2026/08/20

ゲゲゲの鬼太郎 妖怪大魔境

 



【発売】バンダイ
【開発】トーセ
【発売日】1986年4月17日
【定価】4,900円
【媒体】ファミコン用カートリッジ
【容量】512Kbit
【ジャンル】アクション





戸田くんゲーム化第1弾


【ストーリー】
 悪い妖怪達が人間界を征服し、妖怪の国を創るために「魔境」を出現させた。日本は、世界は、このまま妖怪達に占領されてしまうのだろうか?そこに聞こえてくるのが、「カランコロン」のゲタの音。「妖怪退治は任せろ」と、正義の味方「ゲゲゲの鬼太郎」が仲間妖怪と共に妖怪大魔境に乗り込んで行った!魔境での凄まじい死闘が始まった。鬼太郎と「一反木綿」の名コンビが繰り広げる激しい空中戦。妖怪に奪われた人間の魂の決死の争奪戦。妖術を解くために、「つるべ火」を引き連れてろうそく合戦。妖怪軍団との死力を尽くした大血戦。行く手を阻む巨大妖怪の罠。妖怪城に潜む強敵妖怪の挑戦。鬼太郎の前途には、様々な困難が待ち受けている。魔境を制圧し、妖怪城を陥落させて平和な世界を取り戻すために、鬼太郎の果てしない冒険が続くのだ!


【概要】
 水木しげる氏原作の『ゲゲゲの鬼太郎』は、コミックス、テレビアニメ、実写化などがされている妖怪マンガの金字塔である。テレビアニメは現在までに6度放送されており、本作品はそのうちの3期(85年10月~88年3月)をゲーム化したもの。87年にファミコンで『ゲゲゲの鬼太郎2 妖怪軍団の挑戦』、93年にはスーパーファミコンで『ゲゲゲの鬼太郎 復活!天魔大王』が発売されたが、両作と本作との繋がりはない。

 3期『鬼太郎』の特徴は、バブル期に放送された事もあり、この世を謳歌する人間側に対し、妖怪側は古く忘れられた存在に成り下がった様に描かれているが、決して弱っているわけではなく、人間の横暴に対しては「ぬらりひょん」を筆頭に組織的もしくは個々の妖力によって人間側へ実力行使に出る構図が多い。「鬼太郎」は歴代の中でも最も強く、好戦的な描写がされているも、基本的には人間と妖怪の共存を常に模索している。対妖怪戦でもまずは話し合いを提案する場面多し。その話し合いが受け入れられなかった場合に鬼太郎も実力行使に出ると。容赦のない実力行使は人間側に非があった場合はそちらに向けられる事もあり。本作では、この「組織的」な妖怪達の実力行使が描かれている。


【ゲームシステム】
 サイドビュー形式のアクションゲーム。1ステージのマップには、「四大魔境」、「砂かけ婆の家」、「妖怪城」が配置されている。マップは4パターンあり、配置されている魔境の数や種類が毎回変わる。魔境は4つに分かれ、それぞれクリア条件が違う。「妖奇魔境」は、空中に漂う「人魂」を10個集める。「妖界魔境」は、妖怪を10匹倒す。「妖空魔境」は、一反木綿に乗って空中戦で敵を10匹倒す。「妖炎魔境」は、鬼太郎の後ろをトレースして着いて来るつるべ火にステージ上のろうそく全てに火を点けさせる。
 以上のクリア条件を満たすと「扉」が2つ現れ、正解の方に入るとクリアになるが(この時、「カラス」か「座敷童」を取っておけば正解の扉を教えてくれる)、不正解の方に入ると「妖怪地獄」に落とされ、大型妖怪やうじゃうじゃと復活する雑魚妖怪を倒さなければ出られない。ステージ中には戸田くんに有利なアイテムもたくさん出現し、「目玉の親父」は1UP、「オカリナ」は3個集めると妖怪城での対ボス戦で「ぬりかべ」、「児泣き爺」、「砂かけ婆」のいずれかを呼べる。全16ステージで、以降はループ。コンティニューはない漢の一発即死系である。


