2026/06/03

ビクトリーゴール ワールドワイドエディション





【発売】セガ・エンタープライゼス
【開発】セガ・エンタープライゼス(チームアクイラ)
【発売日】1996年11月29日
【定価】5,800円
【媒体】セガサターン用CD-ROM
【ジャンル】スポーツ
【周辺機器】セガマルチコントローラー、マルチターミナル6対応
【レーティング】全年齢




次作までの「繋ぎ」ゲーの活用方法


【概要】
 『Jリーグ ビクトリーゴール'96』の続編。世界各国から選ばれた48チーム、8つに分けられた各ブロックを代表する6チームずつが世界の頂点を目指す。そのため、プレイする度に各ブロックの出場国が変わる。操作方法や操作感覚はソフト『'96』から引き継がれている。現在ではJリーグや日本代表のサッカーゲームを作る際は担当協会とライセンス契約を交わし、その代わりにゲーム内でクラブや選手を実名で使えるが、本作は全て架空の選手名である。


【ゲームシステム】
 これまでのシリーズ同様、トップビュー、サイドビュー、クォータービューへの切り替え式サッカーゲーム。ゲームモードは任意の国同士で戦える「エキシビジョン」、これまた任意の国をブロックごとから選べる「参加チームセレクト」、全48チームの頂点を目指す勝ち抜き戦「ワールドワイドカップ」、4~16チーム参加の「カップトーナメント」、選手名を自由に変更できる「選手名エディット」など。使用できる48チームは以下の通り。
・イングランド、スペイン、イタリア、スイス、ポーランド、ノルウェーの「ヨーロッパ1」。
・フランス、ルーマニア、デンマーク、アイルランド、クロアチア、ギリシャの「ヨーロッパ2」。
・オランダ、ブルガリア、ベルギー、ウェールズ、トルコ、ロシアの「ヨーロッパ3」。
・ドイツ、ポルトガル、スウェーデン、スコットランド、北アイルランド、オーストリアの「ヨーロッパ4」。
・ナイジェリア、南アフリカ共和国、カメルーン、エジプト、リベリア、モロッコの「アフリカ」。
・日本、中国、韓国、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、オーストラリアの「アジア/オセアニア」。
・アメリカ、カナダ、メキシコ、コスタリカ、エルサルバドル、ホンジュラスの「北アメリカ」。
・ブラジル、コロンビア、アルゼンチン、ウルグアイ、ボリビア、パラグアイの「南アメリカ」。


【総評】
 オープニングムービー及びオープニング「TRY!!!」、そして試合中のBGMはその「TRY!!!」のインストゥルメンタルが流れ、もう1曲新曲が追加されているが、こちらはなんかポコペコポコペコ鳴ってるだけのヘボい感じだった。他のBGMは全て『'96』からの流用で、それはそれで別にいいんだけど、さすがに前作の歌のインストだったエンディングBGMまで同じなのは手抜き感を否めない。また、BGMを定番の「実況」にも変更できるが、知らない外国人のおじさんが1人英語で話してるだけだった。

 全体的にはシリーズ共通の高いクオリティを維持しているが、どーしてもサウンドの流用、目新しさのなさがが、ユニフォームのテクスチャーマッピング他をちょちょっと変えれば出来ちゃう『Jリーグ ビクトリーゴール'97』までの「繋ぎ」と言われても仕方のない出来だ。これは初代『Jリーグ ビクトリーゴール』から前作までの間に発売された
『セガ インターナショナルビクトリーゴール』も同じだった。まあ、要するにワールドカップのライセンス契約をしていない『ビクトリーゴール』の世界版ですな。



