2015/05/05

レミングス



【発売】サンソフト
【開発】サンソフト
【発売日】1991年12月18日
【定価】8,500円
【媒体】スーパーファミコン用カートリッジ
【容量】8M
【ジャンル】パズル




英国産傑作アクションパズル


【ストーリー】 
 「レミング」とは、北半球の北欧あたりに住んでいる体長15cmほどの小さなネズミの種類です。数年ごとに異常発生し、海に飛び込んで集団自殺するという、なんとも不思議な動物です。

 伝説の小動物レミングは、自分で危険を判断する事ができません。トラップ(罠)があろうと、崖や海があろうと、ただひたすら前進する事しか知りません。そんな彼らに道具や能力を与え、できるだけ多くのレミングを出口まで導いてあげて下さい。



【概要】
 オリジナル版は91年にイギリスのDMAデザイン社(現ロックスター・ノース社)が開発し、同じくイギリスのシグノシス社がAmiga用に発売したアクションパズルゲーム。北極近辺に生息するレミング(タビネズミ)は、3~4年周期で個体数が急激に増減するなど、現在でもその生態は分かっていない部分が多く、「集団で海に飛び込む」という伝説が長い間信じられていた動物だ。近年になって、この「集団自殺」は移住する際に一部の集団が誤って海や崖に落ちてしまう「事故」である事が判明した。本作はこの「伝説としての習性」をモチーフにしている。日本版の移植はサンソフトが行った。


【ゲームシステム】
 天蓋から「イヤッフッー!」と威勢よくわらわら現れてわらわら前進するだけのレミング達に指示を出し、規定数を出口へ誘導する事が目的。レミングの出現数(最多で100匹)や規定数、指示できるコマンドとその回数、残り時間などの条件はステージごとに異なる。わらわら降って来たレミング達は右方向へ進み、障害物に当たると向きを変えるだけで、基本的に歩くのみ。ホケーっとしていると、やけにリアルな悲鳴や効果音と共に、海や火、ネズミ捕りのトラップ、高所からの落下でわらわら死んでしまう。そこで、垂直に壁を登る「クライマー」や階段を作る「ビルダー」など8種類のコマンドを駆使して出口へ導いてやるのだ。

 
 前述した様に、このゲームはステージごとに登場するレミングの数と規定数が表示される。例えば、出現するレミングが100匹で、規定数が20%のステージだと、少なくとも20匹以上のレミング達を出口に導く必要がある。言い換えれば、残り80匹のレミング達は犠牲になっても構わないわけだ。右の写真では、右方向にしか進まないレミング達の転落死を防ぐために、5匹のレミングに行き止まりの「ブロッカー」を指示し、下の出口へと誘導している最中。ブロッカーは一度指示すると解除できないので、ブロッカー以外のレミング達が全て出口に辿り着いた後、5匹のレミングは自爆コマンド「ボンバー」で殺すしかクリア方法はないのだ。

 他にも、自爆するとその爆風でステージ内のオブジェクトが壊れる事を利用して(鉄製など一部のオブジェは破壊不可)、穴を掘るコマンドがない場合はこのボンバーでオブジェクトに穴を開けて進路を確保する場面もある。この「自己犠牲」をたっぷりのブラックユーモアで包んだ作風こそが『レミングス』の特徴なのだ。日本のゲームじゃまず無理っつーか発想自体が思いつかない感じ。


【総評】
 僅か10ドット足らずの身長に細かいアニメーションとサンプリングボイスで人間臭さを醸し出しているレミング達。指示を間違ったり、規定数以下しか生き残らなかったりと、決定的なミスをしてステージクリアが不可能になった場合、コマンド欄右端の赤い「核兵器」を押すと、ボンバー同様レミング達の頭に数字が表れてカウントダウン後、画面内の全てのレミングが自爆するといったコマンドも用意されている。この自爆はレミング達が画面一杯粉々に散っていくので、こういうのが倫理的にダメな人は向いていないかもしれない。ここらへんは海外産ゲーム特有のイカれた発想と力の入れ具合ですな。

 そうそう、何気にBGMもイカれててイカす曲が多いのだ。基本的にはクラシック音楽のアレンジが多いが(ゲームオリジナル曲ももちろんある)、著作権が切れてて使用料がかからないからなんつーありがちな使い方じゃなく、そのアレンジがナイス。結婚行進曲と葬送行進曲をひとつにまとめるなんてなかなかイカれてるぜ。それでいて曲としての出来はいいんだからどうかしている。

 本作は「Fun(たわむれ)」、「Tricky(巧妙)」、「Taxing(つらい)」、「Mayhem(大混乱)」という4段階の難易度に分かれており、各30ステージずつの120ステージ+スーパーファミコン版の追加「SUNSOFT」5ステージの全125ステージで構成されている。文字通り初心者から上級者まで楽しめるが、「Fun」以外はかなり柔軟な発想が必要となり、相当やり応えアリ。僕は発売から半年後に同級生から2,000円で譲ってもらって今でもちまちま遊んでるのに、未だオールクリアならず…。全体に漂うブラックユーモアのセンスさえ嫌いでなければ、90年代を代表するイギリス産ゲームの名作だけあって、一生モノですぜ。




Series
Lemmings 2 The Tribes






【発売】シグノシス社
【開発】DMAデザイン社
【発売日】1994年8月16日
【媒体】セガジェネシス用カートリッジ
【容量】16M
【ジャンル】パズル



 続編『レミングス2 ザ・トライブス』はスーパーファミコン版がサンソフトより発売されているが、これは海外版メガドライブであるジェネシスの専用カートリッジだ。難易度はかなり高いらしく、発売と開発はオリジナル版と同じ。尚、シグノシス社は01年にソニー・コンピュータエンタテインメントの子会社であるSCEワールドワイド・スタジオの傘下に入り、スタジオリバプールとして存続していたが、12年に解体された模様。

 なんでこんなもんがあるかってーと、去年だったか中古屋で偶然発見したのだ。ゲームは遊んでナンボと思ってるのであまりコレクション目的でソフトを買う事はないんだけど、こいつはどういう経緯で海の向こうからやって来たのかは分からんが、そのボロボロになった姿を見てかわいそうになり、保護した次第。100円だったしね!メガドライブとジェネシスは外観は同じでもDVDなどと同じくリージョンコードが設定されているため、本体の基盤を改造するか海外製のアダプターを使わないと動かすことができないが、今後100円で偶然ジェネシスのソフトを手に入れる機会なんてないだろうから、唯一完全にコレクション目的で購入。持ち帰った後、端子と外装を無水エタノールと除菌用アルコールティッシュでクリーニングし、今は我が家のメガドラ用ソフト置き場で余生を過ごしている。



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