2026/09/20

アフターバーナーII



   



【発売】マイコンソフト
【開発】電波新聞社
【発売日】1990年3月20日
【定価】7,000円
【媒体】メガドライブ用カートリッジ
【容量】4M
【ジャンル】シューティング
【周辺機器】アナログジョイ・パッド XE-1AP対応




ハードでの不可能をソフトで可能にしたセガの代表作


【ストーリー】
 西暦199X年、世界勢力はA国とZ国に二分され、冷戦状態が続いていた。A国の海軍にいたキミに極秘指令が下った。その指令とは、敵国の領空を強行突破して、秘密兵器の情報ディスクを軍の秘密研究所に届けるという事であった。果たしてキミは、敵防衛線を突破して、無事目的地へ辿り着けるだろうか?


【概要】
 オリジナル版は87年にセガ・エンタープライゼス(現セガ)がアーケードで発売した体感型シューティングゲームで、体感型には大型で筐体の動きも激しい「ダブルクレイドルタイプ」と、小型で左右にしか揺れない筐体「クレイドルタイプ」の2種があった。また、筐体が動かない通常のアーケードマシン用筐体でもプレイできた。ダブルクレイドルタイプはメンテナンスが複雑で、現在国内で存在が確認されているのは3台だけだという説もある。サウンドにはエレキギターを多用したハードロック調の曲で、今でもアレンジ版のCDが発売されるほど、『スペースハリアー』や『アウトラン』と並ぶセガの代表曲である。

 メガドライブの移植に当たっては、X68000版の移植を手掛けた電波新聞社が行った。メガドライブには回転機能を搭載してないが、ソフトの方で再現している。ドット絵の部分も細かく描かれており、移植度は非常に高い。また、電波新聞社から発売されたアナログ・ジョイパッドに対応しており、メガドライブ初のアナログ入力対応ソフトとなった。尚、発売元のマイコンソフトは、電波新聞社の子会社である。本作のみパッケージのビジュアルが他のイラストとは異なるメガドライブのオリジナル仕様だ。


【ゲームシステム】
 3Dビュー形式のシューティングゲーム。Aボタンは「加速」、Cボタンは「減速」、Bボタンは「ミサイルの発射」で、通常攻撃のバルカン砲はオートで撃ちっ放しの簡単操作。ミサイルは前方の敵に照準を合わせると「FIRE」の声と共にロックオンできる。ミサイルは弾数に限りあるため(最大100発搭載)、ある程度ステージを進めると補給機がやって来て50発まで補給してくれる。ステージが進むと敵からの誘導ミサイルや追撃機なども現れるため、加速してアフターバーナーを仕掛けて撃破する。全23ステージ。


【総評】
 ゲームスタート時に「SEGA」のロゴが入った空母から飛び立つシーンからバッチリ再現されている。バルカン砲をオートにした事により、ミサイルで敵機を次々と撃破する爽快感や、背後の戦闘機やミサイルをアフターバーナーを吹かして撃破or振り切る緊張感を、シンプルな操作でドッグファイトが楽しめる。ソフト側の力技で実現させた回転演出も移植度の高さを示している。ゲームとしては高速で低空飛行した方がいいが、敵機と自機の爆風で時々訳分かんなくなるぜ!また、タイトル画面でABCスタート各ボタンを同時押しすると、ステージ20までセレクトできるぞ。

 セガ・エンタープライゼスを代表する作品だが、『アフターバーナーI』は正確には未完成品の、言わば本作の「ベータ版」だった。これは、同社上層部から「出荷を決算に間に合わせる様に」との社命が出たため(当時の同社は東証二部への上場を控えており、そのために売上を確保する必要があった)、止む無く未完成のまま「修正版が完成次第、交換する」という条件付きで全国への出荷が決まったのだった。サラリーマンって辛いよね。



 本作を知ったのは、当ブログでたまに登場する僕をゲーム漬けにした近所のにいちゃんが、BEEP付録のソノシートを毎回カセットテープにダビングしてくれ、例によって音楽から入ったのだった。その後、ゲームセンターでプレイし、正に手に汗握る抜群のスピード感と緊張感、美しいグラフィック、そしてイカすサウンドが小学生の僕に強烈に刷り込まれたのだった。本作では残念ながらメインテーマ「Final Take Off」がキーボードメロディの部分が省かれたバージョンのものだが、容量的に仕方あんめえ。ちょっと泣くけど。


