2026/10/30

真・女神転生





【発売】アトラス
【開発】アトラス、遊企画
【発売日】1992年10月30日
【定価】9,800円
【媒体】スーパーファミコン用バックアップカートリッジ
【容量】12M+64Kbit
【ジャンル】ロールプレイング




「人間」とは何者なのか


【ストーリー】
 日本の首都、東京。その大都市東京の一角、吉祥寺に母親と二人暮らしの少年がいた。母親想いの心優しい少年は、平和な日々を過ごしていた。

 ある夜、少年は奇妙な夢を見る。異次元世界の迷宮、喋る扉、十字架に掛けられた少年、悪魔に虐げられた少女、謎の女、そして、怪しい儀式…。

 不思議な夢から目を覚ますと、井之頭公園で殺人事件が起こったらしく、街は騒然としている様だった。公園は警察によって閉鎖されており、他の街へ行く事も出来なくなってしまったらしい。しかも、目を覚ますと同時に、パソコン通信により、不可解なメッセージが送られて来た。そして、プログラムをダウンロードすると、それは悪魔を自分の「仲間」としていつでも召喚できる「悪魔召喚プログラム」であった...。


【概要】
 87年発売の『デジタルデビル物語 女神転生』及び90年発売の『デジタルデビル物語 女神転生II』は、共にアトラスが開発し、ナムコ(現バンダイナムコエンターテインメント)がファミコンで発売した3Dビュー形式のRPG。その流れを汲んだ本作は、アトラスが初めて自社ブランドで発売した作品である。現代を舞台にし、思想の違いによる決別、ドライなサウンドやシビアなシナリオなどが人気を博し、現在まで続編が作られているシリーズ1作目。尚、ストーリー的には前作までとの直接的な繋がりはない。

 シリーズの大きな特徴に、敵キャラクターと戦闘に入る前の「会話」をきっかけに「仲魔」にでき、その仲魔と仲魔を「邪教の館」で「合体」させ、更に強力な悪魔=仲魔を造る事ができる。ただし、自分の属性が途中で変わると、相反する属性の仲魔は使えなくなる。が、あえて相反する悪魔を造り、「合体素材」にするという手もあるのだ。一定の法則もあり、ゲーム進行より「悪魔合体」に熱中するユーザーも多かった。世界中の様々な宗教の神や悪魔を一緒くたにして、それを「素材」として扱い、より強い悪魔を造り出す背徳性も魅力だ。


【ゲームシステム】
 3Dビュー形式のロールプレイングゲーム。街マップ上を移動する時のみトップビューとなる。遭遇した敵(悪魔)とは、戦闘以外にも会話を行う事ができ、うまく交渉するとその悪魔を仲魔にできる。仲魔は通常は主人公の持つ携帯コンピュータ内にいるが、呼び出して共闘したり、合体素材としてより強力な仲魔を生み出す事もできる。合体には「2身合体」と「3身合体」があるが、仲魔の属性によっては逆に弱い悪魔になったり、合体できないケースもある。このあたりは攻略本や良質なウェブサイトに掲載されているので、各自で調べるよーに。

 悪魔に影響を及ぼすのが月齢(=月の満ち欠け)だ。新月(NEW MOON)から満月(FULL MOON)までの間は9段階で表示されるが、まず、新月→満月の流れで悪魔の興奮度が上昇し、交渉成立が難しくなるだけでなく、FULL MOONになると問答無用で交渉不可となる。そのため、FULL MOONに近い月齢で強敵やボス戦などに挑むのは得策ではない。また、邪教の館での悪魔合体において、稀に起こる「合体事故」もFULL MOON時だ。



【総評】
 『真・女神転生』シリーズの大きな特徴のひとつに、「徹底したドライ感」がある。グラフィックやサウンドもドライなら、ストーリーのシチュエーションもそうだ。例えば、序盤で最愛の母親が悪魔に襲われてしまい、人間の仲間「ロウヒーロー」&「カオスヒーロー」と3人で悪魔を倒すのだが、これだけの事態にも関わらず、仲間は2人とも主人公に一言かけるのみで、感傷的なサウンドや演出は一切ない。プレイヤーは「恐らくこの事が主人公が旅をする目的になったのかな?」と想像する。そう、全ては語らないのだ。このドライさは徹底的に貫かれている。あまりにドライなので、主人公は筆者の、2人のヒーローは友達の名前を勝手に付けて遊んだが(←事後承諾)、シビアな世界観の中でなかなかマヌケでよい。一緒に長く旅を続けてきた同士である仲魔をあっさりと悪魔合体の素材として使うのもドライだ。



