2026/07/15

ドラゴンバスター

 


【発売】ナムコ
【開発】ナムコ(開発1課)
【発売日】1985年1月
【媒体】アーケード
【容量】Namco Pacland
【ジャンル】アクション




お姫様さらわれまくりんぐ


【ストーリー】
 まだ森や湖の精霊達が人間と共存していた頃のお話です。ローレンス王国という美しい国に1人の若者がおりました。名を「クロービス」と言います。彼は王国の親衛隊長の息子でありながら乱暴者で、ケンカが耐えませんでした。父親はそんなクロービスを見るに見かねて、勘当してしまいました。帰る家も友人も失ったクロービスは、ひとり放浪の旅に出るのでした。さて、ローレンス王国からほど近い山の中、1匹のドラゴンがおりました。元々は神の使いでしたが、自分の力を過信したドラゴンは謀反を企て、神の国を追放されたのです。ところが、ドラゴンは反省するどころか、今度は人間界を支配しようと考えました。世界で最も美しい国、ローレンス王国が狙いです。ドラゴンは王国に攻め込み、王女セリアを人質にして、自分を新しい王にするよう要求したのです。この話を風の便りに聞いたクロービス。セリアの美しさと優しさに秘かな想いを寄せていた彼にとっても辛い事でした。クロービスはセリアと故郷を守るため、打倒ドラゴンを決意します。長く厳しかった旅は、クロービスを強く優しい若者へと変えていたのです。そしてクロービスは再び旅立ちます。そう、「ドラゴンバスター」の旅に!


【概要】
 85年にナムコ(現バンダイナムコエンターテインメント)から発売されたアクションゲーム。企画段階ではタイトル名が『ドラゴンクエスト』だったが、社内投票の結果、僅差で『ドラゴンバスター』となった。ちなみに、この時点ではエニックス(現スクウェア・エニックス)からの『ドラゴンクエスト』は未発表である。コピーライト表記が「1984」となっているのは、前年にロケテストが行われたためだ。
 本項では『ナムコミュージアムVOL.2』収録作品として、収録されたオリジナル版(アーケード版)について記述する。


【ゲームシステム】
 サイドビュー形式のアクションゲーム。主人公の「クロービス」は、まずラウンドマップ左下の「ローレンス王国城」からスタートし、右上の「ドラゴン山」にいくつかのルートを選択しながら進む。ルート上には洞窟や山があり、その内部ダンジョンを探索しながら各部屋にいる「ルームガーター」を倒して脱出する。いくつかのダンジョンをクリアし、ドラゴン山にいるドラゴンを倒すと1ラウンドクリア。全12ラウンドで、13ラウンドからは9~12ラウンドが繰り返される。通常攻撃は剣をぐるぐる回すだけだが、「2段ジャンプ」後に下ボタンを押しながら攻撃ボタンを押すと、敵に通常の2倍のダメージを与える「兜割り」ができる。


【総評】
 テキトーに楽なルートを選択する事も当然できるが、ルームガーターを倒すと手に入るアイテムは9種類あり、これらを装備する事で後々の道のりが多少なりとも楽になる。そのため、マップ上でルートと残りライフを考えながら進む必要がある。残りライフだが、ルームガーターを倒すと回復アイテムが出現する場合もある&ダンジョンクリア後に回復するが、いずれも全回復ではない。アクションとしては上記の兜割りの他、ダッシュと2段ジャンプだけなので、キモはやはりいかに早い時点で兜割りをマスターするかにかかっている。案外簡単じゃないんだ、これが。ダンジョンの種類は、廃墟、塔、鍾乳山、奇岩山、墓地、ドラゴン山の6種。ドラゴンのグラフィックはなかなかの迫力っつーかですね、このゲーム、余計な要素を足さずにグラフィックだけ現代版に強化すれば、それだけで通用すると思うんですよね。



 サウンドは『ディグダグ』などの慶野由利子氏が担当。本作では「慶野節」が確立されつつある。難易度はそれなりに高く、クロービスは1機(1人)限りでコンティニューもない。これが難易度を上げている要因のひとつだ。「セリア姫」をさらったドラゴンはラウンド3、5、8、12のドラゴンで、この際、ドラゴンにまたさらわれない様にする「セプター(杖)」と「クラウン(王冠)」を所持していないと、まーた気軽にさらわれてしまう。ただ、さらわれる度にセリア姫の衣装がドレス→ミニスカート→バニーガール→ビキニと変わるので、なんか、アレですか、姫とドラゴンは、実はそんな仲で、グルじゃないんですか?みたいな。対ドラゴン戦では兜割りをマスターしていないと厳しいが、ドラゴンやルームガーター達はこちらに攻撃の隙を与えない様に「ハメ技」的な攻撃を仕掛けてくるため、強引に力押しで倒すしかない。具体的には、ダメージを喰らって空中に放り投げられる形になると、着地点が敵キャラクターなので、またダメージを受けて空中に放り出されるの繰り返しだ。また、ダンジョン内を一定時間うろちょろしてると、「ケイブシャーク」という蛇が噛みついて来て、ライフを急速にガシガシ吸い取ってしまう。噛みつかれる前なら倒せるが、いったん噛みつかれると倒せないため、急いでダンジョンから脱出するしかない。でも、たぶんその前に死ぬね。死ぬ死ぬ。



