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2026/06/03

ビクトリーゴール ワールドワイドエディション





【発売】セガ・エンタープライゼス
【開発】セガ・エンタープライゼス(チームアクイラ)
【発売日】1996年11月29日
【定価】5,800円
【媒体】セガサターン用CD-ROM
【ジャンル】スポーツ
【周辺機器】セガマルチコントローラー、マルチターミナル6対応
【レーティング】全年齢




次作までの「繋ぎ」ゲーの活用方法


【概要】
 『Jリーグ ビクトリーゴール'96』の続編。世界各国から選ばれた48チーム、8つに分けられた各ブロックを代表する6チームずつが世界の頂点を目指す。そのため、プレイする度に各ブロックの出場国が変わる。操作方法や操作感覚はソフト『'96』から引き継がれている。現在ではJリーグや日本代表のサッカーゲームを作る際は担当協会とライセンス契約を交わし、その代わりにゲーム内でクラブや選手を実名で使えるが、本作は全て架空の選手名である。


【ゲームシステム】
 これまでのシリーズ同様、トップビュー、サイドビュー、クォータービューへの切り替え式サッカーゲーム。ゲームモードは任意の国同士で戦える「エキシビジョン」、これまた任意の国をブロックごとから選べる「参加チームセレクト」、全48チームの頂点を目指す勝ち抜き戦「ワールドワイドカップ」、4~16チーム参加の「カップトーナメント」、選手名を自由に変更できる「選手名エディット」など。使用できる48チームは以下の通り。
・イングランド、スペイン、イタリア、スイス、ポーランド、ノルウェーの「ヨーロッパ1」。
・フランス、ルーマニア、デンマーク、アイルランド、クロアチア、ギリシャの「ヨーロッパ        
 2」。
・オランダ、ブルガリア、ベルギー、ウェールズ、トルコ、ロシアの「ヨーロッパ3」。
・ドイツ、ポルトガル、スウェーデン、スコットランド、北アイルランド、オーストリアの 
 「ヨーロッパ4」。
・ナイジェリア、南アフリカ共和国、カメルーン、エジプト、リベリア、モロッコの「アフリカ」。
・日本、中国、韓国、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、オーストラリアの「アジア/オセアニア」。
・アメリカ、カナダ、メキシコ、コスタリカ、エルサルバドル、ホンジュラスの「北アメリカ」。
・ブラジル、コロンビア、アルゼンチン、ウルグアイ、ボリビア、パラグアイの「南アメリカ」。


【総評】
 オープニングムービー及びオープニング「TRY!!!」、そして試合中のBGMはその「TRY!!!」のインストゥルメンタルが流れ、もう1曲新曲が追加されているが、こちらはなんかポコペコポコペコ鳴ってるだけのヘボい感じだった。他のBGMは全て『'96』からの流用で、それはそれで別にいいんだけど、さすがに前作の歌のインストだったエンディングBGMまで同じなのは手抜き感を否めない。また、BGMを定番の「実況」にも変更できるが、知らない外国人のおじさんが1人英語で話してるだけだった。

 全体的にはシリーズ共通の高いクオリティを維持しているが、どーしてもサウンドの流用、目新しさのなさがが、ユニフォームのテクスチャーマッピング他をちょちょっと変えれば出来ちゃう『Jリーグ ビクトリーゴール'97』までの「繋ぎ」と言われても仕方のない出来だ。これは初代『Jリーグ ビクトリーゴール』から前作までの間に発売された
『セガ インターナショナルビクトリーゴール』も同じだった。まあ、要するにワールドカップのライセンス契約をしていない『ビクトリーゴール』の世界版ですな。


 さて、では、このソフトをどう活用しようと考えた。考えたったら考えた。フツーに本作をプレイする機会はそうそうないだろー。ならば、そうだ!選手エディットだ!と私のゴーストが囁き、僕の応援するジェフユナイテッド市原・千葉に所属した歴代外国籍選手に名前を変えて「ゲーム用データベース」にしてしまおうと3日3晩夜なべして本作に登場する国のかつての名選手達を登録していった。この際、架空の名前は邪魔なので、他の架空選手は数字に変えた。ジェフ千葉は「多国籍軍」と呼ばれ、いろんな国から外国籍選手達がやって来たが、旧ユーゴスラビア圏では91年から01年まで続いたユーゴスラビア紛争のため、特に多くの選手がやって来た。ただし、本作発売時はまだ戦時中であり、国連の制裁によってスポーツの国際大会への出場が出来ず、まだ本作での地図ではセルビア・モンテネグロ(新ユーゴスラビア)は割愛されている。また、ジェフ千葉で最初の外国籍選手であるパベル・ジェハーク氏(現SKスラヴィア・プラハアシスタントコーチ)やフランタ氏(FCヴィクトリア・プラゼニスポーツディレクター)の故郷であるチェコの力もまだ世界的には注目されておらず、これも割愛されている。逆にブラジル人選手や韓国人選手は多いため(特にブラジルは全選手入らず)、ポジション無視でエディットした。こうすれば、ジェフ千葉に新外国人選手が入団する度に本作を起動する必要ができるのだ。あったまいー!


