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2026/09/20

アフターバーナーII



   



【発売】マイコンソフト
【開発】電波新聞社
【発売日】1990年3月20日
【定価】7,000円
【媒体】メガドライブ用カートリッジ
【容量】4M
【ジャンル】シューティング
【周辺機器】アナログジョイ・パッド XE-1AP対応




ハードでの不可能をソフトで可能にしたセガの代表作


【ストーリー】
 西暦199X年、世界勢力はA国とZ国に二分され、冷戦状態が続いていた。A国の海軍にいたキミに極秘指令が下った。その指令とは、敵国の領空を強行突破して、秘密兵器の情報ディスクを軍の秘密研究所に届けるという事であった。果たしてキミは、敵防衛線を突破して、無事目的地へ辿り着けるだろうか?


【概要】
 オリジナル版は87年にセガ・エンタープライゼス(現セガ)がアーケードで発売した体感型シューティングゲームで、体感型には大型で筐体の動きも激しい「ダブルクレイドルタイプ」と、小型で左右にしか揺れない筐体「クレイドルタイプ」の2種があった。また、筐体が動かない通常のアーケードマシン用筐体でもプレイできた。ダブルクレイドルタイプはメンテナンスが複雑で、現在国内で存在が確認されているのは3台だけだという説もある。サウンドにはエレキギターを多用したハードロック調の曲で、今でもアレンジ版のCDが発売されるほど、『スペースハリアー』や『アウトラン』と並ぶセガの代表曲である。

 メガドライブの移植に当たっては、X68000版の移植を手掛けた電波新聞社が行った。メガドライブには回転機能を搭載してないが、ソフトの方で再現している。ドット絵の部分も細かく描かれており、移植度は非常に高い。また、電波新聞社から発売されたアナログ・ジョイパッドに対応しており、メガドライブ初のアナログ入力対応ソフトとなった。尚、発売元のマイコンソフトは、電波新聞社の子会社である。本作のみパッケージのビジュアルが他のイラストとは異なるメガドライブのオリジナル仕様だ。


【ゲームシステム】
 3Dビュー形式のシューティングゲーム。Aボタンは「加速」、Cボタンは「減速」、Bボタンは「ミサイルの発射」で、通常攻撃のバルカン砲はオートで撃ちっ放しの簡単操作。ミサイルは前方の敵に照準を合わせると「FIRE」の声と共にロックオンできる。ミサイルは弾数に限りあるため(最大100発搭載)、ある程度ステージを進めると補給機がやって来て50発まで補給してくれる。ステージが進むと敵からの誘導ミサイルや追撃機なども現れるため、加速してアフターバーナーを仕掛けて撃破する。全23ステージ。


【総評】
 ゲームスタート時に「SEGA」のロゴが入った空母から飛び立つシーンからバッチリ再現されている。バルカン砲をオートにした事により、ミサイルで敵機を次々と撃破する爽快感や、背後の戦闘機やミサイルをアフターバーナーを吹かして撃破or振り切る緊張感を、シンプルな操作でドッグファイトが楽しめる。ソフト側の力技で実現させた回転演出も移植度の高さを示している。ゲームとしては高速で低空飛行した方がいいが、敵機と自機の爆風で時々訳分かんなくなるぜ!また、タイトル画面でABCスタート各ボタンを同時押しすると、ステージ20までセレクトできるぞ。

 セガ・エンタープライゼスを代表する作品だが、『アフターバーナーI』は正確には未完成品の、言わば本作の「ベータ版」だった。これは、同社上層部から「出荷を決算に間に合わせる様に」との社命が出たため(当時の同社は東証二部への上場を控えており、そのために売上を確保する必要があった)、止む無く未完成のまま「修正版が完成次第、交換する」という条件付きで全国への出荷が決まったのだった。サラリーマンって辛いよね。



 本作を知ったのは、当ブログでたまに登場する僕をゲーム漬けにした近所のにいちゃんが、BEEP付録のソノシートを毎回カセットテープにダビングしてくれ、例によって音楽から入ったのだった。その後、ゲームセンターでプレイし、正に手に汗握る抜群のスピード感と緊張感、美しいグラフィック、そしてイカすサウンドが小学生の僕に強烈に刷り込まれたのだった。本作では残念ながらメインテーマ「Final Take Off」がキーボードメロディの部分が省かれたバージョンのものだが、容量的に仕方あんめえ。ちょっと泣くけど。


 移植はかなりの機種で行われており、上位版としても、スーパー32X版、セガサターン版の他、プレイステーション2及び3、ニンテンドー3DSなど、現存するほとんどのコンシューマ機で発売されている。まあ、これは分かるにせよ、『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』(セガ・エンタープライゼス)の項でも述べた様に、当時のセガはバカだったので、メガドライブのライバル機であるファミコンやPCエンジンにも易々とこの看板ソフトの移植を許可している。