 僕らの世代(←戦争を知らない世代)だと、アーケード版より、87年発売のファミコン版の方が身近だ。通常のカートリッジの成形色は黒だが、『スーパーゼビウス ガンプの謎』と同じ様に金メッキ仕様になっている。理由は分かんないけど、特別感があった。内容も、アイテム数の増加やラウンド13から始まる『裏ドラゴンバスター』など、より遊び応えのあるゲームにリメイクされている。また、89年にはファミコンオリジナル作『ドラゴンバスターII 闇の封印』も発売された。他にも多くのコンシューマ機及びパソコンに移植されており、現在でも手軽にプレイできる佳作だ。



Goods
『ナムコミュージアム カセットピンズコレクション』







【発売】バンダイ

【発売日】2018年12月
【定価】300円


 バンダイからカプセル玩具用に発売された、ナムコ製ファミコン用カートリッジのピンズコレクション。パッケージの再現度は非常に高く、ピンズの手触りもよい。この『ドラゴンバスター』は実物同様、黄金に輝くピンズだぜ!全10種。


Produced by NAMCO LTD. (C)1984 1996 NAMCO LTD.,ALL RIGHTS RESERVED

2026/07/10

バーチャレーシング



  




【発売】セガ・エンタープライゼス
【開発】セガ・エンタープライゼス(第2AM研究開発本部)
【発売日】1994年3月18日
【定価】9,800円
【媒体】メガドライブ用カートリッジ
【容量】16M+セガ・バーチャプロセッサチップ
【ジャンル】レースゲーム
【周辺機器】ファイティングパッド6B対応




メガドライブの底力で未来へと希望を繋いだ一作


【ストーリー】
 私達は、業務用で人気を博した『バーチャレーシング』をメガドライブに移植するにあたり、2つの事を最も考慮しました。それは、「ポリゴンの高速コントロールによるスピード感」と「リアルな操作感覚」です。業務用の技術をベースに、メガドライブ用に新たに作成した高速プログラムによって、車のスピード感を保ち、尚且つ道路のバンクやヘアピンなど、リアルな表現も可能になりました。また、車体重量や摩擦係数、ダウンフォースなど、高度な物理計算を行う事で、限りなく実車に近いドライビング感覚を表現できました。それでは、私達の自信作、メガドライブ版『バーチャレーシング』をお楽しみ下さい。


【概要】
 オリジナル版は92年にセガ・エンタープライゼス(現セガ・フェイブ)がアーケードで発売したレースゲームで、F1をモチーフに、グラフィックはポリゴンでの描画機能を搭載した新世代アーケード基板である「MODEL 1」基板で開発された。「MODEL 1」基板は、『バーチャファイター リミックス』の様なポリゴンにテクスチャーを貼る事ができず、見た目はポリゴン剥き出しの「板状」パーツだけで構成されたグラフィックだが、「映像的なリアリティ」よりも「F1カーをドライブする感覚」を優先し、「ゲームが上手い人間ではなく、実際の運転の上手い人間が速く走れるレースゲーム」という観点で開発された。


【ゲームシステム】
 3Dビューのレースゲーム。レース中はドライバー視点から車体後方からの視点まで細かく6視点に切り替えが可能。アーケード版同様のコンピュータが操作する15台のマシンと競い合う「Virtua Racing」モード、プレイヤー1台でのフリー走行、2人対戦モードと主に3つのモードがある。コースは3種。「Virtua Racing」モードでは、制限時間が0になる前にコース内の各ポイントを通過して、5周する。

【総評】
 本作はオリジナル版同様、第2AM研究開発部が開発を行い、ディレクターは後に『バーチャファイター』を手掛けた鈴木裕氏、短いが印象的なアイキャッチは『Jリーグ ビクトリーゴール'96』の主題歌などでお馴染み「世界一歌の上手いサラリーマン」こと光吉猛修氏が担当している。元々は「MODEL 1」基板の性能確認のために作られたゲームだったが、出来がよかったために商品化されたという特異な経緯を持つ。F1カーの座席を模した筐体にギュッと収まり、現在の目で見れば「板人間」だが、当時は珍しかった全ポリゴンのそのリアルな動きに300円(←フツーのゲームより1プレイの値段が高かった)をガシガシ投入したのだった。僕が。



