2022/02/26

機動戦士ガンダムF91 フォーミュラー戦記0122

 


【発売】バンダイ
【開発】ノバ
【発売日】1991年7月6日
【定価】9,500円
【媒体】スーパーファミコン用バックアップカートリッジ
【容量】8M
【ジャンル】シミュレーション




『ガンダム』ゲーム初の外伝作品


【ストーリー】
 宇宙世紀0122年。「シャアの反乱」から30年余の歳月が流れていた。その間、各地で小さな内乱はあったものの、地球連邦政府の政策に人類全体は比較的平穏な暮らしを営んでいた。しかし、近年、現存の政治体制を善しとせず、スペースノイドの独立を謳うテロ組織が大規模な行動を起こし始めていた。3年ほど前、当時最新鋭の試作実験用モビルスーツ「ガンダムF90」を奪取し、連邦軍に追われ火星で壊滅したと思われたが、この1年ほどの間に以前にも増して強大な装備を持って地球圏を脅かしているのである。旧式のモビルスーツを使用する彼らは「オールズモビル」と呼ばれていた。

 地球連邦政府は、反地球連邦討伐部隊を編成し、オールズモビルの一掃と同時に、この短期間に組織を再編成するだけの資金と技術を援助したスポンサーの調査と、その目的を調べるという任務を与えた。

 第13反地球連邦討伐隊旗艦「エイブラム」は、F90の移送とオールズモビル討伐というふたつの任務を遂行しつつ航海を続けていたが、幾度もの激しい戦闘で殆どの戦力を消耗していた。エイブラム艦長、ワイブル・ガードナーは、F90を出撃させ、無事に大任を果たしたパイロット、ベルフ・スクレットに引き続きF90のメインパイロットを命じた。実戦でのF90の戦闘データが次期主力モビルスーツ「F91」のスペックに活かされる事は言う間でもなかった。


【概要】
 富野由悠季氏、日本サンライズ(現サンライズ)原作の『機動戦士ガンダム』は、79年放送の初代から現在まで続編や新作が作り続けられているロボットアニメの金字塔である。本作は88年上映の映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』から91年上映の映画『機動戦士ガンダムF91』までの空白期間に起きた出来事を紡ぐ『ガンダム』シリーズ初のビデオゲームとしての外伝作。模型誌を中心とし、主にプラモデルでの展開を行っていた『機動戦士ガンダムF90』をクローズアップしている。メカニックデザインに大河原邦男氏、キャラクターデザインはOVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』や『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』の川元利浩氏が担当している。


【ゲームシステム】
 マップ画面はトップビュー形式、戦闘画面は3D視点のシミュレーションゲーム。敵襲に遭った際、プレイヤーは、「ガンダムF90」(ステージが進むにつれ「F91」も使用可能)の装備を選択して出撃する。マップ画面では友軍と敵モビルスーツの状況確認などを行い、敵のモビルスーツ小隊(だいたい3~4機)と会敵すると戦闘になる。敵小隊の中には必ず隊長機がおり、これを先に撃破すれば、その小隊のモチベーションが下がって戦闘を優位に進められる。

 戦闘画面では、画面下側にレーダーが表示されており、LorRボタンで旋回、十字ボタンで移動しながら、レーダー内の攻撃可能範囲「Vゾーン」に敵を捉え、攻撃を行う。レーダーの左右に表示されている赤と緑のゲージは、自機の燃料と耐久力を示しており、いずれか一方でも0になるとゲームオーバー。燃料は移動や攻撃などを行う度に少しずつ減少し、耐久力はダメージを受けた際に減る。どちらも母艦に着艦し、装備の換装を行う事で回復できる。敵機のダメージは、レーダーに表示されるグラフィックが白→黄→赤になる事で残りの耐久力を示している。

 全12ステージ。ゲームオーバーの条件は、敵の攻撃による自機の撃墜、燃料切れによる自機の行動不能、母艦の撃沈、友軍小隊の全滅、コロニー内が舞台となるステージ3のみコロニーに空いた穴に吸い込まれて行方不明扱いとなる5パターン。


【総評】
 アニメーション化されていないガンダムF90のバックボーンと、映画『機動戦士ガンダムF91』に続くストーリーは、『ガンダム』ファンとしては興味深い。スーパーファミコン初期の作品だが、その時点でファンに伝えられる事をゲームで実現しようとした製作者の意気込みがこちらにも伝わってくる。