 さて、では、このソフトをどう活用しようと考えた。考えたったら考えた。フツーに本作をプレイする機会はそうそうないだろー。ならば、そうだ!選手エディットだ!と私のゴーストが囁き、僕の応援するジェフユナイテッド市原・千葉に所属した歴代外国籍選手に名前を変えて「ゲーム用データベース」にしてしまおうと3日3晩夜なべして本作に登場する国のかつての名選手達を登録していった。この際、架空の名前は邪魔なので、他の架空選手は数字に変えた。ジェフ千葉は「多国籍軍」と呼ばれ、いろんな国から外国籍選手達がやって来たが、旧ユーゴスラビア圏では91年から01年まで続いたユーゴスラビア紛争のため、特に多くの選手がやって来た。ただし、本作発売時はまだ戦時中であり、国連の制裁によってスポーツの国際大会への出場が出来ず、まだ本作での地図ではセルビア・モンテネグロ(新ユーゴスラビア)は割愛されている。また、ジェフ千葉で最初の外国籍選手であるパベル・ジェハーク氏やフランタ氏の故郷であるチェコの力もまだ世界的には注目されておらず、これも割愛されている。逆にブラジル人選手や韓国人選手は多いため(特にブラジルは全選手入らず)、ポジション無視でエディットした。こうすれば、ジェフ千葉に新外国人選手が入団する度に本作を起動する必要ができるのだ。あったまいー!


 余談だが、Jリーグのゲームで初の実名を使用したのは、93年に発売された『Jリーグ プライムゴール』(ナムコ)、世界版は93年発売のスーパー・ニンテンドー・エンターテイメント・システム用『FIFA インターナショナルサッカー』(エレクトロニック・アーツ)で、現在ではサッカーゲームを作る際には必ずJリーグなどの契約が必要であり、国内での窓口はコナミデジタルエンタテインメントが請け負っている。


(C)SEGA ENTERPRISES,LTD.,1996

2026/06/01

カプコンベルトアクションコレクション

【発売】カプコン
【開発】カプコン(第1開発部)
【発売日】2018年9月6日(ダウンロード版)(パッケージ版:2018.12.6)(Best Prise版:2022.12.8)
【定価】1,990円(ダウンロード版)(パッケージ版:¥3,300)(コレクターズ・ボックス版:¥5,800)(Best Prise版:¥2,750)
【媒体】ニンテンドーSwitch用ダウンロードデータ
【容量】772MB
【ジャンル】オムニバス/アクション
【レーティング】CERO:B(12歳以上対象)




昔のカプコンが好きだ!ベルトアクションも好きだ!


【ストーリー】
 1990年代にゲームセンターを席巻した『ファイナルファイト』をはじめとするカプコンのベルトスクロールアクションが、初移植2タイトルを含む7タイトルを収録し、アーケード版忠実再現で現行機に蘇る!全てのタイトルでオンライン協力プレイが可能!「日本版」と「海外版」の2バージョンが収録されているので、遊びたい地域に合ったバージョンに切り替えて共闘を楽しもう。更に、「ギャラリー」では初公開を含むイラストや秘蔵の開発資料の数々を鑑賞できるぞ!



【収録作品】
01.ファイナルファイト(89年12月14日)
02.ザ・キングオブドラゴンズ(91年9月4日)
03.ナイツ オブ ザ ラウンド(92年1月)
04.天地を喰らうII 赤壁の戦い(92年10月)
05.パワードギア(94年10月)
06.キャプテンコマンドー(95年3月17日)
07.バトルサーキット(97年4月)


【概要】
 カプコンのいわゆる「ベルトアクションスクロール」と呼ばれるシリーズを完全収録したオムニバスソフト。ゲームのみならず、「ギャラリー」モードでは告知ポスターからノートに書かれた古いグラフィック資料まで収録。『パワードギア』、『バトルサーキット』は家庭用ゲーム機では初の移植。全てのタイトルでオンライン対戦が可能。先にニンテンドーSwitchやプレイステーション4などでダウンロード販売され、後にパッケージ版としても発売された。


【ゲームシステム】
 「ベルトアクションスクロール」とは、疑似的に「奥行き」が表現された横長ベルト状のフィールドを右方向に進んで行き、登場する敵を全滅させるとスクロールが進行するサイドビュー形式のアクションゲーム。国内では本作にも収録されている『ファイナルファイト』がこのジャンルを確立させた。他にも『熱血硬派くにおくん』シリーズ(テクノスジャパン)や『ベア・ナックル』シリーズ(セガ・エンタープライゼス)などが人気を博し、アーケードでもコンシューマでも一時代を築いた。



【総評】
 当ブログは10回に1回オムニバスソフトの紹介、そして、年代は80年から00年までとしていたが、100回突破記念とゲームを取り巻く環境も変わってきたため、レトロゲームに限って今回からニンテンドーSwitchも取り扱う事にしましたよー。


