2026/03/12

子育てクイズ マイエンジェル



  

【発売】ナムコ
【開発】ナムコ、礼音
【発売日】1997年11月13日
【定価】5,800円
【媒体】プレイステーション用CD-ROM
【ジャンル】クイズ




世のお父さんお母さんに捧ぐ(うそ)


【ストーリー】
 ねえ、このゲーム知ってる?タイトルの通り「子育て」をテーマにした新感覚のクイズゲームなんだ。あたしの性格はイベントや正解した問題で変わっていくから、上手に教育して、立派な大人に育ててよね。あー、あたしの事、お色気娘にしようと考えてるでしょう!…いっけない、もうこんな時間!続きはゲームでね!あー、今日も遅刻するぅ!


【概要】
 オリジナル版は96年にナムコ(現バンダイナムコエンターテインメント)がアーケードで発売。プレイヤーは女の子を持つ「お父さん」or「お母さん」となり、クイズに答えて「娘」を0歳から25歳まで育てていく。問題数はオリジナル版の7,000問から15,000問に大幅に増えた。問題のジャンルの正解率によって徐々に娘の性格が変貌していく。主題歌は斉藤由貴のカバー曲「少女時代」で、歌は声優の鈴木真仁氏が歌っている。


【ゲームシステム】
 育成シミュレーション要素のあるクイズゲーム。「アーケード」、「アットホーム」、「ラブラブ」の3モードがある。クリア後は「アルバム」で娘の成長記録が見られる。アーケードモードではセーブはできないが、コンティニューは無制限。プレイステーション版オリジナルのアットホームモードでは、アーケードモードの倍以上の問題が用意されており、1ステージが半年で構成、3年ごとにセーブできる。ラブラブモードでは、アットホームモードをクリア後、娘の高校3年間が舞台で、プレイヤーは恋人役になる。が、セーブもコンティニューもできないラブラブじゃないシビアさで、これをクリアしなければオールクリアとはならない。

 クイズは基本的に四者択一または三者択一で、問題に応じて正解するごとにパラメータが変化する。また、「養育費」も貯まって行く。この養育費はイベントでの資金源となり、早く回答するほど多く貯まる。お手付きや誤答をした場合は、ライフが減る。ライフが「0」になるとセーブ箇所まで戻ってやり直し。規定の正解数をクリアするとそのステージはクリアとなる。各ステージをクリアするとイベントが発生。これも四者択一で選び、選んだ結果により娘のパラメータが変化し、娘はさまざまな人生を送る事になる。

 パラメーター(性格)は大きく分けて2つあり、ひとつは「性格」。「まじめ」、「おいろけ」、「おたく」、「わんぱく」の4種類。最も高い数値のものがその時点での娘の性格となり、それによって娘の容姿が頻繁に変化する。次に来るのが、「素直な」、「セクシーな」、「カルトな」、「元気な」のこれまた4種類。この4種類×4種類で「セクシーなおたく」や「元気なまじめ」などといった娘になるのだ。めんどくせえな、子供!ちなみに、どれかひとつのジャンルに特化している場合は「ねっから(性格)」となる。

 更に、進学や就職の指標として、「人文科学」、「社会科学」、「自然科学」の3種類に分けられる。マジか!そんなめんどくさいか子育て!あ、基本的には2人協力プレイで娘を育てるが、ラブラブモードは1人プレイ専用だ。


【総評】
 娘のパラメータは、クイズに正解することで上昇する。「アニメ」に関する問題に正解すると「おたく」が上昇するなど、正解した問題によって上昇するパラメータが異なるが、通常のクイズゲームと違うのは、思い描く娘の性格にしたければ、問題によっては意図的に答えないor誤答をしなければいけない。自分の得意問題だと、「おたく」になっちゃったりするんだよなー。性格によってコロコロと変わる娘のグラフィックもかわいい。