 登場キャラクターは悪魔を含め全て「ロウ」、「カオス」、「ニュートラル」の属性を持っている。単純に考えてしまうと、ロウ=善行、カオス=破壊と混沌、ニュートラル=中立と捉えてしまいがちだが、これは捉えた側の価値観であり、価値観や倫理観といったものは個人の立場や思想、もっとマクロに見れば歴史や社会情勢によって変わるものであり、そう単純なものではない。人間のために悪魔をバンバン倒していけば、人間側から見れば「善行」だが、神や悪魔側から見れば「蛮行」と捉えられる。映画監督の押井守氏の言葉を借りれば、「正義を行えば世界の半分を怒らせる」だ。便宜上「悪魔」と書いてはいるが、他国や他宗教では「神」として祀られていたりする敵キャラクターも大勢いる。押井さん、たまにはいい事言うじゃん!ニュートラルにしても「中立」という言葉は耳障りこそいいが、「自分の意見を持たない責任感がない」とも捉えられる。実際には「中立」という立場が一番難しく、相対する両方の「責任」を背負うのが本来であり、ただ傍観しているのは単なる「無責任」に過ぎない日和見な人間なのが分かる。まあ、人間ってのは結局はみーんな自分の好き勝手に生きており、それで世の中が成り立っているわけだ(暴論)。


 お金と「マグネタイト」、「魔石」についても触れておかねばなるまい(←おかねシャレ)。どれも悪魔との交渉に必要なものだ。金を要求してくる悪魔ってのも俗世的だけど。武器や防具、アイテムを売ってる店はそう多くないため、仲魔になってほしい悪魔が要求してきた時は大盤振る舞いでパーっといこう!マグネタイトも要求される物質のひとつだが、これは悪魔の「エネルギー源」にもなっている。パーティに仲魔を連れて歩くだけで徐々に減っていくし、携帯コンピュータ内から仲魔を呼び出す時にも必要だ。魔石は、道具として使えばヒットポイントが回復するが、これも主に交渉手段のアイテムだ。いずれも敵を倒すと入手できる。

 ストーリー的には「この国は腐っとるんで悪魔を復活させよりよい日本を新たに創る!」とうそぶく「ゴトウ」を崇拝する過激派「ガイア教」と、そうはさせんとする保守派「メシア教」が対立し、アメリカが内政干渉など知った事かとICBM(大陸間弾道ミサイル)を発射。東京は破壊され、ガイア教は少数派となり暴徒化。主導権を握ったメシア教だったが、組織が大きくなあると、これまたその中で過激派と保守派に分かれっつー人間の愚かさが浮き彫りになってくる。序盤以降は、この荒れ果て悪魔が我が物顔で闊歩する東京を舞台に、自分は何者なのかを探す旅だ。たぶん。つーのも、動機としてはちょっと弱いんだよね。ゲームは面白いけど。



 難易度は高く、当時は途中で諦めてしまうユーザーも少なくなかった。『女神異聞録ペルソナ』同様、とりあえずセーブポイントが涙が出るほど少ないのが一因だ。全滅or人間が死んだら、ハイ、それまーでーよーであり、所持金だけ半分減るとかあまえ。戦闘画面では、敵1種のグラフィックしか表示されないが、実際の数は画面上部のアイコンで描かれている。同様に敵とのエンカウント率も高く、多勢の戦いが連続するなど、若干バランスがキツい。1度のエンカウントで連続の戦闘が行われる場合も多いため、これがなかなか油断できないのだ。人間はレベルアップすると、「体力」や「速さ」などのパラメーターにポイントを振り分けられる様になっていて、自分好みの主人公にできる。

