2021/11/01

スーパーハングオン



【発売】セガ・エンタープライゼス
【開発】セガ・エンタープライゼス(セガ第2AM研究開発部)
【発売日】1989年10月7日
【定価】6,000円
【媒体】メガドライブ用カートリッジ
【容量】4M
【ジャンル】レース




「体感」の要素を廃しても残る「熱さ」


【ストーリー】
 今日もまた、灼熱の太陽が昇ろうとしている。路面がマシンを通して、オレの指先に熱い走りの予感を伝えてくる…。


【概要】
 オリジナル版は87年にセガ・エンタープライゼス(現セガ)がアーケードで発売した同社体感ゲーム第5弾で、初の体感ゲーム『ハングオン』の続編。バイク型の筐体を操ってゲーム中のバイクを操作し、制限時間内にチェックポイントを目指す。本作ではその「アーケードモード」と、メガドライブ用オリジナル要素として、レースで稼いだ賞金でマシンをパワーアップしてライバル達と競い合う「オリジナルモード」が追加されている。


【ゲームシステム】
 3Dビュー形式のレースゲーム。操作はシンプルで、Aボタンがブレーキ、Bボタンが280kmまで加速するアクセル、Cボタンは280kmに達した際にBボタンと同時に押すとターボが使える。コースは入門者用のアフリカ、初級者用のアジア、中級者用のアメリカ、上級者用のヨーロッパの全4コースで、それぞれにチェックポイントの数(ステージ)が異なる。制限時間内にチェックポイントを通らなければゲームオーバー。1ステージの制限時間はおおよそ30秒前後だ。



【総評】
 最高速度に達した時のスピード感、『アウトラン』でも見られた起伏あるコースは今プレイしてもなかなか迫力がある。アフリカは6ステージ、アジアは10ステージ、アメリカは14ステージ、ヨーロッパは18ステージと、
1コースが長いため、レースゲームにおいて必要な集中力をいかに持続させられるかがキーとなる。レースゲームは己との戦いなのだ。コースからはみ出して看板や木などにぶつかると派手に吹っ飛ばされ、コースに戻るまで約4秒のタイムロス、更には立ち直りまで3~4秒かかるため、コースアウトは致命的である。同一ステージで2度コースアウトした場合、クリアはかなり難しい。

 最高時速に達した際のターボの使いどころもポイントかもしれない。直線距離ではもちろん、カーブの際もそのままインベタで走る度胸とテクニックが必要だ。いや、レトロゲームと侮るなかれ、これがなかなか手に汗握ってコントローラーがベタベタになるのですよー。

 

 アーケード版、僕は実際には10回程度しかプレイしていない。なんせあの赤いバイクを模した筐体にまたがって操作するのが恥ずかしかったお年頃だったのです。すまんす←誰に謝っているのか。それよりも、BGMの印象がかなり強い。近所に住む年上のにーちゃんがBeep付録のソノシートをカセットテープにダビングしてくれ、それをずっと聴いていたからだ。躍動感がありながらどこか哀愁が漂う「OUTRIDE A CRISIS」、「SPRINTER」、「WINNING RUN」、「HARD ROAD」の4曲はどれも名曲ですよ!本作でもレース前に曲選択ができる他、タイトル画面でAボタンを押しながらスタートボタン押すと、サウンドテスト(&難易度選択)に入り、これらの名曲をフルで聴く事ができる。アーケード版と比べて音数こそ少ないものの、かなり忠実に再現されている。

 オリジナルモードについてはちょこっとだけ。各レベルごとに現れるライバル達とのレースに勝てばスポンサーから賞金が出て、新しいパーツを買い替えるよろしくチューニングなモードだ。最初のマシンはとにかく遅いし、ハンドリングの反応も鈍い、アーケードモードとはまるで別のマシンになっている。レースをしてお金を貯め、メカニックを雇い、高性能なパーツを買ってパワーアップの繰り返しだが、各パーツには耐久度が設けられており(たぶん)、前のレースで受けたダメージがそのまま残ってしまい、特にフレームに大ダメージを受けると、次のレースではいきなりスタート不能でそのままリタイアになってしまう。パスワード制を取っているが、とにかくフォントが見難い!でも、パーツカスタマイズのBGMが『ファンタジーゾーン』のショップBGMなので許す。っていうか、別にそんなに面白くなかったのですぐやめちゃった☆←おい。

 

 「体感ゲーム」というアーケード独自のゲームを家庭用機にローカライズ移植する際の難しさはあるが、本作は「体感」という大きな要素を取り払っても、1本のゲームとして通用する基本的な面白さに寄るところが大きい。完成度が高く、「体感」の要素がなくてもレースゲームとして非常に優秀なのだ。そういう意味では時代もかなり経つ本作は今プレイしても手に汗握りコントローラーがベタベタになるほどの熱がある。以降も多くの機種に移植されており、現在でも遊べる環境にあるので、コントローラーがベタベタになるまで遊ぼう!



(C)SEGA 1989

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