2026/07/10

バーチャレーシング



  




【発売】セガ・エンタープライゼス
【開発】セガ・エンタープライゼス(第2AM研究開発本部)
【発売日】1994年3月18日
【定価】9,800円
【媒体】メガドライブ用カートリッジ
【容量】16M+セガ・バーチャプロセッサチップ
【ジャンル】レースゲーム
【周辺機器】ファイティングパッド6B対応




メガドライブの底力で未来へと希望を繋いだ一作


【ストーリー】
 私達は、業務用で人気を博した『バーチャレーシング』をメガドライブに移植するにあたり、2つの事を最も考慮しました。それは、「ポリゴンの高速コントロールによるスピード感」と「リアルな操作感覚」です。業務用の技術をベースに、メガドライブ用に新たに作成した高速プログラムによって、車のスピード感を保ち、尚且つ道路のバンクやヘアピンなど、リアルな表現も可能になりました。また、車体重量や摩擦係数、ダウンフォースなど、高度な物理計算を行う事で、限りなく実車に近いドライビング感覚を表現できました。それでは、私達の自信作、メガドライブ版『バーチャレーシング』をお楽しみ下さい。


【概要】
 オリジナル版は92年にセガ・エンタープライゼス(現セガ・フェイブ)がアーケードで発売したレースゲームで、F1をモチーフに、グラフィックはポリゴンでの描画機能を搭載した新世代アーケード基板である「MODEL 1」基板で開発された。「MODEL 1」基板は、『バーチャファイター リミックス』の様なポリゴンにテクスチャーを貼る事ができず、見た目はポリゴン剥き出しの「板状」パーツだけで構成されたグラフィックだが、「映像的なリアリティ」よりも「F1カーをドライブする感覚」を優先し、「ゲームが上手い人間ではなく、実際の運転の上手い人間が速く走れるレースゲーム」という観点で開発された。


【ゲームシステム】
 3Dビューのレースゲーム。レース中はドライバー視点から車体後方からの視点まで細かく6視点に切り替えが可能。アーケード版同様のコンピュータが操作する15台のマシンと競い合う「Virtua Racing」モード、プレイヤー1台でのフリー走行、2人対戦モードと主に3つのモードがある。コースは3種。「Virtua Racing」モードでは、制限時間が0になる前にコース内の各ポイントを通過して、5周する。

【総評】
 本作はオリジナル版同様、第2AM研究開発部が開発を行い、ディレクターは後に『バーチャファイター』を手掛けた鈴木裕氏、短いが印象的なアイキャッチは『Jリーグ ビクトリーゴール'96』の主題歌などでお馴染み「世界一歌の上手いサラリーマン」こと光吉猛修氏が担当している。元々は「MODEL 1」基板の性能確認のために作られたゲームだったが、出来がよかったために商品化されたという特異な経緯を持つ。F1カーの座席を模した筐体にギュッと収まり、現在の目で見れば「板人間」だが、当時は珍しかった全ポリゴンのそのリアルな動きに300円(←フツーのゲームより1プレイの値段が高かった)をガシガシ投入したのだった。僕が。



 本作メガドライブ版は、オリジナル版とほぼ遜色がない。これは、本作用に開発された「セガ・バーチャプロセッサ」チップによって、1秒間に9,000ポリゴンを表示させ、メガドライブ本体の12倍の高速演算処理を可能にした。そのため、カートリッジの形状が通常とは大きく異なり、パッケージも見た目は成形色が黒からグレーになっただけだが、内部のカートリッジ固定爪などが作り直された専用の物だ。移植度としては、ポリゴン欠けなどはあるものの、「メガドラすげえ!」と当時は思ったくらいの出来だ。


 『バーチャファイター』などと同じく、静止画ではなかなかゲームの楽しさが伝わらないが(これは当時の専門誌などでも言われていた)、テクスチャーを貼っていないポリゴン剥き出しのこのグラフィックが、今見るとかえって「無駄のないポリゴンゲームの美しさ」にも映る。「様式美」ってやつですな。アーケードでは93年10月に『リッジレーサー』(ナムコ)が登場し、セガも94年4月に『デイトナUSA』を発売。共にポリゴンにテクスチャーを貼ったグラフィックも進化したレースゲームで、徐々に『バーチャレーシング』の筐体は減っていった。そんな新技術の競争時期に発売された本作は、ハードの性能をソフト側で限界以上に引き出す「セガ・バーチャプロセッサチップ」でメガドライブの底力を見せた。次世代競争の中で現行機の意地を見せた『スターフォックス』(任天堂)と正に同じだ。