 ファミコンからスーパーファミコンに解像度が上がった&画面右上に表示されるオートマッピングのおかげで、3Dが苦手な筆者でもなんとかクリアする事ができた。いや、マップはやっぱ攻略本片手ですけどね。てへ☆また、「悪魔絵師」ことキャラクターデザイン担当の金子一馬氏の描く魅力的な悪魔の数々も前作よりかなりリアルタッチになり、時に迫力があり、時に魅惑的な悪魔の数々を見る事ができる。


 増子司氏のドライでイカスサウンドもこれまた欠かせない。ファミコン版2作も秀逸なサウンドばかりだったが(これのアレンジ版サントラが最高なんだ、また)、本作ではより磨きがかかっている。戦闘曲がヘヴィ・メタルに固定されたのも本作からである。そんな中でのエンディング曲は、満足感と切なさと主人公の今後を明るく照らすシリーズ屈指の名曲だ。この曲を聴くためにプレイしたと言ったら過言だけど、それくらいいい。聴け。


 ストーリーの終盤開始に自分の属性がロウかカオスかに決定されるが、ニュートラルには戻せる。筆者の場合、1度はカオスになったが、命令してくる悪魔の態度が気に入らなかったため、口の利き方を教えてやろうと倒したら、ニュートラルになった。が、これがキツかったー。なんせ、ロウ側とカオス側の両方のボスを倒さなければいけないので。エンディングは、ロウ、カオス、ニュートラルの3種あるが、やっぱね、人間は神や悪魔の力を借りずに未来を創らなくちゃねと思ったのと、個人的に人に命令されるのがキライだった結果だろうなーと。いやー、クリアするまで1ヶ月遊んだなー。これで苦手な3Dビューも克服できた気がする。いろいろ考えさせられる良作だ。



Music
『真・女神転生 サウンド・コレクション』





【作曲】増子司
【編曲】黒川真穀、土屋憲一
【発売】SME・ビジュアルワークス
【発売日】2003年3月5日
【定価】2,900円
【収録時間】約68分/約55分


 だいぶ前に『真・女神転生』と『真・女神転生II』のオリジナル&アレンジ版を持ってたんだけど、オリジナル版はスーパーファミコンのハードの特性上、「音がこもる」のと、アレンジ版はどちらもハズレだったんで(『II』とか世界観に一番遠いオーケストラだったし)手放したが、プレイステーションに移植されたオリジナル版の『真・女神転生 サウンド・コレクション』(曲・増子司)の存在を今更知ったんで、購入。両作品全曲の他、『真・女神転生if…』、『真・女神転生 NINE スタンドアローン版』からのセレクションも収録。プレイステーション版のアレンジも邪魔にならないし、2枚組みで聴き応えあり。

【収録曲】
■DISC 1 プレイステーション版『真・女神転生』より
01. タイトルデモ
02. タイトル
03. 夢
04. 自宅
05.パスカル
06.吉祥寺
07.アーケード街
08.Neutral
09.大使館
10.店
11. ターミナル
12. 四天王の館
13. エンカウント
14.戦闘
15.レベルアップ
16. Law
17. 銀座
18. 邪教の館
19. 悪魔合体
20. 渋谷
21. ボス
22. ゲームオーバー
23, 廃墟
24. Chaos
25. カテドラル
26. エピローグ
27. エンディング
28. 魔人
■プレイステーション版『真・女神転生if…』より
29. タイトルデモ
30. エンカウント(アキラ編)
31. 戦闘(アキラ編)
32. レベルアップ(アキラ編)
33. ボス(アキラ編)
34. 宿敵
35. エンディング
36. スタッフロール
37. 軽子坂高校効果

■DISC 2 プレイステーション版『真・女神転生II』より
01. タイトルデモ
02. タイトル
03. ジム
04. 3D:ヴァーチャルバトラー
05. 店
06. 3D:ヴァルハラ
07. Neutral
08. 2D:フィールド
09. エンカウント
10. 戦闘
11. レベルアップ
12. 記憶回復
13. 3D:センター
14. Law
15. 邪教の館
16. 悪魔合体
17. 2D:セイレーン
18. 3D:地下世界
19. 中ボス戦闘
20. Chaos
21. カジノ
22. ターミナル
23. ディスコ
24. 2D:魔界
25. 3D:魔界
26. ヒロイン
27. 大ボス戦闘
28. ゲームオーバー
29. アリス
■プレイステーション版『真・女神転生 NINE スタンドアローン』より
30. ボス系戦闘
31. 吉祥寺
32. 原宿
33. 渋谷
34. ラスボス戦闘



