2022/02/09

Jリーグ ビクトリーゴール'96

【発売】セガ・エンタープライゼス
【開発】セガ・エンタープライゼス(チームアクイラ)
【発売日】1996年3月29日
【定価】5,800円
【媒体】セガサターン用CD-ROM
【ジャンル】スポーツ
【周辺機器】マルチターミナル6対応
【レーティング】全年齢




個人的サッカーゲームの最高峰


【概要】
 前作『Jリーグ ビクトリーゴール』の続編。ブラッシュアップされたゲーム性、メニュー画面に至るまで美しくなったグラフィック、音質の高まったサウンドなど、前作から大幅にバージョンアップされた。また、試合中のサウンドは3曲のBGMの他、往年のサッカーファンなら誰しもがその名実況を耳にした事がある『三菱ダイヤモンド・サッカー』でお馴染みの金子勝彦氏の実況と、「ミスター・マリノス」こと木村和司氏の解説により、テレビでのサッカー中継さながらの「実況モード」も搭載している。本作では、95年度のJリーグのデータを基にした全16クラブで戦う。


【ゲームシステム】
 前作同様、トップビュー、サイドビュー、クォータービューへの切り替え式サッカーゲーム。大きな変更点としては、フォーメーションや戦術が細かくなり、フィールドプレーヤーはそれに合わせてセミオートで動く様になった。また、選手個々に「絶好調」から「絶不調」まで5段階のバイオリズムが設定され、これにより控え選手の出場が意味あるものとなった。絶不調のスターティングメンバーを取るか、絶好調の控えメンバーを出場させるか、もしくはどのタイミングで途中交代させるか。

 ゲームモードは「エキシビジョン」、ホーム&アウェイによる2回戦総当たりの「リーグ戦」、1回戦総当たりの「Sリーグ」、3種類の「カップ戦」、全16クラブの中から自由に選手を選択できる「スーパースターゲーム」、「PK戦」、難易度やハーフタイムの時間、BGMなどを選択できる「オプション」。また、本作ではスタジアムも3種類から選択可能になった。でも、前作にあった「選手プロフィール」がなくなったのは残念ポイント。使用できる全16クラブは以下の通り。

・鹿島アントラーズ
・ジェフユナイテッド市原(現ジェフユナイテッド市原・千葉)
・柏レイソル
・浦和レッドダイヤモンズ
・ヴェルディ川崎(現東京ヴェルディ)
・横浜マリノス(現横浜F・マリノス)
・横浜フリューゲルス
・ベルマーレ平塚(現湘南ベルマーレ)
・清水エスパルス
・ジュビロ磐田
・名古屋グランパスエイト(現名古屋グランパス)
・京都パープルサンガ(現京都サンガF.C.)
・ガンバ大阪
・セレッソ大阪
・サンフレッチェ広島
・アビスパ福岡


【総評】
 前作からの正当な、そして、大幅なバージョンアップを遂げた今作。賢いセミオートによるストレスのない操作性は、対人戦ではなかなか点が入り難く、実際のサッカーと同じく「1点の重み」が感じられ、キックオフからタイムアップまでほどよい緊張感を与えてくれる。

 大幅に強化されたグラフィックは、例えば、芝の目が細かくなり、ズームアップされても粗が出ない。外国人選手や一部の日本人は描き分けされており、雨天時やナイトゲームでも試合中に一目で判断できる。また、細かい部分だが、ゲーム内のフォントはフォントワークスの文字を使用しており、非常に見やすくカッチョいい。余談だが、次世代機になって以降、こだわりを持って作られたゲームにはフォントワークスの書体が使われている事が多い気がするなー。


 サウンド面も光る。前作から音質が格段に向上し、瀬上純氏のギターを中心としたBGMの3曲は全てハード系フュージョンとして聴き応えのあるものになっている。また、金子&木村コンビの実況解説は、金子氏のサッカー愛溢れる言葉選びに、時折広島弁が出る木村氏というメリハリのある放送席だ。

 オープニングムービーにも触れておきたい。セガが誇る「日本一歌のうまいサラリーマン」こと光吉猛修氏のヴォーカルによる高揚感あるオープニングは、今見ても熱い。選手のグラフィックこそ今の目からすればまるで人形だが、それを感じさせないカメラワークと演出、サウンドのマッチングが大切だという事が、実写並みのムービーシーンが溢れる今こそ感じる。

 

 このゲームも学生時代、友人達と6,000試合は対戦しているが、今プレイしてもひっじょーに面白く、現在までに発売されている数多のサッカーゲームの中でも、ゲーム性、グラフィック、サウンドと、個人的には今でも最高峰のサッカーゲームなのだった。このゲームが欲しくてセガサターン買ったもんなー。続編の『Jリーグ ビクトリーゴール'97』以降は、本作とは逆にバカスカ点が入りまくるゲームになってしまったため(これは個人の好みにもよると思うが)、『'97』発売以降もずっとこの『'96』で遊んでいるのだった。


【2023.8.20.追記】
 本作の実況アナウンサーを担当された金子勝彦氏が8月20日、肺炎のため死去されました。謹んで哀悼の意を表します。




Music
『VICTORY GOAL'96 サウンドトラック Get the goal to win !』





【作曲】瀬上純、前田龍之
【編曲】瀬上純
【歌】光吉猛修
【演奏】S.S.T.BAND
【発売】日本クラウン
【発売日】1996年4月3日
【定価】2,300円
【収録時間】約66分


 本作のオリジナルサウンドトラック。ゲームでは1番しか聴く事ができない光吉猛修氏が歌うオープニングテーマ「未来へと続く空」&エンディングテーマ「幾千の夜を越えて」のフルバージョン(もちろんシャウト入り)をはじめ、前作『Jリーグ ビクトリーゴール』と『セガインターナショナルビクトリーゴール』のBGMも収録されている。
 

【収録曲】
01.VICTORY GOAL'96:opening theme:未来へと続く空
02.VICTORY GOAL Medley
03.Chase The Wind
04.Victory Goal
05.Your Own Destiny
06.Caribbean Breeze
07.SEGA INTERNATIONAL VICTORY GOAL Medley
08.Through The Fild
09.Get A Chance !
10.Dancin' Dancin'
11.Matches Are Over…
12.Breezy Skies '96
13.Burn It Down !
14.Theme of S-League '96
15.VICTORY GOAL'96:ending theme:幾千の夜を越えて
16.Way Back Home
17.未来へと続く空:Karaoke
18.幾千の夜を越えて:Karaoke


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