 移植はかなりの機種で行われており、上位版としても、スーパー32X版、セガサターン版の他、プレイステーション2及び3、ニンテンドー3DSなど、現存するほとんどのコンシューマ機で発売されている。まあ、これは分かるにせよ、『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』(セガ・エンタープライゼス)の項でも述べた様に、当時のセガはバカだったので、メガドライブのライバル機であるファミコンやPCエンジンにも易々とこの看板ソフトの移植を許可している。


 前述した様にメガドライブには回転機能を持たないが、電波新聞社は背景(オブジェクト)を素早く描き替わる様にしている。このカートリッジ側での力技、頑張っててエライ!完成度は上位版の方が上かもしれんが、僕はこの頑張っているメガドライブ版が好きなのだった。


(C)SEGA 1987. PROGRAM ARRANGED BY DEMPA / T.MATSUSHIMA MUSIC ARRANGED BY CUBE

2026/09/15

キン肉マン マッスルタッグマッチ

 


【発売】バンダイ
【開発】トーセ
【発売日】1985年11月8日
【定価】4,900円
【媒体】ファミコン用カートリッジ
【容量】350Kbit
【ジャンル】スポーツ




本作から僕のゲーム人生が始まった


【概要】
 ゆでたまご原作の『キン肉マン』は、79~87年まで週刊少年ジャンプで、11年から現在までは週プレNEWS及び週刊プレイボーイにて連載中のマンガで、累計発行部数は8,500万部を突破。83年、91年、24年と三度アニメ化され、ゲーム化も本作を皮切りに各プラットフォームで多くされている。人間の能力を凌駕した「超人」達による「正義」、「悪魔」、「完璧」などの属性争いを如何なる場合でもレスリングで決着させるストーリーで、物語の根幹には「友情」がある。多くの超人は、読者からの募集で募ったものである。本作はバンダイ(現バンダイナムコエンターテインメント)のファミコン参入第1弾ソフト。


【ゲームシステム】
 サイドビュー形式のプロレスゲーム。任意の超人を2人選択し、タッグチームで戦う。基本技はパンチやキック、ジャンプなどだが、相手に近付くと相手を飛ばして後方がロープだった場合は跳ね返って来てラリアット、相手の後ろに回ればバックドロップなど、少ないボタンで相手の状況によって自動的に技が出る工夫がなされている。

 登場超人は、日本代表の主人公「キン肉マン」、アメリカはテキサスブロンコ「テリーマン」、中国四千年の歴史「ラーメンマン」、イギリスの貴公子で正義超人軍リーダー「ロビンマスク」、ソ連でロビンマスクに拾われ師弟関係になったロボット超人「ウォーズマン」、西ドイツの未完の大器「ブロッケンJr.」、七人の悪魔超人のリーダー「バッファローマン」、その七人の上位にあたる地獄の六騎士のリーダー「アシュラマン」の8人。尚、ブロッケンJr.のみ、「ナチスを連想させる」として、海外版では「ジェロニモ」に変更されている。

 ルールはタッグマッチによる3本勝負で、先に2本先取した方が勝ち。パワーは5段階で表示されているが、残り2になるとジャンプができなくなり、1になると歩くスピードも極端に落ちる。試合中、セコンドの「ミート君」が投げやりに「命を玉」をランダムで放り投げて来るので、これを取れば各超人ごとの「必殺技」が繰り出せる。1面はノーマルリング、2面はリングが氷が出来ていて滑る氷上リング、3面はロープに電気が通っていて触れると2秒間痺れて動けない電気ロープリング。以降はループで全256面。2人対戦プレイ可。



【総評】
 本作は第一次『キン肉マン』ブームと相まって、いきなり100万本を売り上げた。2頭身にディフォルメされた超人達、ABの2つのボタンでシンプルながら相手の状況を利用して技にレパートリーを増やしている技。少ない容量で非常に工夫されている。



 必殺技に関しては、超人によって出し方に有利不利があり、キン肉マンの「キン肉バスター」やロビンマスクの「タワーブリッジ」、アシュラマンの「阿修羅バスター」は、相手の後方に回ってAボタンを押すという一手間かけなければならない。ラーメンマンの「空手殺法」は通常のキックの出し方と同じ、ウォーズマンの「スクリュードライバー」とバッファローマンの「ハリケーンミキサー」、テリーマンの「ブルドッキングヘッドロッグ」は、相手の軸線状でBボタンを押さなければ決まらない。そんな中、「ブロッケンJr.」の「毒ガス攻撃」は軸線など関係なく当たり判定が大きいため、連射すれば数秒で試合を終わらせてしまう威力を持つ。そのため、僕の半径200メートルどころかおそらく全国的に「ブロッケンJr.使用禁止令」がチビッコ達の間に発令されいたはずだ。

