2021/12/26

ときめきメモリアル~forever with you~

 

【発売】コナミ
【開発】コナミコンピュータエンタテインメント東京(バーチャルキッス)、タツノコプロ
【発売日】1995年10月13日(PlayStation The Best版:1997年12月25日)(PS one Books版:2000年9月18日)
【定価】6,800円(限定版:9,800円)(PlayStation The Best版:2,800円)(PS one Books版:1,800円)
【媒体】プレイステーション用CD-ROM
【ジャンル】シミュレーション
【周辺機器】マウス対応
【受賞】2000年:PlayStation Awards ゴールドプライズ賞




コナミ渾身の作り込みにより新たなジャンルを確立


【ストーリー】
 女の子なら誰もが信じる伝説。それは、きらめき高校にもあります。「卒業の日、校庭のはずれにある古い大きな樹の下で、女の子から告白して生まれたカップルは永遠に幸せになれる」。いつか私もきっと…。


【概要】
 オリジナル版は94年にコナミ(現コナミデジタルエンタテインメント)がPCエンジン用CD-ROMで発売した『ときめきメモリアル』。既存の同社のゲームとは全く異なるジャンルであり、当初は拒否反応を示すユーザーも少なくなかったが、口コミで徐々に評判が広がった。関連グッズもプライズ景品やCDを中心に大量に発売され、総売り上げは100億円以上となり、グッズの売り上げがゲームの売り上げを抜く逆転現象を最初に起こした作品でもある。限定版も発売され、大型ボックスの中には、通常版とは異なるジャケットレーベルのCD-ROM、マウス、マウスパッド2枚が同梱。蓋を開けるとオルゴールが鳴る仕様だが、電池が切れ切れで何言ってっか分かんない。もういい、十分だ、休め>電池。


【ゲームシステム】
 高校生活3年間の中で自分を磨き、卒業式の日に伝説の樹の下で意中の女の子から告白される事が目的の恋愛シミュレーションゲーム。95年4月4日の入学式から、98年3月1日の卒業式までに、運動、座学、ルックスなどを磨きつつ、部活動、各期末テスト、体育祭や文化祭、修学旅行、春夏冬休みなどの学校行事もこなしていく。平日はパラメーター上げ、休日は友達の「早乙女好雄」から女の子の情報を聞いたり、女の子と約束を取り付け、デートをしたりする。基本的には、平日はパラメーター上げ(失敗する日もある)、休日は女の子との仲を深めるのだ。

 対象となるキャラクターは、幼馴染のラスボス「藤崎詩織」、超高校級スイマーで俺の嫁1「清川望」、面倒見のいい明朗快活な俺の嫁2「虹野沙希」、世界征服を企む俺の嫁3「紐緒結奈」、文学少女で眼鏡っ娘の「如月美緒」、喋りがスローモー過ぎてせっかくのフルボイスを台無しにする「古式ゆかり」、ミーハーでかしましい「朝日奈夕子」、ルー語を操る「片桐彩子」、前髪がヘルメットみたいな「美樹原愛」、名前が酷い「鏡魅羅」、好雄の妹「早乙女優美」、男かと思ったら女子だった「伊集院レイ」、隠しキャラ「館林見晴」の13人。

 一応、ゲームの目的は「主人公の詩織に告白される事」になってはいるが、詩織は便宜上の主人公であり、各人意中の女子に告白されれば、それでいいのです。僕の場合、清川さんか虹野さんか紐緒さんに告白されればオールオッケークリアーみたいな。

 登場する女の子達には「好感度」が設定されており、パラメーターを上げたり、デートを重ねたり、また、デート中の質問に答える事で上昇する。が、意中の女子にばかりかまけていると、なぜかそーんなに親しくない女子の好感度まで下がり、嫉妬が極限になると好感度マークの横に爆弾マークが付く。これが爆発すると意中の女子を含め全女子の好感度が大幅に下がるため、爆弾マークが付いた女子とは早めにデートをして対策を取る必要がある。要は1度以上は二股三股をかけなければいけないちょっといやーんな防衛策を取るしかないのです。八方美人は大変なので、いかに登場女子を少なくするか(詩織と優美は固定キャラ)がポイント。

 


