2022/03/31

ヨッシーのクッキー



【発売】BPS
【開発】任天堂、ホームデータ、トーセ
【発売日】1993年7月9日
【定価】6,600円
【媒体】スーパーファミコン用カートリッジ
【容量】4M
【ジャンル】パズル




ファミコン版から正当進化したリメイク作


【概要】
 オリジナル版は92年に任天堂から発売されたファミコン版及びゲームボーイ版。ファミコン版ではライセンス提供で関わったホームデータ(現魔法)が開発を担当し、BPSが発売元となっている。アーケードゲーム以外で『マリオ』シリーズの発売元が任天堂でない事は珍しい。


【ゲームシステム】
 枠内にランダムに並んでいる6種類のクッキーを、縦or横に同じ種類並べると、その列が消滅するパズルゲーム。10ステージで1ラウンド、全10ラウンド100ステージ。スーパーファミコン版の本作では、指定された手数以内で全消しを目指す詰み将棋風の「パズルモード」が追加された(本来のパズルモードは「アクション」にモード名が変わっている)。ファミコン版より難易度が高くなっており、あまりだらだらとプレイできくなった。対戦プレイの内容も改善されているらしいが、前も書いた様におじさんは独りなのでそこはよく分かりません(遠い目)。

【総評】
 一言で言うなれば、「ファミコン版から正当に進化したリメイク作」。ファミコン版ではクッキーを焼くのが「マリオ」だったが、「ヨッシー」に変更されている。背景も『マリオ』シリーズの世界観を再現と、グラフィック面での強化がなされた(当たり前っちゃ当たり前だけど)。メインとなるアクションモードはファミコン版の項を参照して頂き、こちらでは新たに追加されたパズルモードについてちょこっとばっかし述べていきたい。ちょこっとね。

 画面内のクッキーを全て消すのはアクションモードと同じだが、追加のクッキーは発生しない。画面右に表示されている手数内に置かれている全てのクッキーを消すのが目的。これがなかなか難しく、やり応えがある。熟考したり、パッとしたひらめきで大量のクッキーが連鎖して一気に消えていくのはアクションモードより爽快感がある。けど、なかなか上手い事いかないんだよなー。こちらも全100ステージ。個人的にはアクションモードよりこちらのパズルモードにハマった。



 03年発売のゲームキューブ用ソフト『NINTENDO パズルコレクション』(任天堂)に収録されている以外では、08年にWiiでのダウンロード販売が行われたが、現在は終了している。任天堂、BPS、ホームデータと権利関係が複数社にまたがっているためか、現状では実機でしか遊ぶ事ができない。また、余談だが、本作では松下電器産業(現パナソニック)の販促用ソフト『ヨッシーのクッキー クルッポンオーブンでクッキー』が500本限定で作られており、現在では15万円前後のプレミア価格が付いている。じゅうごまんえんってあんた…。


(C)1993 BPS (C)1992,1993 Nintendo LICENCED BY NINTENDO Original design by Home Data Corp.

2022/03/21

ヨッシーのクッキー

  

【発売】任天堂
【開発】任天堂、トーセ
【発売日】1992年11月21日
【定価】4,900円
【媒体】ファミコン用カートリッジ
【容量】2M
【ジャンル】パズル




独特の操作とルールで全990ステージの遊び応え


【概要】
 プロデューサーにファミコンの生みの親の1人である横井軍平氏、ディレクターに『ドクターマリオ』の山上仁志が名を連ねる、「ヨッシー」を主人公にしたパズルゲーム。ゲームボーイ版も同時発売。原型となったのは、BPSが海外で発売した『INARO』と、ロケテストのみが行われたホームデータ(現魔法)のアーケードゲーム『ヘルメティカ』という作品。そのため、両社とも本作には「ライセンス提供」という形で関わっており、93年発売のスーパーファミコン版ではBPSが発売元となっている。


【ゲームシステム】
 枠内にランダムに並んでいる6種類のクッキーを、縦or横に同じ種類並べると、その列が消滅するパズルゲーム。クッキーの種類は、「ハート」、「フラワー」、「ダイヤモンド」、「チェック」、「サークル」、そして、ヨッシーの顔をかたどった「ヨッシークッキー」。10ステージで1ラウンド、全10ラウンド100ステージで一応クリアだが、通常エンディング後にラウンド11以降が始まる。ここからはクッキーではなく、「クリボー」や「パックンフラワー」、「ゲッソー」など、『マリオ』シリーズでお馴染みのキャラクター達を消していく。全99ラウンド990ステージ。2人対戦プレイも可能。