 本作メガドライブ版は、オリジナル版とほぼ遜色がない。これは、本作用に開発された「セガ・バーチャプロセッサ」チップによって、1秒間に9,000ポリゴンを表示させ、メガドライブ本体の12倍の高速演算処理を可能にした。そのため、カートリッジの形状が通常とは大きく異なり、パッケージも見た目は成形色が黒からグレーになっただけだが、内部のカートリッジ固定爪などが作り直された専用の物だ。移植度としては、ポリゴン欠けなどはあるものの、「メガドラすげえ!」と当時は思ったくらいの出来だ。


 『バーチャファイター』などと同じく、静止画ではなかなかゲームの楽しさが伝わらないが(これは当時の専門誌などでも言われていた)、テクスチャーを貼っていないポリゴン剥き出しのこのグラフィックが、今見るとかえって「無駄のないポリゴンゲームの美しさ」にも映る。「様式美」ってやつですな。アーケードでは93年10月に『リッジレーサー』(ナムコ)が登場し、セガも94年4月に『デイトナUSA』を発売。共にポリゴンにテクスチャーを貼ったグラフィックも進化したレースゲームで、徐々に『バーチャレーシング』の筐体は減っていった。そんな新技術の競争時期に発売された本作は、ハードの性能をソフト側で限界以上に引き出す「セガ・バーチャプロセッサチップ」でメガドライブの底力を見せた。次世代競争の中で現行機の意地を見せた『スターフォックス』(任天堂)と正に同じだ。

 同年12月にはメガドライブ・スーパー32Xに移植(あんまし面白くなくてビビった)され、現在はオリジナル版がニンテンドーSwitchでダウンロード販売されているが(思ったより難しくてビビった)、個人的にはこのメガドライブ版が好きなのは、もちろん思い出補正も入ってるだろーが、「新チップを専用に開発してでもメガドラで出そうぜ!」っつーセガの心意気がメガドライバーとしては嬉しかった。「Virtua Racing」モードでは難易度設定もあり、フリー走行ではもう100円玉の数を気にせず、見た目は板なのに動きはリアルなある意味不思議な空間を思う存分走れるのがいい。

 近年、「バーチャルリアリティ」という言葉がまた使われる様になったが(場合によってはまるで新しい言葉の様に)、本作タイトルの略称『V.R.』は「バーチャルリアリティ」の意味もあり、30年以上経った現在、ようやく当時のクリエイター達が思い描いていた未来がやってきた...のカナ?カナ?


(C)1992,1994 SEGA

2026/07/05

悪魔城ドラキュラ アニバーサリーコレクション

 

  




【発売】コナミデジタルエンタテインメント
【開発】コナミデジタルエンタテインメント、M2、サン・フレア、
    コナミデジタルエンタテインメントB.V社、コナミデジタルエンタテインメントリミテッド社
【発売日】2025年6月28日(ダウンロード版:2019年5月16日)
【定価】4,980円(ダウンロード版:3,300円)(デラックスエディション版:8,980円)
【媒体】ニンテンドーSwitch用ゲームカード
【容量】800M
【ジャンル】オムニバス/アクション/アクションRPG
【レーティング】CERO:B(12歳以上対象)




ドラキュラだらけで嗚呼、幸せ❤


【ストーリー】
 「ホラーアクションゲーム」として世界的にヒットした『悪魔城ドラキュラ』のファミリーコンピュータ版をはじめ、シリーズ初期の代表作を8タイトル収録しました。鞭や様々なウェポンを駆使したアクション性や、ステージの世界観を表現する緊迫感あるBGMなどに注目です。100年の眠りから蘇るドラキュラ伯爵と、ヴァンパイアハンター一族であるベルモンド家を中心とした英雄達の壮絶な死闘を描いた不朽の名作アクションシリーズをお楽しみ下さい。



【収録作品】
01.Castlevania Simon's Quest
  (北米版『ドラキュラII 呪いの封印』)(88年11月24日)
02.ドラキュラ伝説(89年10月27日)
03.悪魔城伝説(89年12月22日)
04.悪魔城すぺしゃる ぼくドラキュラくん(90年10月19日)
05.ドラキュラ伝説II(91年7月12日)
06.悪魔城ドラキュラ(91年10月31日)
07.悪魔城ドラキュラ(カートリッジ版)(93年2月5日)
08.バンパイアキラー(94年3月20日)