 ガンダムF90は武装を換装する事で様々な状況に対応できるモビルスーツ。本作でも、火力は低いが航続距離の長いA(アサルト)タイプ、逆に航続距離は遅いが高火力のD(デストロイド)タイプ、強力な遠距離攻撃を備えた万能型のV(ヴェスバー)タイプなどを選択できる。ハードの制約上、ややあっさりしているが戦闘の前後にあるキャラクター同士のやり取りも『ガンダム』らしい。

 

 大まかなストーリーの流れは、初代『ガンダム』から続く「地球連邦軍」対「ジオン公国軍」の図式から始まり、中盤からは『F91』の敵役として登場した「クロスボーン・バンガード軍」が戦闘に介入する。このジオン残党軍からクロスボーン・バンガードへの移行が映画では描かれていなかったが、本作をプレイする事で、その「空白期間」が埋まるのだ。エピローグは映画『F91』の冒頭に繋がっている。

 何度となく見る事になる戦闘画面は、多くのビジュアルをテンポよく使用しており、さほどストレスはない。ただ、こちらの燃料と耐久力はゲージで示されているとは言え、数値が可視化されていないため、なんとなくVゾーンに入って来た敵機を逃すまいと単なるAボタンの連打になったり、白表示の敵機が一撃で沈む事もあれば、赤表示の敵機がいつまでもしぶとく粘るといった場面も少なくない。同様に、F90の各武装の攻撃力や命中率、回避率なども数値化されておらず、当たらなけばどうという事もないが、体感的には運の要素が強い。

 

 また、友軍が弱過ぎるのも問題だ。母艦には地球連邦軍の量産型主力機「ジェガン」も搭載されており、敵襲の際には2~3機ごとの小隊で出撃し、勇ましくどんどん敵へと向かって交戦するのはいいが、敵機にダメージを与える事はできても止めは刺せない仕様となっている。ゲームはリアルタイムで進行するため、こちらが戦っている間もジェガン小隊は消耗していく。ゲームオーバーの条件のひとつが「友軍の全滅」のため、プレイヤーはなるべく早く敵小隊を撃破し、友軍が全滅する前に加勢に行かなければならない。

 キャラクターのやり取りでも気になった点がひとつ。主人公「ベルフ・スクレット」には、ジェガンに搭乗する恋人がいるのだが、大気圏突入のステージ4でどうやら敵機にやられてしまったらしく、その事を他のキャラクターに聞いてもはぐらかされるばかり。自分の預かり知らぬところで恋人が死亡し、その事実確認さえできないのはモヤモヤする。

 前述した通り、製作側の意図は分かる。グラフィック面でも頑張っているが、戦闘に関してはまだシステムの練り込み不足といった感が否めない。それでもファミコンでは不可能だった部分をスーパーファミコンで表現した外伝作としては一定の評価ができる←えらそーに。しっかしなー、ジェガン好きの僕としては、いくら強化されていようと「ザク」や「ドム」、「ゲルググ」なんかの旧式にやられるのは納得できんぞ。

 尚、19年にガンダムエース誌(KADOKAWA)にて、モニター画面やストーリーなど、本作のコミカライズも兼ねた『機動戦士ガンダムF90FF(ファステストフォーミュラー)』が連載されている。


(C)創通エージェンシー・サンライズ (C)BANDAI 1991

2022/02/18

スーパーストリートファイターII ~The New Challengers~



【発売】カプコン
【開発】カプコン
【発売日】1994年6月25日
【定価】10,900円
【媒体】メガドライブ用カートリッジ
【容量】40M
【ジャンル】アクション
【周辺機器】ファイティングパッド6B、CPSファイターMD、カプコンパッドソルジャーMD対応




対戦型格闘アクションの雛形をメガドライブで限界まで再現


【ストーリー】
 己の肉体を極限まで鍛え抜き、磨き抜かれた技を炸裂させる!戦いは常に一瞬で雌雄が決まる…。4人の挑戦者の出現で新たな戦いの予感。格闘家達は最強を求め、熾烈を極めん!


