【発売】D3パブリッシャー
【開発】ヒューネックス、ガイナックス、知遇プロ
【発売日】2000年8月24日
【定価】1,500円
【媒体】プレイステーション用CD-ROM
【ジャンル】シミュレーション
面倒な「フラグ立て」と面倒な「恋愛」
【ストーリー】
8月の初旬、有名私立高校に通い、寮生活を送る高校3年生のキミの元に、故郷の父親から電話がかかってくる。
「21日には、必ず実家に帰って来い!」
キミは、父親の有無を言わさぬ物言いを不信に思いながら、3週間後には実家に帰る事にした。しかし、今は夏休みの真っ最中。バイトや勉強もしなくちゃいけないけど、遊びにも行きたい!クラスメイトの女の子とデートしたり、素敵な出会いがあったり…。3週間後、旅行気分でキミは、心を寄せている女性を誘って実家へと帰った。キミを待っていた父親は、1人の女性をキミに紹介する。
「お前の許嫁だ」
18歳の夏に起こった突然の出来事。好きな彼女と許嫁…キミの気持ちは?
【概要】
オリジナル版は99年にヒューネックスがWindows98で発売した恋愛シミュレーションゲーム『夏色Celebration』。D3パブリッシャーの『シンプル』シリーズは、プレイステーション用ソフトの平均価格が5,000円以上だった折、98年に『シンプル1500シリーズVol.1 ザ・麻雀』を1,500円で発売、99年には売上50万本を突破し、01年には100万本に達した。同シリーズは、その後も作品テーマをひとつに絞り、装飾は削り落とし、ゲーム性を徹底的に追及、「1,500円」という廉価で数多くの作品を輩出した。そんなシリーズの中で、初の他社開発ソフトを移植したのが本作である。ボリュームはそれまでのシリーズとは比べ物にならず、後にドリームキャストなどにも移植されている。オリジナル版の一部はグラフィック描写が年齢制限(R指定)に引っかかるバージョンもイベントで発売されたが、本作はR指定のない「通常版」の移植である。キャラクターデザインは、アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』制作のガイナックスが担当している。
【ゲームシステム】
プレイヤーは夏休み中の高校3年生。1日の流れは、学生寮から始まり、午前中は学校で夏期講習。午後は自由に行動でき、複数の移動先から1ヶ所を選択して行動できる。この際、電話番号を知っている女の子なら、電話が繋がれば居場所が聞ける。また、ふらっとただ散策するだけでも後のフラグが立つ場合もある。夕方は決まった曜日にバーガーショップでアルバイト。夜は寮の部屋でパソコンを使ってセーブをする他、途中からは寮を抜け出す事もできる。大まかな平日1日の流れはこんな感じだ。
登場する女性キャラクターは、「2つの潜在的な性格」が設定されており、例えば、最初のプレイと2周目以降のプレイ時では同じ選択肢を選んでも反応が変わる。また、キャラクターの性格だけではなく、2周目以降は街の構成も変化する。

恋愛対象となるキャラクターは、明朗快活サバサバした性格で恋愛対象としては1番まともな「朝香久美子」、偶然会うしかないカメラマン志望の「須藤彩」、やべえ二重人格のメンヘラっ娘「京野夕凪」、バイト先の先輩で女子大生なセクシーおねーさんだが付き合ってる男がやべえ「高瀬絵里菜」、小学生っつー時点でいろいろやべえ「桜咲真歩」、人気アイドルとは仮の姿でその正体は真歩という結局小学生でやっぱやべえ「桜野恵瑠」、意中の女の子も決まりなんとなく仲良くなりかけた頃に登場するお邪魔キャラクターでやべえくらいの鬼ストーカー許嫁「小早川雫香」の7人。男友達も2人いるヨ。