 アーケードモードの設問は約7,000問だが、アットホームモードでは約8,000問が新規追加され、計15,000問の問題が用意されている。クイズの作成は学習研究社など3社が携わっており、かなり遊び応えがあるぞ。クイズゲームはその時代の世相や流行、風俗などが盛り込まれており、「Jリーグチームの横浜フリューゲルスの応援歌を歌っているのは?」など、涙なくてはできない問題もあって愉快だ。
 本作の好評を得て、同年にはアーケードで続編『子育てクイズ もっとマイエンジェル』が発売。その後も多くの続編がアーケード、プレイステーション、ワンダースワン、ニンテンドーDSといったプラットフォームで発売されている。クイズゲームは権利関係やその時代に合わせて作られるため、実機のみの発売が多いが、同世代の友達なんかとわいわいやると盛り上がって面白いヨ!


Produced by NAMCO LTD. (C)1997 NAMCO LTD.,ALL RIGHTS RESERVED
JASRAC V-972515号 音楽協力:株式会社アミューズ・株式会社エアーズ

2026/03/09

ジーザス 恐怖のバイオ・モンスター

【発売】キングレコード
【開発】エニックス
【発売日】1989年3月17日
【定価】5,900円
【媒体】ファミコン用カートリッジ
【容量】2M+64KRAM
【ジャンル】アドベンチャー




ファミコン後期の佳作「魅せるアドベンチャーゲーム」


【ストーリー】
 2061年、人類の科学は、再び地球に接近しつつあるハレー彗星に有人探査機を飛ばすところまで進歩していた。世界8ヶ国から選ばれた乗員達は、2機の探査機「コメット」と「ころな」に分乗し、スカイラブ「ジーザス」から飛び立った。探査課題のひとつは、ハレーの尾のガスを採取する事。それは宇宙、天文の分野だけでなく「地球の生命は、彗星からもたらされたのかも知れない」という生物学の謎を解く事でもあった。しかし、ハレーのガスを採取した直後、1号機「コメット」からの通信が途絶えたのだ。「コメット」に何が起こったのか?


【概要】
 オリジナル版は87年にエニックス(現スクウェア・エニックス)がPC-8801などのパソコンで発売したSFアドベンチャーゲーム『J・E・S・U・S』。映画的手法をいち早く取り入れたアドベンチャーゲームでもあり、「グラフィックを見せる事」に注力されている。音楽はすぎやまこういち氏、グラフィックは眞島真太郎氏(現アルテピアッツァ代表取締役社長)。ゲーム内ではすぎやま氏のサウンドがクリアするための鍵となる。また、80年代のアニメブームの中で、ファミコンの能力を最大限に引き出している。ファミコン版移植に際し、一部のアダルトタッチなグラフィックや言動が変更された他、ミニゲームやパズル要素が全て削除された。また、パソコン版であったゲームオーバーも廃止され、本作では「誰もがクリアできるアドベンチャーゲーム」というコンセプトで移植されている。


【ゲームシステム】
 オーソドックスなコマンド選択式アドベンチャーゲーム。プレイヤーは主人公「武麻速雄(むそう はやお)」となり、探査機1号「コメット」で起きた謎を追う。ゲームオーバーはなく、筋通りに進めば誰もがエンディングを見られる。セーブはパスワード形式だが(セレクトボタンを押すとパスワードが表示)、早ければ2時間程度でクリアできるため、プレイ中1度も中断せずエンディングまで辿り着ける。




【総評】
 前述した様に、「グラフィックを見せる」、「誰もがクリアできるアドベンチャーゲーム」をコンセプトに、美麗で大き目のグラフィック、ハードの能力を最大限に引き出したアニメショーンなど、基本的に良作と言えよう。設定コンセプトとしては79年公開のリドリー・スコット監督の映画『エイリアン』の影響を受けていると思われるが、登場キャラクターは多種多様な国の人物で構成されており、各人の関係は平和かつ友好的だ。ただし、プレイ開始からそう時間が経たない間に「バイオ・モンスター」に襲撃されるため、各人の関係性が希薄であり、せっかくどのキャラクターも魅力的なぶん、少々もったいない気もする。

