2021/11/08

ストリートファイターEX plus α

 




【発売】カプコン
【開発】アリカ
【発売日】1997年7月17日(PlayStation The Best版:1998年9月23日)
【定価】5,800円(PlayStation The Best版:2,800円)
【媒体】プレイステーション用CD-ROM
【ジャンル】アクション




3Dグラフィックスでの2D対戦型格闘アクションへの挑戦


【概要】
 オリジナル版は96年にアリカが開発し、カプコンがアーケードで発売した対戦型格闘アクションゲーム『ストリートファイターEX』。その後、97年に『ストリートファイターEX plus』が発売。本作はそのマイナーチェンジ版である。アリカは、カプコンで『ファイナルファイト』や『ストリートファイターII』などを手掛けた西谷亮氏が独立したデベロッパーで、本作は当初『ストロンガー』という仮称で開発されていたが、西谷氏の頼みでカプコンでの上司であった岡本吉起氏が『ストリートファイター』シリーズとして発売した。


【ゲームシステム】
 サイドビュー形式の対戦型格闘アクションゲーム。『ストリートファイター』シリーズとしては初のポリゴンを取り入れた3Dゲームだが、『バーチャファイター』(セガ・エンタープライゼス)などの様な任意の軸移動は存在せず、従来のシリーズ同様に2Dのシステムに仕上がっている。基本技は弱中強の各パンチとキック。これにジャンプやしゃがみ込み、相手との距離やタイミングで多彩な技を繰り出す事ができる。って、書くのは簡単なんだけど、実際には指にタコができるくらいまで練習するんだ、これが。対戦型格闘アクションゲームはどれもそうですけどね。

 登場キャラクターは「リュウ」、「ケン」、「春麗」、「ガイル」、「ザンギエフ」、「ほくと」、「スカロマニア」、「ドクトリン・ダーク」、「クラッカー・ジャック」、「プルム・プルナ」、「カイリ」、「アレン・スナイダー」、「ダラン・マイスター」、「ブレア・レイム」、「豪鬼」、「ベガ」、「ガルダ」。これに『plus』で追加された「殺意の波動に目覚めたリュウ」、「血の封印を解かれたほくと」、「サイクロイド・ベータ」、「サイクロイド・ガンマ」。本作『plus α』で追加された「ダルシム」、「春日野さくら」の以上23人を使用できる。

 本作では各キャラクターのストーリーを追った「アーケードモード」、対戦用の「VSモード」、5対5の「チームバトルモード」、用意されたコースのクリアタイムを競う「タイムアタックモード」、次々に出て来るコンピュータキャラクターを倒していく「サバイバルモード」、技の練習などができる「プラクティスモード/トレーニングモード」&「プラクティスモード/エキスパートモード」、コンピュータ同士の対戦を観戦する「ウォッチモード」、難易度設定やサウンドテストができる「オプション」と、プレイステーションへの移植に際し、充実したモードが大幅に追加されている。

 基本動作は前述したパンチとキック、投げ、ガード、ジャンプ、しゃがみ込みで、2本先取の3ラウンド制。相手の体力ゲージを先にゼロにした方が勝ちとなる。各キャラクターには必殺技があり、これが相手にヒットしたり、逆にダメージを喰らう事で体力ゲージ下にある「スーパーコンボゲージ」が3つまで貯まり、発動する事で普段よりすげー技を繰り出すのだ。ルールはシンプルだけど文章にすると長いぜ>対戦型格闘アクション。

 


【総評】
 第一次対戦型格闘アクションゲームのブームを起こした『ストリートファイターII』は、その後も多くのシリーズを輩出しているが、2D格闘アクションの雄たる同シリーズがあえてフルポリゴンの3Dになった本作の意図は、もちろん市場的に『バーチャファイター』などの3D格闘アクションへの流れもあっただろうが、『バーチャファイター』や『鉄拳』(ナムコ)などの3D格闘アクションとは似て非なるものとして別の土俵で戦おうというカプコンの挑戦であったのではなかろーか。いや、ホントはどうだか知らないんだけど。『ストリートファイターII』の完成度の高さの要因は多々あるが、操作感覚の微細な調整に次ぐ調整で、プレイ中に全くストレスを感じさせないというのがある。本作はそういった『ストリートファイターII』の良い部分を全て受け継ぎ、「ガードブレイク」や「スーパーキャンセル」などの新要素も加え、見た目は3Dだが中身は従来の2Dのままという新しいスタイルを生み出し、08年に発売された『ストリートファイターIV』にも継承されている。

 

 また、見過ごせない(聴き逃せない)のが、サウンドだ。対戦中はBGMなど気にしないプレイヤーもいるかもしれないが、ナムコで『ドラゴンセイバー』や『リッジレーサー』シリーズを手掛けた細江慎治氏による数々の良曲が対戦を盛り上げる。特に、格闘ゲームとは思えないサックスとギターによる爽やかフュージョン系の「Precious Heart(Theme of Sakura)」、ギターと三味線のソロが最高にカッチョいい「Rising Dragoon(Theme of Ryu)」、正統派の対戦型格闘アクション的「Guardian of Light(Theme of Ken)」や「Spinning Bird(Theme of Chun-Li)」、静から動へ「Strange Sunset(Theme of Guile & Allen)」などなど、挙げるとキリがない。ゲームもいいが、たまにはオプションのサウンドモードでじっくり聴いてみてほしい。本作のサウンドは98年発売の『ストリートファイターEX 2 オリジナルサウンドトラック』にも収録されている。

 学生時代、友人達と3,000試合は対戦しているので、あれから随分経つが指がしっかりと操作を覚えており、身体に叩き込まれてしまっている本作。今ではなかなか友人との対戦もできず、1人でコンピュータ相手にプレイしているが、その度に徹夜で明け方までワイワイと対戦したあの頃を思い出す青春の1本だったりするのであった。あ、エンディングの文字が見難い&すぐ消えて読めないのだけはどーにかしてほしかったぞ。



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