 前述した様にメガドライブには回転機能を持たないが、電波新聞社は背景(オブジェクト)を素早く描き替わる様にしている。このカートリッジ側での力技、頑張っててエライ!完成度は上位版の方が上かもしれんが、僕はこの頑張っているメガドライブ版が好きなのだった。


(C)SEGA 1987. PROGRAM ARRANGED BY DEMPA / T.MATSUSHIMA MUSIC ARRANGED BY CUBE

2026/05/19

メガパネル


 



【発売】ナムコ
【開発】ナムコ
【発売日】1990年11月22日
【定価】4,900円
【媒体】メガドライブ用カートリッジ
【容量】2M
【ジャンル】パズル




80年代のイラストが懐かしい「15パズル」の発展形


【ストーリー】
 「15パズル」というのを知っていますか?4×4のマス目の中でブロックを縦横に動かして絵を完成させたりするパズルです。キミも1度くらいは遊んだ事があるかも。で、『メガパネル』は、その15パズルを応用、発展させたもの。単純な、でも、実に奥深いゲームなのです。ブロックの織り成す不思議な世界へ、しばしキミを案内致しましょう。


【概要】
 ナムコ(現バンダイナムコゲームス)初のメガドライブ用オリジナルソフト。他機種や海外機への移植は行われておらず、22年発売の「メガドライブ ミニ2」に収録されているに止まる。原案は1874年にアメリカ人のノイス・チャップマン氏が、「GEM PUZZLE」として考案したもので、日本では明治40年(1907年)に出版された『世界遊戯法大全』(松浦政泰著)に「十五置き換え遊び」の名で紹介されている。ビデオゲーム化も多くされているが、このルールを応用、発展させてオリジナル要素を加えたのが本作である。


【ゲームシステム】
 15パズルの発展形パズルゲーム。「1人用練習モード」、「1人用ピンナップモード」、「2人用対戦モード」の計3モードが用意されている。練習モードは、ラウンドごとにスナフキン風の男がお題を出し、それをクリアしていく。メインのピンナップモードでは、右画面に隠されたイラストを見るため、ブロックを縦か横に4つ並べて消すと、上にある爆弾が落ちてパネルを壊し、イラストが徐々に見えてくる。共に全30ラウンド。対戦モードは知らぬ!だって、独り者のおじさんは人とこのゲームやった事ないんだもん。自分で調べれ。


【総評】
 一見すると落ち物パズルゲームの様だが、実際には逆で、画面下からブロックが競り上がって来る。空きマスは1つしかないため、ブロックを動かしようがない場合、通常は一定時間で競り上がってくるブロックを任意で1段競り上げる事もできる。ここが頭の使いようなのだ。





 パッケージにはバニーガールの女の子、ピンナップも女の子、説明書も女の子と女の子だらけだが、まだ「ギャルゲー」などという言葉もなかった時代。アーケードでは似た様な画面構成でパネルがめくれるとアッハーンなイラストや取り込み画像が出現するゲームはあったが、本作はそのあたりのセクシャル部分は一切排除し、どれも80年代後半を感じさせられるところがおじさんには好感が持てる。ナムコは一時期、『ワルキューレの伝説』や『バーニングフォース』、『カイの冒険』、『ワンダーモモ』など、女の子を主人公にしたゲームを多く輩出していたが、どれもなんつーか、セクシャルな要素はあまりなく、本作でもダボダボのセーターを着た女の子がネコと戯れているだけの、言ってしまえばなんつー事はないイラストが、今見るとノスタルジーを感じさせていいのだ。


 で、ゲームの内容だが、ある程度まで惰性でできる落ち物パズルゲームに比べ、最初から頭を使うのが本作だ。ジジイゲーマーは半年に1度ほどプレイすればボケ防止になるかもしれない。落ち物パズルゲームとはまた別の部分の脳みそを使う感じだ。


 あと、ナムコファンは他機種に移植されていない意味では貴重なソフトなので、コレクションに加えると吉である。


(C)1990 NAMCO LTD.,ALL RIGHTS RESERVED

2026/05/16

バーニングフォース

 


 



【発売】ナムコ
【開発】ナムコ
【発売日】1990年10月19日
【定価】4,900円
【媒体】メガドライブ用カートリッジ
【容量】4M
【ジャンル】シューティング




トライアンドエラーが報われる良好なゲームバランス


【ストーリー】
 西暦2100年、地球大学・宇宙学部トップスペース専科において、今年も卒業試験が行われようとしていた。この日のために厳しいトレーニングを経て来た若者達であったが、6日間に渡って実施される過酷な実戦試験の前では、合格する者などほんの一握りしかいない。だが、それだけに、この卒業生達が手にできる名誉には計り知れないものがあるのだ。試験を見事に通過した証、それが「スペースファイター」の称号である。