 ここからは個人的な話なんすけどね、僕が最初のゲームとして両親にクリスマスプレゼントでもらったのが、この『キン肉マン マッスルタッグマッチ』なのでした。まだファミコン本体はサンタさんが寝ている間に持って来てくれる予定なので、その晩はカセットをじっくり眺めたり、説明書に描かれている各超人のドット絵を模写したりしてワクワクしながらファミコン本体到着を待ちわびたもんだ。かわいいでしょ?あれから40年以上経ってもまだ『キン肉マン』が大好きだし、本作で遊んでいるとは、当時は夢にも思わなんだなー。

 今でもね、単純だけど熱い対戦プレイができるってんで、友達とたまーに遊んだりする思い出の一品、ここから僕のゲーム人生が始まるのだった。完。←終わらすなよ。同世代の人間となら、今でも熱く対戦できる作品だ。


(C)ゆでたまご / 集英社・NTV・東映動画 (C)1985 BANDAI 

2026/09/10

サンパギータ

 

 



【発売】ソニー・コンピュータエンタテインメント
【開発】シュガーアンドロケッツ、プロダクションI.G
【発売日】1998年10月15日(PlayStation the Best版:2001年8月16日)
【定価】4,800円(PlayStation the Best版:2,800円)
【媒体】プレイステーション用CD-ROM
【容量】CD-ROM2枚組
【ジャンル】アドベンチャー
【周辺機器】アナログコントローラ対応(振動のみ)




「やるドラ」とは何だったのか その3


【ストーリー】
 その夜、主人公は秋の冷たい雨が降り続く中、黙々と家路を急いでいた。気の乗らない合コンに付き合い、終電を乗り逃し、友人の1人にホテル代を貸したおかげでタクシーにも乗れず、ずぶ濡れになって歩くしかなかった。

 ようやく見慣れた光景が見えた辺りで、主人公はふと、物音を聞いた様な気がした。酒屋の裏の小道。覗き見ると、ひとりの女性がしゃがみ込んでいる。主人公の呼びかけに振り向いた彼女は、東南アジア系の朝黒い顔立ち。額からは血が流れている。放っておけなくなった主人公は、彼女を背負い、自分の部屋へ連れて行く。人心地ついたところで名前を聞いた主人公に、彼女は「マリア」と名乗る。出身はたぶんフィリピン。

 「...たぶん?」

 マリアはどうして雨の夜にあんな場所にいたのか、まるで思い出せないと言う。手掛かりを求めてマリアの荷物を調べてみると、2枚の写真に、カセットテープや化粧品、現金の他に一丁の拳銃が出て来る。驚いた主人公。混乱状態のマリアに、どういう言葉を掛けていいのか分からない。とりあえず、その晩は彼女を休ませ、明朝、主人公はバイトに出かけた。多分マリアはいなくなっているだろう。そう思いながら帰宅すると、部屋の中は綺麗に掃除されていて、見る限り誰もいない。だが、突然トイレの中から音がして、マリアが出て来る。

 「だって、行くトコないもの」

 こんな風にして、主人公とマリアの同居生活が始まった…。


【概要】
 「みるドラマから、やるドラマへ。」のキャッチコピーで98年にソニー・コンピュータエンタテインメント(現ソニー・インタラクティブエンタテインメント)が発売した「やるドラ」シリーズ4作の第3弾。キャラクターデザインは『アップルシード』や『攻殻機動隊』の士郎正宗氏。アニメーション制作会社のプロダクションI.Gによるフルアニメーション&フルボイスのクオリティは非常に高い。やるドラシリーズは当初、『フォーシーズンストーリー』という1本のソフトとして企画されていたため、各作品ごとに季節と花が設定されている。本作は当初『ダヒル・サ・ヨ』=フィリピン語で「あなたの故に(あなたを愛している)」というタイトルで、舞台の季節は「秋」、象徴的な花は「マツリカ」=フィリピン語で「サンパギータ」。


【ゲームシステム】
 フルアニメーション&フルボイスで進行するアドベンチャーゲーム。プレイヤーは途中で表示される選択肢を選び、その結果によってストーリーが変化する。マルチエンディング方式で、ベストエンディングは3種類、ノーマル及びバッドエンディングは25種類ある。1周するごとにゲーム中に存在する経路のうち、どれくらいの経路を通過したかが分かる「達成率」が表示され、その数字が高くなるごとに新たな選択肢が登場するため、プレイする度にストーリーのバリエーションが増える。マニュアルは珍しい縦読み表示で、士郎氏のイラストが大きく掲載されている。