 余談だが、Jリーグのゲームで初の実名を使用したのは、93年に発売された『Jリーグ プライムゴール』(ナムコ)、世界版は93年発売のスーパー・ニンテンドー・エンターテイメント・システム用『FIFA インターナショナルサッカー』(エレクトロニック・アーツ)で、現在ではサッカーゲームを作る際には必ずJリーグなどの契約が必要であり、国内での窓口はコナミデジタルエンタテインメントが請け負っている。




(C)SEGA ENTERPRISES,LTD.,1996

2026/05/26

バーチャファイターリミックス

  




【発売】セガ・エンタープライゼス
【開発】セガ・エンタープライゼス(第1AM研究開発部)、ワウエンターテイメント
【発売日】1995年7月14日(セガサターン百万台キャンペーンボックス同梱版:1995年6月16日)
【定価】3,400円
【媒体】セガサターン用CD-ROM
【ジャンル】アクション
【周辺機器】バーチャスティック、バーチャスティックプロ、セガサターンモデム対応
【受賞】1998年:アメリカ国立スミソニアン博物館アワード賞
【レーティング】全年齢




テクスチャーマッピングを施したリメイク版



【ストーリー】
 昭和の時代。軍は清朝最後の皇帝を利用すべく接近を図ったが、八極拳を使う彼の親衛隊の前に敗れ去った。軍は最強の歩兵部隊を造り出すため、この八極拳の極意を基に、究極の武術を完成したと伝えられる。それからおよそ半世紀の月日が流れた今、八極拳を使う1人の若者が、自分の腕を試すべく武者修行の旅に出た、彼の名は「結城昌」。これより、世紀末格闘伝説が始まる。

 「世界格闘トーナメント」。それは、世界中から集まったあらゆる格闘家が、己の肉体だけで死闘を繰り広げ、世界一の格闘王を決める究極の武闘大会である。この大会を彩る戦士達の顔ぶれは、そうそうたるものだ。八極拳を扱う結城昌、ジークンドーの担い手である「ジャッキー」と「サラ」のブライアント兄妹、虎燕拳(こえんけん)の「ラウ・チェン」、燕青拳(えんせいけん)の「パイ・チェン」親子。更に、パンクラチオンの使い手である「ジェフリー・ホークフィールド」、葉隠流柔術の「影丸」ら8人。そして、最後に待ち受けるのは…。


【概要】
 94年にセガ・エンタープライゼス(現セガ)がセガサターンで発売した世界初の3D対戦型格闘アクションゲーム『バーチャファイター』のリメイク版。キャラクターグラフィックはポリゴン初期の荒い造形に、ドット絵で描いた「テクスチャーマッピング」を貼り、キャラクターグラフィックの向上の他、ポリゴン欠けなど細部の修正が行われている。また、セガサターンモデムに対応し、日本中のプレイヤーと対戦できる様になった。オリジナル版は第2AM研究開発部が開発したが、本作リメイクは第1AM研究開発部とワウメンターテイメントが行った。「セガサターン百万台キャンペーンボックス」として、それまで定価49,800円だったハード本体の34,800円の値下げと共に同梱され、その後、3,400円という低価格で単独発売された。


【ゲームシステム】
 サイドビュー形式の対戦型格闘アクションゲーム。プレイヤーは使用するキャラクターを選択し、各種技を駆使して順に登場する対戦相手を倒せば、勝利。2本先取の3ラウンド制。各ラウンドには時間制限があり、タイムオーバーになると強制的にラウンド終了となる他、リングから落ちるとリングアウトとなる。アーケード版同様の1人プレイ専用「ARCADE」、2人対戦の「V.S」、各種設定の「OPTION」の3モード。1人プレイで対戦相手8人全員を倒すとボーナスラウンドが追加され、試合後は「RANKING MODE」で「段位」が認定される。要は『バーチャファイター』と同じだ。