【概要】
 オリジナル版は89年にナムコ(現バンダイナムコゲームス)がアーケードで発売した疑似3Dシューティングゲーム。メガドライブは回転、拡大、縮小機能未搭載のため、オリジナル版に比べてスケールダウンはしているものの、ライフ制の導入や無敵アイテムの追加など、コンシューマ用にローカライズし、可能な限り忠実な移植をしようと試みているのが分かる。サウンドは『リッジレーサーV』などの川元義徳氏が作曲しており、特に1面の「Bay Yard」は疾走感溢れる名曲で、『太鼓の達人』では「バーニングフォースメドレー」として、1面、2面、4面のサウンドがアレンジされ使用されている。


【ゲームシステム】
 疑似3Dのシューティングゲーム。十字キーの上を押すと加速、下を押せば減速する。通常弾はAボタン、ミサイルはBボタンと操作性は至ってシンプルである。無敵アイテムを5つ集めてCボタンを押すと、一定時間無敵となる。敵は後方からも迫ってくるため、画面右上のバックセンサーで確認する。試験は6日間で、「午前の部」と「午後の部」に分かれている。全6ステージ。


【総評】
 午前の部では横にしか移動できない「エアバイク」、「午後の部」ではボス戦を前に上下左右に動ける「エアプレーン」に乗ってプレイする(6面はエアプレーンのみ搭乗)。このため、午前の部では移動範囲が限定されているため、『スペースハリアー』(セガ・エンタープライゼス)の様に「逃げながら攻撃する」事ができない。ステージが進むに連れ、かわすのに理不尽さを感じる敵(岩柱がゴロゴロ崩れてきたり)もいるにはいるが、こちらも逆に同一線上にいる左右の敵攻撃のみに集中すればいいため、僕の様なジジイゲーマーには比較的やりやすい。

 一方、午後の部のボス戦手前では、ドック艦にはいり、エアバイクの上からスポンと飛行機みたいなパーツを被せられ、エアプレーンとして上下左右に敵味方動くため、よくあるタイプの3D視点シューティングとなり、僕の様な尻ばかり見ているジジイゲーマーには比較的いやーんである。

 ちなみに、主人公の名称は取扱説明書には「ひろみ」としか明記されていないが、フルネームは「天現寺ひろみ」であり、エアバイクには「SIGN DUCK(サインダック)10-B」という名称が付いている。この辺りはプレイステーション2用ソフト『ナムコクロスカプコン』での登場でも明らかになっている。また、本作もナムコのUGSFシリーズに組み込まれている。



 ゲームとしては特に問題もなく、コンフィグモードで「EASY」を選べば、初心者でも3面辺りまでは進めると思う。いわゆる「初見泣かし」もあるにはあるが、トライアンドエラーが報われるゲームバランスだ。秀逸なのは、やはり前述した様にSFの疾走感溢れるサウンドだろう。当然サウンド・トラックも発売されたが、名曲「Bay Yard」にいきなり激しいSEを重ねる残念バカ仕様だったので、とっとと売ってしまった。最もイメージに近いアレンジは、『ナムコクロスカプコン』なんだよなー。


 なんか文句で終わるのも如何なもんだと思いますんで(そもそも文句はサントラにだ)、初心者から上級者まで楽しめる無難だけどナムコらしいサウンドのバランスの取れたゲームだと思いますよ。僕は好きだなー。このメガドライブ版以外だと、コンシューマで遊ぶには09年のWiiまで待つ事になり、現在はハムスターからプレイステーション4及びニンテンドーSwitchで発売されているが、全てがダウンロード専売であり、「物理的」な『バーニングフォース』はコンシューマ機ではこのメガドライブ版のみなので、メガドライバーは必携である。


(C)1989 1990 NAMCO LTD.,ALL RIGHTS RESERVED

2026/04/15

ドラゴンセイバー

 




【発売】ナムコ
【開発】ナムコ
【発売日】1990年12月13日
【媒体】アーケード
【容量】Namco SYSTEM 2
【ジャンル】シューティング




前作同様の秀逸なサウンドのロマンシング・シューティング


【ストーリー】
 遥か彼方の世界。人々は利己主義により戦争や環境破壊などの愚かな歴史を繰り返してきた。それにより世界の何処かで超進化した異次元の生命体が数多く産み出され、世界は瞬く間にその生命体に支配されていった。一方、その頃、かつて「聖龍ブルードラゴン」と共に魔王ザウエルを封じ込めた「太陽神アーリア」は、「ヒューイ」と「シリア」という勇敢なる2人の若者に「龍の力」を得られる聖剣を与え、諸悪の根源の討伐を託した。2人は巨龍に変身し戦いの旅に出たのであった。