 何度もクリアする事が前提なので、1回のプレイ時間は1~1時間半と比較的短く、また、1度クリアしただけでは登場しないキャラクターもいる。


【総評】
 「やるドラ」シリーズは4作全て「大学生の主人公が記憶喪失のヒロインと出会う」という共通点がある。そのため、そーんな簡単に上手い事いくわけないだろー的な思いは導入部分に感じるが、そこはもう『季節を抱きしめて』『ダブルキャスト』で慣れました。まあ、これはそーゆーモンだとしよう。全体的に前2作よりブラッシュアップされており、特にアニメーション部分は、更に高品質になっている。



 ノーマルエンディングには無難な選択肢を選んでいけば比較的早く到達できるだろう。グッドエンディングに辿り着けなかった場合は、2回目以降のプレイで選択肢に「こっちを選べ」と「H」マークが表示され、グッドエンディングへと導かれる。前作でも述べたが、これをやっちゃうと完全に「見るドラマ」になってしまい、「見るドラマから、やるドラマへ。」の「やるドラマ」の根本が揺らいでしまう。また、本作からはプレイヤー(主人公)にも「声」が充てられ、更に「見るドラマ」の割合が強くなり、それに合わせてゲーム性=「やるドラマ」の部分が弱くなってしまっている。



 『季節を抱きしめて』のSFファンタジー、『ダブルキャスト』のサイコサスペンスに次ぎ、本作では硬派なサスペンスドラマに仕上がっている。キャラクターデザインとイラストを担当した士郎氏のグラフィックも際立っている。個人的好みだが、シナリオも前2作より面白かった。アニメーションも更に美しく動く様になっている。一方、主題歌「Hold On」はフィリピンのジャズ歌手であるマリーン・ペーニャ・リム氏の歌声はゲームとも合っているが、シナリオやグラフィックに比べて、サウンド面の弱さが目立つ。



 やるドラの面白さは、1度同じ選択肢を選んでノーマルかバッドエンディングにまで辿り着くと、次のプレイでは、新しい選択肢が出るだけではなく、前回までと同じ展開と思いきや、選択肢が出ずに急展開する事も多く、本作ではその部分もまたストーリーの展開が何度も気になって繰り返しプレイしたくなる魅力的なストーリーだ。前述した事と反対になるが、そう言った意味では好みに合ったストーリーでは、「やるドラマ」の部分も決しておろそかにはなっていないと言えるかもしんない。


 本作ではアニメ『機動戦士ガンダム』や『うる星やつら』、『めぞん一刻』などの演出を手掛けたやまざきかずお氏の原作によるものだが、主人公の住んでいた木造アパートやフィリピンを彷徨っていた際に女性に案内された事、そして、そのフィリピン人の女性と結婚して移住。日本には「出稼ぎ」の様な生活をしていたそうで、やまざき氏の経験が存分に反映されている。特にフィリピンの日差しの美しさなどは素晴らしい描写だ。また、回想シーンで出て来る「九龍」の街並みは、映画監督の押井守氏が『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』で使用した写真集を使っている。『攻殻機動隊』は士郎氏原作のマンガであり、面白い繋がりですな。やまざき氏はネットでの情報によれば、13年に糖尿病を患い、右足の膝から下を切断。逆に奥様が日本へ移住しているという。そうだよなぁ、レトロゲーム扱ってるブログだけど、プレイステーションやセガサターンは喋るし動くしで「レトロ感」が個人的には薄くても、およそ30年前後経って、開発スタッフもその分お歳を召されているんだもんなぁ。しみじみ。

 個人手には必ずしもノーマルエンディングが悪いわけではなく、展開や個人的思いではそれがグッドエンディングとなる時も多い。ここがやるドラシリーズの面白い部分だ。逆に「グッドエンディング3」なんかは僕には共感できなかったなーとかね。やるドラが発表された際に、一番個性的で面白そうだと思っていたけど、その考えは間違ってなかったですよ。3作目だからこそ、個性的と言うか少しクセのあるデザインやストーリーにしたのはよかったと思う。



Books
『オフィシャルやるドラファンブック サンパギータ CD-ROMスペシャルデータ集』


   




【著】murmur's GROUP
【発売】ソニー・コンピュータエンタテインメント
【発売日】1998年10月15日
【定価】2,500円

 SCEIのオフィシャルブック。基本的には前2作と同じ構成。キャラクターや舞台背景などの設定画、スタッフインタビューなど、特にビジュアル面での内容が充実している。付属のCD-ROMにはグッドエンディング3種類のセーブデータ、ドラマ台本、キャラクターや舞台の設定画、スタッフインタビューと充実している。


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※「やるドラ」はソニー・コンピュータエンタテインメントの商標です。