【総評】
 平日はパラメーター上げに勤しめばいいが、ある程度どれも平均値にしておかないと、期末試験で赤点を取って補習を行わなければならない。運動部に入部している場合、毎月第3日曜日は強制的に部活動をする事になっており、この日をサボると強制退部となって二度と同じクラブには入れない。この第3日曜日が、前述した補習日とカブるのだ。女の子との繋がりが部活動(運動部)の場合、つい座学をおろそかにしてしまいがちだが、ここもしっかり上げておきたい…ところだが、上げ過ぎると別の女の子が登場するので、ギリギリの線を狙っていきたい。こういうバランスの塩梅が実に巧く交差している。

 ゲームを通して見ると、随所にコナミのこだわりが見える作り込みに唸る。多くのデートスポットは季節や年数でアップデートされ、そのデートスポット、キャラクター、季節を彩るサウンドは実に160曲近く。まさに「サウンドのコナミ」である。

 

 キャラクター造形に関しては、それまで背景しか担当していなかったスタッフがキャラクターデザインを担当しているため、あんましかわいくない場合も多い(※物を投げないで下さい)。特に好感度最高状態「大好き」時のデレ顔がフツーの時の顔よりかわいくない(※危険ですので物を投げないで下さい)。髪の色も赤や緑や紫だもんなー。んがっ!人間には「脳内補正」という非常に都合のいい機能を有しているので、ゲームが進むに連れ、それらが気にならなくなってしまうからフシギだ。ゲームとして非常によく練られており、随所に見えるコナミこだわりの作り込み。食わず嫌いのゲーマーにもぜひ試してみてほしいキモチ。



Music
『ときめきメモリアルSOUNDコレクション』







【作曲】コナミ矩形波倶楽部
【編曲】山崎淳、秋山浩一、石井為人
【演奏】コナミ矩形波倶楽部
【発売】キングレコード
【発売日】1994年9月21日
【定価】2,800円
【収録時間】約49分


 キャラクターテーマ曲のアレンジ盤。コナミでは、ゲーム内の作曲を「コナミ矩形波倶楽部」が、バンド活動やCDのアレンジなどを「矩形波倶楽部」が演奏しているが、このアルバムは演奏もコナミ矩形波倶楽部が行っている模様。だが、その内容は各キャラクターのテーマを2フレーズ流した後にヒョロくて短いギターソロが入るパターンに終始。音数も少なく、音質は籠っている。アレンジ盤としては最低限のもので、はっきり言って素人同然のアルバムだ。発売がPCエンジン版時分の物であったとしても、これはないなー。ない。

【収録曲】
01.JUMPING SMILE(朝日奈夕子テーマ曲)
02.思い出の数だけ…(藤崎詩織テーマ曲)
03.世界中の誰よりも(紐緒結奈テーマ曲)
04.瞳の誘惑(鏡魅羅テーマ曲)
05.BOY FRIEND(片桐彩子テーマ曲)
06.あなたに贈るソナタ(如月美緒テーマ曲)
07.みつめていたい(清川望テーマ曲)
08.かごの中の小鳥(古式ゆかりテーマ曲)
09.通学途中のあのお店(美樹原愛テーマ曲) 
10.TEENAGE(虹野沙希テーマ曲)
11.恋、おやすみなさい(館林見晴テーマ曲)
12.めざせ!恋のゴール!(早乙女優美テーマ曲)
13.告白
14.女々しい野郎どものテーマ



Music
『ときめきメモリアルSOUNDコレクション2』









【作曲】コナミ矩形波倶楽部

【編曲】三原善隆、塚山エリコ、山下正
【演奏】三原善隆、塚山エリコ、山下正、矩形波倶楽部
【発売】キングレコード
【発売日】1996年5月2日
【定価】3,000円
【収録時間】約47分


 前作がさすがにヘボいと反省したのか、編曲&演奏に三原善隆、塚山エリコ、山下正の3氏を迎えたアレンジ盤第2弾。1曲目「恋の直滑降」から原曲のノリの良さを5億パーセント活かしたギターとサックスが奏でる正統派フュージョンアルバムに。「思い出の並木道」ではアコースティックギターが爽やかな初夏を思わせる。アレンジャーが違うとこうも違うものかと。音源もウインドシンセとギター、サックスを中心に生演奏主体となり、ゲームミュージックの枠を出た「サウンドのコナミ」の面目躍如。