 無意味なフラグ立てもあり、ここで詰まる場合もあるが、それこそ「コマンド総当たり」すればいずれはフラグも立つ。ゲーム性としては目新しい点はない様に思えるが、「音楽」がキーポイントとなっているのは、89年発売の『マザー』(任天堂)よりも先であり、ここですぎやま氏の曲が冴えるわけだ。ただし、せっかく氏を起用しているにも関わらず、ほとんどの場面は「ブブブブブブ...」というSEの様な音が鳴り続けている。これは音楽部分の要領をグラフィック部分に振り分けた結果かもしれない。


 湾岸戦争のキナ臭さが表面化し始めた時代に、前述した様に、日本、フランス、ソ連(現ウクライナ)、ドイツ、中国、イタリア、アメリカ、ブラジル、エジプトと、国や肌の色など関係なしに1つのプロジェクトを遂行しようとする各キャラクターの魅力が描き切れていないのは残念だが、そこはいろいろ深読みするのもよかろーて。エンディングは本作単体で終わっても、続編があってもいい様に2通り捉えられる。実際、PC-8801、PC-9801及びX68000では91年に続編『ジーザス2』(エニックス)が発売されている。ただ、スクウェアと異なり、エニックスのレトロパソコンゲームはなぜか復刻がされておらず、プレイ環境は実機のみ、中古価格はカセットのみで2,000円前後だ。


(C)1989 ENIX (C)1989 キングレコード

2022/11/18

ワールドカップ’98フランス~Road to Win~




【発売】セガ・エンタープライゼス
【開発】セガ・エンタープライゼス(チームアクイラ)
【発売日】1998年6月11日
【定価】5,800円
【媒体】セガサターン用CD-ROM
【ジャンル】スポーツ
【周辺機器】セガマルチコントローラー、マルチターミナル6対応
【レーティング】全年齢




スポーツゲームの宿命には逆らえずの終幕


【概要】
 『Jリーグ ビクトリーゴール'96』の続編。日本が初めてワールドカップに出場した98年フランス大会を戦う代表戦版で、シリーズ最終作。実況はサッカージャーナリストの小谷泰介氏、解説は元日本代表の金田喜稔氏、本シリーズではレギュラーの「ミスター・マリノス」こと木村和司氏、ナビゲーターにこれまで実況を務めていた金子勝彦氏の4人が名を連ねる。本作での日本代表は、97年のアジア最終予選から98年4月1日に行われた対韓国戦に出場またはベンチ入りした全35名の選手で構成されている。


【ゲームシステム】
 これまでのシリーズ同様、トップビュー、サイドビュー、クォータービューへの切り替え式サッカーゲーム。ゲームモードは全32チームが世界の頂点を目指す「ワールドカップ98」、1試合のみの「フレンドリーマッチ」、選手の名前を変更できる「プレイヤーエディット」、難易度やハーフタイムの時間、実況の有無などを選択できる「オプション」。
 また、本作独自のモード「Road to FRANCE」では、後にいわゆる「ジョホールバルの歓喜」と呼ばれるマレーシアのジョホールバルで行われたアジア第3代表決定戦対イラン戦を行う。このモードでは、通常の試合開始「はじめから」の他、前半39分にMF中田英寿が先制点を挙げた「日本先取点後」、後半開始僅か25秒で同点とされ、続く後半14分には逆転を許し、2トップのFW三浦知良とFW中山雅史をFW城彰二とFW呂比須ワグナーに同時交代させる背水の陣で挑んだ「後半18分」、このシステム変更が功を奏し後半31分に城が同点とし、延長戦に突入した「延長前半開始」という、実際にあった状況からプレイができる。