Figure
『ワンコインフィギュアシリーズ 女神転生 悪魔召喚録 ジャックフロスト&ジャックランタン』











【発売】コトブキヤ
【発売日】2005年4月
【定価】500円

 

 食玩やカプセルトイなどが安価でものすげー高クオリティだった頃にコトブキヤから発売。これでワンコインって今じゃ信じられん。第6弾まで発売され、立体化された悪魔は全42体。他にもいくつか持ってたけど、今はこの「ジャックフロスト&ジャックランタン」のみ手元に残った。現在は中古で1体1,000円くらいからしか買えないんで、他の悪魔フィギュアを手放した事が悔やまれるのだった。



Books
『真・女神転生のすべて 悪魔復活編』
 





【著】成沢大輔
【監修】アトラス、遊企画
【発売】JICC出版局
【発売日】1992年11月1日
【定価】1,000円

 金子氏の天使や悪魔などのアナログ画が掲載された「画集」。現在はデジタル描写に移っているが、ペンとマーカーで描かれたアナログのキャラクター達は、デジタルにはない迫力がある。当時から細部までこだわって描かれているのが分かるファンならぜひ一読してほしい1冊。



Books
『真・女神転生のすべて 徹底攻略編』
 




 




【著】成沢大輔
【発売】JICC出版局
【発売日】1992年12月10日
【定価】880円

 全悪魔のゲームグラフィックから各種データ、そしてスタートからラストまでのダンジョンマップを掲載した実用書。これがないと始まらない。ただ、「カテドラル」のダンジョンマップではいくつか間違いがあるので、そこはウェブサイトと併用。筆者は基本的に攻略本の類は1度クリアした後に買うのが常だが、これはゲーム開始と同時に買った。心強い味方だ。


(C)西谷史 / シップス (C)ATLUS  / 遊企画

2026/09/25

ウルトラセブン

  




【発売】バンダイ
【開発】ベック
【発売日】1993年3月26日
【定価】8,800円
【媒体】スーパーファミコン用カートリッジ
【容量】8M
【ジャンル】アクション/シューティング




ユーザーより愛を込めて


【ストーリー】
 19XX年。宇宙による惑星同士の侵略戦争は激化を極め、地球も例外ではなく、その抗争に巻き込まれようとしていた。宇宙人は地球より遥かに高い科学力を持ち、様々な方法で地球侵略の魔の手を伸ばしつつあった。世界の国々は協力し合い、「地球防衛軍」を組織。宇宙人の侵略に対し、常に防衛態勢を敷く様になった。日本も防衛軍の極東前線部隊として、「ウルトラ警備隊」がその任務にあたっていた。

 そして、ある日、見えない宇宙船に乗った「クール星人」が地球に全面攻撃を仕掛けて来た。その恐るべき科学力の前にウルトラ警備隊も成す術がなく、時間だけがいたずらに過ぎて行った。そして、遂に東京も壊滅か?と思われた緊急時に、その男はやって来た。

 自らを「風来坊」と称するその男、「モロボシ・ダン」は、ウルトラ警備隊に特殊噴霧装置による攻撃を提案する。特殊噴霧装置による反撃で一難を逃れた警備隊の前に、今度は「ウルトラセブン」が現れ、クール星人の宇宙船を撃破。危機は去り、地球は救われた。

 このウルトラセブンこそ、「M78星雲」からやって来たモロボシ・ダンの本当の姿だった。モロボシ・ダンは正体を隠し、ウルトラ警備隊に入隊。地球防衛軍の任務に就いた。未知なる宇宙には常に高い知能を持った別の生命体が存在し、地球侵略の隙を伺っている。

 さあ、この美しい星・地球を侵略者達の魔の手から守ろう!行け、ウルトラセブン!戦え、我らのヒーロー!


