2021/09/21

シティコネクション

 



【発売】ジャレコ
【開発】トーセ
【発売日】1985年9月27日
【定価】4,500円
【媒体】ファミコン用カートリッジ
【容量】256Kbit
【ジャンル】アクション




80年代のポップさが詰まった惜しい作品


【ストーリー】
 カリフォルニア生まれのスピード狂少女・クラリスが、世界中のハイウェイを走り回って各国はもう大騒ぎ!!追いかけまくるパトカー達もなんのその。オイルをぶつけてスピンさせ、体当りで跳ね飛ばしちゃう。6ヶ国の美しい背景を舞台に繰り広げられるクラリスカーとパトカーのハチャメチャパニックカーチェイス!!


【概要】
 オリジナル版は85年にジャレコがアーケードで発売したアクションゲーム。同年にはファミコンに移植された。ファミコンでは初の女性が主人公のゲーム。パッケージイラストやゲームのモデルとなった車はホンダ・シティ初代AA型ターボIIに見えるが、ゲーム内では「ジャンプ機能を備えたツインターボエンジン搭載の4WDSのミッドシップ車」とされ、タイトルにかかる「シティ」は、あくまでもゲーム内での各国の都市を意味する。でも、ホンダ・シティだよなー。


【ゲームシステム】
 サイドビュー形式のアクションゲーム。「クラリスカー」はパトカーに追われながらアメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、インド、日本の世界6ヶ国のハイウェイを走破するのが目的。路面にあるパターンはクラリスカーが通過すると塗り潰され、全ての路面を通過すると1ステージクリア。全6ステージ。パトカーは道に落ちているオイル缶を投げ付け体当たりする事で倒せるが、ランダムに現れる「オジャマ猫」を轢き殺すとアウト。また、時折路面から生えてくる鉄製の「タケノコ」に激突してもミスとなる。


【総評】
 パッケージイラストとステージ1の摩天楼のグラフィックが80年代のポップさとオシャレ感をよく醸し出している。BGMはピョートル・チャイコフスキーの「ピアノ協奏曲第1番変ロ短調第1楽章」だが、当時よくあった著作権切れのクラシック音楽を単に鳴らすのではなく、
各ステージごとにアレンジされている部分も好感が持てる。一大ブームとなったホンダ・シティも絡め、見た目からは当時のジャレコなりのオシャレ感が伝わってくる。敵のパトカーも各国ごとに種類が異なり、クラリスカーのグラフィックパターンも多く、車へのこだわりも見える。

 ハイウェイのパターン(マス目)を走り、塗り潰していくアイデアも悪くない。が、数段に分かれているハイウェイに行くには十字キーの上ボタンを押しながらAボタンで大ジャンプをするこの操作性が最悪と言っていい。大ジャンプをするにはある程度の飛距離が必要だが、少しでも飛距離が足りないと、上段のハイウェイに天井をこすって失敗する。また、大ジャンプが成功しても、ハイウェイ先端のマス目を飛び越えるため、ここを埋めるためには先端ギリギリで車体を左右に上手く操作してやる必要がある。クラリスカーにはブレーキがなく常に走り続けているため、この操作がこれまた難しい。

 そして、なんと言ってもオジャマ猫の存在だ。出現場所はランダムで、画面をスクロールさせると消える場合もあるが、大ジャンプしたその先にまるで死を待ち望んでいたかの様に立っていたり、クラリスカーを挟む様に2匹で現れたりと、どうにも避けようのない場合が多い。轢くと「猫踏んじゃった」が流れてお空に飛んで逝くが、そんなに死に急ぎたいのかー>ネコチャン。コンセプトも明確で操作も単純明快ながら、詰めの甘さがジャレコらしいと言えばそうだが、そこをあと少し詰めていれば「良作」になっていたかもしれない惜しさを感じてしまう。

 尚、14年に倒産したジャレコ作品の知的財産権は12年にハムスターが獲得するが、その後、本作の名を冠した株式会社シティコネクションに渡り、リメイクや関連商品の展開など、新たな活動をこれまた本作の主人公のクラリスにちなんで、「クラリスレコード」名義で他社へジャレコ作品のゲームライセンスの貸与などをしている。発売当時はMSXなどで、現在では各ハードのダウンロード版などで気軽にプレイできる他、オリジナルのアーケード版はプレイステーション4及びNintendo Switchでダウンロード販売(共に発売はハムスター)されている。

 どーでもいい話だが、僕は10年ほど4代目ホンダ・シティ(日本名は「ホンダ・フィット・アリア)に乗っていたのでした。セダンだけどステアリングに半ミッションへ変換される「スポーツモード」が搭載されてたりといい車だったなー。もう売っちゃったけどっつーか、本当にどーでもいい話だな。



(C)1985 JALECO LTD.

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