【概要】
 87年にナムコ(現バンダイナムコエンターテインメント)から発売されたシューティングゲーム『ドラゴンスピリット』の続編。約3年後に発売されたが、ストーリー的には「太陽神アーリア」以外、関連性は薄い。タイトルは「竜(Dragon)の力を与える剣(Saber)+ 救世主 (Savior)」に由来する。前作は1人プレイ専用だったが、今作は2人同時プレイが可能となった。
 本項では『ナムコミュージアムアンコール』収録作品として、収録されたオリジナル版(アーケード版)について記述する。


【ゲームシステム】
 トップビュー形式のパワーアップ型縦スクロールシューティングゲーム。自機のブルードラゴン&レッドドラゴンは8方向に操作でき、対空対地で敵を撃ち分けながらステージを進んで行く。ライフ制で、地上にある卵を割るとパワーアップ。青い卵は最初は1本だったブルードラゴンの首を最大3本まで増やす事ができる。赤い卵はパワーアップアイテムが出る。全9エリア。尚、『ナムコミュージアムアンコール』収録版では、タイトル画面で〇ボタンと×ボタンを押しながらスタートすると、前作のサウンドのアレンジ版でプレイできる。


【総評】
 まずは前作より更にパワーアップした細江慎治氏(現スーパースィープ代表取締役)の音楽だ。高揚感と爽やかさ溢れる魅力的な名曲揃いのサウンドは今回も健在であり、更に前作の「Namco System 1」基板から「Namco System 2」基板に容量が増えたため、前述通り、前作のサウンドのアレンジ版を聴く事ができる豪華仕様だ。これまたもはやサウンドを聴くためにプレイしていると言ってもいい。僕が。



 難易度は前作に比べ、エリア1から比較的高い。序盤は対地攻撃を無視して対空攻撃と放たれる敵の弾に集中すればある程度はなんとかなるが、対地攻撃もエリア1の終盤からは激しくなり、ある程度ではなんともならん展開となる。僕には。もちろん、首が3本になったフルパワーアップ状態だと、敵の弾への「当たり判定」も大きくなる。痛し痒しな感じ。

   

 それでも、下手の横好きなもんで、好きなんだよなー。『ドラゴンスピリット』の正統派続編として秀逸なサウンドと独特の世界観。「無理やろー!」と思わせながら何度も挑戦させる魅力が詰まったロマンシング・シューティングゲーム。名作だけあって、最初に移植されたPCエンジン版から現在まで各種移植&ダウンロードで気軽に遊べる、現在でも通用する作品だ。やれ。そして、聴け。




Music
『ナムコゲームサウンドエクスプレスVOL.4 ドラゴンセイバー』










【作曲】細江慎治
【編曲】細江慎治、米光亮
【演奏】ナムコグランドオーケストラ
【発売】ビクター音楽産業
【発売日】1991年3月21日
【定価】3,000円
【収録時間】約102分

 ビクター音楽産業(現ビクターエンタテインメント)からリリースされた『ナムコゲームサウンドエクスプレス』は、アーケード稼働から比較的早い時期にリリースされたオリジナル・サウンドトラックシリーズで、価格は基本的に1,500円。この『ドラゴンセイバー』はシリーズ唯一の2枚組で(なので定価も倍)、1枚目は『ドラゴンセイバー』、2枚目は前述した「Namco System 2」版『ドラゴンスピリット』が収録されている。単なる基板からの録音ではなく、音源自体の出力に最も近い部分からFM、サンプリングとバラバラに録音して調整してあるため、音質は非常によい。生音に限りなく近いので、ぜひ聴いていこう!

【収録曲】
■DISC 1  DRAGON SABER SIDE
01.ストーリー・オブ・ドラゴンセイバー
02.COIN
03.オープニング ヴィジュアル
04.水没都市
05.親玉A
06.火山
07.親玉B
08.化石
09.エイリアンキング
10.地じん
11.渓谷
12.コンティニュー
13.ネームランキングA
14.氷穴
15.魔界
16.ドラゴンゾンビ
17.暗黒
18.ウルティマ
19.カオス
20.エンディング
21.ネームランキングB

■DISC 2  DRAGON SPIRIT II SIDE
01.COIN
02.海上(未使用)
03.ROUND 1
04.ROUND 2
05.ROUND 3
06.ROUND 4
07.ROUND 5
08.ROUND 6
09.ENDING
10.裏ネームランキング
11.水没都市(アレンジ・バージョン)
12.火山(アレンジ・バージョン)
13.氷穴(アレンジ・バージョン)