【総評】
 つーわけで、キャラクターグラフィックと細部が向上されたリメイク版なので、通信対戦以外は特に書く事がねーっす(←おーい)。



 前作発売の後、モデムが新たに出たため、「XBAND」が開始された。これは、94年にアメリカのカタパルト社によって、スーパー・ニンテンドー・エンターテイメント・システム(北米版スーパーファミコン)、セガジェネシス(北米版メガドライブ)のみの対応だったが、これがコンシューマ機初のオンライン対戦となる。その後、ニフティサービスを運営していた日商岩井(現双日)とカタパルト社がスーパー・ニンテンドー・エンターテイメント・システムとセガサターンに対応。カタパルト社が撤退した後はセガ・エンタープライゼスが単独で99年7月まで運営していた。


 キャラクターデザインは、『探偵神宮寺三郎』シリーズ(データイースト)でもお馴染みの寺田克也氏が担当している。ただ、今見ると前作のシンプルなカクカクポリゴンもそれはそれでひとつの「様式美」みたいに思えてくるのは、やはり年月が過ぎたからだろうか。中古市場では前述の同梱パック分も含め前作同様約100万本発売されているため、100円くらいで買えちゃうのだった。


(C)SEGA ENTERPRISES 1993,1995

2026/05/24

バーチャファイター

 


 


【発売】セガ・エンタープライゼス
【開発】セガ・エンタープライゼス(第2AM研究開発部)
【発売日】1994年11月22日
【定価】8,800円
【媒体】セガサターン用CD-ROM
【ジャンル】アクション
【周辺機器】バーチャスティック、バーチャスティックプロ対応
【受賞】1998年:アメリカ国立スミソニアン博物館アワード賞
【レーティング】全年齢




ゲーム業界の流れを変えた衝撃のエポックメイキング作


【ストーリー】
 昭和の時代。軍は清朝最後の皇帝を利用すべく接近を図ったが、八極拳を使う彼の親衛隊の前に敗れ去った。軍は最強の歩兵部隊を造り出すため、この八極拳の極意を基に、究極の武術を完成したと伝えられる。それからおよそ半世紀の月日が流れた今、八極拳を使う1人の若者が、自分の腕を試すべく武者修行の旅に出た、彼の名は「結城昌」。これより、世紀末格闘伝説が始まる。

 「世界格闘トーナメント」。それは、世界中から集まったあらゆる格闘家が、己の肉体だけで死闘を繰り広げ、世界一の格闘王を決める究極の武闘大会である。この大会を彩る戦士達の顔ぶれは、そうそうたるものだ。八極拳を扱う結城昌、ジークンドーの担い手である「ジャッキー」と「サラ」のブライアント兄妹、虎燕拳(こえんけん)の「ラウ・チェン」、燕青拳(えんせいけん)の「パイ・チェン」親子。更に、パンクラチオンの使い手である「ジェフリー・ホークフィールド」、葉隠流柔術の「影丸」ら8人。そして、最後に待ち受けるのは…。


【概要】
 オリジナル版は93年12月にセガ・エンタープライゼス(現セガ)がアーケードで発売した世界初の3D対戦型格闘アクションゲーム。キャラクターグラフィックはポリゴン初期の荒い造形だが、モーションキャプチャーによる人間の動きを限りなく模したそれと、立体空間においての駆け引きという、当時の最新鋭技術を投入された今までの2D対戦型格闘アクションゲームとは根本的に異なる。個人で筐体ごと購入するユーザーもいた。それまでの2Dから3Dへとゲーム業界全体に大きな影響を与えたエポックメイキングな作品である。本作は、およそ1年後にセガサターンとの同時発売ソフトとしてほぼ忠実な移植で、約100万本を売り上げた。


【ゲームシステム】
 サイドビュー形式の対戦型格闘アクションゲーム。プレイヤーは使用するキャラクターを選択し、各種技を駆使して順に登場する対戦相手を倒せば、勝利。2本先取の3ラウンド制。各ラウンドには時間制限があり、タイムオーバーになると強制的にラウンド終了となる他、リングから落ちるとリングアウトとなる。アーケード版同様の1人プレイ専用「ARCADE」、2人対戦の「V.S」、各種設定の「OPTION」の3モード。1人プレイで対戦相手8人全員を倒すとボーナスラウンドが追加され、試合後は「RANKING MODE」で「段位」が認定される。


【総評】
 初期の3Dポリゴンゲームは、雑誌や当ブログの様に静止画では面白さが伝わらない。それまで見事なドット絵でグラフィックの向上が目覚ましい中、ロボットみたいなカクカクのキャラクターに紙の様にペラペラなオブジェクト。見た事のない様なゲームが登場した。だが、1度プレイしてみて、まるで人間の様な「動き」に衝撃を受けた。高校生時分の僕はアーケード版登場後、学校が終わると家とは逆方向の電車に乗って、同じクラスのヤマダくんと100インチ画面が設置されているイオン(←当時はサティかニチイだったかもしらん←どうでもいい)に毎日行って対戦したもんだ。途中でヤマダくんの家に寄って、ヤマダくんのおばちゃんによくピラフとかのオヤツやゴハンを御馳走になったヨ!ありがとう、ヤマダくんとヤマダくんのおばちゃん!


