2016/10/12

グーニーズ2-フラッテリー最後の挑戦-


【発売】コナミ
【開発】コナミ
【発売日】1987年3月18日
【定価】5,300円
【媒体】ファミコン用カートリッジ
【容量】1M+64KRAM
【ジャンル】アクション




市場のニーズに合わせた前作と似て非なる続編


【ストーリー】
 グーンダックスの町で相変わらず楽しくやっているグーニーズの元に、ある日フラッテリー一家から挑戦状が届きました。 「おまえ達の仲間の人魚のアニーを我々のアジトに監禁している。助けられるもんなら助けてみな」という内容のものです。もちろん、スリルと冒険が大好きなグーニーズ、そんな挑戦状に尻込みする者は1人もいません。次々とアジトに乗り込んで行きました。でも、誰1人帰って来る者はなく、マイキーは最後の1人になってしまいました。マイキーは無事、仲間を救い出し、人魚のアニーを助ける事ができるでしょうか?


【概要】
 スティーヴン・スピルバーグ製作総指揮、リチャード・ドナー監督の映画『グーニーズ』を原作としたアクションゲームの第2弾。映画を原作とした前作『グーニーズ』とは異なり、今作はゲームオリジナルの設定となっている。基本的には前作同様サイドビュー形式のアクションゲームだが、新たに3Dダンジョンが追加され、ステージマップが広大になった。また、アイテムや敵キャラクターの種類も豊富になった一方、難易度も上がっている。メインBGMは前作で高い評価を受けたシンディ・ローパーの歌う映画の主題歌「The Goonies 'R' Good Enough」が引き続き使用されている。


【ゲームシステム】
 サイドビュー形式の探索型アクションゲーム。主人公「マイキー」を操り、さらわれた6人の仲間と人魚の「アニー」を助け出すのが目的。サイドビューのステージには「表」と「裏」があり、今作で新たに追加された3Dダンジョン内にある「ワープの部屋」を経由して行き来する。基本攻撃はヨーヨーだが、アイテムを入手する事で遠距離攻撃用のパチンコやブーメラン、特殊攻撃用の爆弾や火炎瓶が使える様になる。前作同様にライフ制だが、ゲームオーバー時にはその場から復活するコンティニューかパスワードを取るかが選択できる。前作にあった時間制限とスコアの概念は今作では廃止された。


【総評】
 絶妙な難易度やストレスのない操作性などでヒットした前作『グーニーズ』。原作の映画は近年まで続編の噂が立っては消えの繰り返しだが、ゲームでは前作の好評を受け、配給元のワーナー・ブラザーズとの契約期間内に続編の本作が製作された。

 一見すると前作と変わらないサイドビュー形式のアクションゲームだが、新たに追加された3Dダンジョンを経由した表と裏に分かれるステージは、広大かつバリエーションに富んだ構成になっている。また、3Dダンジョン内でのアイテム探索は、コマンド選択式アドベンチャーゲームのスタイルが流用された。ゲーム全体のボリュームアップに伴い、ゲームオーバー時にはアン・ラムジーが演じた「フラッテリー・ママ」の大きなグラフィック(これがなかなか似ている)が映し出され、その場からの復活orパスワードによるコンティニュー制も導入された。

 ワープによるマップのボリュームアップという本作の基本スタイルは、『キングコング2 怒りのメガトンパンチ』などで既に実装されており、また、言ってしまえば「水増し」によるステージ数の増加(マップの広さ)も『がんばれゴエモン!からくり道中』や『コナミワイワイワールド』に見られる同社お得意のスタイルだ。この時期、ファミコンではアドベンチャーゲームがブームとなり、徐々にロールプレイングゲームも増え始めていた。『スーパーマリオブラザーズ』(任天堂)の登場から1年以上が経ち、それまでのスタンダードジャンルだったサイドビュー形式のアクションゲームは、ただ走って跳ぶ以上の付加価値とコストパフォーマンスを求められていたのだ。

 大幅なボリュームアップと新要素の追加は、ヒット作の続編として前作のファンに応え、かつ、ファミコン市場のニーズにも合わせた内容と言える。だが、「幅広いユーザーが楽しめる良質なアクションゲーム」という前作最大のセールスポイントは、水増しによる広大なマップと、ワープまでしてしまう3Dダンジョンによる煩雑さによって完全にスポイルされてしまった。グラフィック的なメリハリ以外には必然性のない3Dダンジョンで繋がれた広大な表と裏のステージを頻繁に往来するため、自分の現在地やワープ部屋、捕らわれた仲間のいる場所など、度々サブ画面を呼び出してマップを確認しなければならない。加えて、種類の増えたアイテム類と敵キャラクターの強さが難易度を上げた。

 見た目は前作と変わらない正統進化。だが、前作で意気揚々と敵を蹴散らしながら進むマイキーの軽やかさは、残念ながら今作では消されてしまっている。前述したコナミの作品達はどれもそれなりのセールスを記録しており、それが当時のサイドビュー形式アクションゲームに求められた市場のニーズだった。本作単体で見る限り、それらと同様に決して悪いゲームではないのだが、どうしても前作と比較されてしまうのが続編モノの宿命。今作オリジナルの曲を含めノリのいいBGMは健在なだけに、どうしても似て非なるものと感じてしまうのだった。



(C)Konami 1987
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