2022/05/23

サンダーフォースIV

 



【発売】テクノソフト
【開発】テクノソフト
【発売日】1992年7月24日
【定価】8,800円
【媒体】メガドライブ用カートリッジ
【容量】8M
【ジャンル】シューティング




メガドラ史上最高峰のシューティングゲーム


【ストーリー】
 銀河歴890年。銀河連邦とオーン帝国の戦いも、帝国側の圧倒的優勢のまま100年目を迎えようとしていた。滅亡の危機に晒された連邦は、高機動戦闘機「ステュクス」と2人の勇敢なパイロットに最終指令を発動し、最後の決戦に挑んだのであった。ー『サンダーフォースIII』記録ファイルよりー
 無謀にも思えた作戦ではあったが、彼らは幸運にも絶大なる成功を収め、宿敵オーン皇帝「カウ・ス」は打倒された。しかし、メインコンピュータを破壊されたはずの帝国の活動は衰えず、連邦は各地に出現する帝国軍に悩まされ続けていた。

 銀河歴892年。連邦は2年に及ぶ抗争の中で、悪夢の再来を予感させる情報を入手した。「カウ・ス」の腹心ともいえるサブシステム「ヴィオス」の存在である。しかも、「ヴィオス」は自己増殖を続けているというのだ。これを憂慮した連邦は、全力を上げて「ヴィオス」探索に乗り出した。そして遂に、連邦は惑星「アクエリア」にその潜伏をキャッチし、破壊作戦を試みた。だが、時既に遅く、「ヴィオス」のパワーは「カウ・ス」を凌ぐまでに成長し、次々と過去のデータにない新兵器を生み出してきたのだった。こうした帝国の激しい反撃の前に、連邦の作戦はことごとく失敗に終わった。一刻の猶予もない連邦は、開発中であった次期主力超高性能小型戦闘機を注ぎ込む事を決定した。
 かくして、開発コード「FIRE LEO 4 ライネックス」に緊急出撃命令が下された。同時に2人の若いパイロットが志願した。


【概要】
 83年から続くテクノソフト(現セガ)の『サンダーフォース』シリーズ4作目。1作目はX1やPCー8801などのパソコン用として開発されたが、『サンダーフォースII』よりプラットフォームをメガドライブに移した。本作では『サンダーフォースII』や『サンダーフォースIII』の開発スタッフが退社した後、入社2年目のスタッフを中心に作られたが、多重スクロールや職人技のグラフィック、様々なトラップなど、コアユーザー支持され、シリーズ屈指の出来との高評価を得た。


【ゲームシステム】
 サイドビュー形式のパワーアップ型横スクロールシューティングゲーム。「前半ステージ」と「後半ステージ」の二部構成になっており、スタート時にまずは前半の4つのステージの攻略順を選択し、後半ステージは定められた順に進んでいく。武器は飛行中の「武器トレーラー」を破壊するとアイテムが出現し、これを集めてパワーアップする。また、後半ステージからは「サンダークロー」を装備した状態で使用できる最強兵器「サンダーソード」も登場。全10ステージ。


【総評】
 自機の「ライネックス」は、スピードをより細かく調整できる。Aボタンを1回押すと25%ずつ上昇し、押しっ放しにすると1%ずつ上昇する。また、ノーマルの通常攻撃弾もフルオートでなかなか使え、やられてもその場から復帰できるため(無敵時間あり)、立て直しも比較的容易にできる。とは言え、全体的に難易度は高く、いわゆる「初見殺し」と言われる地形障害物や敵機の攻撃&攻略パターンを死んで覚えていく「覚えゲー」でもある。あるんだけど、この難易度が絶妙で、「頑張ればもう少し先へ進めそう」と思わせるナイスバランスなのだ。

 ステージの構成も上空と低空では戦線が異なっていたり、プレイヤーに飽きさせない仕組みが豊富に用意されている。とは言え、ジジイになると全10ステージは目や集中力的にちと辛いんじゃよー。でも、面白くて止め時が分からない、いいゲームだ。フルオートの快感と、硬い敵を撃破した時の効果音&グラフィックによる爽快感は結構クセになるぞ。

 アーケードゲームと比べても遜色のないグラフィックや演出の他、サウンド面にもこだわっている。ハードロックやプログレッシブ・ロック、ヘヴィメタルなど、様々なロックの様式を採り入れており、メガドライブ特有の「音割れ」もほとんど気にならない(クリア後は未使用の20曲も聴ける)。ラスタスクロールを巧みに利用した多重スクロール、水中や炎のエフェクト、拡大縮小機能を持たないメガドライブにして、ソフトウェア側からの拡大縮小処理の実装など、テクノソフトこだわりの塊である。特に海外での評判は絶大で、「メガドライブ史上最高峰のシューティングゲーム」と絶賛する声もあるほどだ。



 そんな長崎県佐世保市にあったテクノソフトだが、経営面でずさんな部分もあり、01年に倒産。貸しビル業者が著作権関係などを引き継ぐが、その後、16年にセガホールディングスがテクノソフトの知的財産権を、セガゲームスが製造及び販売権をそれぞれ取得した。時系列が前後するが、96年にはセガサターン用ソフト『サンダーフォース ゴールドパック2』に本作が収録。現在ではニンテンドースイッチにてダウンロード販売されている。本作発売時のシューティングゲームは対戦型格闘アクションゲームのブームに押されていたが、それでも国内外で高い評価を受けた名作と言っていいだろう。メガドライバーはいっぺんプレイしよう!


(C)1992 Technosoft

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