ラベル 1991年 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 1991年 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2026/06/28

キャプテンコマンドー

  


【発売】カプコン
【開発】カプコン
【発売日】1991年11月
【媒体】アーケード
【容量】CPS-1
【ジャンル】アクション




昔のカプコンが好きだ!ベルトアクションも好きだ! その3


【ストーリー】
 西暦2026年、地球上には犯罪が満ち溢れていた。地球はもとより宇宙全体の犯罪を一掃するため、キャプテンコマンドーは3人の勇敢な戦士と共に立ち上がった。しかし、彼らが追う犯罪の奥には、隠された秘密があった。犯罪者の多くは常人にはない特殊な能力を持つ「犯罪超人」と呼ばれる者達だった。



【概要】
 91年にカプコンから発売されたベルトスクロール型アクションゲーム。同社のベルトスクロール型アクションゲームとしては『ファイナルファイト』に続く第2弾となる。当時は海賊版対策などのため、設定は店舗や個人でできる「ディップスイッチ方式」ではなく、サービスモードで行う「バッテリーバックアップ方式」の基板が各社から登場し始めた時期である。本作は、そのメンテナンスに手間がかかる代表例としても挙げられていた。主人公「キャプテンコマンドー」はカプコンU.S.A.社のイメージキャラクターであり、また、「CAPTAIN COMMANDO」の綴りからそれぞれ頭3文字を取ると「CAPCOM」になる。世界観は『ストリートファイター』や『ファイナルファイト』と同じであり、本作もまた著作権はカプコンU.S.A.社が所有している。
 本項では『カプコンベルトアクションコレクション』の収録作品として、収録されたオリジナル版(アーケード版)について記述する。



【ゲームシステム】
 ベルトスクロール型アクション。アメコミ風のキャラクターのスピーディーな動きが特徴。横ボタンを2回連続で推せば「ダッシュ」が可能。『ファイナルファイト』と比べてステージ数は少なく、ボスまでの道のりも同作に比べて短く、テンポのよさに一役買っている。使用できるキャラクターは、主人公「キャプテンコマンドー」、自作したロボットに乗って戦う2歳の赤ちゃん「ベイビーコマンドー フーバー」、『ファイナルファイト』の「ガイ」の弟子である忍者「ニンジャコマンドー 翔」、全身包帯ぐるぐる巻きの宇宙人「マミーコマンドー ジェネティー」の4人。4人同時プレイ可。全9ステージ。


【総評】
 ダッシュ機能のおかげと前述した各ステージの程よい長さでテンポはいいが、『ファイナルファイト』に比べてキャラクターがやや小さくなってしまった。また、刀を持つ翔が通常攻撃を行う場合、ヒットした敵からは血飛沫があがったり、ジェネティーが敵に止めを刺す場合は、謎の液体でドロドロに溶かして骸骨にしてしまう。一方、敵の攻撃も、刀を持ったキャラクターに止めを刺されてると、上半身と下半身が真っ二つになるなど、残虐描写が多い。これはいいのか>U.S.A.社?


 難易度は『ファイナルファイト』に比べて高いが、コンシューマ機ではガンガンコンティニューしてストレス発散!命はうなるほどあるぜ!それでも、ボウガンを連射してプレイヤーを半分ハメてきて、移動も左右にスピードのあるジャンプで倒すのに苦労するステージ2の中ボス「シュトルムJr.」、そして、ステージ6では同型の「シュトルム」と「ドラック」が2匹同時に登場して、お金がドンドン減る。ステージ8ではプレイヤーキャラクターに変身する「ドッペル」にはこれといった行動パターンがないため、相手に合わせてアドリブで攻撃するしかない。そして、最終ボス「ジェノサイド」は、こちらの攻撃が届かない場所に浮遊しており、長期戦になるのは必至で、これまたお金がガシガシ減る。


 ザコキャラで特徴的なのは筋肉隆々の大女「マーディア」。ザンバラ長髪で顔は見えず、通常のザコキャラの10倍の攻撃力があり、緑のゲロを吐いて攻撃してくるのがいやーん。前述の残虐描写が唯一されないのは、電撃攻撃をしてくるラバースーツを着た「キャロル」と「ブレンダ」だ。倒れた時の姿なんかはセクシーだが、最大で1画面に8人一斉に登場して前後から一気に電撃を放出してくる。


 『ファイナルファイト』を多く引き合いにしたが、ベルトスクロール型アクションゲームの基本はやはり同作であり、プレイしていて楽しいが、あまり奇抜な事はできない=ベルトスクロール型アクションゲームではなくなるため、底が深くない一面もこのジャンルにはある。

 95年にはスーパーファミコンに移植されているが、こちらはゲロも吐かないし、ドロドロにも溶けないし、キャロルの露出度も減っている。現在では各種ダウンロード販売もされており、入手しやすい。あ、2026年って今年の話じゃん!そっかー、未来の今年はこんな感じなのかー。暴力には暴力で対抗するぜ!みたいな。


(C)CAPCOM CO.,LTD. 2018,  (C)CAPCOM U.S.A.,INC 1991,2018 ALL RIGHTS RESERVED.

