2026/05/16

バーニングフォース

 


 



【発売】ナムコ
【開発】ナムコ
【発売日】1990年10月19日
【定価】4,900円
【媒体】メガドライブ用カートリッジ
【容量】4M
【ジャンル】シューティング




トライアンドエラーが報われる良好なゲームバランス


【ストーリー】
 西暦2100年、地球大学・宇宙学部トップスペース専科において、今年も卒業試験が行われようとしていた。この日のために厳しいトレーニングを経て来た若者達であったが、6日間に渡って実施される過酷な実戦試験の前では、合格する者などほんの一握りしかいない。だが、それだけに、この卒業生達が手にできる名誉には計り知れないものがあるのだ。試験を見事に通過した証、それが「スペースファイター」の称号である。


【概要】
 オリジナル版は89年にナムコ(現バンダイナムコゲームス)がアーケードで発売した疑似3Dシューティングゲーム。メガドライブは回転、拡大、縮小機能未搭載のため、オリジナル版に比べてスケールダウンはしているものの、ライフ制の導入や無敵アイテムの追加など、コンシューマ用にローカライズし、可能な限り忠実な移植をしようと試みているのが分かる。サウンドは『リッジレーサーV』などの川元義徳氏が作曲しており、特に1面の「Bay Yard」は疾走感溢れる名曲で、『太鼓の達人』では「バーニングフォースメドレー」として、1面、2面、4面のサウンドがアレンジされ使用されている。


【ゲームシステム】
 疑似3Dのシューティングゲーム。十字キーの上を押すと加速、下を押せば減速する。通常弾はAボタン、ミサイルはBボタンと操作性は至ってシンプルである。無敵アイテムを5つ集めてCボタンを押すと、一定時間無敵となる。敵は後方からも迫ってくるため、画面右上のバックセンサーで確認する。試験は6日間で、「午前の部」と「午後の部」に分かれている。全6ステージ。


【総評】
 午前の部では横にしか移動できない「エアバイク」、「午後の部」ではボス戦を前に上下左右に動ける「エアプレーン」に乗ってプレイする(6面はエアプレーンのみ搭乗)。このため、午前の部では移動範囲が限定されているため、『スペースハリアー』(セガ・エンタープライゼス)の様に「逃げながら攻撃する」事ができない。ステージが進むに連れ、かわすのに理不尽さを感じる敵(岩柱がゴロゴロ崩れてきたり)もいるにはいるが、こちらも逆に同一線上にいる左右の敵攻撃のみに集中すればいいため、僕の様なジジイゲーマーには比較的やりやすい。

 一方、午後の部のボス戦手前では、ドック艦にはいり、エアバイクの上からスポンと飛行機みたいなパーツを被せられ、エアプレーンとして上下左右に敵味方動くため、よくあるタイプの3D視点シューティングとなり、僕の様な尻ばかり見ているジジイゲーマーには比較的いやーんである。

 ちなみに、主人公の名称は取扱説明書には「ひろみ」としか明記されていないが、フルネームは「天現寺ひろみ」であり、エアバイクには「SIGN DUCK(サインダック)10-B」という名称が付いている。この辺りはプレイステーション2用ソフト『ナムコクロスカプコン』での登場でも明らかになっている。また、本作もナムコのUGSFシリーズに組み込まれている。



 ゲームとしては特に問題もなく、コンフィグモードで「EASY」を選べば、初心者でも3面辺りまでは進めると思う。いわゆる「初見泣かし」もあるにはあるが、トライアンドエラーが報われるゲームバランスだ。秀逸なのは、やはり前述した様にSFの疾走感溢れるサウンドだろう。当然サウンド・トラックも発売されたが、名曲「Bay Yard」にいきなり激しいSEを重ねる残念バカ仕様だったので、とっとと売ってしまった。最もイメージに近いアレンジは、『ナムコクロスカプコン』なんだよなー。


 なんか文句で終わるのも如何なもんだと思いますんで(そもそも文句はサントラにだ)、初心者から上級者まで楽しめる無難だけどナムコらしいサウンドのバランスの取れたゲームだと思いますよ。僕は好きだなー。このメガドライブ版以外だと、コンシューマで遊ぶには09年のWiiまで待つ事になり、現在はハムスターからプレイステーション4及びニンテンドーSwitchでプレイできるが、全てがダウンロード専売であり、「物理的」な『バーニングフォース』はコンシューマ機ではこのメガドライブ版のみなので、メガドライバーは必携である。


(C)1989 1990 NAMCO LTD.,ALL RIGHTS RESERVED

2026/05/12

探偵神宮寺三郎 夢の終わりに


   






【発売】データイースト(普及版1,500円シリーズ:メディアリング)
【開発】データイースト
【発売日】1998年4月23日(普及版1,500円シリーズ:2001年10月19日)
【定価】5,800円(普及版1,500円シリーズ:1,500円)
【媒体】プレイステーション用CD-ROM
【ジャンル】アドベンチャー