Produced by NAMCO LTD. (C)1990 1997 NAMCO LTD.,ALL RIGHTS RESERVED

2022/09/25

探偵神宮寺三郎 時の過ぎゆくままに



【発売】データイースト
【開発】データイースト
【発売日】1990年9月28日
【定価】4,200円
【媒体】ファミコン用カートリッジ
【容量】1M+64KRAM
【ジャンル】アドベンチャー



ハードの限界を逆手に取った心温まる秀作


【ストーリー】 
 ある夏の日、新宿中央公園で1匹の犬を見かけた神宮寺は、昔の記憶を思い出す。付き合いの長い熊野警部が、半ば無理矢理に預けてきた元警察犬の「ズタ」と、頼れるアシスタント・洋子が歌舞伎町で見つけた迷子の少年「健一」。時の流れは記憶をセピア色に変えたものの、少年と犬が残してくれた思い出は未だ変わらない…。

 新宿中央公園で偶然出会った熊野警部に、神宮寺は1年前に解決したある事件について語り始める…。


【概要】
 データイーストのハードボイルドアドベンチャーゲーム『探偵神宮寺三郎』シリーズ第4作。本作では、主人公「神宮寺三郎」と助手の「御苑洋子」がベテラン刑事の「熊野参造」に、1年前に起きた事件を話すという形で、現在の場面ではカラー、回想中の場面ではセピア色の画面で物語が進行する。当初、『神宮寺三郎』シリーズは本作で終了する予定だったため、シリーズ集大成的な高い完成度となっている。
 本項では『探偵神宮寺三郎 アーリーコレクション』収録作品として、収録されたオリジナル版(ファミコン版)について記述する。


【ゲームシステム】
 新宿で探偵を営む神宮寺三郎を主人公にしたオーソドックスなコマンド選択式アドベンチャーゲーム。捜査に行き詰った際はシリーズ恒例「タバコ吸う」コマンドでヒントを得られる。関東明治組の大親分「風林豪造」を介して「細川信子」の絵画捜索依頼を受ける神宮寺。一方、洋子は迷子の「佐田健一」の母親を探す。神宮寺と洋子、それぞれの捜査が交錯する形式は、後のシリーズに搭載されるザッピングシステムの礎になっている。


【総評】
 それは、殺人もなければ密輸もない、どこの家に起こってもさして珍しくない家庭内の微妙なわだかまりや家族間の人間関係。そして、小さな体には重過ぎる病を抱えた少年と老犬の物語。過去のシリーズの様な大きな事件ではないが、家族間の問題だからこそ、自分の保身ではなく、家族を想っての偽証であったりするところが、利害関係による人間同士の繋がりよりも厄介な部分だ。「嘘をつかない人間はいない」。こうした登場人物達の心情を丁寧に描いており、それが物語に奥深さを与えている。



 当ブログで何度も書いている様に、コマンド選択式アドベンチャーゲームは、他の作品と差別化を図るのがなかなか難しく、各メーカー様々な工夫をしていたが、本作では「過去の事件を語る」という設定で、神宮寺と洋子、2人の異なる視点を違和感なく1つの物語にまとめている。また、ファミコンの同時発色数の少なさを逆手に取り、ゲーム進行の9割方がセピア色のみという大胆な手法も、これまた見事に違和感なく受け入れられる。唯一の難点は、「タバコ吸う」コマンドが今回はあまり役に立たない事くらいだ。無関係と思われた2つの事件が1つの真実に収束するクライマックスでは、シリーズ1作目『探偵神宮寺三郎 新宿中央公園殺人事件』のオープニング曲をアレンジしたBGMとの相乗効果で非常に盛り上がる。

 

 これまでのシリーズがあったからこそ、ショッキングな事件の起こらないこういった「小さな物語」が逆に光り、これこそが神宮寺や洋子の根幹を成す「探偵業」なのだと思う。前述した様に、本作を最後にシリーズはしばらく途絶えるが、6年後にシリーズ第5作『探偵神宮寺三郎 未完のルポ』で復活し、現在も多くの続編が作られている。事件としては地味ながら、本作がファミコン時代の集大成であり、1度はこれを以てシリーズが終わっていたかもしれないと考えると、最高のエンディングと併せ、実に「神宮寺らしい」人情味に溢れた秀作であると言えよう。


(C)1990 1999 DATA EAST CORP. 

