2021/10/19

グラディウス




【発売】コナミ
【開発】コナミ
【発売日】1986年4月25日
【定価】4,500円
【媒体】ファミコン用カートリッジ
【容量】384Kbit
【ジャンル】シューティング
【受賞】2012年:ギネス・ワールド・レコード認定(Konami Code)




横スクロールシューティングの傑作


【ストーリー】
 母なる美しき惑星グラディウスは、亜時空星団バクテリアンの激しい宇宙侵略攻撃により、絶滅の危機に瀕していた。我々の惑星グラディウスを守るために、超時空戦闘機・ビックバイパーが今、暗黒の宇宙に飛び立った。壮大なる異次元空間とバクテリアンの総攻撃がビックバイパーを待ち受ける。目指すは敵要塞ゼロス。エネルギーカプセルを集め、パワーアップだ!グラディウスを救えるのはキミしかいない。勇気と集中力で、さあ、発進せよ!


【概要】
 オリジナル版は85年5月にコナミ(現コナミデジタルエンタテインメント)がアーケードで発売した横スクロールシューティングゲーム。無駄のないシステム、美麗なグラフィックと多彩なサウンドなどをファミコン版でも非常に高い移植度で再現。その完成度の高さから、100万本以上を売り上げた。縦スクロールシューティングの雄が『ゼビウス』(ナムコ)ならば、本作は横スクロールシューティングのそれであり、画期的な作品である。


【ゲームシステム】
 パワーアップ型横スクロールシューティングゲーム。4機以上の編隊を組む敵機を全て倒すか、赤い機体色の敵機を撃破する事で出現するパワーアップカプセルを集め、画面最下部に表示されているパワーアップの装備にセレクトサインが点けばBボタンでパワーアップできる。装備は必要カプセルが少ない順に「スピードアップ」、「ミサイル」、「ダブル」、「レーザー」、「オプション」、「バリア」の6種類。全7ステージ。




【総評】
 アーケード版の出来を知らないユーザーでも、1度プレイすれば本作がいかに異常な完成度かが分かろーというもの。シンプルで感覚的に分かるパワーアップシステムに、美しいグラフィック。宇宙の深淵やステージごとに勇壮的であったり不気味であったりするバラエティに富んだサウンドの数々。ゲームバランスも歯応えはあるも頑張ればなんとかなる絶妙な難易度だ。

 ステージは全部で7あり、それぞれが個性的だ。ステージ1は、相手の侵略によって敵の前衛基地と化しながら、以前は緑に覆われた平和な衛星の面影を残す「火山ステージ」。続いて岩石群で造られた宇宙基地「ストーンヘンジステージ」。画面いっぱいにモアイ像が現れる古代からの聖地を基地化した「モアイステージ」。ステージ4はステージ1の天地が逆になった「逆火山ステージ」。宇宙に浮遊する触手生物を相手に戦う「触手ステージ」。巨大な組織細胞内でアメーバの攻撃を避けながら進む「細胞ステージ」。そして、「ゼロス要塞ステージ」と、どのステージもそれぞれの特徴がしっかり作り込まれており、火山や触手、モアイなど、以降の続編でも登場するファクターが凝縮されている。

 

 パワーアップ時に撃破され、ノーマル状態からの立て直しも、ポーズボタンを押し、上、上、下、下、左、右、左、右、B、Aと入力すれば、回数制限こそあるものの、その場からパワーアップした状態で再開できる救済措置がある。このコマンドはその後「コナミコマンド」と呼ばれ、前述のコマンドを基本形に、同社の作品に多く使用されているが、元々はアーケード版をファミコンに移植する際、難易度の高さに苦戦するスタッフを見かねて、プログラマーの橋本和久氏が組み込んだデバッグ用コマンドだそうであるが、移植完了後に削除する予定だったのを失念して、製品版にそのまま残された。結果的には、当時の裏技ブームの影響で一気に知名度が広がり、12年にイギリスのギネス・ワールド・レコーズ社より「最もよく知られている隠しコマンド」としてギネス世界記録に認定されいる。

 本作を彩る美しいサウンドの数々は、全て東野美紀氏(現フリーランス)がコナミのアルバイト時代に作曲したもの。コナミにはゲームのサウンドチーム「コナミ矩形波倶楽部」と、アレンジやバンド活動を行う「矩形波倶楽部」が存在し、東野氏も正社員登用後はコナミ矩形波倶楽部で『グラディウスIII-伝説から神話へー』、『魂斗羅スピリット』、『幻想水滸伝』シリーズなど多くのサウンドを手掛ける傍ら、矩形波倶楽部としても活動した。他のコンポーザーのアレンジでも『グラディウス』関連のアルバムは数多い。本作のBGMは以降の僕の中で「とにかくコナミの作品の音楽は間違いなくいい」と刷り込まれ、それを裏切られた事は今日までないのだった。

 シューティングゲームとしての出来はもちろん、グラフィック、サウンド、どれを取っても全く隙がない傑作である。発売当時は大塚食品のカップ麺「アルキメンデス」とタイアップし、パワーアップカプセルがアルキメンデスの容器に置き換えられた『グラディウス・アルキメンデス編』がプレゼントされたが、これは数が少なく、現在ではおよそ200,000円前後のプレミア価格が付いている。まあ、コレクター用アイテムですな。通常版は150~250円程度だ。また、移植作や続編も数多く発売されいるので、ぜひやるのだ。ぜひ。ぜひぜひ。



(C)Konami 1986

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