 同年12月にはメガドライブ・スーパー32Xに移植(あんまし面白くなくてビビった)され、現在はオリジナル版がニンテンドーSwitchでダウンロード販売されているが(思ったより難しくてビビった)、個人的にはこのメガドライブ版が好きなのは、もちろん思い出補正も入ってるだろーが、「新チップを専用に開発してでもメガドラで出そうぜ!」っつーセガの心意気がメガドライバーとしては嬉しかった。「Virtua Racing」モードでは難易度設定もあり、フリー走行ではもう100円玉の数を気にせず、見た目は板なのに動きはリアルなある意味不思議な空間を思う存分走れるのがいい。

 近年、「バーチャルリアリティ」という言葉がまた使われる様になったが(場合によってはまるで新しい言葉の様に)、本作タイトルの略称『V.R.』は「バーチャルリアリティ」の意味もあり、30年以上経った現在、ようやく当時のクリエイター達が思い描いていた未来がやってきた...のカナ?カナ?


(C)1992,1994 SEGA

2026/07/05

悪魔城ドラキュラ アニバーサリーコレクション

 

  




【発売】コナミデジタルエンタテインメント
【開発】コナミデジタルエンタテインメント、M2、サン・フレア、
    コナミデジタルエンタテインメントB.V社、コナミデジタルエンタテインメントリミテッド社
【発売日】2025年6月28日(ダウンロード版:2019年5月16日)
【定価】4,980円(ダウンロード版:3,300円)(デラックスエディション版:8,980円)
【媒体】ニンテンドーSwitch用ゲームカード
【容量】800M
【ジャンル】オムニバス/アクション/アクションRPG
【レーティング】CERO:B(12歳以上対象)




ドラキュラだらけで嗚呼、幸せ❤


【ストーリー】
 「ホラーアクションゲーム」として世界的にヒットした『悪魔城ドラキュラ』のファミリーコンピュータ版をはじめ、シリーズ初期の代表作を8タイトル収録しました。鞭や様々なウェポンを駆使したアクション性や、ステージの世界観を表現する緊迫感あるBGMなどに注目です。100年の眠りから蘇るドラキュラ伯爵と、ヴァンパイアハンター一族であるベルモンド家を中心とした英雄達の壮絶な死闘を描いた不朽の名作アクションシリーズをお楽しみ下さい。



【収録作品】
01.Castlevania Simon's Quest
  (北米版『ドラキュラII 呪いの封印』)(88年11月24日)
02.ドラキュラ伝説(89年10月27日)
03.悪魔城伝説(89年12月22日)
04.悪魔城すぺしゃる ぼくドラキュラくん(90年10月19日)
05.ドラキュラ伝説II(91年7月12日)
06.悪魔城ドラキュラ(91年10月31日)
07.悪魔城ドラキュラ(カートリッジ版)(93年2月5日)
08.バンパイアキラー(94年3月20日)


【概要】
 コナミ(現コナミデジタルエンタテインメント)の人気定番ソフト『悪魔城ドラキュラ』シリーズから、ファミコン、ゲームボーイ、スーパーファミコン、メガドライブのシリーズから全8作を収録したオムニバスソフト。当初は19年にニンテンドーSwitch及びプレイステーション4用にダウンロード専売ソフトとして発売され、後に本作パッケージ版も発売された。パッケージ版には各作品の概要が記述された全18ページの小冊子が付属している。ゲーム内では鉛筆画のラフ資料や説明書、「ベルモンド家」の系譜、関係者のインタビューなどを見る事ができる。


【ゲームシステム】
 サイドビュー形式のアクションゲーム。初出の主人公は「シモン・ベルモンド」だが、時代によってベルモンド家の血を引く「ヴァンパイアハンター」達が主役となる。武器の「鞭」は2段階にパワーアップする。また、サブウェポンも戦いの助けとなる。各所にあるロウソクを消すと出現する「ハート」を集めると、サブウェポンの使える回数が増える。以上が基本的な共通項目だ(『ドラキュラ伝説』や『ぼくドラキュラくん』など、一部例外あり)。




