2014/10/30

北海道連鎖殺人オホーツクに消ゆ

【発売】アスキー
【開発】ログインソフト、パックスソフトニカ
【発売日】1987年6月27日
【定価】5,800円
【媒体】ファミコン用カートリッジ
【容量】2M+64KRAM
【ジャンル】アドベンチャー




ファミコンアドベンチャー珠玉の名作


【ストーリー】
 東京湾・晴海埠頭にあがった男の水死体-それが、この事件の発端だった。単純な殺人事件-酔っ払い同士のケンカとかヤクザ同士の抗争とか-どんな刑事でもそう判断しただろう。それが、オホーツクを舞台にした連鎖殺人になっていこうとは、いったい誰が推測できただろうか。
 すべては、あの東京湾での殺人が始まりだった。そして…。






【概要】
 シナリオライターで『ドラゴンクエスト』(エニックス)の生みの親である堀井雄二氏が手がけた本格推理アドベンチャーゲーム。元は84年にパソコン版として発売され、『ポートピア連続殺人事件』(エニックス)、『軽井沢誘拐案内』(エニックス)と共に「堀井ミステリー三部作」と呼ばれたうちの一作だが、87年にファミコンへ移植された際、全面的に大幅改良された。

 開発元のログインソフトはアスキーのブランドで、同社発刊の月刊ログイン及びファミコン通信(現週刊ファミ通)のスタッフが多数参加。キャラクターデザインには両誌で四コママンガ『べーしっ君』を連載する荒井清和氏、音楽は上野利幸氏(ゲヱセン上野)、ロゴデザインに佐藤英人氏(サイバー佐藤)、テストプレイヤーに鈴木弘明氏(アルツ鈴木)、フォントデザインに二木康夫氏(TACOX)、プロデューサーは塩崎剛三氏(東府屋ファミ坊)、ディレクターに小島文隆氏と、当時熱心な両誌の読者だった僕は発売前から贔屓目で見ていて、50回以上クリアした個人的ナンバーワンゲームとして、このゲームの事をとやかく言う奴は勝手に言ってろってくらい思い入れも強くて大好きなゲームなのだ。


【ゲームシステム】
 プレイヤーは警視庁の警部となり、東京では部下の「黒木五郎」を、北海道では同じく部下となる「猿渡俊介」に指示を出しながら一連の事件を解決していく。「ばしょいどう」や「ひとにきけ」など14種類のコマンドを駆使して捜査を進めるいたってオーソドックスなコマンド選択式。選択によってゲームオーバーなんて事はなく、捜査に行き詰った際には「トランプをする」でブラックジャックに勝てばヒントをもらえるお母さんも絶対確実大安心仕様なのでぜひお子様にもオススメ下さい。ゲームを中断する時は「そうさメモ」を選べば全20文字のパスワードが表示されるので、紙にメモする時に書き間違えてこそ一人前のゲーマーとなれるのだ。


【総評】
 二転三転する練られたシナリオと秀逸なサウンド、ヒロイン「野村真紀子」をはじめ個性豊かな登場人物など、今でも名作と評されるのが納得の出来であり、ここは10点満点中5億点を付けたい。

 ファミコンの同時発色数は25色だが、この少ない色数が昔のゲームをより印象深いものにしており、原色に近い鮮やか過ぎる青い空と海が当時まだ中学生だった僕に北海道の壮大な大地を連想させ、大人になったらいつか舞台巡りをするんだと心に決めつつ、原色に近いピンクのネオンと紫の店内が当時思春期真っ盛りだった僕にアレやコレを連想させ、大人になったらいつか高田馬場でアケミちゃ(以下どうでもいい話が延々続くので割愛)。

 唯一の残念ポイントは、エンディングまでの総プレイ時間がやや短いという点。普通にプレイしても4~5時間、早ければ2時間以内にクリアできてしまうのがちょっと寂しいキモチ。進行上(北海道編の中盤)どうしても一度「そうさメモ」を取ってゲームを中断しなければ次のフラグが立たない箇所があるのだが、「つづく」の画面が表示された時に、Iコントローラのセレクトボタン+AボタンとIIコントローラの上を押せばすぐさまコンティニューできる禁断の秘技っていうかウル技っていうか裏技があるので残念ポイントには入れなくていいと思います!