 本作は「オンorオフライン」、「オプション」、「ギャラリー」の3モードが選択できるが、せめてもうひとつ「サウンドテスト」くらいは欲しかったところ。「ギャラリー」モードはとにかく膨大な資料が収められており、特に鉛筆画のラフデザインや、大きな紙を切り貼りしてステージ構成が描かれており(変色したセロテープが歴史を物語っている)、これだけでもじっくり見ていれば1時間以上はかかるだろう。アナログでの資料は見ているだけで楽しい。


 収録作品は、ベルトアクションには欠かせない『ファイナルファイト』、女っ気がひとつもない剣と魔法の世界を舞台にした『ザ・キングオブドラゴンズ』、中世の『アーサー王物語』の『円卓の騎士』をモチーフにした『ナイツ オブ ザ ラウンド』、漫画家の本宮ひろ志原作の血がドバドバ出る『天地を喰らうII 赤壁の戦い』、キャプテンのテーマがイカス4人同時プレイも可の『キャプテンコマンドー』、メカを装着しながら進んで行く家庭用機では初移植の『パワードギア』、こちらも初移植で4人同時プレイ可能な『バトルサーキット』の全7作。

 コンシューマ機でのベルトアクションのいいところは、コンテニューを「無制限」にしてボタンをガチャガチャしてれば初心者でも愉快に遊べ、ストレス発散痛快愉快なところである。頭を使わせるゲームが多い中、頭ん中カラッポにして楽しく遊べる「ゲームの原点」がここにある!みたいな。


(C)CAPCOM CO.,LTD. 2018,  (C)CAPCOM U.S.A., INC. 2018 ALL RIGHTS RESERVED.

2026/05/28

源平討魔伝


 




【発売】ナムコ
【開発】ナムコ(源平プロジェクト)
【発売日】1986年10月1日
【媒体】アーケード
【容量】Namco SYSTEM 86
【ジャンル】アクション




浄瑠璃原案の和風アクション


【ストーリー】
 一一九二年、闇は来たれり。闇の源を「頼朝」といふ。頼朝、数多の魔族を率いて地を征す。対せし平家の者ことごとく討たれ、壇ノ浦に沈みたり。天帝、世の乱れを大いに憂い、三途の川の渡守「安駄婆」に命じて、平家の亡者よりひとりの豪の者を選ぶ。その名を「景清」といふ。景清、「ぷれいや」なる異世界の者の布施により、地獄より蘇りたり。


【概要】
 86年にナムコ(現バンダイナムコエンターテインメント)から発売された和風アクションゲーム。鎌倉時代の源平合戦を題材にした浄瑠璃『出世景清』(後に歌舞伎にもなった近松門左衛門作の人形浄瑠璃の演目)をモチーフにしている。主人公の「平景清」が、「ぷれいや」なる異次元の者っつーかプレイヤーからのお布施により復活して、「三種の神器」を集め、平家の仇敵「源頼朝」を討ち取るため、鎌倉へと東上する。エンディングでは、急逝した『ディグダグ』などの開発者である深谷正一氏を悔やむ辞世の句が流れる。

 本項では『ナムコミュージアムVOL.4』収録作品として、収録されたオリジナル版(アーケード版)について記述する。


【ゲームシステム】
 サイドビュー形式の和風アクションゲーム。主人公は地獄から蘇った平景清で、怨敵・源頼朝を倒すため、鎌倉を目指す。ゲームでは状況に応じて「横スクロールモード」、落とし穴に落ちると「黄泉の国」に飛ばされてしまう「平面モード」、そして、ボス戦までの道中「BIGモード」の3通りがある。頼朝を倒すには「三種の神器」を揃える必要がある。ライフ制で、虫の息になると安駄婆(あんだあばあ)に「風前の灯火」と言われる。ナムコ製のゲームはよく「喋る」が、本作が同社の音声合成初作品でもある。全46ステージだが、目的の鎌倉へ行くルートはいくつかあり、1回のプレイだとだいたい12~15ステージほどだ。