【概要】
 オリジナル版は93年にカプコンがアーケードで発売した対戦型格闘アクションゲーム。91年発売の『ストリートファイターII』は、『スペースインベーダー』(タイトー)以来の爆発的なアケードゲームブームを巻き起こし、以降に他社から発売された対戦型格闘アクションゲームの雛形ともなった。その後も3度のマイナーチェンジを行い、本作は4度目にしてバージョンアップされ、以降『スーパーストリートファイターII』シリーズとして3作が発売されている。シリーズのメガドライブへの移植としては、93年発売の『ストリートファイターII ダッシュプラス』に続いて2作目。当時のメガドライブ用ソフトとしては最大容量となる40Mbitのカートリッジを採用している。


【ゲームシステム】
 サイドビュー形式の対戦型格闘アクションゲーム。プレイヤーは使用するキャラクターを選択し、各種の技を駆使して順に登場する対戦相手を倒せば、勝利。2本先取の3ラウンド制。各ラウンドには時間制限があり、タイムオーバーになると強制的にラウンド終了となり、残り体力の多い方が勝者となる。残り体力が同じ場合や、互いの攻撃が同時に当たっての相打ちは引き分けとなる。3ラウンド目が終了した時点でどちらも2本取っていなければ、ファイナルラウンドの4ラウンド目が行われる。
 
 登場キャラクターは「リュウ」、「ケン」、「春麗」、「ガイル」、「ザンギエフ」、「ダルシム」、「エドモンド本田」、「ブランカ」、「マイク・バイソン」、「バルログ」、「サガット」、「ベガ」。これに本作から追加された「キャミィ」、「フェイロン」、「ディージェイ」、「サンダー・ホーク」の以上16人を使用できる。

 本作では各キャラクターのストーリーを追った「スーパーバトル」、対戦用の「バーサスバトル」、対戦用団体戦「グループバトル」、8人枠の「トーナメントバトル」、タイムやスコアを競う「チャレンジバトル」、難易度設定やタイム制限の有無が決められる「オプションモード」がある。

 基本動作は『ストリートファイターII』同様、パンチとキック、投げ、ガード、ジャンプ、しゃがみ込み。上段攻撃と下段攻撃があり、それに対応したガードが基本だ。また、各キャラクターには破壊力の大きな「必殺技」を持っているが、発動途中に隙が伴うので、出しどころがポイントとなる。連続攻撃(コンボ)をヒットさせると、相手の頭上にヒヨコがピヨピヨ現れ、数秒間動けない状態になる。この「コンボ」という単語は、それまで海外での表記だったが、『ストリートファイターII』が日本国内に広めたとも言われている。たぶん。


【総評】
 爆発的ヒット作だけあって、92年発売のスーパーファミコン版『ストリートファイターII』は発売日に買って指がおかしくなるまでプレイしたなー。今もおかしいけど(いろいろと)。このスーパーファミコン版は日本国内で288万本、世界累計では630万本を売り上げた。で、本作だが、アーケード版は何度かプレイしたものの、メガドライブ版と比較できるほどはやり込んでいないため、純粋にメガドライブ版の『スーパーストリートファイターII』としての感想をば。

 

 メガドライブの限界にまで挑戦した移植作っつー事で、操作性に関しては特に遅延もなく、良好だ。キャラクターの挙動不審な点もない。ただ、3ボタンのメガドライブ標準コントローラでもオプションモードでキーコンフィグをいじればプレイできなくもないが、ここはメガドライブ2から標準装備となった6ボタンの「ファイティングパッド6B」は最低限持っておきたい。また、専用に開発された周辺機器「CPSファイターMD」や「カプコンパッドソルジャーMD」でプレイすれば大吉であろー。たぶん。グラフィックの描き込みもかなり忠実に再現されている。BGM(キャミィのステージがカッチョいい)やサンプリング音声が「割れる」のはハードの性能のため、仕方あるまい。メガドラはなー、音がなー。

 

 僕は対戦型格闘アクションゲームをプレイする際、パワーよりスピードを重視したキャラクターを選択するのだが(なので女性キャラクターが多い)、本作あたりが「標準」のスピードとしたら、いや、もう、スピード感って時代を重ねるごとにものすげー早くなりまくってますな。現在でもバージョンアップやマイナーチェンジを繰り返している本シリーズをやってみると分かるが、スピード感がいかに重要なのが分かる。なんか久々にプレイして、あまりにゆっくりなのに驚いた。けど、それは「モッサリ感」ではないんだよねー。このあたりがさすがカプコンっつーか。

 各キャラクターのエンディングはほんのオマケ程度だが、これは『ストリートファイターII』からの「格闘性を追求するために余計な要素を省きたい」という理由からだ。実際、期待すると、意図的にチープなエンディングにガクっとくるだろう。でも、ブランカとか見ると「よかったねぇ」とかジジイ目線で思えちゃったりするのだ(笑)。