 「コマンド選択式アドベンチャーゲーム」というもはや死滅したジャンルではあるものの、今でも家庭用ゲーム機での完全リメイク版登場を待つ根強いファンが多いこの名作。未プレイの方はぜひ一度、遊んでみてほしい。





Music
『サウンドアドベンチャー 北海道連鎖殺人オホーツクに消ゆ』







【作曲】上野利幸
【編曲】藤原いくろう
【演奏】音楽集団ニポポ
【発売】アポロン音楽工業
【発売日】1987年8月5日
【定価】3,000円
【収録時間】約38分


 上野利幸氏によるシンセサイザーアレンジのサウンドトラック。 

 発売元のアポロン音楽工業(現バンダイ・ミュージックエンタテインメント)は、86年にゲームミュージック部門を立ち上げ、僕もカセットテープを何本か買った覚えがある。オマケにステッカーが付いていたのだが、そこに描かれていたプレイヤーの姿がおっさんだったのが印象深い。マジかー、みたいな。最初に買ったのはカセットテープ版だったが、テープがべろべろになるまで聴きまくったので、後にCDに買い直した。劇中のBGMを10トラックに編曲したゲームアレンジ盤の見本とも言える1枚。ゲームがファミコンアドベンチャーゲームの名作なら、このサントラもゲームミュージック珠玉の名盤である。2色刷りのペラ紙が時代を感じさせるライナーノーツには、上野氏よる各曲の解説と「オープニングテーマ」のスコア、堀井氏の寄稿の他、今は亡きABブラザーズの対談が掲載。どういう経緯でこの仕事を受けたんだろうか…。 

 尚、このアルバムは一度廃盤となったが、02年に数量限定で再生産されており、こちらはオリジナル音源も収録した2枚組となっているらしい。まだ聴いた事のないファンがいれば嫁を質に入れてでも買うと吉。

【収録曲】
01.オープニングテーマ
02.ルブラン
03.北の出逢い
04.グッドラック
05.真紀子とめぐみ
06.オホーツクに消ゆ
07.すすきの人生
08.追跡
09.ファイティング シュンスケ
10.エンディングテーマ~新たなる旅立ち




Books
『オホーツクに消ゆのすべてがわかる本』










【著】ファミコン通信編集部責任編集
【発売】アスキー出版局
【発売日】1987年9月5日
【定価】340円


 いわゆる攻略本ですな。ゲームを作った会社が出す攻略本なら大安心!と思うなかれ。「禁断の秘技スペシャル」のコーナーでは、前述したコンティニューのコマンドがいきなり間違えており、まさに「大丈夫?ファミ通の攻略本だよ?」である。一応、キャプションでは正しいコマンドが記載されいるが、最初期からファミ通の攻略本はあまり大丈夫ではなかった模様。 

 これはゲームの発売から数年後、大学生の時にふらりと立ち寄った中古ゲームショップにて半額で買ったものだが、定価340円って安いなおい!B6判の変形サイズで、全72ページ中6ページがなんと袋とじだ!内容はクライマックスシーンの掲載で、ネタバレを防ぐのが目的なんだろうけど、袋とじにするのは冒頭の見開きにバーンと載っている「中山めぐみ」の描き下ろしセミヌードの方だろうと(笑)。ゲーム終盤、温泉で出合っためぐみがバスタオルを取る裏技は有名だが、それにしたってこの見開きのサービスっぷりは、ネットのない当時のファミコン少年達の妄想を存分に膨らませたであろー。ついでに別のところも膨らんだりしてな!←マイナス2億点。

 他にも双葉社が出していたゲームブックも持ってたけど、表紙と挿絵が劇画タッチだったのでなんか違和感ありまくりだったなぁ。もうどっかいっちゃったけど。ていうか、いまどきのファミコン少年達に「ゲームブック」なんて言っても分からないかもネっていうかもうファミコン少年達なんていねーよ>自分。ちなみに、本作のキャラクターデザイナーである荒井清和氏の『べーっし君』2巻には、本作のネタが3本収録されいるので、絶対に読もう!コミックビーム!(違)



(C)1987 ARMOR PROJECT (C)1987 LOGIN SOFT

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