 ゲームはパンチとキックとガードのみなので、初心者でもガチャガチャやっていればある程度は戦え、その過程で固定技が指に自然と覚え始める。上級者は「フレーム」単位で動き、「ただ勝つ」だけではなく、「華麗に勝利する」事を目指した。その中でも一際その様なプレイスタイルで勝ち続けるユーザーは口コミで「有名人」となり、一部のプレイヤーはゲーム雑誌からスカウトされたり、各大会での賞金稼ぎになる者までいた。


 現在では当たり前の様にグラフィックも本作とは比べ物にならない美麗な3Dゲームで溢れているが、その全ての「起源」が本作と言ってもいい。『バーチャファイター』シリーズが現在まで続いている要因の一つは、この1作目の完成度が高過ぎ、以降のシリーズではブラッシュアップに専念できるからでもある。結果的にプレイステーションに敗れたセガサターンだが、スタートダッシュではプレイステーションには特にキラーソフトと呼べる物はなく、セガサターンの方に軍配が上がった(落ち目になった理由は『サクラ大戦』の項で書いたので、参照あれ)。とにかく、「サターンを持っていてよかったなー」とユーザー全員が思ったに違いないほどの再現度と、任天堂一辺倒だったそれまでとは違う業界の構造になるのではないかという予感。ゲーム業界に変革が訪れ、本作の発売は、これから活気に溢れる時代のスタートを切ったのであった。なんちて。



Books
『バーチャファイターマニアックス』
 









【著】渋谷洋一
【監修】羽田隆之
【発売】アスペクト
【発売日】1994年8月24日
【定価】1,800円

 ハイローラーの渋谷洋一氏が極めて熱く、そして、極めて冷静に執筆した『バーチャファイター』が最も盛り上がっている時期に発売された1冊。単なるゲームの攻略本に終わらず、内容、デザイン、レイアウトなど、「書籍」として未だにこの本を超えたゲームの攻略本に出会った事がない。開発史や本作に至るまでのポリゴンを使用した他社を含めたゲームの開発史、プロデューサーの鈴木裕氏(現YS NET代表取締役社長兼セガR&Dクリエイティブオフィサー)のインタビュー、各キャラクターのひとつひとつの技の丁寧な解説は本書では当然として扱われている。特筆すべきは「もっと『バーチャファイター』を分かろう」という渋谷氏の情熱である。中国拳法研究家であり、特に八極拳においては国内第一人者の松田隆智氏による拳法系の技を専門家による視点から解説、筐体の設計図、各ゲームセンターで当時定期的に開催されていた大会の模様、ゲーマーとしてはなかなか目を付けないコミックマーケットでの本作の人気などなど、本作に関する事はこの1冊で全てが分かる。監修には、対戦98人抜きをして以来、ストリートゲーマーから「新宿ジャッキー」と呼ばれる様になった羽田隆之氏(現セガ第2AM研究開発部)が行っている。資料集としての価値も高い。A4大型版全224ページ。古本屋で見かけたら買おう!デザイン的にも今の目で見ても遜色がない事に驚くはずである。





(C)SEGA 1993,1994

2026/04/06

サクラ大戦

 


   


【発売】セガ・エンタープライゼス
【開発】セガ・エンタープライゼス(第7AM研究開発部)、レッドカンパニー、ザックス・エンターテイメント、
    ネクステック、キョクイチ東京ムービー
【発売日】1996年9月27日(サタコレ版:1998年2月11日)
【定価】6,800円(初回限定版:8,800円)(サタコレ版:2,800円)
【媒体】セガサターン用CD-ROM
【容量】CD-ROM2枚組
【ジャンル】アドベンチャー
【周辺機器】シャトルマウス対応
【受賞】1996年:CESA大賞'96大賞
【受賞】1996年:CESA大賞'96監督賞
【受賞】1996年:CESA大賞'96メインキャラクター賞
【受賞】1996年:CESA大賞'96サブキャラクター賞
【受賞】2006年:文化庁メディア芸術祭10周年エンターテインメント部門賞
【レーティング】全年齢




『サクラ大戦』の功罪


【ストーリー】
 文明開化より50余年...。帝都「東京」は、西洋文化と日本文化が入り混じったモダンな街並みが軒を連ね、そこを走り抜ける蒸気鉄道、馬車、人力車、そして、蒸気自動車。空には飛行機が飛び交い、街の地下には地下蒸気地下鉄の路線が張り巡らされているなど、高度な文明都市が築き上げられていた。しかし、その反面、怪物や呪術が実在する幻想都市でもあった。

