの限界にまで挑戦した移植作っつー事で、操作性に関しては特に遅延もなく、良好だ。キャラクターの挙動不審な点もない。ただ、3ボタンのメガドライブ標準コントローラでもオプションモードでキーコンフィグをいじればプレイできなくもないが、ここはメガドライブ2から標準装備となった6ボタンの「ファイティングパッド6B」は最低限持っておきたい。また、専用に開発された周辺機器「CPSファイターMD」や「カプコンパッドソルジャーMD」でプレイすれば大吉であろー。たぶん。グラフィックの描き込みもかなり忠実に再現されている。BGM(キャミィのステージがカッチョいい)やサンプリング音声が「割れる」のはハードの性能のため、仕方あるまい。メガドラはなー、音がなー。

 

 僕は対戦型格闘アクションゲームをプレイする際、パワーよりスピードを重視したキャラクターを選択するのだが(なので女性キャラクターが多い)、本作あたりが「標準」のスピードとしたら、いや、もう、スピード感って時代を重ねるごとにものすげー早くなりまくってますな。現在でもバージョンアップやマイナーチェンジを繰り返している本シリーズをやってみると分かるが、スピード感がいかに重要なのが分かる。なんか久々にプレイして、あまりにゆっくりなのに驚いた。けど、それは「モッサリ感」ではないんだよねー。このあたりがさすがカプコンっつーか。

 各キャラクターのエンディングはほんのオマケ程度だが、これは『ストリートファイターII』からの「格闘性を追求するために余計な要素を省きたい」という理由からだ。実際、期待すると、意図的にチープなエンディングにガクっとくるだろう。でも、ブランカとか見ると「よかったねぇ」とかジジイ目線で思えちゃったりするのだ。



Figure
『1/6scale (260mm) Painted Statue CAMMY from "STREET FIGHTER ZERO3"』














 






【発売】海洋堂
【原型】吉沢光正
【発売日】2007年8月23日
【定価】7,480円
 

 出典は98年にアーケードで発売された『ストリートファイターZERO3』だけど、ココに載っけちゃおう。全高260mmのリアルなフィギュアに当時一目惚れして購入。定価は高いけど、確か2,000円台で買った気がする。凛々しい顔立ち、ベレー帽から伸びる前髪と三つ編み、ハイレグレオタードから分かる小柄ながら鍛えられた体躯、重さまで感じさせるグローブ、指先に至るまでの緊張感、そして尻と、購入して10年以上経つが、未だに我が家の第一軍として飾ってある。ブルーの他、ピンク、ファッシネイションブラック、オーセンティックホワイトの全4種類。



Figure
『Qposket-春麗-』
 


 
  

【発売】バンプレスト
【発売日】2020年2月26日
【備考】プライズマシン専用景品
 
 瞳が特徴的なバンプレストのプライズマシン用景品「Qposket」シリーズ。製品発表時から「これは欲しい!」と思っていて、ゲーセンですぐにゲットだぜ!はい、かわいい。ボディ部分はリアル等身。ブルーの他、ピンクの全2種。



Figure
『Qposket-キャミィ-』














  

【発売】バンプレスト
【発売日】2020年4月3日
【備考】プライズマシン専用景品

 「Qposket」シリーズのキャミィもわりと早い時期にゲット。唇に赤いアルコール性マーカーで紅を入れてます。前髪は別パーツ。ホワイトの他、グリーンの全2種。


(C)CAPCOM 1991,1993,1994 ALL RIGHTS RESERVED.