2026/06/06

マーベルランド

 


 



【発売】ナムコ
【開発】トーセ
【発売日】1991年6月28日
【定価】7,000円
【媒体】メガドライブ用カートリッジ
【容量】8M
【ジャンル】アクション




高難易度理不尽即死の連続、地獄の遊園地


【ストーリー】
 光と平和の国コニーランドの真ん中に、マーベルランドという大きな遊園地がありました。マーベルランドは妖精族が守っていましたが、それを面白く思わない者もおりました。地底族の王モウルです。ーマーベルランドを支配する者は、コニーランドをも支配するーこんな言い伝えが昔からありましたから、地底だけでなく地上も自分のモノにしたいモウルには、我慢ならなかったのです。モウルは他の種族をそそのかし、遂にマーベルランドを占領してしまいました。しかも、ルクシー姫をはじめ4人の守護精を、マーベルランドの至宝トライデントスターと共に、闇の水晶球へ閉じ込めてしまったのです。

 「ルクシー姫とマーベルランドが危ない!」

 ドラゴン族の王子パコは、マーベルランドへ向け出発したのでした。


【概要】
 オリジナル版は90年にナムコ(現バンダイナムコエンターテインメント)がアーケードで発売したアクションゲーム。アーケード版は高難易度だったため、メガドライブへの移植に際しては、難易度設定や残機の増える条件がやや緩和され、難易度の下がる措置が施されているが、実際にはほとんど下がっていない。「マーベルランド」は同じナムコの『ワルキューレの伝説』でも舞台となっているが、両者に設定の繋がりは特にない。


【ゲームシステム】
 サイドビュー形式のアクションゲーム。「ワールド1 花の国」、「ワールド2 森と水の国」、「ワールド3 お菓子と夢の国」、「ワールド4 マーベル城」の全4ワールドからなり、各ワールドは6~7のラウンドで構成されている。全17ラウンド。各ワールドの終わりには中ボスがおり、相手によって様々なルールや操作法で対処する事になる。主人公の「パコ」はドラゴン族の少年で、ザコ敵はジャンプして上から踏み付けるか、アイテムの「分身」を取ると攻撃できる。他に坂道での勢いをつけたジャンプや匍匐前進、アイテム「ウィング」で空を飛ぶ事もできる。


【総評】
 明るいサウンドにファンタジックなグラフィックとは裏腹にかなりの高難易度だ。前述の様にメガドライブ版には若干の難易度調整が行われている。難易度設定が3段階できる様になり、「HARD」と「NORMAL」に加え「DIGEST」(他のゲームの「EASY」にあたる)が追加されている。また、パスワードによるエリアセレクトも可能。残機も8機まで増やす事ができる。ただし、「NOMAL」と「DIGEST」では全てのステージをセレクトする事はできず、全ステージをクリアするなら「HARD」モードでしかない。他にも移植によって様々な変更点があるものの、やはり高い難易度である事には変わりはない。


 操作は十字キーとBボタンだけと至ってシンプルだが、「遊園地」という華やかな場所を描き込んだグラフィックが原色に近く、おじさんは目がチカチカするぞ。それに重なって敵キャラクターが現れ、背景と溶け込む。敵はジャンプして踏み付ける事で倒せるが、この「当たり判定」が結構シビアなため、ズレて触ってしまうと即死である。逆に踏み付けると即死してしまう敵キャラクターもワールド1から登場する。また、パコは歩いたりジャンプ後に若干「滑る」ため、狙った所にビシっと着地できず、それで水中に落ちたりすれば即死。いわゆる「初見殺し」も多く、思わぬところで即死と、即死のオンパレード、地獄の遊園地である。悪魔将軍にでも造られた遊園地じゃないか?

 中ボス戦はワールド1では「ポカスカじゃんけん」。3本勝負の2本先取だが、引き分けの場合は相手の勝ちになる理不尽さで即死。ワールド2ではジェットコースターに乗れるが、これが2種類あり、途中で乗り換えるため、同じエリアを2周しなくてはならず、その間に即死するであろー。もちろん、乗り換えに失敗すれば落下して即死だ。中ボス戦は連打勝負の「綱引き」。ワールド3は「お菓子の国」というだけあってオブジェクトのほとんどがお菓子になっているが、「わーいエクレアの雲が浮いてるぞー水中には100%濃縮オレンジジュースだー」などと空を見上げながらオレンジジュースに飛び込めば通常の水と同じく即死である。


 その後は難しくて僕の腕では無理ゲーでした(←そーゆー事もままある)。ラストボスの「モウル」との対戦は2回戦だったり、更にモウルを倒した後は崩れるモウル城を脱出したりするらしいが、いずれにせよ今後も即死は続くであろー。僕の様にナムコのゲームが好きでも、ちょーっとバランス調整を雑にやってやしませんかと思いたくなる。ギミックなどは楽しさが見出せるため、せめてライフ制にしていればもっとゲームを楽しめたかもしれない。

 アーケード版はWiiやニンテンドーSwitchなどに移植されているが、このメガドライブ版はどのコンシューマ機にも移植されていないにも関わらず、中古市場では1,500円前後と比較的入手しやすい。しかし、死にまくりんぐである。まいっちんぐー。


(C)1989 1991 NAMCO LTD.,ALL RIGHTS RESERVED

2026/05/21

ウルトラマン

 


【発売】バンダイ
【開発】ベック
【発売日】1991年4月6日
【定価】8,500円
【媒体】スーパーファミコン用カートリッジ
【容量】4M
【ジャンル】アクション




