【発売】アイレム
【開発】アイレム
【発売日】1990年3月16日
【定価】6,500円
【媒体】ファミコン用カートリッジ
【容量】2M+64KRAM
【定価】6,500円
【媒体】ファミコン用カートリッジ
【容量】2M+64KRAM
【ジャンル】シューティング
心が折れる高難易度シューティング
【ストーリー】
20XX年、東西陣営の軍拡競争が続く中、突如として月にある西側の月面基地が大爆発を起こす。月が4つの大きな破片と無数のアステロイドと化し、混乱する人類に正体不明の敵が突如として襲いかかる。軌道上にある施設が次々と破壊されていく中、偵察衛星がかつての月面基地のマザーコンピューターに植物の様な物が寄生している姿に気付く。事態を重く見た西側諸国は、最新鋭戦闘機「OF-1 ダイダロス」を用意。戦闘訓練をクリアした者達が次々に実戦へと出撃していくのであった…。
【概要】
オリジナル版は88年にアイレム(現アイレムソフトウェアエンジニアリング)がアーケードで発売した縦スクロールシューティングゲーム。「訓練編」5ステージ+「実戦編」3ステージの全8ステージ。訓練編では各ステージクリアごとに成績(総合敵機撃破率)が表示され、ステージ5クリア時点で90%以上の成績を挙げなければ実戦編に進む事ができず、「補習ステージ」へと回される。『R-TYPE』の開発チームによる高い難易度と緻密なステージ構成にコアなファンも多い。オリジナル版やPCエンジン版に比べると難易度が低いとされる本作だが、それでも他のファミコン用シューティングゲームと比較すればかなり高い。
【ゲームシステム】
縦スクロールシューティングゲームの中では珍しく地形障害物が多く、敵の耐久度も高い。自機は4段階のスピード切り替えが可能で、地形や敵の攻撃に合わせて切り替える。7種類あるパワーアップパーツは、どれかひとつを装備していると別のパーツが取れないため、状況に応じて意図的にパーツへ被弾し、別のパーツを取って自ら入れ替える必要がある。また、自機の操作と反対方向を向いて攻撃する「ポッド」を射出しての遠隔攻撃に頼る場面も多いため、プレイヤーには高度な操作が要求される。前述した様に、ステージ5までは「シミュレーター上での擬似戦闘訓練」という設定なので、敵機撃破率が低いとステージ6へは進めない。
【総評】
本作を一言で語るとすれば、とにかくその難易度の高さに尽きる。ポッドの射出やスピード切り替え時のバックファイアによる後方攻撃など、高度な操作方法をマスターしつつ、地形障害物や敵機の攻撃&攻略パターンを死んで覚えていく「覚えゲー」だ。また、1ショット1発制なので、プレイヤーの連射力=体力&気力&集中力が求められる。特に「補習」とは名ばかりの補習ステージの難易度の高さは本編以上で、手っ取り早く心を折りたい人にはもってこいだ。本作は2周しないと真のエンディングは見られないが、一説によるとオリジナル版の2周目補習ステージをノーミスでクリアした人間は存在しないとかなんとか…。
オリジナル版は80年代後半を代表するシューティングゲームのひとつだが、このファミコン版に関しては、グラフィックは全体的にのっぺりしており、BGMもペラペラで軽くなった残念仕様の見た目になってしまった。そもそもがこの時期のアーケードゲームをファミコンに移植するのが無茶だし…。4ヶ月後に発売されたPCエンジン版の移植度が高かっただけに、よりいっそう見劣りしてしまうが、中身はしっかり『イメージファイト』だ。ただ漠然とプレイしていても到底クリアはできないが、何度もプレイする事で少しづつ先へ進める正しい硬派なシューティングゲームになっている。とは言え、先へ進めるにも限度があるこの難易度、ヘッポコゲーマーな僕には到底クリアは不可能でした。先日も友達と3時間かけてなんとか最終ステージまで辿り着いたが、その最終ステージだけで2時間費やしてもクリアできず(ノーマル状態からの立て直しが絶望的なのだ)、2人の心はバキバキに折られて諦めた。簡単なシューティングゲームなんてやる気も起きないが、それにしたって難し過ぎるぜコノヤロー!
個人的にはPCエンジン版を勧めたいが、ファミコンの方がプレイ環境が整っている人も多いだろうし、カセットのみなら200円前後で入手できるため、片手でサクっとヌルいゲームで遊ぶ昨今のスタイルに辟易してるゲーマーは、その難易度の高さ(しつこい様だがファミコン版はこれでも易しい)の一端を経験し、心を折られてみるのも悪くないと思う。
(C)1989 IREM CORP.
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