【概要】
 円谷プロダクションによって制作された特撮ドラマ『ウルトラマン』の続編で、67~68年に全49話放送された。大人向けの高い完成度の脚本が多く、シリーズの中でも1、2の人気を誇る。94~99年、02年にはそれぞれ別のパラレルワールドのテレビスペシャルとオリジナル・ビデオが、23年にはオリジナル脚本でのネット配信ドラマでと、現在でもその人気は根強い。

 本作は91年にバンダイ(現バンダイナムコエンターテインメント)から発売された『ウルトラマン』の続編であり、開発は前作同様ベック(現B.B.スタジオ)が担当している。ステージ前には怪獣・星人と戦うまでのあらすじや、ウルトラ警備隊の大型戦闘機「ウルトラホーク1号」によるシューティングゲームが追加されている。尚、歴代『ウルトラ』シリーズの防衛チームの中でも、侵略者による対空中戦(円盤)での撃破率は、ウルトラ警備隊が最も多い。


【ゲームシステム】
 サイドビュー形式のアクションゲーム。前作では1人プレイ専用だったが、本作では2人対戦プレイが可能で、全ての怪獣・星人が使用できる。キックやパンチ、投げ技などで相手のパワーゲージを減らし、「FINISH」と表示されると「アイスラッガー」か「ワイドショット」で相手を倒せる。逆に言えば、いくらダメージを与えても、上記の2つの必殺技でしか止めを刺せず、相手のパワーも少しづつ復活してしまう。「必殺技ゲージ」を最大に溜めると発射できる他、「ハンディショット」、「クロスショット」、「エメリウム光線」など、止めは刺せないが他の必殺技も選択できる。

 本作の特徴として、敵と戦う前に「カプセル怪獣」を使うか否かが選択できる。カプセル怪獣は原作通り「ウィンダム」、「ミクラス」、「アギラ」。使用しても勝手にライフが減っていくうえ、敵怪獣は倒せないため、ウルトラセブン登場前にある程度ライフを削っておきたい相手に使おう。つっても、本編同様ほとんど役に立たないけど。また、3ステージごとにボーナスステージとしてウルトラホーク1号によるシューティングゲームが入り、敵円盤を倒すと出現するウルトラ警備隊のマークを取れば、使えるカプセル怪獣の回数が増える。

 タイムリミットは3分間で、30秒を切ると警告音が鳴る。敵にやられるか、3分間以内に勝負を付けられなければ敗北だ。コンティニューは3回。コンフィグ画面で難易度設定ができる。全12ステージ。


【総評】
 ウルトラセブンは元々、第2話「緑の恐怖」での活躍から、「ウルトラ警備隊7人目の隊員」という意味で名付けられたため、ホーク1号の登場は、「全ての隊員で地球を守っている」というコンセプトが垣間見れる。いや、ホントにそんなコンセプトがあったかどうかは知らないけど、にしてもいい演出だ。架空の戦闘機でどのジャンルの中でもいっちゃんカッチョいいのはウルトラホーク1号だと思う。3ステージごとにあるボーナスステージだけでなく、第38話&第39話「セブン暗殺計画(前後編)」にあたるステージ9では、「ガッツ星人」に囚われ空中で十字に張り付けられている拘束具を攻撃して外すなど、ストーリー上必須の存在だ。ホーク1号は「α号」、「β号」、「γ号」が合体しており、1発被弾すると各号機が爆破される。実質3機なわけだ。


 格闘アクションゲームとしては前作同様、「ハイジャンプキック」が主体技となるが、これまたタイトル画面から全編に渡って開発陣のこだわりが随所に見られて、嬉しくなってくる。登場する怪獣・星人の選択も前作同様どいつもこいつもナイス選択だ。また、各ステージ前には「ファンは知っているであろー」という前提の元にあらすじが表示される。これもいい演出だ。


 ステージ1は、第3話「湖のひみつ」より「宇宙怪獣 エレキング」。前作より難易度がやや上がっており、尻尾巻き巻き攻撃には用心したい。アイスラッガーで倒すと原作通り首が切断され血を吹くぜ!ステージ2は、第8話「狙われた街」より「幻覚宇宙人 メトロン星人」。エレキングより動きが早く、飛び道具も使うため、いきなり何度もやられてしまう強敵だ。ステージ3は、第10話「怪しい隣人」より「異次元宇宙人 イカルス星人」。テレポーテーションを使って来るこれまた厄介な相手だ。ホーク1号のボーナスステージを挟み、ステージ5は、第14話&第15話「ウルトラ警備隊、西へ(前後編)」と同じく神戸港を舞台に「宇宙ロボット キングジョー」。分裂やバリアを使用してくるが、ハイジャンプキックで意外と簡単に倒せる。かも。