開発陣の徹底したこだわりが見えるウルトラ作戦第1号


【ストーリー】
 大宇宙。怪光を放って飛ぶ青い玉と、それを追う赤い玉。ビートルでパトロールしていた科特隊のハヤタ隊員は、地球に侵入したこの青い玉を追跡していた。だが、続いて現れた赤い玉にビートルは衝突。ハヤタを乗せたまま墜落し、そのまま爆発炎上してしまった。燃え盛る炎と、残骸の中で横たわるハヤタ。その身体がフワッと浮かび始めると、赤い玉に包まれ始めた。赤い玉の中、ハヤタは意識の底から問いかけた。

 「おい、誰だ、そこにいるのは。キミは一体何者だ」
 「M78星雲の宇宙人だ」

 宇宙人はハヤタと一心同体となり、地球の平和のために働きたいと、ベーター・カプセルをハヤタに渡した。青い玉となって地球に侵入したベムラーがその姿を現した時、M78星雲の宇宙人からその命を託されたハヤタ隊員は、ベーター・カプセルで宇宙人に変身した。マッハ5のスピードで空を飛び、強力なエネルギーであらゆる敵を粉砕する、不死身の男となったのだ。ベムラーを倒した宇宙人をハヤタは「ウルトラマン」と名付け、平和を乱す怪獣や宇宙人との戦いが始まった。それ行け!我らのヒーロー!!


【概要】
 円谷プロダクションによって制作され、66~67年に全39話放送された『ウルトラマン』は、60年経った現在でも特撮ヒーロー番組不動の金字塔的作品であり、本作はバンダイ(現バンダイナムコエンターテインメント)のスーパーファミコン参入第1弾ソフトである。開発は『機動警察パトレイバー』や『ゲゲゲの鬼太郎 復活!天魔大王』など、原作付きのゲーム化には定評があるベック(現B.B.スタジオ)。本作発売と同時にアーケードでも同時発売された(発売はバンプレスト)。


【ゲームシステム】
 サイドビュー形式のアクションゲーム。1人プレイ専用。キックやパンチ、投げ技などで相手のパワーゲージを減らし、「FINISH」と表示されると「スペシウム光線」で相手を倒せる。逆に言えば、いくらダメージを与えても、スペシウム光線でしか止めを刺せず、相手のパワーも少しづつ復活してしまう。スペシウム光線は「必殺技ゲージ」を最大に溜めると発射できる他、「スラッシュ光線」、「ウルトラアタック光線」、「八つ裂き光輪」など、止めは刺せないが他の必殺技も選択できる。
 タイムリミットは3分間で、60秒を切るとウルトラマンのカラータイマーが青から赤に変わり、警告音が鳴る。更に残り30秒になると警告音の感覚が短くなる。相手にやられるか、3分間以内に勝負を付けられなければ敗北だ。コンティニューはないが、タイトル画面でセレクトボタンとスタートボタンを同時に押すとコンフィグ画面になり、難易度設定ができる。全10ステージ。


【総評】
 格闘アクションゲームとしてはやや粗削りで単調な部分もあるにはあるが、タイトル画面から全編に渡って開発陣の『ウルトラマン』に対するこだわりが随所に見られ、横で見ているだけでも楽しい。登場する怪獣や宇宙人の選択も「10体選ぶならこれ以外にない」という連中ばかりだ。


 ステージ1は、当然テレビ第1話「ウルトラ作戦第1号」より「宇宙怪獣 ベムラー」。動きも遅く、練習相手にちょうどいい。ステージ2は、第22話「地上破壊工作」より「地底怪獣 テレスドン」。尻尾が長く、火炎攻撃も放ってくる夜間ステージ。ステージ3では、こいつは外せない第23話「故郷は地球」の「水棲怪獣 ジャミラ」。残念ながらゲームでは「ウルトラ水流」は使えないが、これは初見のプレイヤーには分からないだろうという苦渋の決断らしいが、ステージクリア後のグラフィックは、他のステージとは違う特別仕様になっている。ステージ4は、第17話「無限へのパスポート」より「四次元怪獣 ブルトン」。独特の形をしており、こちらが攻撃を仕掛けても突如消えたり、「怪光線(金縛り)」でウルトラマンの体力を吸い取る(Aボタンの連打で脱出できる)など、このあたりから難しくなってくる。ステージ5、第25話「怪彗星ツイフォン」より「どくろ怪獣 レッドキング」は、投石をしてくるが、ブルトンよりは簡単に倒せるだろう。


 ステージ6は、第2話「侵略者を撃て」からお馴染み「宇宙忍者 バルタン星人」。こいつが前半戦の難敵と言ってもいいだろう。腕のハサミはリーチが長く、「赤色凍結光線」も発射される他、分身攻撃や回転大ジャンプなど、ここでつまづくプレイヤーも少なくないと思う。ここを乗り越えステージ7は、第26話及び第27話「怪獣殿下(前後編)」の「古代怪獣 ゴモラ」。大阪城の背景であるが、ゴモラの尻尾は生えてる。劇中ではこの時点で尻尾は切れているが、そう描くとファン以外へはミステリー要素になるため、ジャミラの倒し方と同じ「アクションゲームとしての見栄え」を採ったのであろう。その尻尾での巻き付き攻撃をしたり、長距離を突撃してくる。

 ステージ8は、これまた強敵、第33話「禁じられた言葉」の「悪質宇宙人 メフィラス星人」。ビームの他、ブルトンより早く頻繁に行われるテレポーテーションなど、場合によってはスペシウム光線を2回使うのも手だ。このステージでも通常と異なるステージクリア演出がある。ステージ9は、第37話「小さな英雄」より「怪獣酋長 ジェロニモン」。後半ステージでは比較的簡単な方だ。そして、最終ステージ10は、第39話「さらばウルトラマン」よりもちろん「宇宙恐竜 ゼットン」である。これまでの9ステージが前座ではないかと思わせるほど難関なステージであり、テレポーテーションでなかなか技が当たらない厄介な敵である。尚、ゼットンはウルトラマンでは倒せないが、要は劇中と同じ流れである。