2016/05/31

ダライアスII

 
【発売】タイトー
【開発】ナツメ
【発売日】1990年12月20日
【定価】8,900円
【媒体】メガドライブ用カートリッジ
【容量】8M
【ジャンル】シューティング




単なるダウングレード移植ではないメガドラ版の熱意


【ストーリー】
 かつて高度な文明を誇ったダライアス星は滅びてしまった。プロコとティアットの2人はダライアス星を脱出し、新天地を求めて惑星オルガで新世界を築いた。数千年後、プロコとティアットの子孫は、銀河系から発信される怪電波をキャッチ。その怪電波は、祖先の暮らしていたダライアス星からのSOSだった。怪電波の正体を突き止めた彼らは、強力に改造された「シルバーホーク」に乗り込み、銀河系へ向かって出発。ダライアス星人の危機を救うため、銀河系の惑星上で、宇宙空間でと、厳しい戦いを続けていく。シルバーホークに乗り込んだキミは、この救出隊のメンバー。さあ、いよいよ戦闘開始!


【概要】
 オリジナル版は89年にタイトーがアーケードで発売した横スクロールシューティングゲームで、『ダライアス』シリーズの2作目。アーケード版では2画面のモニターを連結した専用筐体と、前作『ダライアス』の3画面連結筐体を流用したバージョンが存在する。メガドライブへの移植はナツメ(現ナツメアタリ)が担当。海洋生物をモデルにした敵キャラクター、1ラウンドクリアするごとに分岐するステージ構成などの特徴はそのままに、画面の上下に黒帯を入れて「擬似ワイド画面」となる様に工夫されている。


【ゲームシステム】
 パワーアップ型横スクロールシューティングゲーム。オリジナル版では2人同時プレイが可能だったが、本作は1人プレイ専用に変更され、自機が「シルバーホーク赤(プロコJr.)と「シルバーホーク青(ティアットヤング)」の選択式となった。シルバーホーク青は初期状態で各武装が1段階パワーアップされたビギナー向けの機体になっている。各武装は特定の敵を全滅させると出現するパワーアップユニットを取る事で攻撃力がアップ。ステージ構成は全7ラウンド28ゾーン。ラウンドクリア後の分岐画面で次に進むゾーンを選択する。各ゾーンの最後にはボスが待ち構えており、進んだゾーンによって結末が異なるマルチエンディング。


【総評】
 88年から90年にアーケードで発売されたシューティングゲームには、後に「名作」と呼ばれる作品が多い。コナミ(現コナミデジタルエンタテインメント)の『グラディウスIII-神話から伝説へ-』、『XEXEX』、アイレム(現アイレムソフトウェアエンジニアリング)の『イメージファイト』や『R-TYPEII』、セイブ開発の『雷電』(発売はテクモ)などなど。「シューティングの雄」タイトーも主に東亜プランが手がける『TATSUJIN』、『ヘルファイヤー』、『大旋風』などを積極的にリリースしている。一見すると豊作期に思えるが、結果的にはこれら名作が91年以降のアーケードゲームシーンで格闘ゲームに王座を奪われた遠因ともなった。いや、実際はどうか分かんないすけど←テキトー。

 アーケードゲームの基本命題は、ジャンルに関わらず「ユーザーにいかに金を使わせるか」という点にある。それまでにも高難易度をよしとするシューティングゲームはいくつもあったが、88年からの3年間は主だったシューティングゲームのほとんどが適正難易度を遥かに超えた「凶悪」と言っていいほどの高難易度となり、やがては一部のマニア向けジャンルになってしまったのだ(後にいわゆる「弾幕系」と呼ばれるゲームも登場するが、それはまた別の機会に)。この『ダライアスII』も名作が故にその凶悪な難易度に拍車をかけたゲームのひとつだった。

 家庭用ゲーム機への移植に際し、メディアがCD-ROMになって以降は「オリジナルと寸分違わぬ移植こそ正義」という風潮だが、制約の多いカートリッジの時代ではダウングレードが当たり前だったため、オリジナル要素の取捨選択センスと技術力が求められた。ハーフミラーを連結した筐体は物理的に不可能だが、移植を担当したナツメは、各キャラクターが小さくなってしまう代償を払っても、画面をシネスコサイズに近い形にしてオリジナル版のワイド感を表現した。一方で、ゾーンKとMのボス「ヤマト」は、オリジナル版に近い迫力を再現。このために当初予定の6メガから8メガに容量が増やされたとも言われている。

 インパクトのある筐体や敵キャラクターのビジュアルと並び、BGMもまた『ダライアスII』の大きな特徴のひとつだ。およそシューティングゲームに似つかわしくない曲の数々と、強制スクロールというシューティングゲームの特徴を活かしたBGMによるステージ演出は、これまた強烈な個性としてファンが多い。例えば、最終ステージでは中ボス戦まで一切の効果音がなく、切なく美しいメロディーが流れ、曲調が変わると同時に効果音が復活なんつーイカした演出はプレイしていて鳥肌が立つほど。ファンの間ではこのメガドライブ版のサウンドも評価が高い。本作のBGMは、後に『グランディア』(ゲームアーツ)のBGMや東京ディズニーリゾートのパレード曲を手がけた岩垂徳行氏が、1曲できる度にオリジナル版を作曲した「ZUNTATA」の小倉久佳氏の元に通って作り上げたそうだ。