【総評】
 『ドラキュラ』シリーズから計8作を収録したオムニバスソフト。第1弾の『悪魔城ドラキュラ』は、86年に発売されたファミコン用ディスクカードではなく、93年にファミコン用カートリッジで発売の「復刻版」であり、ディスクシステムはファミコン単体より1音多いため、カートリッジ版はディスクシステム版より1音少ない。第2弾の『ドラキュラII 呪いの封印』は、RPGの要素を取り入れたシリーズの中では変わり種だが、本作では北米版の『Castlevania Simon's Quest』が収録されており、会話は全て英語表記である。「シリーズ最高傑作」とも名高い音源チップを別搭載した『悪魔城伝説』。シリーズから外されがちな、一転コミカルな作風の『悪魔城すぺしゃる ぼくドラキュラくん』もしっかり収録。『ドラキュラ伝説』及び『ドラキュラ伝説II』はゲームボーイで発売された。以前、当ブログで採り上げたスーパーファミコン版『悪魔城ドラキュラ』。そして、発売当初から入手困難でプレミアが付いている唯一のメガドライブ用ソフト『バンパイアキラー』までが大収録されており、『ドラキュラ』大好きっ娘のおじさんは大喜びである。シリーズのファンとしては、単に敵を倒して進むのではなく、「いかに華麗に魅せるプレー」で進めるかという「美学」があり、同じ箇所を何度も繰り返しプレイしたりもするのだった。



 『ドラキュラII』が北米版なのは、ファミコン用ディスクカードでの発売だったため、ニンテンドー・エンターテイメント・システム(NES)でカートリッジとして発売された『Castlevania Simon's Quest』の方が移植に際して比較的容易だったためと思われる。しかし、唯一のアクションRPGで住人達との会話があるため、簡単な英語とは言え日本語にローカライズ修正して移植してほしかった。第1作目がカートリッジ版なのも同じ理由かなー。たぶん。あと、付属の冊子もペラペラの上質紙っぽく、昔はこういう付属冊子の紙質は凝っていたのになーとちょっと残念なキモチ。また、内容も半分は下記の英語版の概要が英語表記で書かれているこれまたちょーっと手抜きじゃありませんかってな感じだ。逆にゲーム内で閲覧できる山根ミチル氏(現フリーランス)のインタビュー記事を冊子に載せればよかったのになぁ。



 前述した様に、本作にはボーナスコンテンツとして、『ドラキュラII』を除いた英語版が収録されている。ゲーム内容は会話シーン以外は日本版とほぼ同じだ。

01.『Castlevania』(87年NES用『悪魔城ドラキュラ』)
02.『Castlevania The Adventure』(89年ゲームボーイ用『ドラキュラ伝説』)
03.『Castlevania III Dracula's Curse』(90年NES用『悪魔城伝説』)
04.『Super Castlevania IV』
  (91年スーパー・ニンテンドー・エンターテイメント・システム用『悪魔城ドラキュラ 』)
05.『Castlevania II Belmont's Revenge』(91年ゲームボーイ用『ドラキュラ伝説II』)
06.『Kid Dracula』(91年NES用『悪魔城すぺしゃる ぼくドラキュラくん』)
07.『Castlevania Bloodlines』(94年ジェネシス用『バンパイアキラー』)

 『ドラキュラ』シリーズはすぐにプレミアが付くため、こういった形(ダウンロード版含む)で発売されるのは、ファンとしてはとても嬉しく、また、古典的ゴシックホラーの名作ゲーム達を一部のコレクターやマニアだけのものにしておくのは全く以て無駄な事である。他にも以降の『ドラキュラ』シリーズや『魂斗羅』シリーズ、最近では『がんばれゴエモン!』シリーズなどもアニバーサリーコレクション化されており、多くの名作を揃えるには格好のソフトだ。このコナミの英断には拍手さえ送りたい。



(C)2025 Konami Digital Entertainment

2026/07/01

ガンスターヒーローズ

 


  



【発売】セガ・エンタープライゼス
【開発】トレジャー
【発売日】1993年9月10日
【定価】6,800円
【媒体】メガドライブ用カートリッジ
【容量】8M
【ジャンル】アクション
【受賞】2012年:アメリカ国立スミソニアン博物館アート・オブ・ビデオゲーム展選出




トレジャー、鮮烈なデビュー作!