Figure
『1/6scale (260mm) Painted Statue CAMMY from "STREET FIGHTER ZERO3"』














 






発売】海洋堂
【原型】吉沢光正
【発売日】2007年8月23日
【定価】7,480円
 

 出典は98年にアーケードで発売された『ストリートファイターZERO3』だけど、ココに載っけちゃおう。全高260mmのリアルなフィギュアに当時一目惚れして購入。定価は高いけど、確か2,000円台で買った気がする。凛々しい顔立ち、ベレー帽から伸びる前髪と三つ編み、ハイレグレオタードから分かる小柄ながら鍛えられた体躯、重さまで感じさせるグローブ、指先に至るまでの緊張感、そして尻と、購入して10年以上経つが、未だに我が家の第一軍として飾ってある。ブルーの他、ピンク、ファッシネイションブラック、オーセンティックホワイトの全4種類。



Figure
『Qposket-春麗-』
 


 
  

発売】バンプレスト
【発売日】2020年2月26日
【備考】プライズマシン専用景品
 
 瞳が特徴的なバンプレストのプライズマシン用景品「Qposket」シリーズ。製品発表時から「これは欲しい!」と思っていて、ゲーセンですぐにゲットだぜ!はい、かわいい。ボディ部分はリアル等身。ブルーの他、ピンクの全2種。



Figure
『Qposket-キャミィ-』














  

発売】バンプレスト
【発売日】2020年4月3日
【備考】プライズマシン専用景品

 「Qposket」シリーズのキャミィもわりと早い時期にゲット。唇に赤いアルコール性マーカーで紅を入れてます。前髪は別パーツ。ホワイトの他、グリーンの全2種。


(C)CAPCOM 1991,1993,1994 ALL RIGHTS RESERVED.

2022/02/09

Jリーグ ビクトリーゴール'96

【発売】セガ・エンタープライゼス
【開発】セガ・エンタープライゼス(チームアクイラ)
【発売日】1996年3月29日
【定価】5,800円
【媒体】セガサターン用CD-ROM
【ジャンル】スポーツ
【周辺機器】マルチターミナル6対応
【レーティング】全年齢




個人的サッカーゲームの最高峰


【概要】
 前作『Jリーグ ビクトリーゴール』の続編。ブラッシュアップされたゲーム性、メニュー画面に至るまで美しくなったグラフィック、音質の高まったサウンドなど、前作から大幅にバージョンアップされた。また、試合中のサウンドは3曲のBGMの他、往年のサッカーファンなら誰しもがその名実況を耳にした事がある『三菱ダイヤモンド・サッカー』でお馴染みの金子勝彦氏の実況と、「ミスター・マリノス」こと木村和司氏の解説により、テレビでのサッカー中継さながらの「実況モード」も搭載している。本作では、95年度のJリーグのデータを基にした全16クラブで戦う。


【ゲームシステム】
 前作同様、トップビュー、サイドビュー、クォータービューへの切り替え式サッカーゲーム。大きな変更点としては、フォーメーションや戦術が細かくなり、フィールドプレーヤーはそれに合わせてセミオートで動く様になった。また、選手個々に「絶好調」から「絶不調」まで5段階のバイオリズムが設定され、これにより控え選手の出場が意味あるものとなった。絶不調のスターティングメンバーを取るか、絶好調の控えメンバーを出場させるか、もしくはどのタイミングで途中交代させるか。

 ゲームモードは「エキシビジョン」、ホーム&アウェイによる2回戦総当たりの「リーグ戦」、1回戦総当たりの「Sリーグ」、3種類の「カップ戦」、全16クラブの中から自由に選手を選択できる「スーパースターゲーム」、「PK戦」、難易度やハーフタイムの時間、BGMなどを選択できる「オプション」。また、本作ではスタジアムも3種類から選択可能になった。でも、前作にあった「選手プロフィール」がなくなったのは残念ポイント。使用できる全16クラブは以下の通り。

・鹿島アントラーズ
・ジェフユナイテッド市原(現ジェフユナイテッド市原・千葉)
・柏レイソル
・浦和レッドダイヤモンズ
・ヴェルディ川崎(現東京ヴェルディ)
・横浜マリノス(現横浜F・マリノス)
・横浜フリューゲルス
・ベルマーレ平塚(現湘南ベルマーレ)
・清水エスパルス
・ジュビロ磐田
・名古屋グランパスエイト(現名古屋グランパス)
・京都パープルサンガ(現京都サンガF.C.)
・ガンバ大阪
・セレッソ大阪
・サンフレッチェ広島
・アビスパ福岡