【総評】
 難易度はわりかし高く、力押しで進むしかない場面もあるが、BIGモードで出現する頼朝や、「ひょっひょっひょ」、と笑いながら何度も現れ、名言「殺してしんぜよう」と発する「源義経」、「弁慶」などはそのビジュアルの大きさに圧倒されるが、攻撃自体は単調だったりもする。他にも「南無阿弥陀仏」と唱えながら『鳥獣戯画』の兎と蛙を投げて来る「琵琶法師」など、キャラクター、グラフィック、サウンド、フォントに至るまで徹底的に「和」で統一されているのがいとをかし。


 横スクロールモードで落とし穴に落ちると黄泉の国に飛ばされるが、このモードが1番難しい気がする。「閻魔大王」の元へ行き、複数の「つづら」のうち「生」を引き当てれば横スクロール画面に戻れるが、「死」を選ぶと即死してしまう。また、このモードではステージ分岐点となる鳥居が置かれており、ルートによっては難易度がそこそこ下がる。とは言え、京都以降のコンティニューと黄泉からの生還は京都からの再出発となり、加えて剣のパワーアップも元に戻り(シューティングゲームでよくありますな)、難易度が急激に上がる。更に、レトロゲームにはよくある事だけど、三種の神器の在り所はノーヒントである。えー。


 ババアはよく喋り、コンティニューをすると「ありがたや」、永久パターン防止の敵が現れる直前には「気を付けなされ」、黄泉の国に落ちると「愚か者」、コンティニューを選択しないと「諸行無常」などと言われる。うるせえババア!義経もうるせえ!主人公が「復讐」のためのダークヒーローというのも当時のユーザーは惹かれた。僕が初めてプレイしたのはX68000版だったが、自分もその1人だ。

 本作は当初、ナムコ内部で非公式に開発されていたが、社内コンペで中村雅哉会長の眼鏡に叶い、タイトルロゴのフォントは中村会長自らが書いた。また、映画『ゼイラム』や『手甲機ミカヅキ』などの映画監督である雨宮慶太氏による特撮プロモーションビデオも作られた。これは『ナムコミュージアムVOL.4』を起動する時にコントローラのL1+R1を押し続けると、本来のムービーではなく、このプロモーションビデオが流れる。

 88年にファミコン用ソフトに移植されると聞いてかーなーりー楽しみにしていたのに、いざ蓋を開けると容量の都合でボードゲームになっており、殺してしんぜようと思った。PCエンジンでは92年に『源平討魔伝 巻ノ弐』というオリジナルの続編が発売されている。尚、雰囲気が似ているためによく混同されがちなコナミ(現コナミデジタルエンタテインメント)のファミコン用ソフト『月風魔伝』の開発スタッフは、本作を参考にしたと後年打ち明けている。移植は多くのハードにされており、今でも気軽にプレイできる環境にあるため、一度は元祖「和の世界」を味わってみるのもいい。ありがたや。

 最後にネタバレにはなるが、エンディング後の辞世の句を下記に掲載しよう。

神様は死んだ
悪魔は去った
太古より巣喰いし
狂える地虫の嬌声も
今は、はるか
郷愁の彼向へ消去り
盛衰の於母影を
ただ君の
切々たる胸中深くに
残すのみ

神も悪魔も
降立たぬ荒野に
我々はいる

故深谷正一氏に
ささぐ。

 当時のナムコには「天上界」と呼ばれるほどのプログラマが2人おり、1人は後輩から「神」と崇められ、幾多のプログラマーを育てた深谷氏。もう1人は後輩から「悪魔」と恐れられ、『リブルラブル』など不可能と思えるプログラムを次々と手掛けた黒須一雄氏(現ゲームスタジオ相談役)の退社を指している。ナムコを支えてきた天才級プログラマーが立て続けに同社を去った事を偲び、「神も悪魔も降立たぬ荒野に我々はいる(=もう、2人に頼る事はできない)」と、ナムコの未来を憂う事もこの弔辞の意味のひとつである。結果的にそれは杞憂に終わるのだが、当時の社員のショックと不安が如実に表れていて諸行無常である。05年発売のプレイステーション2用ソフト『ナムコクロスカプコン』のでは、上記の一説「神も悪魔も降りぬ荒野に」がゲーム内のサブタイトルにもなった。色即是空。


Produced by NAMCO LTD. (C)1986 1996 NAMCO LTD.,ALL RIGHTS RESERVED