【発売】アイレム
【開発】タムテックス
【発売日】1989年1月20日
【定価】6,500円
【媒体】ファミコン用カートリッジ
【容量】3M
【媒体】ファミコン用カートリッジ
【容量】3M
【ジャンル】アドベンチャー
追悼、亀井刑事
ブルートレインの車内で起こった私立探偵の他殺事件を調べるうちに、3人の腕利き刑事達は次々と新しい難事件にぶつかる。足とカンを頼りに地道な聞き込みが続けられたが、現れた容疑者達にはいずれも完璧なアリバイがあった…。
【概要】
ミステリー作家の西村京太郎氏が自身の人気シリーズ『十津川警部シリーズ』より脚本を書き下ろしたアドベンチャーゲーム。テレビの2時間ドラマでは30年以上続く人気シリーズで、特にテレビ朝日系列で愛川欽也氏が主演する『西村京太郎トラベルミステリー』と、TBS系列で渡瀬恒彦氏が主演の『西村京太郎サスペンス・十津川警部シリーズ』は現在も新作が放送されている。本作では警視庁捜査一課の警部「十津川省三」、十津川の相棒「亀井定雄」、部下の「西本明」の3刑事をザッピングしながら捜査を進める。キャラクターのグラフィックがテレビ朝日版でそれぞれの役を演じた三橋達也氏、愛川欽也氏になんとなく似せている(西本は峰竜太みたいな顔になってるけど)。
【ゲームシステム】
コマンド選択式のアドベンチャーゲーム。十津川警部は山口県警からの依頼で、ブルートレイン「はやぶさ」の個室で起こった殺人事件の身元調査を亀井刑事に指示。その翌日、多摩川の河川敷で刺殺体が発見、これは西本刑事に任せる。本作の最大の特徴は、別々の事件を担当する刑事をプレイヤーがザッピングしながら進めるところにある…と書くと面倒臭そうだが、そんな事は全然なくて、どちらかの捜査が行き詰った時点で「ひとかえる」を選んでもう一方の捜査を進めると、行き詰った方の捜査にも何かしら影響が及んで進展するっつー寸法。基本的には亀井刑事がメイン、西本刑事がサブ、十津川警部の捜査はオマケ程度。
ザッピングでの混乱防止策として、要所要所でメモを取る事ができる。これを見て2つの事件の状況を整理するのだ。両刑事は十津川警部を通してもう一方の事件の状況も自動的に把握しているので、操る人物を変えたからといってプレイヤーが二度手間のストレスを感じる事はない。ゲームオーバーはないので、それこそ2時間ドラマを見る感覚でプレイできる。また、指紋を採って照合する場面がいくつかあるのも特徴。もちろん、トラベルミステリーだけあって時刻表を使ったトリックもあるが、ここもそんなに面倒ではないので(ちょっと意地悪だけど)、数字が並ぶと目を背けたくなる僕でもできました。
【総評】
推理モノのアドベンチャーゲーム全盛期に発売されただけあり、ミステリー作家の巨匠による脚本(ゲーム内でも本人役で登場する)、ザッピングによる複数の主人公、指紋照合といった特徴を盛り込んだなかなかの意欲作。PCエンジンで発売された『西村京太郎ミステリー 北斗星の女』(ナグザット)は気になってたんだけど、本作は当時ノーチェックだったんだよなー。ドラマも再放送でやってれば横目で時々見てた程度だけど、先日のキンキンの訃報で「そう言や亀井刑事役だったな」と思い出し、Twitterのフォロワーさんにいただいていたので今回初めてプレイしたのでした。そして、いいタイミングでCS放送にてガンガン再放送がされているドラマにどっぷりハマってしまい、テレビ朝日版は64作中10作ほど(三橋&愛川コンビのみ)、TBS版は54作中50作も観てしまった。本作は物語の舞台も大阪、広島、山口と西日本を中心にしているのがトラベルミステリーっぽい。一時期住んでいたので、下関駅が出てきたのはちょっと嬉しかったな。駅長室が木造だけど(笑)。
一方、ストーリーはやや物足りない感じ。あっと驚くドンデン返しなどは特になく、悪そうな奴はだいたい悪人である。もっとマニアックな時刻表トリックや列車の話があると思ったんだけど、そうでもなかったし、エンディングもあっさりし過ぎだ。まあ、本作はよくも悪くも2時間ドラマのノリで遊ぶのがちょうどいいのかもしれない。
手に汗握るアクションや息をもつかせぬサスペンスはない変わりに、未成年のアイドル歌手の私服がノーブラでポッチが描かれてたり(ツンツンできるヨ!)、そのアイドル歌手が襲われる場面でパンツが丸見えだったり(黄色だったヨ!)、口パク&瞬きを除けばほぼ唯一のアニメーションがこの場面で足をバタバタさせるとこだったりと、今のレーティングに照らせば完全にアウトで怒られそうなちょっと歪んだお色気はあるので安心しよう!
(C)1988 IREM CORP.
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