 尚、この試合でイランに敗れると、アジア・オセアニア・プレーオフに回り、オーストラリアとのホーム&アウェイという「幻の試合」を行う事になる。


【総評】
 本作の大きな特徴は、前述した様に、やはりアジア第3代表決定戦だろう。日本は途中で監督更迭など、アジア最終予選では最後まで苦戦を強いられ、毎試合ピリピリとした緊張感が漂っていた。なんとか上位2位に滑り込み、中立国のマレーシアで強豪イランと戦うも、試合はシーソーゲームとなり、延長戦へ突入。日本は最終予選で1度も出場機会が与えられなかったFW岡野雅行を投入するが、ミスを連発。逆にイランも反撃を見せる。両チームとも決定的なチャンスをものにできなかったが、PK戦突入も間近に迫った延長後半13分、呂比須が中盤で奪取したボールを中田がドリブルで持ち上がり、ミドルシュート。相手GKが弾いたボールを岡野が走り込み、右足でスライディングしながらゴールに押し込み、ゴールデンゴール(決勝点)を決めた。いやー、今思い返しても痺れる試合だったなー。54年のスイス大会予選に参加して以来43年。10回目の挑戦でワールドカップへの出場を果たした日本。ちなみに、ワールドカップ予選及び本大会でゴールデンゴール方式が採用されたのはフランス大会と02年の日韓大会のみのため、同方式でワールドカップ出場を決めたのは、この試合に勝った日本だけである。また、イランもオーストラリアとのプレーオフに勝利して本大会出場と相成った。

 

 フランス大会は、98年6月10日から7月12日までの期間行われ、決勝では開催国のフランスが前回大会優勝のブラジルを3-0で下して優勝した。日本は、アルゼンチン、クロアチア、ジャマイカと同じグループに入るも、ワールドカップの壁は厚く、1勝もできなかったが、対ジャマイカ戦では中山が骨折しながらも日本の初ゴールを挙げた。このフランス大会を皮切りに、02年日韓大会、06年ドイツ大会、10年南アフリカ大会、14年ブラジル大会、18年ロシア大会、そして22年カタール大会と、途切れる事なくワールドカップ7大会連続出場を果たしているっていうか、サッカーの話ばっかしてますな。すまんす。

 ゲームの方に話を戻すと、オープニングムービーで金子氏のナレーションと共にこれまでの日本のワールドカップへの挑戦が語られ、アジア第3代表決定戦でも途中途中にムービーを挟みながら金子氏が試合状況を伝える。正直、本作を所持しておく理由はこのためだけかもしんない。ムービーは『’96』のユニフォーム柄を変えただけの流用。また、これまで力を入れていたサウンド面だが、今回は実況のみ。金子氏と木村氏はさすがに安定しているが、ややクセのある小谷氏の実況と棒読みの金田氏の解説は若干辛いものがある。登録されているボキャブラリーも前作までに比べて少ない。そして、ワールドカップで優勝してもスタッフロールもなくいきなりタイトル画面に戻る淡泊さ。更に、画面に選手が密集すると処理落ちで動きが遅くなってしまう「劣化」も見られる。見た限り、フォントもフォントワークスの書体を使用してないと思われ、隙のない作りだった『’96』と比較すると、ワールドカップ初出場が決まった勢いだけで作った感が見え隠れする。まあ、嬉しいのは分かるんだけどさ、もうちょっとシリーズを大切にしてほしかったなー。

 Jリーグやプロ野球のゲームでは、ゲームの基本が完成すれば、後は毎年選手及びチームデータを更新しただけの「新作」が発売され、前年のソフトは途端にワゴンセールへ放り込まれるのは当時も今も変わらない。これはスポーツゲームの悲しい宿命とも言えるが、本作を見る限りではこれ以上のアップデートも無理そうであり、記念すべきワールドカップ初出場を機にシリーズを終わらせたのは、セガの英断だと思おう。僕は中西永輔をFWに登録変更してワールドカップ得点王になるまで遊びましたけどね。


【2023.8.20.追記】
 本作のナビゲーターを担当された金子勝彦氏が8月20日、肺炎のため死去されました。謹んで哀悼の意を表します。


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