2019/03/28

スターフォース


【発売】ハドソン
【開発】ハドソン
【発売日】1985年6月25日
【定価】4,900円
【媒体】ファミコン用カートリッジ
【容量】128Kbit
【ジャンル】シューティング




ゲームは1日1、2時間!


【ストーリー】
 暗黒の宇宙を、殺戮と略奪を繰り返しながら進む、浮遊大陸ゴーデス。キミの使命は、「ファイナルスター」に乗り込み、ゴーデスを破壊する事にある。


【概要】
 オリジナル版は84年にテーカン(現コーエーテクモゲームス)がアーケードで発売したシューティングゲームで、83年に同社が発売したものの返品の嵐となった『センジョウ』の基盤を流用して半年で開発された。本作はそれを85年にハドソン(現コナミデジタルエンタテインメント)がファミコン用ソフトとして移植した。ハドソンの第1回全国キャラバン用ソフト。


【ゲームシステム】
 自機「ファイナルスター」で敵の「ゴーデス」を倒すトップビュー形式のシューティングゲーム。敵には地上物と空中物が存在するが、対地対空で撃ち分ける必要はなく、同一のショットで倒せるシンプル操作。捕虜護送艦「カルデロン」に捕らわれている友軍機「パーサー」を救出して合体すると、連射が可能となる。ザコキャラを一定数倒すとボス戦になるが、ボスはユラユラと画面下部に移動するため、逃亡前に撃破すればステージクリア、逃げられた場合は、再び一定数のザコキャラを倒してボスの登場を待つ事になる。全24ステージで、以降はループ。


【総評】
 多聞に『ゼビウス』(ナムコ)を意識して開発されているが、宇宙空間に漂う謎の浮遊大陸や隠し要素など、『ゼビウス』の持つ奥深さを取り込みつつも、対地対空の撃ち分けではなく、同一ショットでどちらも破壊できるシンプルさ、敵を撃破した際の効果音、ボーナス得点を含むスコアの競い合いなど、シューティングゲームとしての爽快感は本作の方が上かもしんない。また、敵のアルゴリズムも『ゼビウス』に比べ、より明確になっており、ちょーすげー速さで突っ込んで来る敵や、ちょーすげー勢いで突っ込んで来る敵、なまらはええ敵など、まずはザコキャラの動きを覚えるのがハイスコアへの第一歩となる。

 前述した様に、オリジナル版はテーカンだが、ファミコンへ移植したハドソンは、本作のハイスコアをプレイヤーに競わせる全国キャラバンを展開し、大好評を得た。ここでゲームの「指南役」として登場したのが、ハドソン宣伝部に所属していた高橋利幸氏(現一般社団法人e-sports促進機構代表理事)であり、小学館との共同イベント「コロコロまんがまつり・スターフォース発売前ファミコン大会」で「高橋名人」としてデビュー。そして、本作で必殺の「16連射」を披露するや、たちまち全国のチビッ子達のハートを鷲掴みにし、ゲーム化、マンガ化、アニメ化、映画化(毛利名人と戦うんだーぜー)、CDデビューなど、一躍人気を博す。「ゲームは1日1時間」という名言も有名ですな。

 高橋名人効果もあって大成功を収めた第1回全国キャラバン。そこで、ハドソンは翌年の第2回大会用ソフトとして、続編となる『スーパースターフォース』の開発に入るが、86年に『マイティボンジャック』でファミコンのサードパーティに参入したテーカンが同名タイトル『スーパースターフォース 時空暦の秘密』を開発中だったため、ハドソン側の「続編」は『スターソルジャー』として発売。本作をよりブラッシュアップした爽快感で約100万本の大ヒットとなり、以降も『ヘクター'87』、プラットフォームをPCエンジンに移して『ガンヘッド』、『スーパースターソルジャー』など、次々とヒット作を輩出。

 『ゼビウス』がビデオゲーム業界に与えた影響は計り知れないが、この『スターフォース』のファミコン市場での影響は、ある意味で『ゼビウス』以上だった。

 一方のテーカン改めテクモも、オリジナルのアーケード版こそ『センジョウ』の流用基盤であったために売り上げ自体はそうでもなかったが、このファミコン版のヒットによるロイヤリティー収入は相当の額であったと思われる。また、海外版ファミコンのニンテンドーエンターテイメントシステム版への移植はテクモ自身が行っている。

 現在での中古市場価格は100円程度と非常に入手しやすく、また、ハドソンからキャラバン用ソフトのパックソフトとして95年にスーパーファミコンで発売された『キャラバンシューティングコレクション』、06年発売のゲームボーイアドバンス用ソフト『ハドソンベストコレクションVol.5 シューティングコレクション』の他、プレイステーション4やニンテンドースイッチなどの各種ダウンロード販売など、多くのプラットフォームで今も遊ぶ事が可能だ。

 そして、高橋名人もまた、現在も多くのメディアで活躍中である。14年にはゲームの企画・開発会社であるドキドキグルーヴワークスを設立し、代表取締役名人に就任。また、16年には一般社団法人e-sports促進機構代表理事に就任した他、映画『THE NEXT GENERATION パトレイバー』など、役者としても映画やドラマに出演中のナイスガイである。

 ちなみに、僕は本作発売時に全く記憶にない人の家でこのゲームをプレイしており(なにそれこわい)、そして現在、いつどこで入手したのか全く記憶にないのに手元にソフトがあるのだった。謎である←そーとーどーでもいい話。あとなー、プロ野球やJリーグの後ろ盾があるとは言え、どー考えてもe-sportsはスポーツじゃねーよなー。



(C)1985 TEHKAN LTD.and HUDSON SOFT

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