 とにかく背景に至るまで、前述した様に開発陣のこだわりと『ウルトラマン』への愛情を感じる、キャラクターゲームとしては一流と言ってもいい作品である。『ウルトラマン』を題材にしたゲームは多々あるが、87年発売の第1作目ファミコン用ディスクカード『ウルトラマン 怪獣帝国の逆襲』以外は、ディフォルメ化された物ばかりで、リアルタイプのゲームは第1弾以来である。

 同システムを受け継いだ続編は、93年にスーパーファミコン用ソフト『ウルトラセブン』と海外版スーパーファミコンのスーパー・ニンテンドー・エンターテイメント・システム用ソフト『ウルトラマングレート』に、本作自体の移植はハードによって登場怪獣の増減はあるが、アーケード、メガドライブ、ゲームボーイ、ワンダースワンカラー、携帯電話のiモードにまで移植されている。こういったキャラクターゲームは版権の問題でなかなか実機以外でプレイする機会はないが、中古市場ではカートリッジのみだと1,000円以下なので、ファンはぜひプレイしよう!デュワッ!




Books
『ウルトラマン オフィシャル・バトル・ブック』
 








【著】ワークハウス
【監修】円谷プロ
【発売】小学館
【発売日】1991年5月10日
【定価】780円


 レイアウトデザインは凡百な攻略本と変わらないが、そこは信頼のおける小学館のワンダーライフシリーズ。
全10ステージの攻略法の他、テレビ全39話の登場怪獣&宇宙人の写真入りストーリー解説、科学特捜隊所有の全メカ兵器解説、ビデオ&レーザーディスク(当時はDVDなんかなかったんだよー)、歴代ゲーム及びレトロ玩具の紹介(全て写真付き)。また、ウルトラマン=「ハヤタ・シン」役の黒部進氏、円谷プロ常務取締役製作部長(当時)の満田穧(みつた かずほ)氏(『セブン』でのウルトラホーク1号の発進シーンで基地内に響く「Fourth Gate, Open!」の声も演った人だぜ!)、作家のいとうせいこう氏のインタビューも掲載。怪獣の出現マップや懐かしさを感じる図解、更には怪獣画家の第一人者で本作のボックスアートを手掛けた開田裕司氏のピンナップまで付属と、さすが充実の内容。買って損はないっつーかこれだけの内容ならお得ですな!




(C)円谷プロ (C)BANDAI 1990

2026/04/19

悪魔城ドラキュラ

 





【発売】コナミ
【開発】コナミ(開発2課)
【発売日】1991年10月30日
【定価】8,800円
【媒体】スーパーファミコン用カートリッジ
【容量】8M
【ジャンル】アクション




ハードの新機能を巧く使ったシリーズ初期の名作ホラー


【ストーリー】
 「魔王は百年に一度、この世の力が弱まる頃、邪悪な心を持つ人間の祈りによって復活する。そして、その復活の度に彼の魔力は強くなる…」

 過去に幾度となく、魔王はあらゆる形でこの世に復活した。しかし、魔王の全世界を暗黒の雲で覆い、闇の世に君臨しようとする野望は、英雄「ベルモンド」一族によって打ち砕かれたのであった。魔王がベルモンドとの死闘に敗れ、人間界から追放されて百年が経とうとしていた頃、トランシルバニアでは干害が続き、かつての繁栄には陰りが訪れていた…。そんなある日、邪悪な雷雲が町を覆い、一筋の稲妻が沈黙の町を貫いた。その瞬間、暗黒の魔力を持つ過去最強の魔王が、この世に強力な魔物軍団と共に舞い戻ったのである。

 この危機を救おうと、ベルモンド一族の血を受け継ぐ青年「シモン」は、人間界の解放を誓った。圧倒的な勢力に不安を抱きながらも、先祖伝来の不思議な力を秘めた鞭を手に、悪魔城へと乗り込んで行ったのである…。


【概要】
 86年にコナミ(現コナミデジタルエンタテインメント)からファミコン用ディスクカードで発売された『悪魔城ドラキュラ』シリーズの8作目であり、スーパーファミコンでの第1作目。多くのシリーズではゴシックホラーの雰囲気だが、本作は特に「ホラー」の部分を強調している。また、スーパーファミコンの新機能「回転、拡大、縮小」機能をゲーム内に上手く取り入れている。サブタイトルは付いていないが、本作はファミコン版のリメイクではなく、完全新規作作である。


【ゲームシステム】
 サイドビュー形式のアクションゲーム。主人公「シモン・ベルモンド」を操り、「ドラキュラ」を倒すため、悪魔城までの道のり、そして、城内を進んで行く。武器の「鞭」は2段階にパワーアップするが、本作の特徴として、鞭を「垂らす」事ができ、これによって簡易攻撃&防御ができる。他にサブウェポンとして、「十字架(クロス)」、「斧」、「聖水」があり、各所にあるロウソクを消すと出現する「ハート」を集めると、使える回数が増える。また、「しゃがんだまま歩ける」という特徴も本作ならでは。全11ステージだが、1ステージは数エリアに分かれており、道のりは長い。パスワード制。