【総評】
 本作発売時はキャラクターゲームの力が大きかった。まだ各メーカーがファミコンのゲーム開発に試行錯誤している中、シンプルでも理不尽でも、キャラクターのネームバリューが幅を効かせていた僅かな時代。バンダイ(現バンダイナムコエンターテインメント)は85年発売の『キン肉マン マッスルタッグマッチ』でファミコン市場に参入し、いきなり100万本を売り上げ、本作でも約123万本の大ヒットとなった。キャラクターゲームのキモは少ない容量でもどれだけ「似せられるか」にある…と思う。本作では登場するキャラクターは日本妖怪と西洋妖怪合わせて50種にものぼり(なぜか…でもないが、「ねずみ男」は敵キャラクターとして登場)、どれも少ないドット絵でよく特徴を捉えており、僕みたいなマニアが見れば一発で判別できる連中ばかりだ。つるべ火だけ原作と違ってかわいい姿になってるけどね。



 4つの魔境も面構成自体は基本的に同じだが、妖奇魔境は、「墓場」、「神社」、「森」、「川」と4パターン。妖界魔境(←漢字合ってます)は、「屋敷」、「ススキヶ原」の2パターン。妖空魔境は、空の色が「黒」と「紫」、「林上空」、「鍾乳洞」の4パターン。妖炎魔境は、「しゃれこうべ谷」、「土蔵」の2パターンと、やる事は変わりないが、見た目のバリエーションが豊富で、これだけでも「頑張ってるなぁ」とエラそうに思うのだった。妖怪地獄の大型妖怪は、「見上げ入道」、「赤舌」、「たんたん坊」、「バックベアード」の4種に、雑魚妖怪も大型妖怪と関係のあるキャラクター(たんたん坊ステージだったら雑魚は「二口女」だったり)が待ち伏せている。


 戸田くんの武器はお馴染み「髪の毛針」だが、スペシャルアイテムとして、「指鉄砲」や「リモコン下駄」、「ちゃんちゃんこ」、「妖怪火炎」がステージ内を進めると出現する。セレクトボタンで髪の毛針とスイッチできるが、ストックして使用回数を貯める事もできるため、これも対ボス戦に温存したい。「猫娘」や「天童ユメコ」もお助けキャラクターとして登場する。ボス妖怪には体力値が「10」と設定されており、仲間やスペシャルアイテムで戦って倒そう!登場ボスは(←出た、マニアの悪い癖)、「吸血鬼エリート」、「髪さま」、「雪ん子」、「悪魔ベリアル」、「輪入道」、「日照り神」、「ほうこう」。それぞれに「弱点」と「耐性」を持っており、例えば、日照り神なら文字通り火炎攻撃は効かない。逆に雪ん子にとっては弱点となる。当時のキャラクターゲームとしては、前述の「オカリナで仲間が呼べる」のと合わせて、いいアイデアだ。また、「ぬらりひょん」はステージ内でアイテムに紛れて上から下に落ちてくる扱いとなり、触ると即死である。最終ボスをほうこうにしたのも一捻り効いている。

 

 基本的には似た様なグラフィックだったり、髪の毛針を連射しながらステージを右往左往したり、戸田くんが左を向いても目が見えていたりするが、当時のキャラクターゲームの中では、原作アニメに登場するキャラクター達を味方も敵も出せるだけ出し、オープニングやマップ画面ではアニメの主題歌がBGMだったりと、サービス精神に溢れた作品に仕上がった。前述した様に、本作もまた、この時期に発売された作品によく見る漢の一発即死系であり、残機を増やす裏技もあるにはあるが、これにはジョイスティックなどの外部周辺機器が必要となるので、ここでは割愛。

 プレイヤーは豊富な妖怪達見たさにプレイしていた、ファミコン黎明期のキャラクターゲームとしては及第点以上の出来ではなかろーか。今やるとちょっと単調さが目に付くけどね。当時はこれでいいのだ。ねえ、父さん。


(C)1986 水木プロ・東映アニメーション (C)BANDAI 1986

2026/08/15


アーケードアーカイブス
超絶倫人ベラボーマン

 

【発売】ナムコ(アーケードアーカイブス版:ハムスター)
【開発】ナムコ(源平プロジェクト)(アーケードアーカイブス版:ハムスター、バンダイナムコ研究所)
【発売日】1988年5月20日(アーケードアーカイブス版:2023年6月8日)
【定価】(アーケードアーカイブス版:838円(ダウンロード専売))
【媒体】アーケード(アーケードアーカイブス版:ニンテンドーSwitch用ダウンロードデータ)
【容量】Namco SYSTEM 1
(アーケードアーカイブス版:93M)
【ジャンル】アクション/シューティング
【レーティング】(アーケードアーカイブス版:IARC 7+(7歳以上対象))




ベラボー参上!