【収録曲】
01.恋の直滑降(スキーBGM)
02.あなたを待つ交差点(ショッピングBGM)
03.コアラの行進(動物園BGM)
04.思い出の並木道(中央公園BGM)
05.可愛いって言って!(ファンシーショップBGM)
06.ミステリアス・プレイス(ジャンク屋BGM)
07.人魚に出逢う夏休み(海BGM)
08.一緒に歌おっ(カラオケBGM)
09.あなたとスタジアム(スタジアムBGM) 
10.ふたりの星空(プラネタリウムBGM)



Music
『ときめきメモリアルSOUNDコレクション3』




【作曲】コナミ矩形波倶楽部
【編曲】三原善隆、塚山エリコ、山下正
【演奏】三原善隆、塚山エリコ、山下正、矩形波倶楽部
【発売】キングレコード
【発売日】1996年6月21日
【定価】3,000円
【収録時間】約46分

 僕と『ときめきメモリアル』のファーストコンタクトは、ゲームではなく、このアルバムに収録されている「半袖の君」なのであった。当時、文化放送の『ツインビーPARADISE』を聴いていて、よくCMに使われていたため、「いい音楽だな」と思っていたのでした。その通り、3枚目の今盤はギターとウインドシンセがカッチョいい「半袖の君」、そのままサッカーゲームの曲にすればいいトランペットにウインドシンセ、ギターソロに被せる圧倒的なピアノソロの「めざせ!プロサッカー」、曲調がガラリと変わるRPGの最終ボス戦の様なサックスでの「番長はオレだ!」などなど、良曲揃い。これはコナミファンなら持っておこう!

【収録曲】
01.半袖の君(夏BGM)
02.Fun! Fun! Summer Vacation(夏休みBGM)
03.白い息(冬BGM)
04.似合うかな?(ブティックBGM)
05.息を合わせて(二人三脚BGM)
06.青春のはじまり(入学式BGM)
07.めざせ!プロサッカー(サッカー部国立競技場BGM)
08.番長はオレだ!(番長との戦闘BGM)
09.約束の場所(近所の公園BGM) 
10.つかの間の休日(春休みBGM)



Music
『ときめきメモリアルSOUNDコレクション4』



【作曲】コナミ矩形波倶楽部
【編曲】三原善隆、塚山エリコ、山下正、
    菊池雅臣、立山健彦
【演奏】三原善隆、塚山エリコ、山下正、
   菊池雅臣、立山健彦、矩形波倶楽部
【発売】キングレコード
【発売日】1997年1月22日
【定価】3,000円
【収録時間】約48分

 『SOUNDコレクション』シリーズ最後は全体的に終わりを告げる優しいアレンジが多い中、トランペットが奏でる春の息吹「確かな命」やサックスによるバラード「今だけラブストーリー」、ウインドシンセとギターのソロバトルが大変カッチョいい「あなたはパーフェクト」など、最後まで聴き応えあり。1枚目に入っていなかった好雄と伊集院のテーマ曲もしっかり「曲」として成立している。こうなると最初の1枚はなんだったんだって感じ。『ときめきメモリアル』のCDはヴォーカル集やラジオドラマなど100枚近く発売されているが、純粋なゲーム音楽のアレンジ盤はこの4枚だけなので、コナミファンなら揃えておいてもいいと思いますよ。マジで。

【収録曲】
01.芽生え(春BGM)
02.こたつでみかん(冬休みBGM)
03.確かな命(植物園BGM)
04.おまかせNetwork(早乙女好雄テーマ曲)
05.今だけラブストーリー(図書館BGM)
06.高貴なる家系(伊集院レイテーマ曲)
07.太陽に夢中(プールBGM)
08.青くゆれる心(水族館BGM)
09.あなたはパーフェクト(ボーリングBGM) 
10.枯れ葉の足音(秋BGM)



Books
『ときめきメモリアル~forever with you~ 思い出の卒業アルバム』









【著】森岡憲一、ファミ通編集部責任編集
【発売】アスペクト
【発売日】1996年2月14日
【定価】1,400円 


 学校生活でのイベント、クラブ活動、デートなどの校外活動、進路や告白条件、各キャラクターからミニゲーム攻略などの資料、女の子の全イベントバストアップグラフィックなど、おおよそ必要なデータを網羅した1冊。つっても、あんまし攻略本見ながらやっても味気ないんで、エンディングを見た後や2周目をプレイする際に役立てたい。


(C)1995 KONAMI ALL RIGHTS RESERVED.

