2022/05/31

ときめきメモリアル プライベートコレクション

  

【発売】コナミ
【開発】コナミコンピュータエンタテインメント東京(バーチャルキッス)
【発売日】1996年4月26日
【定価】3,800円
【媒体】プレイステーション用CD-ROM
【ジャンル】クイズ
【周辺機器】マウス対応




ファンディスクの意義


【概要】
 95年に発売された『ときめきメモリアル~forever with you~』のファンディスク。プレイヤーは12人の女の子の中からペアを選び、伊集院家が所有する豪華海の家で行われるクイズ大会に参加する。『ときめきメモリアル』に関連する問題は約400問にも上る。他に、計18種類のCGを選ぶとキャラクターがポエムを読み上げる「CGポエム」や、本編で使用された計165枚に及ぶキャラクター達の表情などが収録されている。




【ゲームシステム】
 『ときめきメモリアル』に関するクイズゲーム。メインは約400問の問題が用意されている「ときめきカルトクイズ」。他に、雑誌媒体などに掲載されたイラスト約100点が収録された「ライブラリー」、前述した165枚のキャラクター表情が収録された「キャラクターアルバム」、「CGポエム」の3コーナーで構成された「CGギャラリー」。キャラクターが任意の日の運勢を占ってくれる「ラッキーチェック」。PCエンジン版のオープニングムービーと、「藤崎詩織」が歌う「夏に、まだ少し…」のイメージビジュアルが収録された「ミュージッククリップ」の4メニューで構成されている。マウス対応。


【総評】
 メインとなるのは「ときめきカルトクイズ」。3択で10問正解すれば(お手付きは3回まで)、ペアを組んだ女の子の水着シーンを拝めるというわりと定番なご褒美ですな。問題は全て新録音声で読み上げられる。そのセリフ数は、もしかしたら『ときめきメモリアル』本編よりも多いかもしれない。このあたりの作り込みとこだわりはさすがコナミ(現コナミデジタルエンタテインメント)と言えよう。



 同じく、「キャラクターアルバム」も単なるバストアップ画像の羅列ではなく、5段階の好感度によって変わる表情を選択でき、一言だがセリフも収録されている。一方、「ミュージッククリップ」や「CGポエム」は1回見ればいいやっつー程度で、「ラッキーチェック」に至ってはゲーム性も何もない。また、コストの関係だろうが、各モードの背景がほぼ実写素材で作られており、安っぽいのが残念。



 媒体がカートリッジからCD-ROMに変わって以降、家庭用ゲーム機でもファンディスクがちらほらと発売されたが、その出来にはバラつきがあった。ゲーム本編の専門用語や世界観などを補完するプレイステーション用ソフト『ポリスノーツ プライベートコレクション』や、完全データを収録して書籍媒体として発売した『季節を抱きしめて』(ソニー・コンピュータエンタテインメント)の様に、いずれもゲーム本編をより一層楽しむためのファンディスクもあれば、イメージソングに数枚のグラフィックが収録されただけでキャラクターごとに11種も発売されたセガサターン用ソフト『バーチャファイターCGポートレートシリーズ』(セガ・エンタープライゼス)などの箸にも棒にもかからない物も存在した。

 「ファンディスク」とは元々「Fan/Fun Disc」という和製英語であり、その名の通り、ファン (Fan) に向けたお楽しみ (Fun) 要素に重点を置く商品だ。そのため、言う間でもなく、ファンディスクの購買層は、本編のゲームをプレイし、更に情報を欲するコアユーザーが対象となる。その点、本作は本編のクイズゲームとしてよくできており、新録されたセリフで問題や答えを読み上げるキャラクター達の新たな一面を見る事もできる。わざと全問不正解にしてボロカスに言われるのもまた一興であろー(←ホントかなぁ)。定番だが「CGギャラリー」もファンには外せないメニューだし、『ときめきメモリアル』のファンディスクとしては及第点以上だと思う。ラッキーチェックはマジでいらないけど。

 

 販売本数もファンディスクとしては比較的多いと予想。プレイステーション版『ときめきメモリアル』は、販売本数50万本以上の作品に贈られる「PlayStation Awards ゴールドプライズ賞」を受賞しているため(推定販売本数は約55万本)、それを考えるとファンディスクとしては多めの販売本数ではなかろーか。今でもわりとワゴンセールなんかで見るし、入手するのは簡単だと今年の年越しは如月さんと過ごしていた僕は思うのでした。



Goods
『ときめきメモリアルフィギュアコレクション 紐緒結奈<HAKUI>』

【発売】海洋堂
【発売日】1996年11月14日
【定価】4,800円
【原型】香川雅彦

 1/8スケールのレジンキャストキット。全9パーツ。凛々しい白衣とスラリと伸びるおみ足がナイスな紐緒さんのガレージキットだ。ロボットは作った事あるけど、フィギュアはまだないため、完成するのは数年先かもしんない…。ピンズ付き。

【2023.3.20.追記】
 紐緒さん、完成しました!初めてのフィギュアだったため、5ヶ月もかかってしまった…。製作手順の詳細はご興味ありましたらこちらからどうぞ。


  



Figure
『ときめきキーホルダー 紐緒結奈』










【発売】海洋堂
【発売日】1996年
【備考】プライズマシン専用景品
【原型】ボーメ



 紐緒さんのキーチェンフィギュア。『ときめきメモリアル』は、上記のフィギュアだけでなく、8cmCDや文具、テレフォンカードやうちわなどなど、関連グッズもプライズ景品を中心に大量に発売され、総売り上げは100億円以上となり、グッズの売り上げがゲームの売り上げを抜く逆転現象を最初に起こした作品となった。一部ではこれを「ときめき商法」と呼んでいる。ただし、あまりに当時大量に発売されたため、今現在これらのグッズをオークションなどで集めようとすると、比較的安価で大量に買える模様。いやー、清川さんと虹野さんくらいは揃えたいんだけどなー。何気に海洋堂製である。