【ストーリー】
 今から30年程前、キミ達のお父さんがまだ子供だった頃。地球に恐るべき魔の手が迫っていた。平和な町・新田4丁目に、なんと!悪の科学者「爆田博士」が現れたのだ!危うし!新田4丁目!その時、1人の男が立ち上がった。一体、彼は?

 その男の名はナカムラ…いや、「ベラボーマン」!「アルファー遊星人」によって正義の使者に大変身した男!彼は、地球征服を企む爆田博士の悪の軍団に、敢然と立ち向かって行ったのである。ある時はご町内、またある時は水中、はたまた謎の忍者屋敷と、ベラボーマンと爆田博士の戦いは果てしなく続く。頑張れ、ベラボーマン!爆田博士を倒し、新田4丁目と地球の平和を守るのだ!


【概要】
 オリジナル版は88年にナムコ(現バンダイナムコエンターテインメント)がアーケードで発売したアクションゲームで、『源平討魔伝』のスタッフが開発した。ベラボーマンは、首、手、足をそれぞれ伸ばして敵を攻撃する。ボタンを押す「強さ」で各部を伸ばす長短が決まるため、アーケード版の筐体では故障が続出し、このシステムは本作限りとなった。90年にPCエンジンへ移植された際には、ボタンを押す「長さ」で長短が決まる仕様に変更されている。

 『アーケードアーカイブス』は、倒産したメーカーを含む約30社の往年のアーケードゲームをコンシューマ向けに復刻するハムスターと日本一ソフトウェアが14年から開始した共同プロジェクトである。基本的にはダウンロード専売であり、現在はニンテンドーSwitch及びニンテンドーSwitch2、プレイステーション4で展開されている。移植に際しては、17年まではゴッチテクノロジーが、以降はハムスターの東京本社と札幌開発室が主に担当している他、ナムコ製作品はバンダイナムコ研究所との共同開発、更にNEO GEO作品については専門チームが当たっている。ハムスターは元々、プレイステーション2で同様にレトロゲームの移植作『オレたちゲーセン族』シリーズを発売していたが、移植度の稚拙さでユーザーは元より版元からも不評が噴出し、更には「重大な契約違反」が発覚した事により、シリーズ商品は全て回収&廃盤という事態に陥った。この過去の苦い経験を反省し、『アーケードアーカイブス』シリーズでは、各メーカーとも協力して万全の態勢で臨み、今では大きなシリーズとしてオールドファンからも好評を得ている。ハムスター設立の簡単な経緯は、『バード・ウィーク』(東芝EMI)の項も参照されたし。

 本項では『アーケードアーカイブス』シリーズ作品として、オリジナル版(アーケード版)について記述する。


【ゲームシステム】
 サイドビュー形式のアクションゲーム。平凡なサラリーマン(保険会社勤務)の「中村等」が「超絶倫人ベラボーマン」に変身して、爆田博士率いる敵を倒していく。武器は自分の身体で、首、手、足を伸ばして敵を粉砕する。伸縮の長短はボタンを押す長さで調節。主に「町」、「忍者屋敷」、「水中」の3つの舞台の繰り返しで、水中ステージのみシューティングゲームとなる。ライフ制。全32ステージだが、ステージごとに長さやボスキャラクターの有無、ボーナスステージなどで構成され、短いステージだといきなりフェードアウトしてクリアになる事も多々ある。



 また、ボスとの対戦のみのステージもあり、ライバル会社の社員「妙島」が変身した「ブラックベラボーマン」や、後に『ピストル大名の冒険』の主人公となる「ピストル大名」、紅一点で「行くわよ!」が「ちくわよ!」にしか聞こえないサイボーグ忍者「わや姫」など多彩だ。