2021/12/09

アルバートオデッセイ

 

【発売】サンソフト
【開発】サンソフト、東海エンジニアリング
【発売日】1993年3月5日
【定価】9,600円
【媒体】スーパーファミコン用バックアップカートリッジ
【容量】8M
【ジャンル】シミュレーションRPG




悲しみに始まり悲しみに終わる隠れた名作


【ストーリー】
 かつて栄華を極めた古代文明グローバス。その文明を復活させ、世界征服に利用しようと目論む悪の大魔導士・オズワルドがいた。彼は魔術で魔物を生み出すと、世界を征服し始めた。そして、ついに無敵を誇るゴート騎士団をも打ち破り、もはや世界はオズワルドのものかと思われた時だった。

 1人の少女が不思議な光を発した!彼女の名前はソフィア。ゴート騎士団の総督だった彼女の父は壮絶な死を遂げた。また、母もオズワルドによってソフィアの目の前で殺され、怒りと悲しみから、彼女の中に潜んでいた不思議な力が一気に爆発したのだ。この強烈な光は、魔物共々オズワルドを世界の果てへと吹き飛ばした。世界は魔道の血を引く少女によって救われたかに見えたが…。



 ーーーそれから10年の時が流れた。なんと、オズワルドは、驚くべきエネルギーを以て世界の果てから復活していた。そして、更なる魔力を秘めた彼は、グローバス復活の鍵である水晶を求めて、再び進軍を開始したのである。

 ソフィアはゴート騎士団の団長であるスレイの元に引き取られ、王都ゴートで宮廷魔術師として成長していた。だが、もはや彼女1人では更なる魔力を秘めたオズワルドに立ち向かう事は到底不可能だった。人並み以上の勇気と力を備えた者の協力が必要なのだ。そんな時、勇者の血を引く少年がチベリスにいると聞いたソフィアは、モンスターに命を狙われながらもチベリスに辿り着き、司祭様から1人の少年を紹介された。彼こそ、王族の血を引く、すなわち勇者の血を引く少年・アルバートだったのだ。

 そして今、アルバートとソフィア、僧侶としての修行を積むために同行する事になったノイマンの3人が、オズワルドの野望を阻止するため、冒険の旅に出る。グローバス復活の鍵となる水晶はどこにあるのか、封印を解く鍵とは何か、そして、果たしてオズワルドを倒す事ができるのか。アルバート達の使命は限りなく果てしない…。


【概要】
 93年にサンソフトと東海エンジニアリングによって開発されたシミュレーションRPG。勇者である主人公「アルバート」、魔導の血を引く「ソフィア」、見習い僧侶の「ノイマン」、騎士団長「スレイ」の4人を中心に、悪の化身「オズワルド」を倒すという、一見するとオーソドックスな剣と魔法が舞台のストーリーだが…。ベース部分は『ドラゴンクエスト』(エニックス)や『ファイナルファンタジー』(スクウェア)を、システム部分は『G-LOC』(セガ・エンタープライゼス)を参考に製作された。


【ゲームシステム】
 RPGの戦闘にフィールド上での戦略的な要素を加えたシミュレーションRPG。フィールドマップ上では、最大4人パーティの「移動」、「攻撃」、「特殊」を操作し、「ヘックス」と呼ばれるマス目に区切られたフィールドで移動や敵との戦闘を繰り返しながら冒険を進めていく。全員が「行動終了」すると、敵側のターンになる。「地形効果」や「方向補正」があり、平地より森や山にいた方が戦闘時に有利だったり、
正面からよりも相手の背後から攻撃した方がより高いダメージを与える事ができる。もちろん、これは敵にも言える事だ。

 町や村ではRPGの様に、会話をして情報を集めたり、買い物をする事ができる。村人の中には同社のマスコットキャラクター『へべれけ』のメインキャラクター達もこっそり出演している。また、時間の概念があり、日中と夜間では会話の内容や姿を現す人物達が変わる事がある。フィールドマップ上では、夜間の方が敵の強さが上がるので注意だ。シミュレーションRPGとしては初心者向けとも言え、あまり難しく考えずに普通のRPG感覚でプレイできるので、万人に勧められる作品に仕上がっている。