 ステージ6は、第25話「零下140度の対決」。「冷凍怪獣 ガンダー」は、短距離を飛行し、口から冷凍光線を吐いてくる。こいつも難易度が高い。第26話「超兵器R1号」から「再生怪獣 ギエロン星獣」。前作の「水棲怪獣 ジャミラ」と同じく、言わば「犠牲者」の立場のため、倒した後の演出が通常ステージとは違う。残念なのは、原作では黄色い花畑とそこに流れる小川が印象的だったが、本作ではなぜか夜の墓地になっている。これは本当に残念。エレキング同様、こいつもアイスラッガーで両腕が切断され黄色い血が吹くぞ!

 第27話「サイボーグ計画」からは「甲冑星人 ボーグ星人」。こいつはまた案外簡単に倒せちゃうんだなー。第31話「悪魔の住む花」では、松坂慶子の体内で「宇宙細菌 ダリー」と戦うためにセブンがミクロ化。このダリー、松坂慶子の腸内に潜って下から出現と思ったら、回避が難しい上から奇襲をかけてきたりと、さすがステージが進んだだけあって強敵だ。松坂慶子の体内を戦場にした代わりに、このステージもクリア後の演出が異なる。


 前述した「セブン暗殺計画」では、「分身宇宙人 ガッツ星人」と戦う前に、ホーク1号でセブンを助けなければならない。第46話「ダン対セブンの決闘」では、「ロボット超人 にせウルトラセブン」が登場。ドッペルゲンガーよろしくハンディショットやエメリウム光線をバンバン使ってくるこいつも強敵だ。





 そして、最後は第48話&第49話「史上最大の決戦(前後編)」。ダンが「アンヌ隊員」に「自分がウルトラセブンだ」と告白する例のシーンも再現されている。登場怪獣は、近寄れば火炎攻撃、離れると岩石投げの強敵「双頭怪獣 パンドン」。そして、最終ボスは「双頭怪獣 改造パンドン」。これをアイスラッガーでぶった切り、西の空に明けの明星が輝く頃、一つの光が宇宙に飛んで行くセブンをウルトラ警備隊全員が見守って終わる。

 前作同様、キャラクターゲームとしては一流である。サウンドも前作は主題歌のみの流用だったが、本作では「ウルトラ警備隊の歌」や劇伴(タイトル名が分からず…)が採用されており、ベックのキャラクターゲームへのこだわりは本物だ。『ウルトラマン』は多くのハードに移植されたが、本作では実機のみなのが勿体ない。中古市場ではカートリッジのみだと1,000円程度なので、『セブン』ファンはぜひプレイしよう!ジュワッ!


(C)円谷プロ (C)BANDAI 1993
JASRAC V-922211号

2026/09/20

アフターバーナーII



   



【発売】マイコンソフト
【開発】電波新聞社
【発売日】1990年3月20日
【定価】7,000円
【媒体】メガドライブ用カートリッジ
【容量】4M
【ジャンル】シューティング
【周辺機器】アナログジョイ・パッド XE-1AP対応




ハードでの不可能をソフトで可能にしたセガの代表作


【ストーリー】
 西暦199X年、世界勢力はA国とZ国に二分され、冷戦状態が続いていた。A国の海軍にいたキミに極秘指令が下った。その指令とは、敵国の領空を強行突破して、秘密兵器の情報ディスクを軍の秘密研究所に届けるという事であった。果たしてキミは、敵防衛線を突破して、無事目的地へ辿り着けるだろうか?