【総評】
 前作からの正当な、そして、大幅なバージョンアップを遂げた今作。賢いセミオートによるストレスのない操作性は、対人戦ではなかなか点が入り難く、実際のサッカーと同じく「1点の重み」が感じられ、キックオフからタイムアップまでほどよい緊張感を与えてくれる。

 大幅に強化されたグラフィックは、例えば、芝の目が細かくなり、ズームアップされても粗が出ない。外国人選手や一部の日本人は描き分けされており、雨天時やナイトゲームでも試合中に一目で判断できる。また、細かい部分だが、ゲーム内のフォントはフォントワークスの文字を使用しており、非常に見やすくカッチョいい。余談だが、次世代機になって以降、こだわりを持って作られたゲームにはフォントワークスの書体が使われている事が多い気がするなー。


 サウンド面も光る。前作から音質が格段に向上し、瀬上純氏のギターを中心としたBGMの3曲は全てハード系フュージョンとして聴き応えのあるものになっている。また、金子&木村コンビの実況解説は、金子氏のサッカー愛溢れる言葉選びに、時折広島弁が出る木村氏というメリハリのある放送席だ。

 オープニングムービーにも触れておきたい。セガが誇る「日本一歌のうまいサラリーマン」こと光吉猛修氏のヴォーカルによる高揚感あるオープニングは、今見ても熱い。選手のグラフィックこそ今の目からすればまるで人形だが、それを感じさせないカメラワークと演出、サウンドのマッチングが大切だという事が、実写並みのムービーシーンが溢れる今こそ感じる。

 

 このゲームも学生時代、友人達と6,000試合は対戦しているが、今プレイしてもひっじょーに面白く、現在までに発売されている数多のサッカーゲームの中でも、ゲーム性、グラフィック、サウンドと、個人的には今でも最高峰のサッカーゲームなのだった。このゲームが欲しくてセガサターン買ったもんなー。続編の『Jリーグ ビクトリーゴール'97』以降は、本作とは逆にバカスカ点が入りまくるゲームになってしまったため(これは個人の好みにもよると思うが)、『'97』発売以降もずっとこの『'96』で遊んでいるのだった。


【2023.8.20.追記】
 本作の実況アナウンサーを担当された金子勝彦氏が8月20日、肺炎のため死去されました。謹んで哀悼の意を表します。




Music
『VICTORY GOAL'96 サウンドトラック Get the goal to win !』





【作曲】瀬上純、前田龍之
【編曲】瀬上純
【歌】光吉猛修
【演奏】S.S.T.BAND
【発売】日本クラウン
【発売日】1996年4月3日
【定価】2,300円
【収録時間】約66分


 本作のオリジナルサウンドトラック。ゲームでは1番しか聴く事ができない光吉猛修氏が歌うオープニングテーマ「未来へと続く空」&エンディングテーマ「幾千の夜を越えて」のフルバージョン(もちろんシャウト入り)をはじめ、前作『Jリーグ ビクトリーゴール』と『セガインターナショナルビクトリーゴール』のBGMも収録されている。
 

【収録曲】
01.VICTORY GOAL'96:opening theme:未来へと続く空
02.VICTORY GOAL Medley
03.Chase The Wind
04.Victory Goal
05.Your Own Destiny
06.Caribbean Breeze
07.SEGA INTERNATIONAL VICTORY GOAL Medley
08.Through The Fild
09.Get A Chance !
10.Dancin' Dancin'
11.Matches Are Over…
12.Breezy Skies '96
13.Burn It Down !
14.Theme of S-League '96
15.VICTORY GOAL'96:ending theme:幾千の夜を越えて
16.Way Back Home
17.未来へと続く空:Karaoke
18.幾千の夜を越えて:Karaoke


J.LEAGUE OFFICIAL LICENSED PRODUCTS (C)SEGA ENTERPRISES,LTD 1996

2022/02/06

Jリーグ ビクトリーゴール

 



【発売】セガ・エンタープライゼス
【開発】セガ・エンタープライゼス(チームアクイラ)
【発売日】1995年1月20日
【定価】6,800円
【媒体】セガサターン用CD-ROM
【ジャンル】スポーツ
【周辺機器】マルチターミナル6対応
【レーティング】全年齢