【総評】
 美麗なグラフィック(町中での流れて行く雲の影が実にいい)、重厚なサウンド。シミュレーションRPGでは冗長になりがちな戦闘シーンも、キャラクターの素早いアニメーションと効果音でテンポよく進み、非常に丁寧に作られているのが分かる。プレイ中にストレスがほとんどないのは、細部に渡って繰り返し調整が成された証拠だ。

 プレイヤーはアルバート、ソフィア、ノイマン、スレイの4人を基本パーティとするが、各キャラクターには「移動」と「攻撃」の他に特殊スキルを各々1つづつ持っている。アルバートは青いライオンか不死鳥に姿を変えて敵に大ダメージを与える「変身」。ソフィアは一撃必殺の雷撃or複数の敵を同時に攻撃できる火炎弾or1度行った場所へ瞬間移動できる「魔法」。ノイマンはヒットポイントの回復orマヒの治癒or蘇生の「回復(魔法)」。スレイは行動終了キャラクターを同ターンでもう1度行動可能にする「はげます」だ。序盤ではアルバートの変身とソフィアの魔法が強力過ぎてノイマンの経験値がなかなか伸びない場合があるが、その際にスレイの「はげます」を使い、ノイマンに1ターンで2度の敵への攻撃&仲間への回復魔法を使って進めて行くのがオススメだ。ていうか、ノイマン、僧侶のわりに通常攻撃はアルバート並みに強いんですけどね。わりと一瞬なのでじっくりと見る事はできないが、戦闘シーンも非常に描き込まれたグラフィックで、キャラクターの動きとリアクションも細かい。敵とのパワーバランスはプレイヤーの方が若干上なのも、サクサクと気持ちよく進められる要因だ。

 

 難点と言えば、ひとつのミッション(街や村をモンスターの群れから解放する)をクリアした後、次にどこへ行けばいいのかよく分からなくなる点。村人の「東だよー」とかそんなざっくりした説明だけで広大なマップを右往左往しない様に、ざっくり説明された場所を拡大マップでよく見ればいいだけの話なんですけどね。もうひとつは、武器防具を買うまで誰に装備できるか分からない点。これは説明書にもある様に、買い物前にセーブをして無駄遣いを減らそう。『女神異聞録ペルソナ』(アトラス)もそうだったなー。地味に不便。あ、あと、大した脈略もなく途中でパーティをぽっと出の別の3人のキャラクターと入れ替えられるが、特に愛着もないので入れ替えないっす。必然性がないっつーか。

 

 さて、『アルバートオデッセイ』と言えば、衝撃的なエンディングについて書かないわけにはいかないであろー。っつってもネタバレはしないけど。今じゃ簡単にググれば分かるけど(これがいい事なのかどうかは考えモノですな)、インターネットなぞない時代、専門誌にも攻略本にだってエンディングの事は書かれてないので、それはもうビックリしたですよ!ビックリした後はしばらく放心状態で。でも、誤解してほしくないのは、決して嫌なわけではなく、ホントにただただビックリ&放心で、なるほどこういう終わり方のゲームもあるんだなと。30年経った今回、改めてプレイしてみて、ストーリーはさっぱり忘れてたけど、エンディングだけはハッキリと覚えてたっす。

 本作の中古市場での価格は完品で1,500円前後。他にWiiとWii Uでダウンロード販売もされている。気になる続編だが、94年に本作から10年後を描いた『アルバートオデッセイ2 邪心の胎動』が発売。また、96年にはプラットフォームをセガサターンに移し、数百年後の世界を描いた『アルバートオデッセイ外伝〜LEGEND OF ELDEAN〜』が発売されている。良作である事は間違いないので、機会があれば安易にググらず、自らの手でエンディングを見て欲しい。



Books
『アルバートオデッセイ ワールドアトラス』


 