 取捨選択によるワイド感の再現と、代償となったキャラクターの縮小化。それを補うべく意地とも言えるヤマトの再現。オリジナル版と移植版のコンポーザー同士による熱意のBGM。効果的な画面演出はそのままに、家庭用ゲーム機ならではの難易度選択を追加して(イージーが適正難易度だと思う)幅広いユーザーが楽しめる仕様にするなど、単なるダウングレード移植ではないメガドライブ版としての『ダライアスII』は、『スペースインベーダー』の開発者である西角友宏氏(現ドリームス会長)がプロデューサーに名を連ねる、現在も脈々と受け継がれるタイトーのシューティング魂と、デベロッパーとしてのナツメの技術とセンスが宿った名作と言っていいだろう。



(C)TAITO CORPORATION 1990 ALL RIGHTS RESERVED.

2015/09/06

イメージファイト

【発売】アイレム
【開発】アイレム
【発売日】1990年3月16日
【定価】6,500円
【媒体】ファミコン用カートリッジ
【容量】2M+64KRAM
【ジャンル】シューティング




心が折れる高難易度シューティング


【ストーリー】 
 20XX年、東西陣営の軍拡競争が続く中、突如として月にある西側の月面基地が大爆発を起こす。月が4つの大きな破片と無数のアステロイドと化し、混乱する人類に正体不明の敵が突如として襲いかかる。軌道上にある施設が次々と破壊されていく中、偵察衛星がかつての月面基地のマザーコンピューターに植物の様な物が寄生している姿に気付く。事態を重く見た西側諸国は、最新鋭戦闘機「OF-1 ダイダロス」を用意。戦闘訓練をクリアした者達が次々に実戦へと出撃していくのであった…。



【概要】
 オリジナル版は88年にアイレム(現アイレムソフトウェアエンジニアリング)がアーケードで発売した縦スクロールシューティングゲーム。「訓練編」5ステージ+「実戦編」3ステージの全8ステージ。訓練編では各ステージクリアごとに成績(総合敵機撃破率)が表示され、ステージ5クリア時点で90%以上の成績を挙げなければ実戦編に進む事ができず、「補習ステージ」へと回される。『R-TYPE』の開発チームによる高い難易度と緻密なステージ構成にコアなファンも多い。オリジナル版やPCエンジン版に比べると難易度が低いとされる本作だが、それでも他のファミコン用シューティングゲームと比較すればかなり高い。


【ゲームシステム】
 縦スクロールシューティングゲームの中では珍しく地形障害物が多く、敵の耐久度も高い。自機は4段階のスピード切り替えが可能で、地形や敵の攻撃に合わせて切り替える。7種類あるパワーアップパーツは、どれかひとつを装備していると別のパーツが取れないため、状況に応じて意図的にパーツへ被弾し、別のパーツを取って自ら入れ替える必要がある。また、自機の操作と反対方向を向いて攻撃する「ポッド」を射出しての遠隔攻撃に頼る場面も多いため、プレイヤーには高度な操作が要求される。前述した様に、ステージ5までは「シミュレーター上での擬似戦闘訓練」という設定なので、敵機撃破率が低いとステージ6へは進めない。


【総評】
 本作を一言で語るとすれば、とにかくその難易度の高さに尽きる。ポッドの射出やスピード切り替え時のバックファイアによる後方攻撃など、高度な操作方法をマスターしつつ、地形障害物や敵機の攻撃&攻略パターンを死んで覚えていく「覚えゲー」だ。また、1ショット1発制なので、プレイヤーの連射力=体力&気力&集中力が求められる。特に「補習」とは名ばかりの補習ステージの難易度の高さは本編以上で、手っ取り早く心を折りたい人にはもってこいだ。本作は2周しないと真のエンディングは見られないが、一説によるとオリジナル版の2周目補習ステージをノーミスでクリアした人間は存在しないとかなんとか…。

 オリジナル版は80年代後半を代表するシューティングゲームのひとつだが、このファミコン版に関しては、グラフィックは全体的にのっぺりしており、BGMもペラペラで軽くなった残念仕様の見た目になってしまった。そもそもがこの時期のアーケードゲームをファミコンに移植するのが無茶だし…。4ヶ月後に発売されたPCエンジン版の移植度が高かっただけに、よりいっそう見劣りしてしまうが、中身はしっかり『イメージファイト』だ。ただ漠然とプレイしていても到底クリアはできないが、何度もプレイする事で少しづつ先へ進める正しい硬派なシューティングゲームになっている。とは言え、先へ進めるにも限度があるこの難易度、ヘッポコゲーマーな僕には到底クリアは不可能でした。先日も友達と3時間かけてなんとか最終ステージまで辿り着いたが、その最終ステージだけで2時間費やしてもクリアできず(ノーマル状態からの立て直しが絶望的なのだ)、2人の心はバキバキに折られて諦めた。簡単なシューティングゲームなんてやる気も起きないが、それにしたって難し過ぎるぜコノヤロー!