次世代機で可能となった革新的な視点変更


【概要】
 セガサターン初のスポーツゲーム。ゲームコンセプトやサウンドは、93年発売のメガドライブ用ソフト『Jリーグ プロストライカー』から引き継がれている。本作では、94年度のJリーグのデータを基にした全12クラブで戦う。


【ゲームシステム】
 トップビュー、サイドビュー、クォータービューへの切り替え式サッカーゲーム。フィールドプレーヤーは手動でマーカーを切り替えて操作、ゴールキーパーはオートで動く。「エキシビジョン」、ホーム&アウェイによる2回戦総当たりの「リーグ戦」、1回戦総当たりの「Sリーグ」、3種類の「カップ戦」、全12クラブの中から自由に選手を選択できる「スーパースターゲーム」及び「スーパースターPK」、顔写真入りの選手プロフィールを閲覧できる「選手プロフィール」、難易度やハーフタイムの時間などを選択できる「オプション」など、サッカーゲームとしては一通りのモードがある。使用できる全12クラブは以下の通り。

・鹿島アントラーズ
・ジェフユナイテッド市原(現ジェフユナイテッド市原・千葉)
・浦和レッドダイヤモンズ
・ヴェルディ川崎(現東京ヴェルディ)
・横浜マリノス(現横浜F・マリノス)
・横浜フリューゲルス
・ベルマーレ平塚(現湘南ベルマーレ)
・清水エスパルス
・ジュビロ磐田
・名古屋グランパスエイト(現名古屋グランパス)
・ガンバ大阪
・サンフレッチェ広島


【総評】
 サッカーゲームとしては及第点だが、ハードの進化によって、「視点切り替え」が容易に可能になった部分は革新的な事なのでした。それまでは縦型スクロールの『フォーメーションサッカー』シリーズ(ヒューマン)や、サイドビューの『エキサイトステージ』シリーズ(エポック社)など、ハードの制約上、サッカーゲームにおける視点は常にどこかしらに固定されていたが、3Dポリゴンが扱える次世代機の登場により、これらの「視点問題」は一気に解決された。これはサッカーゲームに限らず、格闘ゲームなどにも言えるけど、実に大きなエポックメイキングな出来事だったのですよ。



 まだローポリゴンであるため、グラフィック的には荒く、視点変更を除けば上記の『フォーメーションサッカー』や『エキサイトステージ』の方がサッカーゲームとしての熱さは上かもしんない。フィールドプレーヤーのマーカー切り替えも若干のタイムラグが発生し、頭の上にでかでかと表示されるため、選手やボールがマーカーに隠れてしまう場合がある。ハードの力に助けられた部分も大きいサッカーゲームだが、ソフトとしての大幅なバージョンアップは続編『Jリーグ ビクトリーゴール’96』で存分に発揮されるのだった。



 あ、あと、地味ながら顔写真入りの選手プロフィールはいいモードですな。前所属チームの記載もあり、時代が経って見直してみるのもサッカーファンとしては面白いっす。マイナーチェンジ版として、『セガインターナショナルビクトリーゴール』が同年10月に発売されている。



Music
『VICTORY GOAL'96 サウンドトラック Get the goal to win !』





【作曲】瀬上純、前田龍之
【編曲】瀬上純
【歌】光吉猛修
【演奏】S.S.T.BAND
【発売】日本クラウン
【発売日】1996年4月3日
【定価】2,300円
【収録時間】約66分


 続編『ビクトリーゴール'96』のオリジナルサウンドトラック。メインは『'96』だが、本作からも9曲のサウンドが収録されてる。『'96』のサウンドは本作で使用された各楽曲を編曲したものなので、1曲1曲をじっくり聴いてみるのも一興かと。
 

【収録曲】
01.VICTORY GOAL'96:opening theme:未来へと続く空
02.VICTORY GOAL Medley
03.Chase The Wind
04.Victory Goal
05.Your Own Destiny
06.Caribbean Breeze
07.SEGA INTERNATIONAL VICTORY GOAL Medley
08.Through The Fild
09.Get A Chance !
10.Dancin' Dancin'
11.Matches Are Over…
12.Breezy Skies '96
13.Burn It Down !
14.Theme of S-League '96
15.VICTORY GOAL'96:ending theme:幾千の夜を越えて
16.Way Back Home
17.未来へと続く空:Karaoke
18.幾千の夜を越えて:Karaoke


J.LEAGUE OFFICIAL LICENSED PRODUCTS (C)SEGA ENTERPRISES,LTD 1995