 陸軍ではとても手に負えない特殊任務や人命救助、そして、異形の化け物から帝都を守るべく結成されたのが、陸軍所属から独立した政府直属の対魔組織、帝国華撃団「花組」、通称「帝撃」である。集められたメンバーは、昼は大帝国劇場のスターの顔を持つ若き少女達。独自の装備と特権を持つ「帝撃」は、銀座に「花組」の本部があり、大帝国劇場の地下に司令部が設置されている。その他にも、浅草の花やしきにも支部があるという。

 そんな「帝撃」に、1人の青年将校が転属してきたところから、この物語が始まる。


【概要】
 プロデューサーに広井王子氏、脚本にあかほりさとる氏、キャラクター原案に藤島康介氏、キャラクターデザインに松原秀典氏、音楽に田中公平氏と、セガ・エンタープライゼス(現セガ)が満を持してセガサターンで発売したキラーコンテンツ的ソフト。主にアドベンチャーパートと、シミュレーション風の戦闘で構成されており、1ステージ(1話)はテレビアニメ風にアイキャッチや次回予告が入る。有名声優を多数起用し、ムービーも多用。「ドラマチックアドベンチャーゲーム」と銘打たれ、テレビアニメや舞台ショウにまで発展。派生作品や関連書籍は膨大に発売されていて、シリーズ累計では400万本以上を売り上げた。本作は後にWindows、ドリームキャスト、プレイステーション2、iモードにまで移植されている。CASA大賞’96大賞作品。


【ゲームシステム】
 簡易的なアドベンチャーモード+ヘックス型風シミュレーションゲーム。主人公「大神一郎」は、昼は「歌劇団」のスタッフとして仕事をし、戦闘時には「帝国華撃団」の隊長。メンバーは、ヒロインの「真宮寺さくら」、口八丁手八丁の高飛車お嬢様「神崎すみれ」、副隊長的存在のロシア女「マリア・タチバナ」、恋愛対象外の10歳ながら戦闘時には重宝するフランスっ娘「アイリス」、関西弁で中国出身のメカの天才「李紅蘭(り・こうらん」、声優の田中真弓が隠しきれていない大食いで力持ちの「桐島カンナ」の6人を従え、霊力みたいなので動くスチームパンクなロボット「光武」を操る。

 アドベンチャーパートでは、昼間は「歌撃団」の演者としてあれやこれやしているメンバーと話し、軽い3択を選んで「信頼度」と「恋愛度」を上げたりする。戦闘では、この2つのパラメーターが高いほどそのキャラクターの光武がパワーアップするが、戦闘が終わると信頼度は元に戻る。ここが「簡易的な」という部分。また、「経験値」の概念がないため、いくら戦っても個々がその戦闘で強くなる事はない。ここが「風」である。


【総評】
 まず、ゲームとしては好き嫌いは置くとして、全体的に現在でも通用する高水準のクオリティが保たれている事を述べておきたい。


 セガは当時、長年に渡り「目の上のたんこぶ」だった任天堂がニンテンドウ64で出荷台数的に3番手に落ち、ソニー・コンピュータエンタテインメントのプレイステーションと激しいシェア争いを繰り広げていた。それと前後して、スクウェア(現スクウェア・エニックス)が自社の看板タイトル『ファイナルファンタジーIIV』をプレイステーション陣営で発売する事を発表し、それまで五分五分の展開だったシェア争いに異変が起こる。特にスーパーファミコン時代からの『ファイナルファンタジー』の熱烈なファンやゲームライト層がプレイステーションへ流れ、セガサターンへの買い控えが起こった。そこで、セガは本作へのキャンペーンを大々的に行い、結果的に60万本を売り上げた。



 2D描画機能は当時のアーケードゲームと比較しても高水準である。一方で、3D表現能力では専用ハードウェアを搭載するプレイステーションやニンテンドウ64に比べて劣るが、本作でのムービーシーンに登場する光武などの描写はそれを感じさせない。

 ゲームシステムとしては、「ドラマチックアドベンチャー」と銘打たれているが、空いた時間に各キャラクターと他愛のない話をし、時折、他愛のない時間制限付きの選択肢を選ぶ事で、その後の戦闘に影響する信頼度と恋愛度が上がる。また、1キャラクターにつき1つ、他愛のないミニゲームが発生し、ゲームをクリアすると他愛なくいつでも遊べる様になる。