【総評】
 「『ドラキュラ』シリーズにハズレなし」と思っているので、本作も現在の目で見ても充分に通用するグラフィックにゲーム性だと思う。前述したスーパーファミコンの新機能を他のメーカーがまだ使いこなせず、せいぜいが自社のロゴを拡大や回転させる程度だった頃、本作はハード発売から相当早い時期にその機能を作風に巧くマッチさせダイナミックに、ステージのギミックとして使用している。これはさすが黄金期のコナミと言えよう。


 シリーズの冗談として、嫌らしい場所で急降下からユラユラとシモンに突き進んで来るザコの「コウモリ」がおり、「最強の敵はコウモリ」と言うプレイヤーも少なくないが、本作の場合は鞭を垂らして簡易攻撃&防御でダメージを受ける前に倒せるため、本作ではこの冗談は通じない…っつっても、やられる時はやられるんだけどね。

 更に鞭の使い方は、それまで正面にしか打てなかったのが、本作では8方向に打てる様になった。また、『海腹川背・旬』(エクシング・エンタテイメント)の様に、ステージによってはラバーリングアクションのエリアがあるため、鞭を上手くリングに引っかけて進んで行く。この様にスーパーファミコン初期に発売されたにも関わらず、アクションゲームとしては一流の傑作に仕上げっている。





 『ドラキュラ』シリーズは秀逸なサウンドの数々も魅力だ。今作ではファミコン版や『悪魔城伝説』に比べて、静かで落ち着いた曲が多く、美しい。本作の新曲ではステージ1で流れる「シモン・ベルモンドのテーマ」がドラキュラ戦での演出と相まって、現在も後述の3曲と合わせて後のシリーズでも使用されている。終盤ステージに流れるファミコン版の「Vampire Killer」、『ドラキュラII 呪いの封印』の「Bloody Tears(血の涙)」、『悪魔城伝説』の「Beginning」という「ドラキュラ三大名曲」のメインテーマのアレンジが流れる。やっぱ、前作の曲が流れると燃えるよね!

 現在でもダウンロード販売やオムニバスソフトなどでプレーできる。また、実機でも中古市場では1,000円前後だ。面白いゾ!



(C)KONAMI 1991

2022/02/26

機動戦士ガンダムF91 フォーミュラー戦記0122

 


【発売】バンダイ
【開発】ノバ
【発売日】1991年7月6日
【定価】9,500円
【媒体】スーパーファミコン用バックアップカートリッジ
【容量】8M
【ジャンル】シミュレーション




『ガンダム』ゲーム初の外伝作品


【ストーリー】
 宇宙世紀0122年。「シャアの反乱」から30年余の歳月が流れていた。その間、各地で小さな内乱はあったものの、地球連邦政府の政策に人類全体は比較的平穏な暮らしを営んでいた。しかし、近年、現存の政治体制を善しとせず、スペースノイドの独立を謳うテロ組織が大規模な行動を起こし始めていた。3年程前、当時最新鋭の試作実験用モビルスーツ「ガンダムF90」を奪取し、連邦軍に追われ火星で壊滅したと思われたが、この1年程の間に以前にも増して強大な装備を持って地球圏を脅かしているのである。旧式のモビルスーツを使用する彼らは「オールズモビル」と呼ばれていた。

 地球連邦政府は、反地球連邦討伐部隊を編成し、オールズモビルの一掃と同時に、この短期間に組織を再編成するだけの資金と技術を援助したスポンサーの調査と、その目的を調べるという任務を与えた。

 第13反地球連邦討伐隊旗艦「エイブラム」は、F90の移送とオールズモビル討伐というふたつの任務を遂行しつつ航海を続けていたが、幾度もの激しい戦闘で殆どの戦力を消耗していた。エイブラム艦長、ワイブル・ガードナーは、F90を出撃させ、無事に大任を果たしたパイロット、ベルフ・スクレットに引き続きF90のメインパイロットを命じた。実戦でのF90の戦闘データが次期主力モビルスーツ「F91」のスペックに活かされる事は言う間でもなかった。


【概要】
 富野由悠季氏、日本サンライズ(現サンライズ)原作の『機動戦士ガンダム』は、79年放送の初代から現在まで続編や新作が作り続けられているロボットアニメの金字塔である。本作は88年上映の映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』から91年上映の映画『機動戦士ガンダムF91』までの空白期間に起きた出来事を紡ぐ『ガンダム』シリーズ初のビデオゲームとしての外伝作。模型誌を中心とし、主にプラモデルでの展開を行っていた『機動戦士ガンダムF90』をクローズアップしている。メカニックデザインに大河原邦男氏、キャラクターデザインはOVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』や『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』の川元利浩氏が担当している。


【ゲームシステム】
 マップ画面はトップビュー形式、戦闘画面は3D視点のシミュレーションゲーム。敵襲に遭った際、プレイヤーは、「ガンダムF90」(ステージが進むにつれ「F91」も使用可能)の装備を選択して出撃する。マップ画面では友軍と敵モビルスーツ(MS)の状況確認などを行い、敵のMS小隊(だいたい3~4機)と会敵すると戦闘になる。敵小隊の中には必ず隊長機がおり、これを先に撃破すれば、その小隊のモチベーションが下がって戦闘を優位に進められる。