【概要】
 オリジナル版は87年にセガ・エンタープライゼス(現セガ)がアーケードで発売した体感型シューティングゲームで、体感型には大型で筐体の動きも激しい「ダブルクレイドルタイプ」と、小型で左右にしか揺れない筐体「クレイドルタイプ」の2種があった。また、筐体が動かない通常のアーケードマシン用筐体でもプレイできた。ダブルクレイドルタイプはメンテナンスが複雑で、現在国内で存在が確認されているのは3台だけだという説もある。サウンドにはエレキギターを多用したハードロック調の曲で、今でもアレンジ版のCDが発売されるほど、『スペースハリアー』や『アウトラン』と並ぶセガの代表曲である。

 メガドライブの移植に当たっては、X68000版の移植を手掛けた電波新聞社が行った。メガドライブには回転機能を搭載してないが、ソフトの方で再現している。ドット絵の部分も細かく描かれており、移植度は非常に高い。また、電波新聞社から発売されたアナログ・ジョイパッドに対応しており、メガドライブ初のアナログ入力対応ソフトとなった。尚、発売元のマイコンソフトは、電波新聞社の子会社である。本作のみパッケージのビジュアルが他のイラストとは異なるメガドライブのオリジナル仕様だ。


【ゲームシステム】
 3Dビュー形式のシューティングゲーム。Aボタンは「加速」、Cボタンは「減速」、Bボタンは「ミサイルの発射」で、通常攻撃のバルカン砲はオートで撃ちっ放しの簡単操作。ミサイルは前方の敵に照準を合わせると「FIRE」の声と共にロックオンできる。ミサイルは弾数に限りあるため(最大100発搭載)、ある程度ステージを進めると補給機がやって来て50発まで補給してくれる。ステージが進むと敵からの誘導ミサイルや追撃機なども現れるため、加速してアフターバーナーを仕掛けて撃破する。全23ステージ。


【総評】
 ゲームスタート時に「SEGA」のロゴが入った空母から飛び立つシーンからバッチリ再現されている。バルカン砲をオートにした事により、ミサイルで敵機を次々と撃破する爽快感や、背後の戦闘機やミサイルをアフターバーナーを吹かして撃破or振り切る緊張感を、シンプルな操作でドッグファイトが楽しめる。ソフト側の力技で実現させた回転演出も移植度の高さを示している。ゲームとしては高速で低空飛行した方がいいが、敵機と自機の爆風で時々訳分かんなくなるぜ!また、タイトル画面でABCスタート各ボタンを同時押しすると、ステージ20までセレクトできるぞ。

 セガ・エンタープライゼスを代表する作品だが、『アフターバーナーI』は正確には未完成品の、言わば本作の「ベータ版」だった。これは、同社上層部から「出荷を決算に間に合わせる様に」との社命が出たため(当時の同社は東証二部への上場を控えており、そのために売上を確保する必要があった)、止む無く未完成のまま「修正版が完成次第、交換する」という条件付きで全国への出荷が決まったのだった。サラリーマンって辛いよね。



 本作を知ったのは、当ブログでたまに登場する僕をゲーム漬けにした近所のにいちゃんが、BEEP付録のソノシートを毎回カセットテープにダビングしてくれ、例によって音楽から入ったのだった。その後、ゲームセンターでプレイし、正に手に汗握る抜群のスピード感と緊張感、美しいグラフィック、そしてイカすサウンドが小学生の僕に強烈に刷り込まれたのだった。本作では残念ながらメインテーマ「Final Take Off」がキーボードメロディの部分が省かれたバージョンのものだが、容量的に仕方あんめえ。ちょっと泣くけど。


 移植はかなりの機種で行われており、上位版としても、スーパー32X版、セガサターン版の他、プレイステーション2及び3、ニンテンドー3DSなど、現存するほとんどのコンシューマ機で発売されている。まあ、これは分かるにせよ、『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』(セガ・エンタープライゼス)の項でも述べた様に、当時のセガはバカだったので、メガドライブのライバル機であるファミコンやPCエンジンにも易々とこの看板ソフトの移植を許可している。


 前述した様にメガドライブには回転機能を持たないが、電波新聞社は背景(オブジェクト)を素早く描き替わる様にしている。このカートリッジ側での力技、頑張っててエライ!完成度は上位版の方が上かもしれんが、僕はこの頑張っているメガドライブ版が好きなのだった。


(C)SEGA 1987. PROGRAM ARRANGED BY DEMPA / T.MATSUSHIMA MUSIC ARRANGED BY CUBE