コマンド選択式アドベンチャーゲームが頂点に昇華した珠玉の名作


【ストーリー】
 「またあの夢か…」

 吐き捨てる様にそう言いながら、最後の記憶を辿る。机上で乱雑に積み上げられたファイルの山が目にとまる。昨晩の成果だった。立て込んでいた仕事もこれで一段落する。しばしの安堵感...。ソファーで眠り込んでしまった事を少し後悔しながら、愛用の煙草に手を伸ばす。寝起きの一服…遠くの喧騒に耳を傾けながら、一度だけさっきの夢を回想してみる。だが、その疑問は、隣室から聞こえた電話のコール音によってすぐかき消されていた。

 「なぜ、今頃また…」


【概要】
 データイーストのハードボイルドアドベンチャーゲーム『探偵神宮寺三郎』シリーズの第6作目。前作『探偵神宮寺三郎 未完のルポ』を踏襲しながら、メインキャラクターデザインやムービーシーンの作画を第1作目からパッケージデザインを担当している寺田克也氏、サブキャラクターを寺田氏の作風に近いデータイーストの高橋光氏が担当。オープニングムービーは映画監督の佐藤嗣麻子氏が手掛けた。グラフィック全体の色調もシックなものに統一されている。また、サウンドは打ち込みではなく、全て同社のバンド「ゲーマデリック」によるジャズの生演奏と、細部までこだわりが溢れている。

 本作は当初、セガサターン版との同時発売を予定していたが、ゲーム中の麻薬描写がセガ・エンタープライゼス(現セガ)の倫理規定に抵触したため、セガサターン版は「18歳以上推奨」区分にされ、特に注意喚起の表示義務もないプレイステーション版との同時発売はユーザーの混乱を招きかねないとして、内容は全く同じだが発売日が異なる(セガサターン版は同年7月9日発売)。国内のゲームソフトで「暴力」や「性表現」以外、麻薬問題では初の「18歳以上推奨」ソフトとなった。

 データイーストの本作への力の入れ具合は強く、ブランクはあるが「シリーズ10周年記念」として、1作目から本作までのゲーマデリックによるアレンジメドレー、「神宮寺三郎」、「御苑洋子」、「熊野参造」各3人のラジオドラマが収録された『探偵神宮寺三郎シリーズ10周年記念CD』の8cmCDも付属している。




【ゲームシステム】
 新宿で探偵を営む神宮寺三郎を主人公にしたオーソドックスなコマンド選択式アドベンチャーゲーム。捜査に行き詰った際はシリーズ恒例「タバコ吸う」コマンドでヒントを得られる。ゲームオーバーはなく、セーブ画面終了後にザッピングのプレイヤーを選択できる。ストーリーを深く知るためにもまずは神宮寺でクリアし、後から他の3人の視点からもプレイする事をオススメする。本作もまた、難解な謎に挑むというよりも、じっくりとストーリーを楽しむスタンスが正しいと言えよう。



【総評】
 前作のユーザーからの不満点や反省点を徹底的に分析してフィードバックさせ、キャラクター造形から独特の雰囲気なども一から見直し、結果的にシリーズ随一の非常に高い完成度の作品となった。次作『探偵神宮寺三郎 灯火が消えぬ間に』発売後、03年にデータイーストが倒産し、ワークジャム(こちらも12年に倒産)、現在の発売元となっているアークシステムワークスが引き継いだ現在も、本作を踏襲しており、シリーズの大きな転換点ともなった。


 主人公の神宮寺三郎だけでなく、助手の御苑洋子、ベテラン刑事の熊野参造、本作のゲストキャラクターである洋子の友人の妹「永田三貴」の4人をザッピングして多角的にストーリーを追えるのは前作同様だが、そのフローチャートもかなり分かりやすくなっている。基本的には1度神宮寺に絞ってクリアした後、他の3人の「その日」をプレイすると全体像がディテールまで把握できる。そして、アニメーションムービーや3Dシーンなどもかなりブラッシュアップされ、全てが高品質な、コマンド選択式アドベンチャーゲームの1種の頂点にまで昇華させた。



 神宮寺だけのモードだが、コマンド選択だけではなく、今までの調査結果をまとめてみたり分析して頭を整理する「推理モード(D-MODE)」や、特定の場所(主に部屋)ではポリゴンで描かれた360度の場所をくまなく調べていく「探索モード(S-MODE)」も、調査にメリハリと緊張感、臨場感を出すのに一役買っている。ゲームに詰まったら(あまり詰まるところはないが)、いつも通りタバコを吸えば何かしら閃くが、98年当時から徐々にタバコへの印象が悪くなって喫煙場所が少なくなってきているのが分かる。うんうん、喫煙者にとっては肩身狭いよなー。


 本作のメインシナリオは、前作『未完のルポ』で企画サポート担当だった稲葉洋敬氏が執筆。架空の麻薬「PCD」を通して、「何かに凝りなければ自分を変えられない現代人の甘さ」を痛烈に描いている。エンディングは今回の事件の各人の「心象」を語っており、神宮寺でクリアすれば、4人のエンディングを選択して見る事ができる。