 戦闘画面では、画面下側にレーダーが表示されており、LorRボタンで旋回、十字ボタンで移動しながら、レーダー内の攻撃可能範囲「Vゾーン」に敵を捉え、攻撃を行う。レーダーの左右に表示されている赤と緑のゲージは、自機の燃料と耐久力を示しており、いずれか一方でも0になるとゲームオーバー。燃料は移動や攻撃などを行う度に少しずつ減少し、耐久力はダメージを受けた際に減る。どちらも母艦に着艦し、装備の換装を行う事で回復できる。敵機のダメージは、レーダーに表示されるグラフィックが白→黄→赤になる事で残りの耐久力を示している。

 全12ステージ。ゲームオーバーの条件は、敵の攻撃による自機の撃墜、燃料切れによる自機の行動不能、母艦の撃沈、友軍小隊の全滅、コロニー内が舞台となるステージ3のみコロニーに空いた穴に吸い込まれて行方不明扱いとなる5パターン。


【総評】
 アニメーション化されていないガンダムF90のバックボーンと、映画『機動戦士ガンダムF91』に続くストーリーは、『ガンダム』ファンとしては興味深い。スーパーファミコン初期の作品だが、その時点でファンに伝えられる事をゲームで実現しようとした製作者の意気込みがこちらにも伝わってくる。

 ガンダムF90は武装を換装する事で様々な状況に対応できるMS。本作でも、火力は低いが航続距離の長いA(アサルト)タイプ、逆に航続距離は遅いが高火力のD(デストロイド)タイプ、強力な遠距離攻撃を備えた万能型のV(ヴェスバー)タイプなどを選択できる。ハードの制約上、ややあっさりしているが戦闘の前後にあるキャラクター同士のやり取りも『ガンダム』らしい。

 

 大まかなストーリーの流れは、初代『ガンダム』から続く「地球連邦軍」対「ジオン公国軍」の図式から始まり、中盤からは『F91』の敵役として登場した「クロスボーン・バンガード軍」が戦闘に介入する。このジオン残党軍からクロスボーン・バンガードへの移行が映画では描かれていなかったが、本作をプレイする事で、その「空白期間」が埋まるのだ。エピローグは映画『F91』の冒頭に繋がっている。

 何度となく見る事になる戦闘画面は、多くのビジュアルをテンポよく使用しており、さほどストレスはない。ただ、こちらの燃料と耐久力はゲージで示されているとは言え、数値が可視化されていないため、なんとなくVゾーンに入って来た敵機を逃すまいと単なるAボタンの連打になったり、白表示の敵機が一撃で沈む事もあれば、赤表示の敵機がいつまでもしぶとく粘るといった場面も少なくない。同様に、F90の各武装の攻撃力や命中率、回避率なども数値化されておらず、当たらなけばどうという事もないが、体感的には運の要素が強い。

 

 また、友軍が弱過ぎるのも問題だ。母艦には地球連邦軍の量産型主力機「ジェガン」も搭載されており、敵襲の際には2~3機ごとの小隊で出撃し、勇ましくどんどん敵へと向かって交戦するのはいいが、敵機にダメージを与える事はできても止めは刺せない仕様となっている。ゲームはリアルタイムで進行するため、こちらが戦っている間もジェガン小隊は消耗していく。ゲームオーバーの条件のひとつが「友軍の全滅」のため、プレイヤーはなるべく早く敵小隊を撃破し、友軍が全滅する前に加勢に行かなければならない。


 キャラクターのやり取りでも気になった点がひとつ。主人公「ベルフ・スクレット」には、ジェガンに搭乗する恋人がいるのだが、大気圏突入のステージ4でどうやら敵機にやられてしまったらしく、その事を他のキャラクターに聞いてもはぐらかされるばかり。自分の預かり知らぬところで恋人が死亡し、その事実確認さえできないのはモヤモヤする。

 前述した通り、製作側の意図は分かる。グラフィック面でも頑張っているが、戦闘に関してはまだシステムの練り込み不足といった感が否めない。それでもファミコンでは不可能だった部分をスーパーファミコンで表現した外伝作としては一定の評価ができる←えらそーに。しっかしなー、ジェガン好きの僕としては、いくら強化されていようと「ザク」や「ドム」、「ゲルググ」なんかの旧式にやられるのは納得できんぞ。

 尚、19年にガンダムエース誌(KADOKAWA)にて、モニター画面やストーリーなど、本作のコミカライズも兼ねた『機動戦士ガンダムF90FF(ファステストフォーミュラー)』が連載されている。


(C)創通エージェンシー・サンライズ (C)BANDAI 1991

2015/08/12

ソニック・ザ・ヘッジホッグ






【発売】セガ・エンタープライゼス
【開発】セガ・エンタープライゼス(ソニックチーム)
【発売日】1991年7月26日
【定価】6,000円
【媒体】メガドライブ用カートリッジ
【容量】4M
【ジャンル】アクション
【受賞】1992年:イギリスGolden Joystick Awards オーバーオールゲームオブザイヤー
【受賞】2004年:イギリスGolden Joystick Awards アルティメットゲーミングヒーロー
【受賞】2011年:イギリスGolden Joystick Awards アウトスタンディングコントリベーション
【受賞】2012年:All-TIME 100 Video Games
【受賞】2016年:ストロング国立演劇博物館世界ビデオゲーム栄誉の殿堂入り