 戦闘については、前述した様に経験値の要素がなく、また、ヘックス型を採用している様に見せつつ、「地形効果」などは全くなく、力押しで進める。「ため」コマンドを選択するor敵からダメージを受けると「気合値」が上昇し、最大になれば「必殺攻撃」が使える。信頼度はステージクリアと共に元に戻るが、塵が積もれば恋愛度も少しずつ上がり、最も恋愛度が高いキャラクターとプレイヤーの気合値が最大の状態でユニットを並べると、「合体技」が発動できる。これは中ボスクラスでも瀕死にできるほど強力である。



 アドベンチャーゲーム、恋愛シミュレーションゲーム、ウォーシミュレーションゲームのよいところの上澄みを混ぜ合わせ、テレビアニメ風に仕立てたわけだが、戦闘前後に入るアイキャッチ、1話終わるごとの次回予告が、広井氏とあかほり氏の掌の上で「遊ばされている」感が個人的には強い。このテのゲームはいかにストーリーが面白いかにかかってくる。本作は当初「『はいからさんが通る』(大和和紀著)と『機動警察パトレイバー』(ヘッドギア原案)を足して2で割った」というコンセプトだったが、いやいやいやいや、ベッタベタもベッタベタ、呆れるほど先の展開が分かる超ベタベタ話で苦笑いさえしてしまう。「恋愛」という要素にしても「ちょっと憧れの人」くらいの程度で、選択肢もほとんどの場合、どれを選んでも半強制的に都合よく解釈されて本筋に取り込まれてしまう。



 それでも、本作がセガサターンに与えた影響は大きかった。それまで『バーチャファイター』など、アーケードの対戦型格闘アクションゲームがほぼそのまま家庭でできる事がウリだったが、本作発売後はムービー中心のいわゆる「美少女ゲーム」が幅を利かせ、ライトなプレイステーションに対し、マニアックな機体というレッテルを貼られてしまう。元々、セガサターンは発売当初に性描写などを理由に「X指定」の年齢制限を設け、性表現を前提としたアダルトゲームの販売を許可していた(尚、96年から「X指定」区分ソフトの発売は禁止となった)。その過去もまたレッテルを貼られた一因であろう。

 ハードメーカーが「美少女ゲーム」を大々的に推した事により、サードパーティからは続々と「ムービーシーンがゲーム本編より力の入った」ソフトが粗製乱造され、セガはプレイステーションとの競争に敗れる。セガ・マスターシステムやメガドライブと比較すると、全世界累計販売台数1,000万台を下回ったハードではあるが、それでも、日本市場では長年の競合相手だった任天堂を初めて国内販売台数で上回り、セガとして日本市場で最も売れた家庭用ハードでもある。それだけに、舵取りを誤り、新参のプレイステーションに敗れ、またしてもトップシェアを勝ち取る事は出来ず、セガサターン本来の機能を最大限に活かす前にドリームキャストへとハードを移行させた焦りが悔やまれる。


(C)SEGA ENTERPRISES,LTD.1996 (C)RED 1996

2026/03/21

レイヤーセクション


    


   
【発売】タイトー
【開発】タイトー(熊谷研究所)、ビング
【発売日】1995年9月14日(サタコレ版:1997年4月25日)
【定価】5,800円(サタコレ版:2,800円)
【媒体】セガサターン用CD-ROM
【ジャンル】シューティング
【レーティング】全年齢




絶妙な難易度と爽快感が味わえる良作シューティング


【ストーリー】
 現在「Con-Human」システム(以下「システム」)は依然として、兵器の生産活動を継続しており、その戦力は我々だけでなく、全ての生命体にとって脅威になりつつある。繰り返し行われる敵艦隊の壊滅作戦により、人類の移住圏は消滅しつつある。もはや我々に残された道はただひとつ、「システム」=本星の破壊のみである。

 先に行われた第一次攻略戦は残念ながら我々の敗北に終わった。今回の第二次攻略戦は、もはや残り少ない戦力での敵艦隊戦力の突破という難題の解として立案された。現在、我々の残存艦隊は本星のリング状小惑星40万km後方に集結しつつある。リング付近には敵側の最前線防衛基地が建設中であるが、比較的突破は容易と考えられる。しかし、問題は後方にある。第一次攻略戦時の本星と衛星と化した、巨大な岩塊付近に駐留する敵機動艦隊である。そこで考案されたのが、残存艦隊による敵機動艦隊の陽動と機動性の高い小型機動兵器「RVA-818 X-LAY」による降下作戦である。


【概要】
 オリジナル版は94年2月にタイトーがアーケードで発売したシューティングゲーム『レイフォース』。95年にセガサターンへ『レイヤーセクション』としてに移植。タイトルの名称変更は、当時PCエンジンやPC-FXへソフトを供給していたレイ・フォース社との混同を避けるための措置である。本作は好評を博し、後年、タイトルの『レイ』を作品名に付けたシューティングゲームがシリーズ化された。これにより、本作は遡って「レイシリーズ」の第1作目となる。07年にプレイステーション2で発売された『タイトーメモリーズII 上巻』では、オリジナル版のタイトル『レイフォース』のまま移植された。音楽はタイトーのサウンドチーム「ZUNTATA」の河本圭代氏(現フリーランス)が作曲。