【概要】
 コナミ(現コナミデジタルエンタテインメント)の人気定番ソフト『悪魔城ドラキュラ』シリーズから、ファミコン、ゲームボーイ、スーパーファミコン、メガドライブのシリーズから全8作を収録したオムニバスソフト。当初は19年にニンテンドーSwitch及びプレイステーション4用にダウンロード専売ソフトとして発売され、後に本作パッケージ版も発売された。パッケージ版には各作品の概要が記述された全18ページの小冊子が付属している。ゲーム内では鉛筆画のラフ資料や説明書、「ベルモンド家」の系譜、関係者のインタビューなどを見る事ができる。


【ゲームシステム】
 サイドビュー形式のアクションゲーム。初出の主人公は「シモン・ベルモンド」だが、時代によってベルモンド家の血を引く「ヴァンパイアハンター」達が主役となる。武器の「鞭」は2段階にパワーアップする。また、サブウェポンも戦いの助けとなる。各所にあるロウソクを消すと出現する「ハート」を集めると、サブウェポンの使える回数が増える。以上が基本的な共通項目だ(『ドラキュラ伝説』や『ぼくドラキュラくん』など、一部例外あり)。




【総評】
 『ドラキュラ』シリーズから計8作を収録したオムニバスソフト。第1弾の『悪魔城ドラキュラ』は、86年に発売されたファミコン用ディスクカードではなく、93年にファミコン用カートリッジで発売の「復刻版」であり、ディスクシステムはファミコン単体より1音多いため、カートリッジ版はディスクシステム版より1音少ない。第2弾の『ドラキュラII 呪いの封印』は、RPGの要素を取り入れたシリーズの中では変わり種だが、本作では北米版の『Castlevania Simon's Quest』が収録されており、会話は全て英語表記である。「シリーズ最高傑作」とも名高い音源チップを別搭載した『悪魔城伝説』。シリーズから外されがちな、一転コミカルな作風の『悪魔城すぺしゃる ぼくドラキュラくん』もしっかり収録。『ドラキュラ伝説』及び『ドラキュラ伝説II』はゲームボーイで発売された。以前、当ブログで採り上げたスーパーファミコン版『悪魔城ドラキュラ』。そして、発売当初から入手困難でプレミアが付いている唯一のメガドライブ用ソフト『バンパイアキラー』までが大収録されており、『ドラキュラ』大好きっ娘のおじさんは大喜びである。シリーズのファンとしては、単に敵を倒して進むのではなく、「いかに華麗に魅せるプレー」で進めるかという「美学」があり、同じ箇所を何度も繰り返しプレイしたりもするのだった。



 『ドラキュラII』が北米版なのは、ファミコン用ディスクカードでの発売だったため、ニンテンドー・エンターテイメント・システム(NES)でカートリッジとして発売された『Castlevania Simon's Quest』の方が移植に際して比較的容易だったためと思われる。しかし、唯一のアクションRPGで住人達との会話があるため、簡単な英語とは言え日本語にローカライズ修正して移植してほしかった。第1作目がカートリッジ版なのも同じ理由かなー。たぶん。あと、付属の冊子もペラペラの上質紙っぽく、昔はこういう付属冊子の紙質は凝っていたのになーとちょっと残念なキモチ。また、内容も半分は下記の英語版の概要が英語表記で書かれているこれまたちょーっと手抜きじゃありませんかってな感じだ。逆にゲーム内で閲覧できる山根ミチル氏(現フリーランス)のインタビュー記事を冊子に載せればよかったのになぁ。



 前述した様に、本作にはボーナスコンテンツとして、『ドラキュラII』を除いた英語版が収録されている。ゲーム内容は会話シーン以外は日本版とほぼ同じだ。

01.『Castlevania』(87年NES用『悪魔城ドラキュラ』)
02.『Castlevania The Adventure』(89年ゲームボーイ用『ドラキュラ伝説』)
03.『Castlevania III Dracula's Curse』(90年NES用『悪魔城伝説』)
04.『Super Castlevania IV』
  (91年スーパー・ニンテンドー・エンターテイメント・システム用『悪魔城ドラキュラ 』)
05.『Castlevania II Belmont's Revenge』(91年ゲームボーイ用『ドラキュラ伝説II』)
06.『Kid Dracula』(91年NES用『悪魔城すぺしゃる ぼくドラキュラくん』)
07.『Castlevania Bloodlines』(94年ジェネシス用『バンパイアキラー』)

 『ドラキュラ』シリーズはすぐにプレミアが付くため、こういった形(ダウンロード版含む)で発売されるのは、ファンとしてはとても嬉しく、また、古典的ゴシックホラーの名作ゲーム達を一部のコレクターやマニアだけのものにしておくのは全く以て無駄な事である。他にも以降の『ドラキュラ』シリーズや『魂斗羅』シリーズ、最近では『がんばれゴエモン!』シリーズなどもアニバーサリーコレクション化されており、多くの名作を揃えるには格好のソフトだ。このコナミの英断には拍手さえ送りたい。



(C)2025 Konami Digital Entertainment