 とにかく、現在の目で見ても本作の出来は極めて高いクオリティで、細部の細部に至るまで隙なく製作陣のこだわりが見える、アドベンチャーゲーム好きにはぜひともプレイしてほしい傑作だ。



Books
『『探偵神宮寺三郎 夢の終わりに』全記録 Jinguji Saburo Chironicle '87-'98』

 












【著】murmur's GROUP
【発売】メディアファクトリー
【発売日】1998年5月15日
【定価】1,200円


 本作のクリアフローチャートを章立てして丁寧に描いている他、メインキャラクターのラフ画、寺田氏を始め開発陣へのインタビューはもちろん、数多にあるハードボイルド小説の中から、主人公が神宮寺と同じ特徴を持つ個性的な私立探偵が登場する書籍の紹介。そして、1作目『探偵神宮寺三郎 新宿中央公園殺人事件』から前作『未完のルポ』までの攻略、イラストなどまで、まさに「全記録」の名著である。現在は残念ながら10倍以上のプレミアムが付いており、簡単に手に取る事が出来ないのが残念だ。滅べ、プレミア価格!







Goods
「『探偵神宮寺三郎 夢の終わりに』マグカップ」




【発売】データイースト
【発売日】1998年

 前に神宮寺グッズのほとんどを手放した事は書きましたが、マグカップだけは手元に残していたのでした。いえい。たぶん1,000円前後だった気がする。グッズ日常使い派なので、画材のマーカー立てに今でも我が家の第一線で活躍(?)しとります。


(C)1998 DATA EAST CORP.

2026/05/02

へべれけのぽぷーん




【発売】サンソフト
【開発】サンソフト、東海エンジニアリング
【発売日】1993年12月22日
【定価】8,500円
【媒体】スーパーファミコン用カートリッジ
【容量】8M
【ジャンル】パズル




またもオリジナリティの薄さをキャラクターでカバー


【概要】
 サンソフトの看板キャラクター「へべ」、「おーちゃん」、「すけざえもん」、「ぢぇにふぁー」達が登場する落ち物パズルゲーム。翌94年6月にはアーケード用(開発はサンソフトとサクセス、発売はアトラス)に逆移植された。アクション、格闘アクション、レース、ピクロスやタイピングソフトなど、幅広いジャンルで展開されている『へべれけ』シリーズだが、落ち物パズルゲームとしては本作後、95年に『ポポイっとへべれけ』も発売された。


【ゲームシステム】
 『ポポイっとへべれけ』が『ドクターマリオ』(任天堂)的なアレであるならば、本作は『ぷよぷよ』(セガ・エンタープライゼス)的なアレっつーか、いやもう、「アレ」ではごまかせきれない感じだ。画面上部から2匹セットで落ちて来る4色の「ぽぷーん」を回転させつつ、同じ色のぷよじゃねえぽぷーんを上下左右に3つ以上積んで揃えて消していくという例のアレである。ぽぷーんが消える事で、その上に積んであったぽぷーんが下に落ち、そこで再びくっついて消えるという連鎖がキモなとこまでアレだ。
 消したぽぷーんの数や連鎖の回数によって相手のフィールドにこちらのぽぷーん(「ぽろぽろ」)を降らせる事ができる。また、相手から送られて来るぽろぽろは、同色のぽぷーん1つで消える。他にも各キャラクターに用意されている「すぺしゃるあたーく」などで追い込み、画面全てがぽぷーんとぽろぽろで埋まってしまうとゲームオーバー。対コンピュータ戦では難易度が5段階選べる。用意されているモードは、1人用の「ストーリーモード」、最大8人によるトーナメント対戦の「勝ち抜き」、任意の対コンピュータ戦「戦う」、「サウンドモード」の計4モード。


【総評】
 『ポポイっとへべれけ』と異なり、ぽろぽろが降って来るため、対人戦ではある程度ぽぷーんを配置する戦略性が求められる。


 これまたオリジナリティはほぼないが、『へべれけ』シリーズは、その強烈なキャラクターと世界観で「なんとなくいっか」と思わせるこれまたミョーな魅力がある事も以前書いた通りだ。また、毎度の事ながらサウンド面には異様に力が入っており、へべに林原めぐみ、おーちゃんにかないみか、すけざえもんに若本規夫、ぢぇにふぁーには千葉繁各氏を無駄遣いじゃねえあまり喋らないスーパーファミコンで器用している(シリーズ通して各氏が担当)。そして、サウンドも毎回様々なジャンルを試みているが、本作ではジュリアナ系テクノポップ調(声優の使い方も上手い)が主体であり、他社のサウンド担当者からも「サウンドはプロの仕事」と一目置かれている。

 『ポポイっとへべれけ』が発売されたのも、本作の作り込みが単なる「模倣ゲーム」ではないほどしっかりしている点と、やはりキャラクターの魅力から、ユーザーを惹き付ける何かがあるにょー。



(C)1993 SUNSOFT