【ゲームシステム】
 トップビュー形式のパワーアップ型縦スクロールシューティングゲーム。自機は8方向に操作でき、対地対空で敵を撃ち分けながらラウンドを進んで行く。対地及び対低空度攻撃「ロックオンレーザー」では、複数の地上or自機より低空度に位置する敵をロックオンし、レーザーで一斉に攻撃できる。パワーアップアイテムは3つ取る事によりショットが1段階、最大で3段階パワーアップする。本作には「アーケードモード」と「セガサターンモード」の2バージョンがあり、「アーケードモード」では、ゲーム画面を90度回転させた状態で、オリジナル版と同じ感覚でプレーできる。全7ラウンドで、コンティニュー回数は4回。


【総評】
 アーケード市場でのシューティングゲームは88年から91年頃にかけて難易度のインフレ化が加速し、一部のマニアのジャンルになってしまい、対戦型格闘ゲームに主流を奪われた。現在でもその主流は変わらないが、その中で各メーカーは「弾幕系」と言われる方向性に転換したり、シューティングゲーム自体から撤退したりと、その在り方を模索していた。本作は、易し過ぎず難し過ぎずの絶妙な難易度設定と、レーザーの一斉照射による爽快感で、久々に正統派シューティングゲームとして「シューティングの雄」タイトーの実力を見せた。

 移植されたサターン版では6段階に難易度が選べるが、1番低い難易度が「NORMAL」である。多重スクロールや大き目の敵弾に比較して「当たり判定」が自機のグラフィックより小さく、「難しいけど頑張ればなんとかなりそう」と思わせる適正難易度だ。


 対地対空の撃ち分けと対地のロックオンは縦スクロールシューティングの元祖『ゼビウス』(ナムコ)と同じだが、これに加え自分より低空高度にいる敵にも複数ロックオンでき、レーザーを一斉照射する爽快感は、シューティングゲームの原点である「気持ちよさ」がある。低空高度の敵戦艦からガイドビーコンが光り「ガイドビーコンなんか出すな!やられたいのかい!」「母艦にお戻り下さい!」「どこに帰るっていうんだいっ!?」などと敵のやり取りが想像できる(←病気です)。自機の武装は対空の「ショット」と対地の「レーザー」のみで、アイテムも武装のパワーアップのみとシンプルなため、撃ち方に専念できる。

 ステージ構成は、宇宙から地球、地下都市、敵母星中心部とストーリーに沿った構成で、敵の攻撃と共にバラエティに富んでいる。また、音楽もZUNTATAらしいメロディで、タイトーファンはもちろん、シューティングゲームファンも1度プレイしてみる事をお勧めしたい。ただなー、エンディングがなー、切ないぜ!


(C)TAITO CORP. 1995

2022/11/18

ワールドカップ’98フランス~Road to Win~




【発売】セガ・エンタープライゼス
【開発】セガ・エンタープライゼス(チームアクイラ)
【発売日】1998年6月11日
【定価】5,800円
【媒体】セガサターン用CD-ROM
【ジャンル】スポーツ
【周辺機器】セガマルチコントローラー、マルチターミナル6対応
【レーティング】全年齢




スポーツゲームの宿命には逆らえずの終幕


【概要】
 『Jリーグ ビクトリーゴール'96』の続編。日本が初めてワールドカップに出場した98年フランス大会を戦う代表戦版で、シリーズ最終作。実況はサッカージャーナリストの小谷泰介氏、解説は元日本代表の金田喜稔氏、本シリーズではレギュラーの「ミスター・マリノス」こと木村和司氏、ナビゲーターにこれまで実況を務めていた金子勝彦氏の4人が名を連ねる。本作での日本代表は、97年のアジア最終予選から98年4月1日に行われた対韓国戦に出場またはベンチ入りした全35名の選手で構成されている。


【ゲームシステム】
 これまでのシリーズ同様、トップビュー、サイドビュー、クォータービューへの切り替え式サッカーゲーム。ゲームモードは全32チームが世界の頂点を目指す「ワールドカップ98」、1試合のみの「フレンドリーマッチ」、選手の名前を変更できる「プレイヤーエディット」、難易度やハーフタイムの時間、実況の有無などを選択できる「オプション」。
 また、本作独自のモード「Road to FRANCE」では、後にいわゆる「ジョホールバルの歓喜」と呼ばれるマレーシアのジョホールバルで行われたアジア第3代表決定戦対イラン戦を行う。このモードでは、通常の試合開始「はじめから」の他、前半39分にMF中田英寿が先制点を挙げた「日本先取点後」、後半開始僅か25秒で同点とされ、続く後半14分には逆転を許し、2トップのFW三浦知良とFW中山雅史をFW城彰二とFW呂比須ワグナーに同時交代させる背水の陣で挑んだ「後半18分」、このシステム変更が功を奏し後半31分に城が同点とし、延長戦に突入した「延長前半開始」という、実際にあった状況からプレイができる。