【総評】
 よーやくPCエンジン以外でもコンシューマ機で遊べる様になったかー嬉しー!というのが最初の感想なくらい大好きなゲームなんですよ、これ。わりとオーソドックスなサイドビュー形式のアクションゲームだけど、そのコンセプトやキャラクター達が特に好きでしてねぇ。大雑把なストーリーも馬鹿馬鹿しくも個性的な敵キャラクターも。唯一の女性と思いきやサイボーグのわや姫は、両胸部分に「フロントホック・ブラバスター」を装備しており、右胸からはマイナス130度の冷凍光線、左胸からは摂氏不明の怪光線を発射できるらしいが、「恥ずかしいので死んでも使わない」っつー本人の強い意志によりゲーム中では一切出て来ない。なんだこの設定。ライバルで何度も対戦するニヒルなブラックベラボーマンもベタでよい。スピンオフ作品まで作られたリーゼント風の髪型に見えて実は拳銃っつーピストル大名。2体同時に出現するヘビメタ野郎で名前もイカス「ベンジャミン大久保彦左衛門」。どいつもこいつも頭のネジが1本外れてる様な愉快な連中だ。



 ゲーム進行は、ラストボスの対爆田博士戦はシビアだが、ほとんどは力技で進める、いい意味での大雑把さ。背景の細かな部分までギャグを散りばめながらも描き込まれているナムコらしさ。ベラボーマンの声を演じた梅津秀行氏の歌うテーマソングも作られた。本作のディレクター&サウンドは、産休に入った慶野由利子氏に代わって配属された中潟憲雄氏(現フリーランス)で、「好きな事をやるだけやらせてもらった」と語っている様に、その楽しさがユーザーにも伝わって来る。そこがいいのだ。


 コンシューマ機ではPCエンジン以外(主にボタン入力の問題で)長らく移植されなかったが、90年にファミコンで発売された『デジタルデビル物語 女神転生II」では、爆田博士が「狂人ドクターバクタ」として登場。05年にプレイステーション2で発売の『ナムコクロスカプコン』では、本作を「新田4丁目事件」として取り扱い、ベラボーマンとわや姫がプレイヤーキャラクターとして参戦、敵側ではより悪役らしくなったブラックベラボーマンらが登場する。

 アーケード版の移植としては、04年にWii用ダウンロード販売があるが、現在はサービスが終了しているため、この『アーケードアーカイブス』シリーズでの発売は嬉しい限りである。



Model
ボークスオリエントヒーローシリーズ ゲームヒーローコレクション
「ベラボーマン&ワヤ姫セット」


【原型】増田剛
【スケール】ノンスケール
【発売】ボークス
【発売日】1993年
【定価】5,800円




 ノンスケールのレジンキャストキットで、ベラボーマンとわや姫(商品名ではカタカナ表記になっている)のセット。20年程積んでいて、今年になってようやく作った次第。ベラボーマンは、右腕のみ「通常仕様」と「伸びた仕様」がそれぞれ付いているため、ネオジム磁石で差し替え式にしました。塗装してみると案外カラフルな事が判明。いくつかのアニメや特撮作品のオマージュが散りばめられたデザインだ。


 


 わや姫は、岩石パーツに片足爪先立ちのため、補強として2mmアルミ線+エポキシ接着剤+瞬間接着剤でガチガチに固定して、百均で買った紫の薔薇のアクセサリーを追加。わや姫、顔の「瞳」は実はダミーで、本当の「目」は「麿眉毛」だったりするのでした。



 こーゆー古いガレージキットは、ネットでもなかなか完成品が見られず、これも確認できただけで2例だけだった。2人がカラフルなので、タイトルプレートは逆にあっさり仕上げで。製作手順などの詳細は、ベラボーマンはこちら、わや姫はこちらを見て頂ければー。



(C)1988 NAMCO ALL RIGHTS RESERVED.
超絶倫人ベラボーマン™& (C)Bandai Namco Entertainment Inc. Arcade Archives Series Produced by HAMSTER Co.