【総評】
 ボタンを押しながらベルトラインを上下左右に動かす事で1列ごとのクッキーを動かす→同じクッキーを1列ずつ揃えて消していく→クッキーが消えた事で1列揃った列ができたら、連鎖でその列も消える→わーい。といった感じ。上と右から新しいクッキーが押し寄せて来るため、画面いっぱいになる前に全てのクッキーを消せばステージクリア。何個かクッキーが残っていても、新しいクッキーが来るので、消し続けていけばそのうちにクリアできてしまうので、とりあえず惰性でも、だらだらと10ラウンドくらいまでなら進める事ができる。

 低学年層をターゲットにしているのか、タイトル画面など、ファミコン後期のゲームに見られるベタ塗りグラフィックの色使いが幼いけど、中身は「ベルトラインでクッキーの列ごとに順番を変えて動かす」という珍しい操作と、列が減るごとに揃えるクッキーの必要数が減るため、「クッキーの列がどれだけ減ったタイミングで、どの順番で消すか」という戦略を瞬時に考えなければならない奥深さがある。グラフィックは大き目に描かれており、画面レイアウトは『ドクターマリオ』に準じている。


 ラウンド11以降はクッキーなんてもはや関係ねえイカやキノコを消していく事になり、難易度もここからが本番といったところだが、いかんせんグラフィックが見難くなるのが減点ポイント。クッキーの場合は形が簡単なので見た瞬間にある程度の位置関係が掴めるが、キャラクター達になると描き込まれたグラフィックが仇となり、一瞬の判別がし難いのだった。尚、メニュー画面で「SPEED」を「HI」に、「MUSIC TYPE」を「OFF」にし、Aボタン+セレクトボタンでラウンドセレクトが可能なので、クッキー時とはまた趣が異なるラウンド11以降も手軽にプレイできる。まあ、それまでとは打って変わって惰性でだらだらしながらなんてできないんだけど。

 

 見た目の幼稚さとは裏腹に、戦略性が高くて奥が深いが、その反面、独特の操作とルール(このゲーム、説明がし難いんだよー)は、ターゲットユーザ層に対してちょっと難易度が高いかもしれない。2人対戦プレイ時はルールが若干違うらしいが、これを書いているおじさんは独り身なのでそこは割愛だ。だって、分からないんだもん(涙)。


(C)1992 Nintendo

2022/03/11

ワルキューレの伝説




【発売】ナムコ
【開発】ナムコ
【発売日】1989年4月21日
【媒体】アーケード
【容量】36M(システム基板:Namco System 2)
【ジャンル】アクション




女性主人公を代表するキャラクターの頂点、戦乙女ワルキューレ


【ストーリー】
 その昔、神は人間に不思議な種を授けました。その種を黄金に輝く泉の水で育てると、どんな願いでも叶ったといいます。人々はそれを「黄金の種」と呼び、平和と豊作を願って大事に育てていました。ところが、その種を利用して世界を支配しようとする者が現れました。悪の化身・カムーズです。たちまち平和は乱されました。大地は枯れ、作物は何ひとつ実りません。飢えと憎しみの中で、人々の心も次第に荒んでいきました...。サンドラは家族を救うため、ワルキューレは世界を救うために再び地上に舞い降りました。


【概要】
 86年にファミコンで発売された『ワルキューレの冒険 時の鍵伝説』の続編。ロールプレイング要素のあった前作とは異なり、本作はアクションゲームだが、次のステージへ移る幕間のアドベンチャーパートや、アイテムを買ってパワーアップするなど、前作の雰囲気は残っている。冨士宏氏によるイメージボードの数々や、川田宏行氏による本作を象徴するステージ1のBGM「メインテーマ」、緻密なドット絵など、非常に丁寧に作られており、主人公「ワルキューレ」は80年代を代表するゲームキャラクターとなった。本項では『ナムコミュージアムVOL.5』収録作品として、収録されたオリジナル版(アーケード版)について記述する。


【ゲームシステム】
 トップビュー形式のアクションゲーム。2人同時プレイが可能。その際は、1プレイヤー側がワルキューレ、2プレイヤー側が「サンドラ」を操る。剣による直接攻撃とマジックポイントを消費する魔法攻撃を使いながらステージを進む。魔法には、小さな分身が一定時間現れて連動して攻撃を行う「分身の術」や、一定時間巨大化する「BIGの術」などがあり、ステージ内にいる謎のおばあさんが授けてくれる。ライフ制。全8ステージ。ステージをクリアするごとに1枚絵のアドベンチャーパートに入り、ストーリーが進展する。