 尚、この試合でイランに敗れると、アジア・オセアニア・プレーオフに回り、オーストラリアとのホーム&アウェイという「幻の試合」を行う事になる。


【総評】
 本作の大きな特徴は、前述した様に、やはりアジア第3代表決定戦だろう。日本は途中で監督更迭など、アジア最終予選では最後まで苦戦を強いられ、毎試合ピリピリとした緊張感が漂っていた。なんとか上位2位に滑り込み、中立国のマレーシアで強豪イランと戦うも、試合はシーソーゲームとなり、延長戦へ突入。日本は最終予選で1度も出場機会が与えられなかったFW岡野雅行を投入するが、ミスを連発。逆にイランも反撃を見せる。両チームとも決定的なチャンスをものにできなかったが、PK戦突入も間近に迫った延長後半13分、呂比須が中盤で奪取したボールを中田がドリブルで持ち上がり、ミドルシュート。相手GKが弾いたボールを岡野が走り込み、右足でスライディングしながらゴールに押し込み、ゴールデンゴール(決勝点)を決めた。いやー、今思い返しても痺れる試合だったなー。54年のスイス大会予選に参加して以来43年。10回目の挑戦でワールドカップへの出場を果たした日本。ちなみに、ワールドカップ予選及び本大会でゴールデンゴール方式が採用されたのはフランス大会と02年の日韓大会のみのため、同方式でワールドカップ出場を決めたのは、この試合に勝った日本だけである。また、イランもオーストラリアとのプレーオフに勝利して本大会出場と相成った。

 

 フランス大会は、98年6月10日から7月12日までの期間行われ、決勝では開催国のフランスが前回大会優勝のブラジルを3-0で下して優勝した。日本は、アルゼンチン、クロアチア、ジャマイカと同じグループに入るも、ワールドカップの壁は厚く、1勝もできなかったが、対ジャマイカ戦では中山が骨折しながらも日本の初ゴールを挙げた。このフランス大会を皮切りに、02年日韓大会、06年ドイツ大会、10年南アフリカ大会、14年ブラジル大会、18年ロシア大会、そして22年カタール大会と、途切れる事なくワールドカップ7大会連続出場を果たしているっていうか、サッカーの話ばっかしてますな。すまんす。

 ゲームの方に話を戻すと、オープニングムービーで金子氏のナレーションと共にこれまでの日本のワールドカップへの挑戦が語られ、アジア第3代表決定戦でも途中途中にムービーを挟みながら金子氏が試合状況を伝える。正直、本作を所持しておく理由はこのためだけかもしんない。ムービーは『’96』のユニフォーム柄を変えただけの流用。また、これまで力を入れていたサウンド面だが、今回は実況のみ。金子氏と木村氏はさすがに安定しているが、ややクセのある小谷氏の実況と棒読みの金田氏の解説は若干辛いものがある。登録されているボキャブラリーも前作までに比べて少ない。そして、ワールドカップで優勝してもスタッフロールもなくいきなりタイトル画面に戻る淡泊さ。更に、画面に選手が密集すると処理落ちで動きが遅くなってしまう「劣化」も見られる。見た限り、フォントもフォントワークスの書体を使用してないと思われ、隙のない作りだった『’96』と比較すると、ワールドカップ初出場が決まった勢いだけで作った感が見え隠れする。まあ、嬉しいのは分かるんだけどさ、もうちょっとシリーズを大切にしてほしかったなー。

 Jリーグやプロ野球のゲームでは、ゲームの基本が完成すれば、後は毎年選手及びチームデータを更新しただけの「新作」が発売され、前年のソフトは途端にワゴンセールへ放り込まれるのは当時も今も変わらない。これはスポーツゲームの悲しい宿命とも言えるが、本作を見る限りではこれ以上のアップデートも無理そうであり、記念すべきワールドカップ初出場を機にシリーズを終わらせたのは、セガの英断だと思おう。僕は中西永輔をFWに登録変更してワールドカップ得点王になるまで遊びましたけどね。


【2023.8.20.追記】
 本作のナビゲーターを担当された金子勝彦氏が8月20日、肺炎のため死去されました。謹んで哀悼の意を表します。


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