野郎どもっ!夏だぜーっ!…あ、やっぱ、野郎は帰って。ごめん。ジークナオン!←うるせえ。つーわけで、夏と言えば甘じょっぺえチャラチャラした恋の季節である。本作は8月20までと、21日の実家帰省後に恋愛対象キャラクターが固定された2部構成になっている。久美子、夕凪、絵里菜はデフォルトで登場するが、他のキャラクターはどうやったら会えるのかなかなか分からんとばい。おそらくはデフォルトの3人は無視して、放課後にいろんな場所に足を運んでみるしかないと思う。たまーに選択肢が出るが、これも後のフラグ立てに大事なので、よく考えて答え…ても、正解は「相手の性格次第」だ。前半パートはイベントを含めわりとタンパクな感じだが、後半パートは「恋人」だからこその「面倒臭さ」が全面に押し出され、おじさんは時々白目になるのだった。
前述した様に、本作は各キャラクターに2通りの性格が用意されており、これはゲームスタートから2日後の8月2日の時点でランダムに決まる。また、タンパクな前半パートでも実際にはシビアで複雑な「フラグ立て」が発生しており、1周目でよかった選択肢の答えが2周目でもそうとは限らない。また、最悪の場合は後半パートは選択肢が少なく、どれを選択してもバッドエンドで詰まってしまう。簡単と思っていた久美子で後半パートの選択を変えても2回バッドエンドだったぜコノヤロー。
オリジナル版が発売されたのはWindows98が発売されてから1年後と考えると、キャラクターの輪郭線が荒かったり、ユーザーインタフェイス周りが貧弱など、多少のアラは見えるが、よくまとまっている。また、携帯電話が普及し始めた頃なので、ゲーム内にアップで映し出される携帯電話を見て刻の涙を見るが、ゲームとしては特段古臭さは感じさせない。ただ、難しい。ベタな展開を狙おうとしても、前半パートのどこかでフラグが立っていなければ、容赦なくバッドエンドだ。恋とはそーゆーものであるとかの有名な魯山人も言っておった(うそ)。
多賀谷洋子氏のサウンドはかなりいい。特に爽やかで明るい「久美子のテーマ」や「Dancing in the street」、緊迫感ある「Tention」、エンディングテーマなど、「サウンドモード」でじっくり聴いてほしい。あ、青少年には気になるR指定箇所だが、僕が調べた限りではエンディングでバストアップのCGがある程度で、これも恋人と結ばれて各キャラクターの幸せそうな笑顔を目立たせるものであり、脱衣麻雀レベルを期待してはいけないのであった。ただ、このR指定版、情報がほとんどないんだよねぇ。ホントにイベント用にものすごーく少数作られたんだなぁ。
とにかくフラグ立て=プレイヤーの何気ない行動がシビアに、しかも表には出ずに判断されるので、バッドエンドになった場合、どこでどう自分の行動が間違ったのかが分かり辛いっつーか分からぬ!また、許嫁騒動(久美子が許嫁の場合もある)後の後半パートでは、男の馬鹿で鈍い部分と女の面倒臭い部分ばかりが目立つ。もうちょっと『ときめきメモリアル~forever with you~』(コナミ)の様に、ゲームとしての「ファンタジー」部分を足してもよかったのではなかろーか。シビアで面倒臭いのは現実だけでいいのにーのにーのにー。あ、あと、細かい事だけど、セーブorロードする時の「セーブ(orロード)しますか?」とキャラクターが声をかけてくるが、この「セーブ」&「ロード」のイントネーションがなーんか全員違和感あんだよなー。ホント、細かい事だけど、僕は細かい男なのだ!
『シンプル』シリーズは本作以降、他社ソフトの移植、また、『地球防衛軍』シリーズや『大美人』シリーズなどの自社開発ソフトも精力的に発売し、口コミで人気が広がるパターンも多い。ドリームキャストやプレイステーション2に供給していた時こそ価格が2,000円に上がったが、現在は数百円でのダウンロード販売で遊べるうえ、ゲーム内容も濃くなっている息の長いシリーズだ。ただ、本作に限って言えば現在ダウンロード販売はされておらず、中古市場では定価1,500円からそう下がってはいない。夏に時間があればやってみれ。
(C)2000 HuneX (C)2000 D3 PUBLISHER










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