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2022/05/23

サンダーフォースIV

 



【発売】テクノソフト
【開発】テクノソフト
【発売日】1992年7月24日
【定価】8,800円
【媒体】メガドライブ用カートリッジ
【容量】8M
【ジャンル】シューティング




メガドラ史上最高峰のシューティングゲーム


【ストーリー】
 銀河歴890年。銀河連邦とオーン帝国の戦いも、帝国側の圧倒的優勢のまま100年目を迎えようとしていた。滅亡の危機に晒された連邦は、高機動戦闘機「ステュクス」と2人の勇敢なパイロットに最終指令を発動し、最後の決戦に挑んだのであった。ー『サンダーフォースIII』記録ファイルよりー
 無謀にも思えた作戦ではあったが、彼らは幸運にも絶大なる成功を収め、宿敵オーン皇帝「カウ・ス」は打倒された。しかし、メインコンピュータを破壊されたはずの帝国の活動は衰えず、連邦は各地に出現する帝国軍に悩まされ続けていた。

 銀河歴892年。連邦は2年に及ぶ抗争の中で、悪夢の再来を予感させる情報を入手した。「カウ・ス」の腹心ともいえるサブシステム「ヴィオス」の存在である。しかも、「ヴィオス」は自己増殖を続けているというのだ。これを憂慮した連邦は、全力を上げて「ヴィオス」探索に乗り出した。そして遂に、連邦は惑星「アクエリア」にその潜伏をキャッチし、破壊作戦を試みた。だが、時既に遅く、「ヴィオス」のパワーは「カウ・ス」を凌ぐまでに成長し、次々と過去のデータにない新兵器を生み出してきたのだった。こうした帝国の激しい反撃の前に、連邦の作戦はことごとく失敗に終わった。一刻の猶予もない連邦は、開発中であった次期主力超高性能小型戦闘機を注ぎ込む事を決定した。
 かくして、開発コード「FIRE LEO 4 ライネックス」に緊急出撃命令が下された。同時に2人の若いパイロットが志願した。


【概要】
 83年から続くテクノソフト(現セガ)の『サンダーフォース』シリーズ4作目。1作目はX1やPCー8801などのパソコン用として開発されたが、『サンダーフォースII』よりプラットフォームをメガドライブに移した。本作では『サンダーフォースII』や『サンダーフォースIII』の開発スタッフが退社した後、入社2年目のスタッフを中心に作られたが、多重スクロールや職人技のグラフィック、様々なトラップなど、コアユーザー支持され、シリーズ屈指の出来との高評価を得た。


【ゲームシステム】
 サイドビュー形式のパワーアップ型横スクロールシューティングゲーム。「前半ステージ」と「後半ステージ」の二部構成になっており、スタート時にまずは前半の4つのステージの攻略順を選択し、後半ステージは定められた順に進んでいく。武器は飛行中の「武器トレーラー」を破壊するとアイテムが出現し、これを集めてパワーアップする。また、後半ステージからは「サンダークロー」を装備した状態で使用できる最強兵器「サンダーソード」も登場。全10ステージ。


【総評】
 自機の「ライネックス」は、スピードをより細かく調整できる。Aボタンを1回押すと25%ずつ上昇し、押しっ放しにすると1%ずつ上昇する。また、ノーマルの通常攻撃弾もフルオートでなかなか使え、やられてもその場から復帰できるため(無敵時間あり)、立て直しも比較的容易にできる。とは言え、全体的に難易度は高く、いわゆる「初見殺し」と言われる地形障害物や敵機の攻撃&攻略パターンを死んで覚えていく「覚えゲー」でもある。あるんだけど、この難易度が絶妙で、「頑張ればもう少し先へ進めそう」と思わせるナイスバランスなのだ。

 ステージの構成も上空と低空では戦線が異なっていたり、プレイヤーに飽きさせない仕組みが豊富に用意されている。とは言え、ジジイになると全10ステージは目や集中力的にちと辛いんじゃよー。でも、面白くて止め時が分からない、いいゲームだ。フルオートの快感と、硬い敵を撃破した時の効果音&グラフィックによる爽快感は結構クセになるぞ。

 アーケードゲームと比べても遜色のないグラフィックや演出の他、サウンド面にもこだわっている。ハードロックやプログレッシブ・ロック、ヘヴィメタルなど、様々なロックの様式を採り入れており、メガドライブ特有の「音割れ」もほとんど気にならない(クリア後は未使用の20曲も聴ける)。ラスタスクロールを巧みに利用した多重スクロール、水中や炎のエフェクト、拡大縮小機能を持たないメガドライブにして、ソフトウェア側からの拡大縮小処理の実装など、テクノソフトこだわりの塊である。特に海外での評判は絶大で、「メガドライブ史上最高峰のシューティングゲーム」と絶賛する声もあるほどだ。



 そんな長崎県佐世保市にあったテクノソフトだが、経営面でずさんな部分もあり、01年に倒産。貸しビル業者が著作権関係などを引き継ぐが、その後、16年にセガホールディングスがテクノソフトの知的財産権を、セガゲームスが製造及び販売権をそれぞれ取得した。時系列が前後するが、96年にはセガサターン用ソフト『サンダーフォース ゴールドパック2』に本作が収録。現在ではニンテンドースイッチにてダウンロード販売されている。本作発売時のシューティングゲームは対戦型格闘アクションゲームのブームに押されていたが、それでも国内外で高い評価を受けた名作と言っていいだろう。メガドライバーはいっぺんプレイしよう!


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