2026/08/10

ナイツ ~into Dreams…~

 

 



【発売】セガ・エンタープライゼス
【開発】セガ・エンタープライゼス(ソニックチーム)
【発売日】1996年7月5日(サタコレ版:1997年6月20日)
【定価】5,800円(セガマルチコントローラー同梱版:7,800円)(サタコレ版:2,800円)
【媒体】セガサターン用CD-ROM
【ジャンル】アクション
【周辺機器】セガマルチコントローラー対応
【受賞】1996年:CESA大賞'96プログラミング賞受賞
【受賞】1996年:CESA大賞'96グラフィック賞受賞
【レーティング】全年齢




セガサターンを代表する傑作


【ストーリー】
 人は眠りにつくと、「ナイトディメンション」という異次元空間へ旅立ちます。そこには、私達の「楽しい」という意識が投影されて創り出された夢の世界「ナイトピア」と、「暗くて恐ろしい」夢の世界「ナイトメア」という2つの世界が存在していました。ナイトピアは、「ビジター」という夢の訪問者が、「イデア」と呼ばれる光に自分の意識を投影する事で創り出されていました。

 「純粋」を表す「ホワイトイデア」、「成長」を表す「グリーンイデア」、「知性」を表す「ブルーイデア」、「希望」を表す「イエローイデア」、そして、勇気ある者だけに宿る「レッドイデア」。イデアは全部で5つありましたが、今では全てを持つビジターは珍しく、特に勇気のイデアを持つビジターは、ほぼいなくなったと言われていました。この物語の主人公「エリオット」や「クラリス」もイデアによってナイトピアを楽しむビジターでした。しかし、彼らは、まだ気付いていなかったのです。2人は勇気のイデアを持っているという事を。そして、それぞれ大きな事件に関わる事も…。

 その頃、夢の世界では危機的な異変が生じていました。ナイトメアの支配者「ワイズマン」がビジターから全てのイデアを奪い取り、ナイトピアを片っ端から消滅させ始めたのです!数々の「ナイトメアン」を創り出し、続々とナイトピアに送り込みました。その中には、「ファーストレベル」と呼ばれる「魔人」2体も含まれていたのです。あっと言う間に4つのイデアを奪われ、次々に消滅していきました。

 エリオットもクラリスも、それぞれのナイトピアでこの大事件に巻き込まれ、ナイトメアン達は彼らのイデアを4つ全て奪い取りました。しかし、ナイトピアは消滅しなかったのです。2人は襲い来るナイトメアン達を払い除け、恐怖と戦いながらも何とか自分達のナイトピアを救おうと勇気を振り絞っていました。その時です、彼らの頭上に勇気のレッドイデアが出現したのは…。

 昨夜出会った勇気のイデアを持つクラリスの事を思い出しながら、外を眺めていた「ナイツ」は、再び勇気のイデアを持つエリオットを見つけ、叫びました。「やい、オマエ、すぐにオレをココから出せ!」。ナイツはワイズマンが送り出した魔人の1人でしたが、自由を好み、誰の指示にも従おうとしなかったため、夢の狭間に閉じ込められていたのでした。

 自由の身となったナイツは、エリオットの手を取り、地面を蹴って天高く舞い上がりました。すると、エリオットは一瞬でナイツと同化し、自らの意思で空を自由に飛べる様になったのです。「ようし、それじゃ、手始めに奪われた4つのイデアを取り戻そうぜ!5つのイデアが集結すれば、ワイズマンのいるナイトメアまでひとっ飛びだ!」。ワイズマンを倒し、何事にも恐れない真の勇気を掴むため、ナイツ、エリオット、クラリスの3人が挑む「夢」と「勇気」の冒険が始まったのです。


【概要】
 96年にセガ・エンタープライゼス(現セガ)が発売した「夢の世界」を舞台に3D空間を飛び回る新感覚のアクションゲーム。メガドライブでは『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』という看板キャラクターが生み出されたが、セガサターンの看板キャラクターは本作の「ナイツ」となる。結果的にナイツはソニックの知名度には及ばなかったが、ゲームとしてはセガサターンを代表する傑作となった。ナイツのキャラクターデザインは、ソニックのデザインをした大島直人氏(現アーゼスト代表取締役社長)。エンディングテーマ「DREAMS DREAMS」も話題となり、キャメロン・アール・ストローザーくんとジャスミン・アレンちゃんの子供2人が歌うバージョンと、カーティス・キング・ジュニア氏&ダナ・カリトリ氏の大人の男女のデュエットが、このゲームを非常に「素敵」なものとしている。ビデオゲーム史上に残る名曲である。96年のCASA大賞(現日本ゲーム大賞)では、プログラミング賞とグラフィック賞をダブル受賞した。