 個人的にはPCエンジン版を勧めたいが、ファミコン版の方がプレイ環境が整っている人も多いだろうし、カセットのみなら200円前後で入手できるため、片手でサクっとヌルいゲームで遊ぶ昨今のスタイルに辟易してるゲーマーは、その難易度の高さ(しつこい様だがファミコン版はこれでも易しい)の一端を経験し、心を折られてみるのも悪くないと思う←なんじゃそりゃ。



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2015/05/01

西村京太郎ミステリー スーパーエクスプレス殺人事件

【発売】アイレム
【開発】タムテックス
【発売日】1990年3月2日
【定価】6,500円
【媒体】ファミコン用カートリッジ
【容量】2M
【ジャンル】アドベンチャー




亀井刑事ふたたび


【ストーリー】
 23時49分新大阪駅着の「ひかり323号」ツイン個室内で女性の絞殺死体が発見された。被害者は東京のファッションメーカー「シラノ」の女社長「野上君子」。たまたま大阪府警に居合わせた警視庁捜査一課の亀井刑事は現場へ急行、捜査を進める事になった。

 乗務員、食堂車のウエイトレスなどからの事情聴取の結果、野上君子が殺されたのは、名古屋から新大阪までの間。容疑者を同乗の夫「野上豊」と断定した。ところが翌日、野上豊が大阪府警に出頭、犯行を否定した。アリバイも成立する。そして、野上君子周辺の捜査が進むうち、大手の男性ファッションメーカー「ナイト」が「シラノ」を吸収しようと考えている事が分かってきた。君子を殺す動機のある者は…亀井刑事の脳裡に嫌な予感が走った。

 これより捜査は核心に入る。


【概要】
 原作にミステリー作家の西村京太郎氏を起用したアイレム(現アイレムソフトウェアエンジニアリング)の『十津川警部シリーズ』第2弾。前作の『西村京太郎ミステリー ブルートレイン殺人事件』では「十津川省三」、「亀井定雄」、「西本明」の3刑事をザッピングしながら捜査を進めたが、今作では亀井刑事のみを操作する。


【ゲームシステム】
 前作でのザッピングシステムが廃止され、指紋照合も1度しか登場しないオーソドックスなスタイルになったが、ストーリーは前作以上のボリュームとなり、グラフィックも描き込まれている。「メモをとる」に加えて都度都度で十津川警部に報告する場面もあり、事件を整理してストーリーの把握がよりしやすくなっている。峰竜太みたいな顔した西本刑事は捜査の枝葉の部分でのサポート役として登場。ゲームオーバーもないので、前作同様に安心して遊べるアドベンチャーゲームだ。



【総評】
 コマンド選択式アドベンチャーゲームが廃れた理由のひとつは、ともすればコマンド総当りでただボタンを押してホケーっとしていてもクリアできてしまう受身のシステムが原因だったが(これをよしとして後にひとつのジャンルを築いたのが「デジタルコミック」ですな)、前作の特徴だったザッピングを廃した今作もそのきらいがある。ホケーっとしていても捜査が進むので、この手のゲームは普段からホケーっとしている僕みたいな人間にいかに積極的な姿勢を取らせるかがクリアまで飽きさせないカギとなる。今作では終盤にモンタージュ写真を作る場面があるが、それだけではちと弱い感じ。

 ザッピングを廃した理由はおそらくストーリーだろう。前作では別々の事件が繋がるその経緯をプレイヤーに体験させるために必要だったが、今作の事件は基本的に終始一貫しているため、わざわざザッピングする必要がないからだ。無理に前作のシステムに当て込むより、無難なスタイルになってもストーリーを楽しませる事を優先したのかもしれない。また、前作ではパスワードを表示させるとそのままゲーム終了だったが、今作では表示後も捜査を続行できる。ここ、細かい部分だけど大事。無難にはなったものの、正統進化した今作もやはり2時間ドラマを見る感覚で気楽に遊ぶのがいい。

 どうでもいいけど、パッケージのイラストがテキトー過ぎるぜ。キンキンとはまるでかけ離れた亀さんどうしてこうなった。横向いてる女は最初の被害者「野上君子」だろうけど、奥のおっさんは…誰?あと、前作で怒られたのか、今回は歪んだお色気シーンはありませんっていうか、女性の大きなグラフィックが表示されるのは故人か死体かのどちらかしかないので極端だよアイレム!



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