 アイテムは一度に6個まで所持できる。ステージ各所のイベントや宝箱から入手するか、商人の「ズール」から購入する。武器アイテムは古く入手したものから自動的に装備され、温存や装備順の変更はできない。ここで気を付けなければいけないのは、「ハートの器」と「魔法の本」はステータスを強化する反面、アイテム欄から消えないため、大量に持つほど武器アイテムの所持ストックが減ってしまう。


【総評】
 このブログのタイトルでも1番にワルキューレとサンドラを描いてるくらい大好きなゲーム。前述した様に、冨士宏氏の描くキャラクターと世界観に、川田宏行氏のサウンド、ドット絵のキャラクターもイラストに近く、小気味いい効果音、ダメージを受けた際に「きゃ!」と言う音声合成もかわいい。ステージ4では、「巨大スプーン」を利用し、大ジャンプして進行する拡大縮小機能を活かしたダイナミックな仕掛けも楽しい。通常ジャンプはややクセがあるが、基本的な操作性も良好だ。通常コンティニューではステージの最初から始まるが、ワルキューレorサンドラがやられた直後にスタートボタンを押すとその場からのコンティニューできるなど、難易度もそれほど高くなく、遊びやすい。慣れてしまえば30分くらいでクリアできるぞ。

 

 80年代の女性が主人公のゲームと言えば、『アテナ』(SNK)や『奇々怪界』(タイトー)、『メトロイド』(任天堂)、『マドゥーラの翼』(サンソフト)、ナムコ(現バンダイナムコエンターテインメント)では『イシターの復活』の「カイ」や『ワンダーモモ』の「モモ」、『バーニングフォース』の「天現寺ひろみ」などが個人的代表に挙げられるが、そのキャラクター造形からなるワルキューレは、女性が主人公のゲームが多くなった現在においても、これら女性主人公の頂点に立つキャラクターではなかろーか。

 本作の移植作は、90年にPCエンジン版へ移植された後は、『ナムコミュージアムVOL.5』収録まで7年間も待つ事になる。その後は、99年にWindows95/98(『ナムココレクションVol.1』収録)、廉価版『Super1500 ワルキューレの伝説』(発売はメディアカイト)がWindows98で発売。家庭用機への移植も多く行われる様になり、20年にコナミデジタルエンタテインメントから発売されたPCエンジンminiにも収録されている。本作以降、続編は作られていないが、今でも新作を熱望してたりするので出して下さいよー、新作。



Books
『ワルキューレストーリーブック』

【著】冨士宏
【発売】JICC出版局
【発売日】1991年4月10日
【定価】1,400円


 冨士宏氏による64ページに渡るストーリーボード+6ページのモノクロラフ、インタビュー記事で構成された『ワルキューレ』の世界観を知る上でぜひ持っておきたい1冊。舞台となる「マーベルランド」の豊富なスケッチ、「4人の精霊」、「コアクマン」、マーベルランドの住人達(モブキャラクター)などのキャラクターの他、ゲームでは未登場の「ブラックワルキューレ」や、「4姉妹のワルキューレ」など、本書だけのイラストも大掲載されているので、古本屋などで見かけたら速攻で大購入しよう!超オススメ!



Books
『The Birth of Walkure ワルキューレの降誕』
【著】冨士宏
【発売】マッグガーデン
【発売日】1巻:2005年7月10日、2巻:2006年4月29日
【定価】各1,000円

 冨士宏氏によるワルキューレ誕生の物語を描いたコミックス。全2巻。天界の明朗快活で元気溢れるうら若き女神が、マーベルランドの異変を機にワルキューレとなり、かつて天界で勃発した大戦争の生き残りであるブラックワルキューレとの対峙や、サンドラとの出会いなどが紡がれているオリジナルストーリー。巻末には、1巻には12ページ、2巻では23ページに渡ってラフイラストによるストーリーボードも掲載。ゲームでは裏設定のみだったブラックワルキューレや4姉妹の設定がフルに活かされている。現在、紙媒体では入手困難だが、21年に電子書籍化されているため、ファンには一読して頂きたい。超オススメ!




Books
『The Glory of Walkure ワルキューレの栄光』
 




【著】冨士宏
【発売】マッグガーデン
【発売日】1巻:2008年1月10日、2巻:2009年1月25日
【定価】各1,000円

 冨士宏氏によるワルキューレ活躍の物語を描いたコミックス。全2巻。『時の鍵伝説』と、92年にスーパーファミコンで発売さた『サンドラの大冒険~ワルキューレとの出逢い~』を基に描かれている。前作『降誕』からだいぶ成長したワルキューレの凛々しい活躍が、2巻合計約400ページに渡って読む事ができる。こちらも紙媒体では入手困難で、特に2巻はプレミア価格が付いている時期が長かったが、『降誕』同様に電子書籍化されたため、現在では気軽に読む事ができる。超オススメ!


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