【ゲームシステム】
 3Dビュー形式のアクションゲーム。プレイヤーはエリオットとクラリスのどちらかを選び、夢の世界でナイツと同化して、それぞれ4つのドリームを縦横無尽に飛び回ってクリアしていく。ただし、4つ目のドリームは、他のドリームで「C」以上の評価を得ていないと出現しない。また、ナイツと同化できるのは120秒で、タイムアップになると同化が解けてしまい、エリオットorクラリスは歩いてナイツのいる場所へ行き、再び同化しなければならない。各コースで20個以上集めた「カラーチップ」を「イデアキャプチャー」のドームに入れると、イデアが1つ解放される。奪われたイデアを全て取り戻すとボス戦となる。

 エリオットとクラリスそれぞれ3ドリーム(ステージ)+共通1ドリームの全7ドリーム。ナイツの基本動作はAボタン(A、B、C各ボタンは共通)と十字キーのみで、実質的には2Dビューのゲームと同じであるため、操作方法は簡単だ。本作のために開発された周辺機器「セガマルチコントローラー」でプレイすれば、更に自然な動きでプレイできる…かもしれない(持ってないから分かんないの)。5パターンのマルチエンディング。


【総評】
 言いたい事はだいたい『クリスマスナイツ-冬季限定版-』の項で書いたので、そちらもよかったらご参照あれ。ナイツのアクションはAボタン1つで「ドリルダッシュ」や「タッチダッシュ」、「パラループ」など、様々な空中ジャンプアクションができる。何も考えずにいろんなアクションをしながら飛ぶのは気持ちがいい。この簡単な操作で空中を縦横無尽に飛び回る爽快感は、他のゲームでは味わえないと言ってもいい。



 ゲーム内には「A-LIFE」という人工生命が導入されており、ナイトピアン達はこの「A-LIFE」によって生物の様に生活や繁殖、学習などを行い、独自の生態系を作っている(ホントかなぁ)。プレイヤーもこいつらに間接的に関与でき、行動によってナイトピアン達に変化が起こり、新しい種族が生まれたりするんだって。このナイトピアンのプレイヤーへの好感度によってゲーム内のBGMが変わるのだった。



 プログラムは『ソニック』シリーズのメインプログラマーの中裕司氏(22年に金融商品取引法違反の疑いで逮捕←おーい)、ゲームデザインは『ソニック・ザ・ヘッジホッグ3』を手掛けた飯塚隆氏(現セガ執行役員兼クリエイティブオフィサー)、音楽は『リスター・ザ・シューティングスター』を手掛けた佐々木朋子氏(現フリーランス)や『ソニック・ザ・ヘッジホッグCD』の幡谷尚史氏、本作が入社後初参加作品となった熊谷文恵氏ら、当時のソニックチームのみならずセガが総力を挙げて「キラーソフト」として売り出した。ある意味では実験作だが、セガサターン用ソフトの中でも随一の良作だ。

 できる事なら、タイム制限やランク制度のない、ステージ内を自由に飛び回れるフリースタイルのモードも欲しかったところだ。「C」以上の評価を出すのが案外難しいので、実際にプレイするとどうしても評価を気にしながらの動きになってしまい、爽快感が半減してしまう。それでも、とにかくセガサターン本体を持っているなら手元に置いて損はない1作だ。



Books
『ナイツ・ナイス・ナイト・ツアーズ』




 




【著】スタジオベントスタッフ、
ファミ通編集部責任編集
【発売】アスペクト
【発売日】1996年8月15日
【定価】980円

 スタジオベントスタッフによる「徹底攻略」と銘打った1冊。内容は全ドリームの俯瞰図と横から見たマップによる攻略法解説が主体で、小ネタも多く掲載されている。終盤は逮捕された人の開発インタビューもあり、そつのない作りだが、表紙のイカスデザインに対し、本文内のデザインや色使い、レイアウトなど、全体的に低学年層向けの様に取っ散らかってしまってるのが残念。古本屋で見かけて安かったら買ってもいいくらいな感じ。


(C)SEGA ENTERPRISES,LTD.1996