【ストーリー】
 時は未来…。地球ははびこる悪で荒廃し、地上の人々は混乱をきたし、秩序は失われていた。しかし、その様な中で、真実と正義を貫く集団が世界中をまたに駆け、活躍していた。その名は「ガンスターヒーローズ」!人々から、「ガンスターズ」と呼び讃えられ、悪者を次々と倒していく彼らの戦いは、時を超え、どこまでも続く。世界に真の平和が訪れるまで...。


【概要】
 コナミ(現コナミデジタルエンタテインメント)の元社員達が独立して起ち上げた新会社「トレジャー」の第1作。コミカルなキャラクターと斬新なアイデア、メガドライブの能力を最大限に発揮したアクションゲーム(終盤はシューティングゲームにもなる)で、その完成度の高さからデビュー作ながら一躍「トレジャー」の名を知らしめた傑作である。12年には膨大な収蔵品数と展示数を誇るアメリカの国立スミソニアン博物館が世界中の優れたビデオゲームを特別展示した「アート・オブ・ビデオゲーム展」にも選出された。


【ゲームシステム】
 サイドビュー形式のアクションゲーム。主人公の「レッド」と「ブルー」は、「投げる」、「スライディング」、「ダッシュ」、「ぶら下がり」、「拾う」、「投げる」などの多彩なアクションと、移動しながら一方向に撃てる銃or8方向に撃てるが移動中には撃てない銃に、「フォース」、「ライトニング」、「ファイアー」、「チェイサー」の4種の合成武器を組み合わせ、多種多様な攻撃がいずれも簡単な操作でできる。2人同時プレイ可。全7ステージ。




【総評】
 まず目に行くのは、各キャラクターの細かなアクションで、これは敵キャラクターや無害な「原住民」なども同じだ。キャラクター全てがモニターの中で生き生きしている。そして、有機物から無機物まで凝った敵キャラクターのデザイン。アニメ『ふしぎの海のナディア』の敵3人組みたいな連中だったり、多関節や移動しながら変形するロボットだったり、商業デザインではなくアーティスティックなキャラクター(初見だと頭が一瞬混乱する)だったり、プレイヤーキャラの半分の背丈しかない敵キャラクターが肉弾戦を得意とする難敵だったりと、横で見ているだけでも楽しいグラフィックだ。ホント、敵キャラクターデザイナーは天才だと思う。


 プレイヤーもボスキャラクターもライフ制だが、グラフィックではなく、数字で表れるのがちょっと見難いかな。まあ、本作の欠点らしい欠点はそれくらいだ。4種の合成武器は1度に2種類持て、単発or2種の合成による計10種類の攻撃の組み合わせがある。難易度は3種から選択でき、歯応えのある本来の難しさを堪能するもよし、ザコキャラを蹴散らす爽快感を楽しむもよしだ。全7ステージ中序盤の4ステージは任意に選べる。ステージ5から7までも趣向の凝った作りだ。


 セガ・エンタープライゼス(現セガ)社内では当初、新規のデベロッパーによる完全オリジナル作品が売れるのか懐疑的な意見もあり、「保険」として、マクドナルド社のキャラクターを使った『マクドナルド・トレジャーランドアドベンチャー』を同時開発させたが、トレジャー側から「どうしてもオリジナルの本作を先に出したい」という強い申し出から、開発の終わっていた『マクドナルド・トレジャーランドアドベンチャー』より先に発売された。ていうか、もうパッケージデザインからして安っぽいマクドナルド社のキャラクター使うとか、なぜセガはこーゆー明らかにユーザー受けしなさそうなモンを選ぶのか?





 爽快感のあるアクションと多彩な武器、派手な演出のステージ、バラエティ豊かな敵、優れたゲームバランスなど、「横スクロールアクション」という見慣れ過ぎたジャンルの中で、これ以上はない良質なゲームだ。一時期はプレミアが付いていたが、06年にプレイステーション2で発売された『SEGA AGES 2500シリーズVol.25 ガンスターヒーローズ~トレジャーボックス~』(←長い)を機に、各種ハードに移植され、Wiiのバーチャルコンソールでの配信では、10万ダウンロードを超えるヒットを記録。現在でも19年発売の「メガドライブ ミニ」への内蔵やニンテンドーSwitchでの「メガドライブ for Nintendo Switch Online」に収録されており、気楽に遊ぶ事ができる。やりなはれ。


(C)1993 SEGA