【発売】バンダイ
【開発】コト、吉田山公房、トーセ
【発売日】1999年12月16日
【定価】3,980円
【媒体】プレイステーション用CD-ROM
【ジャンル】パズル
【周辺機器】アナログコントローラ(振動のみ)対応
「ゲームの父」による「枯れた技術」を投入された良作
【概要】
オリジナル版は99年にコトがワンダースワンで発売したパズルゲームで、開発者の横井軍平氏は、任天堂時代に「十字キー」、ゲーム&ウォッチ、ゲームボーイ、バーチャルボーイなどの生みの親であり、ソフトでも多くの作品を開発した。96年に任天堂を退社後、コトを設立。本作の前身である携帯ゲーム『くねくねっちょ』を開発し、ワンダースワン発売と同時に『グンペイ』も発売。CESA大賞(現日本ゲーム大賞)優秀賞を受賞し、ワンダースワンがマイナーチェンジする度に『グンペイ』も度々発売。本作ではワンダースワン繋がりでバンダイから発売された。本作プレイステーション版は唯一の据え置き型ゲーム機での発売であり、2人対戦プレイが可能。
【ゲームシステム】
縦10列、横5列からなるフィールド画面下から、徐々に競り上がるライン付きのパネル(それぞれ四隅が線で結ばれている「/」、「\」、「∧」、「∨」の4種)を上下を入れ替えて移動させ、フィールドの左右の壁をラインで繋ぐとラインを構成するパネルが消滅するパズルゲーム。競り上がるパネルがフィールドの最上段まで達すると、ゲームオーバーになる。
【総評】
パネルは横一列に繋がる様にするだけでなく、「\」及び「/」を駆使して上下にずらしたりして、最終的に線が端から端に繋がる様にすれば消す事ができるため、1度で多くのパネルを消す事が可能になる。本作はウェスタン風のグラフィックにサウンドだが、サウンドをオフにして静かにだらーっとやっていると脳からドーパミンと口からヨダレが出て楽しいぞ。
「ゲームの父」と呼ばれる横井氏は、いつも「枯れた技術」をモットーにしていた。任天堂に在籍しながらハイテク嫌いとして、ローテクに興味があった。「ハイテクが必要なわけではない。むしろ高価なハイテクは商品開発の邪魔になる」とローテク路線を取っていた。「枯れた技術」の水平思考とローテク路線が完全に噛み合ったのは、ゲームボーイで発揮した。スペックでは上回るゲームギアやリンクスといった他社の携帯ゲーム機を寄せ付けなかったのだ。「枯れた技術」はファミコンやスーパーファミコンにも活かされているが、次世代ゲーム機競争の中、任天堂もハイテク思考のニンテンドウ64を発売。ちょうど横井氏がいた開発第3課が中心となる事になり、ニンテンドウ64の発表時に退社した。だが、皮肉な事に、ニンテンドウ64用ソフトの開発は難航し、ゲームキューブまでの期間を繋いだのは、口コミで人気の広がった『ポケットモンスター』であった。ゲームボーイのソフトである。
ワンダースワンはバンダイが開発した携帯機だが、横井氏もアドバイザーの肩書で携わっている。本作は当初『ガンピー』という名称だった。だが、独立から1年後の97年10月、交通事故で僅か56歳にてこの世を去った。そして、ソフト名も横井氏の最期の作品として『グンペイ』と名称変更して発売された。03年には、CEDEC(ゲーム・デベロッパーズ・チョイス・ワード)において、ゲーム業界への多大な貢献を称えられ特別功労賞を受賞した。
横井氏が未だに健在なら、現状の高価格競争コンシューマゲーム機事情も変わっていたかもしれない。携帯ゲーム機は廃れ、据え置き機は気軽には買えないハイテクマシンとなっている。だが、横井氏が開発し、商業的には失敗したバーチャルボーイはニンテンドーSwitchで復活し、好評を得ている。本作はその「枯れた技術」、「ローテク」という事を頭の隅に置いてプレイすると、横井氏のポリシーや考え方が分かるだろう。そして、自分が時間を忘れてプレイしている事にハタと気付くはずだ。中毒性の高い良作だ。
(C)BANDAI 1999.








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