セガの本気


【ストーリー】 
 ここサウスアイランドは宝石や遺跡の宝庫。そして、幻の「カオスエメラルド」が眠る島とも言われている。全ての生物にエネルギーを与える超物質で、兵器にも利用できる。そんなある日、島に危機が訪れた。「ドクター・エッグマン」とその一味が島に降り立ち、巨大要塞を造り出した。噂を聞いて、「ソニック」が駆けつけた。ドクター・エッグマンはソニックを宿敵と思っているが、ソニックにとっては相手じゃない。ところが、おや…なんだか様子がヘンだ。「見たかソニック!島の動物達をロボットにしてやったのだ。こいつらは皆、ワシの思い通りに動いてくれる。つまり、島中がおまえの敵なのだ!」

 …タイヘンだ!行け、ソニック・ザ・ヘッジホッグ!みんなが助けを待っている。


【概要】
 国内の家庭用ゲーム機市場でスーパーファミコンとPCエンジンの後塵を拝したメガドライブの巻き返しを図るため、また、好調な海外市場でのシェアを更に伸ばすための世界戦略の一環として、セガ・エンタープライゼス(現セガゲームス)が発売したアクションゲーム。『スーパーマリオブラザーズ』(任天堂)を多聞に意識しており、主人公はそれまでの同社のバタ臭いキャラクターから一転、音速で走り回るクールでスマートなハリネズミ「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」。音楽はDREAMS COME TRUEの中村正人氏が作曲。ゲームセンターのクレーンゲーム機『ニューUFOキャッチャー』のBGMにも流用されているため、耳にした人も多いはずだ。

 従来のアクションゲームにはなかった爽快なスピード感とシンプルな操作性で、初心者から上級者まで幅広いユーザー層に支持され、全世界で1,500万本以上の大ヒットとなった。特に北米市場では、海外版スーパーファミコンのスーパー・ニンテンドー・エンターテイメント・システムと海外版メガドライブのジェネシスが熾烈なシェア争いを繰り広げていたが、同年のクリスマス商戦でセガ・オブ・アメリカ社(SOA)が「マリオ」との挑発的な比較広告を大々的に展開し、最終的にジェネシスがトップシェアを獲る事になった。12年にはアメリカのタイム社が発表した歴史上最も偉大なビデオゲーム100本「All-TIME 100 Video Games」にも選出されている。


【ゲームシステム】
 サイドビュー形式のアクションゲームで、使うボタンは十字キーとAボタンのみ(A、B、C各ボタンは共通)。簡単操作で多彩なアクションができる。助走をつけてダッシュした状態で下ボタンを押すと、体が丸くなって高速で滑走する従来のアクションゲームにはないスピード感が本作の魅力だ。ライフ制ではないものの、ステージ内に散らばる「リング」を1つでも取っていれば、敵に当たってもリングが身代わりとなってくれる。リングを50個集めれば「スペシャルステージ」へ進め、100個集めると1UPする。各ステージは高速で駆け抜けられる構成と、仕掛けをじっくり進んでいく構成とに分かれている秀逸なアクションゲームだ。


【総評】
 88年にセガから発売されたメガドライブは、ファミコンを凌駕する性能を持ちながらも「マニアックな玄人向けハード」という印象を払拭できず、後発のスーパーファミコンはもとより市場2位のシェアもPCエンジンから奪えない状況にあった。アーケードからの移植が多かった事もあるが、いかんせんセガの供給するソフトは安定性に欠いていた。なにせメガドライブ初のオリジナルソフトが、そのあまりの出来に原作者がセガに乗り込んだという逸話もある『おそ松くん はちゃめちゃ劇場』である。マリオに対抗しようと「アレックスキッド」を起用するあたりもどうかしていた。加えて、アーケードの自社看板タイトルは競合ハードへ移植しまくるという理解不能な姿勢を取っていた。

 このままでは家庭用ゲーム機市場で通用しないとセガがようやく気付いたのは、91年の夏だった。比較的弱かったRPGのテコ入れとなった『シャインニング&ザ・ダクネス』、シリーズのコアなファンを唸らせた『アドバンスド大戦略~ドイツ電撃作戦~』、音楽も好評を得た『ベア・ナックル 怒りの鉄拳』、高い移植度の『アウトラン』など、「お?メガドラなんか変わった?」と思わせる怒涛のラインナップでようやく本気を見せてきたのだ。そして、中山隼雄社長(現中山隼雄科学技術文化財団名誉理事長)の「マリオに勝てるキャラクターとゲームを作れ」という社命の下、攻勢の目玉として発売されたのが本作である。マニア視点ではなく、「一般受け」という抽象的ながらセガが長年見出せなかった視点に立ったこの年の夏から、本当の意味での家庭用ゲーム機市場のシェア争いが始まったと言っても過言ではない。いや、やっぱ過言かも。ごめん、またテキトー言った。結果的にメガドライブが国内シェアのトップに立つ事はなかったが、前述の様に海外では念願のトップシェアを獲得。これを足がかりに次世代ハードでは任天堂の先手を取ったのだった。

 本作発売から1ヵ月後には早くもセガのマスコットキャラクターに据えられたソニック。「ポストマリオ」を狙い、国内外で大々的なプロモーション活動を行った。続編やシリーズ作品は現在でもジャンル、プラットフォームを問わずに発売されており、その数は国内だけでも50作を超える。