【著】飯田真佐史、福田純子
【発売】小学館
【発売日】1993年4月20日
【定価】1,000円

 プレイ中、最も長時間見る事になるフィールド画面「ゴート大陸」と「オズワルド大陸」の詳細なマップを中心に、敵の配置とその対策などを優しい文体で書かれた1冊。前述した様に、武器や防具は買うまで誰が装備できるか分からないが、本書の武器防具リストでは装備できるキャラクターが書かれており、これが地味に重宝するのだ。また、マニュアルでは背景として4ページ&見難かった4人+中ボス「ドラゴン」の立体物もじっくり眺める事ができる。元々、攻略本が必要なほど難易度は高くないが、古本屋などで運よく見かけたらゲットしておこう



(C)1993 SUNSOFT  (C)1993 TOKAI ENGINEERING

2021/12/01

サイドポケット

  


【発売】ナムコ
【開発】データイースト
【発売日】1987年10月30日
【定価】3,900円
【媒体】ファミコン用カートリッジ
【容量】1M+256Kbit
【ジャンル】テーブル




ビリヤードの教本的ソフト


【概要】
 オリジナル版は86年にデータイーストがアーケードで発売したビリヤードゲーム。ファミコン版はデータイーストが開発し、ナムコ(現バンダイナムコエンターテインメント)から発売された。球を撞くポイント、クッションの使い方からマッセまで、ビリヤードの奥深さを再現している。パッケージアートは冨士宏氏によるもの。


【ゲームシステム】
 トップビュー形式のオーソドックスなビリヤードゲーム。主なモードは、街のハスラーとして順番に関係なく的球を落とし、「CITY」、「JAPAN」、「U.S.A.」、「WORLD」の各ステージをクリアしていく本作のオリジナルモード「ポケットゲーム」と、球を撞くポイント(撞点=どうてん)などを基礎から学ぶ「トレーニングモード」の2種類。また、2人プレイによる対戦時のみ「ナインボール」をプレイする事ができる。

 トレーニングモードは「レッスン」と「プラクティス」に分かれており、レッスンでは、中心突き、押し球、引き球、右ひねり、左ひねりという手球の撞点と、クッションの使い方を丁寧に教えてくれる。プラクティスになると、手球と的球を自由に配置して、ショット時のパワー、撞点、クッションの関係をより実践的に練習する事ができる。両モード共、ミスした際に活用できる「再現プレイ」が備わっており、ひとかどのハスラーを目指す煤けたオトナへの階段の上り方がレクチャーされるって感じ。


【総評】
 マーティン・スコセッシ監督、ポール・ニューマン主演の映画『ハスラー2』が公開された86年以降、日本でもビリヤードブームが起こり、本作もその流れによって製作された…かどうかは知らないが、画面は地味でオーソドックスでも、丁寧なビリヤードゲームとして仕上がっている印象だ。球の挙動も当時のゲームとしてはよくできており、挙動不審な点も目立たない。ビリヤード初心者なら、教本を買うよりも本作をプレイした方が実際に役に立つ部分が多いと思う。地味だけど。



 ポケットゲームでは、5つの持ち球があり、誤って手球を落とすorミスショット2回で1つ減るのだが、ステージをクリアしてもこの持ち球の数は前ステージからの持ち越しなのがちょっといやーんな点かも。ステージが進むにつれ難易度が上がっていく要因のひとつになっているからだ。プレイ中はただひたすら地味な画面だが、ステージをクリアするとパツキンのおねーちゃんに惚れられ、ドライブに行ったりする寸劇が披露される←「寸劇」って言うなよ。

 本作は後に他機種にも移植され、95年には続編『サイドポケット2 伝説のハスラー』(データイースト)も作られている。が、やはりここは血迷ったデータイーストが脱衣ビリヤードゲームとしてアーケードで発売した『ポケットギャル』について述べていきたい!「勝てば脱ぐ!相手が!」という脱衣麻雀と同様の万国共通システムであるが、既にタイトル画面でバニーガールが脱がされている。早い!相手のギャル(←死語)は負けると「ビリヤードのテクニックはすごいけど、アッチのテクニックはどうなのかしら?」などと直球ベタセリフで挑発してくるので、その後はおじさんのキューで突いたりするのであろーか←減点。

 ビリヤード、学生時代や社会人初期の頃はたまにやってたなー。オッシャレーなプールバーを横にグラスを傾けたおねーちゃんがいたりはしない質素なビリヤード場で。まあ、完全に下手の横好きだったんですけどね。これやってまたビリヤード場に行きたくなってきたぜー!そしておじさんのキューさばきを披露していきたい!←マイナス5億点。



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