 92年には、Jリーグに参加表明したばかりのジェフユナイテッド市原(現ジェフユナイテッド市原・千葉)のユニフォームにその姿を見せた。通常のユニフォームスポンサーは企業名や商品名のロゴが入るが、ジェフのユニフォームには「SEGA」の横にボールを蹴るソニックの姿がリーグ戦用はカラーで、カップ戦用はモノクロの線画で描かれたのだ。今でこそ市民権を得たJリーグのマスコットキャラクターだが、当時このテのキャラは賑やかし以下の存在でしかなかった。ジェフには現在「ジェフィ」と「ユニティ」という秋田犬の兄弟がいるが、当時は「セイバーくん」と「ゲッターくん」などとテキトーに呼ばれており、よく分からない有象無象のマスコットが乱立する中、ソニックの存在は群を抜いていた。

 あ、言っておきますが、僕はジェフ大好きっ娘のメガドライバーです。結果、93年のジェフの観客動員数は全クラブの中で上から2番目、94年も上から3番目の多さだった。一方のセガも、地上波の全国放送で試合の生中継がバンバン流れていたため、狙い通りゲームファン以外の一般層やライトユーザーへのPRを果たした。当然、セガから発売されるサッカーゲームにもその恩恵があった。93年に発売された『Jリーグ プロストライカー』では、電源を入れると通常とは異なりユニフォームに描かれたソニック付きのロゴが現れ、ゲームタイトルよりも先に「撮影協力」としてジェフのロゴが表示される。実際の選手の動きを参考にしたリアルな動きも評価され、メガドライブ用サッカーゲームの決定版として全3作が発売。もちろん、TVCMにも選手の映像を使用した。ハードがセガサターンに世代交代した後も、実質的な続編である『Jリーグ ビクトリーゴール』シリーズのうち2作でクラブの協力を得ている。セガとジェフの関係は良好で、キャプテンのパベル・ジェハーク氏が自分の髪にソニックを描いてプレーするなど、共に費用対効果は大きく、ソニックは92年から96年までの4年間、「ジェフの顔」となったのだ。

 海外では91年以降もSOAが大掛かりなプロモーションを展開していた。93年には世界で最も高額な広告媒体であるF1、それも強豪ウィリアムズ・ルノーのスポンサーとなり、車体やヘルメットにソニックが大きく描かれた。この年のウィリアムズのパイロットはアラン・プロストとデイモン・ヒルで、チームはコンストラクターズチャンピオンに、プロストは世界チャンピオンを獲得。ロータス・フォードのファンだった僕は内心フクザツな思いだったが、僕の他にもフクザツな思いに駆られてた人間がいたとしたら、それはアイルトン・セナ・ダ・シルバという男であろう。

 大のセガファンであり、92年にはメガドライブで自分の名を冠した『アイルトン・セナ スーパーモナコGPII』も発売したセナは、ライバルであるマクラーレン・フォードに所属していた。内心「えー」と思ったに違いない。

 結果的に2つのタイトルはウィリアムズに獲られたが、4月にイギリスで行われたヨーロッパグランプリでセナは強烈な印象を残した。SOAがレースの冠スポンサーとなり、コース上の看板は全て「SEGA」と「SONIC」に、空にはソニックのアドバルーンを浮かべ、レースクイーンにはソニックのコスプレまでさせるという狂った様な金の使い方で、さすがにこの時はセガファンの自分よりもロータスファンの自分が上回り、嫌味にしか感じなかったが、きっとセナもそう思ったはず!もはや同志!雨天のレースは5番手からのセナがポールポジションのウィリアムズ勢2人を早々に抜き去ると、タイヤ交換中に一度はプロストにトップを明け渡すも、再度逆転したセナが優勝。SOAが特注したソニックの優勝トロフィーは、皮肉な事にセナが受け取ったのだった。その後もマクラーレンの車体にはウィリアムズに勝つ度にぺちゃんこになったハリネズミのイラストが描かれていた。かわいさがあまったんだろうなー。

 本作発売から10年後の01年、セガはドリームキャストの失敗によって家庭用ゲーム機のハード事業から撤退。現在はソフトメーカーとしてかつて競合したメーカーのハードにソフトを供給している。ソニックシリーズも量産化され、今ではマリオとも仲良く競演しているが、なんとなく寂しい気持ちになるのは僕だけではないはずだ。上を向いてた頃はよかったぜ、フッ…。


【2016.5.5.追記】
 アメリカのストロング国立演劇博物館による本年度の「世界ビデオゲーム栄誉の殿堂入り」に、本作が選出されました。

【2019.8.27.追記】
 コンピュータエンターテインメント協会(CESA)が主催する日本最大の開発者向けカンファレンス「コンピュータエンターテインメントデベロッパーズカンファレンス2019(CEDEC 2019)」にて、同分野の開発全般に貢献したとして、アートディレクターの児玉理恵子氏が「CEDEC AWARDS パイオニア賞」を受賞されました。尚、本作の開発者である中裕二氏は02年大会で「CEDEC AWARDS 生涯功労賞」を受賞されています。




Figure
『ソニック生誕15周年記念オリジナルフィギュア』












【発売】セガ・エンタープライゼス
【発売日】2006年8月17日
【定価】1,580円
【原型】小林和史(モデリズム)
【備考】セガダイレクト専売


 ソニック生誕15周年記念の06年に完全受注限定品としてセガダイレクト(現セガストア)のみで販売されたフィギュア。全高約10cmで、頭部と両腕が稼動。98年にドリームキャストで発売された『ソニックアドベンチャー』のデザインを元にしているため、メガドライブ版よりも長身でスマートな体型になっている。原型はプロモデラーの小林和史氏の手によるもの。現在はオリジナルメカ「ウィーゴ」を展開中である氏のデビューから追いかけている僕はそりゃ買うに決まってますがな。


(C)SEGA 1991