2015/08/24

ナムコミュージアムVOL.3



【発売】ナムコ
【開発】ナウプロダクション
【発売日】1996年6月21日(PlayStation the Best版:1999年10月28日)
【定価】5,800円(PlayStation the Best版:オープン価格)
【媒体】プレイステーション用CD-ROM
【ジャンル】オムニバス
【周辺機器】ネジコン対応
【受賞】1996年:CESA大賞'96ゲームジャンル別賞バラエティ賞




昔のナムコが好きだ!その3


【ストーリー】
 お客様にご案内申し上げます。当ミュージアムもご好評のうちに第3弾を迎え、このたび館内を大幅にリニューアル致しました。ご利用方法はより快適なものへ改良し、展示通路ではゲームの雰囲気を再現。また、新たに図書室と劇場を設け、ゆったりと展示物をご観賞いただけます。それでは本日も「ナムコミュージアム」をごゆっくりお楽しみ下さい。



【収録作品】
01.ギャラクシアン(79年11月)
02.ミズ・パックマン(81年)
03.ディグダグ(82年3月)
04.ポールポジションII(83年10月)
05.フォゾン(83年11月)
06.ドルアーガの塔(84年7月)





【概要】
 ナムコ(現バンダイナムコエンターテインメント)が太陽系一輝いていた頃に発売されたアーケードゲームの数々を完全移植で複数収録したオムニバスソフト。ゲームのみならず、多くの関連資料や同社の会社資料までも収録したプレイステーション用ソフトとして、全6本が順次発売された。本作はその第3弾。『ミズ・パックマン』、『ポールポジションII』、『フォゾン』は家庭用ゲーム機では初の移植である。『ポールポジションII』のみ別売りの周辺機器「ネジコン」に対応。

 また、『ドルアーガの塔』は特別付録の「アイテムリスト」が同梱されている他、本作独自仕様モードの「裏ドルアーガの塔」と「闇ドルアーガの塔」が追加されている。ミュージアム内は前2作から大幅にリニューアルし、資料類が更に充実。広報誌「namco COMMUNITY MAGAZINE NG」に冨士宏氏が連載していた『午後の国』も収録されており、権利の関係で単行本には未収録のナムコオールキャラが登場する特別編「午後の国スペシャル バレンタイン大作戦の巻」も読む事ができる。これを買わずして何を買うというのくわっ!


【ゲームシステム】
 ミュージアム内の基本的な構成は前2作と同じだが、グラフィックが一新。「受付小町」も音声で挨拶してくれる様になった。通路がやや長かった「ゲームルーム」は、レイアウトがコンパクトに整理され、より見やすくなった。新設された「劇場」には、これまで各ゲームルームに個別展示されていたドットパターンやBGMがまとめらており、こちらもより使いやすくなっている。同じく新設された「図書室」には、ゲームルーム内で紹介するにはボリュームが多い『ドルアーガの塔』に関する資料を中心に展示している。



【総評】
 『ギャラクシアン』、『ディグダグ』、『ドルアーガの塔』といった既にファミコンなどに移植されている作品だけ見ても充実のラインナップだが、ミュージアム内の作りや収録資料などもシリーズ3作目という事でかなりこなれてきた感が見て取れる。ロード時間が前作までに比べて短くなっているのも地味だが嬉しい改良点だ。前述した様に、図書室の充実ぶりには目を見張るものがあり、『ドルアーガの塔』では開発者の遠藤雅伸氏(現ゲームスタジオ代表取締役)がNGに書き下ろした詳細なストーリーや、ボツネタを含むイラスト類、ジオラマとイラストを組み合わせたパンフレットのメイキングなどがたっぷりと収録されており、これだけでもナムコファン垂涎モノだ。じゅるる。

 他にも『ギャラクシアン』宣伝用筐体などの珍しい資料もありまくる。また、『午後の国』が収録されているのも目玉のひとつだ。本作発売当時は単行本が絶版だったため、荒い画像とは言え全話が収録されているのはマンモスうれピー←相変わらずヘボいボキャブラリー。資料の収録点数自体が増えたうえに、『ドルアーガの塔』では新モードを追加、更にロード時間の短縮と、単に複数のソフトを収録しただけのオムニバスソフトに終わらず、ナムコの志の高さが垣間見える、もはや買わない理由がみつかならないパーフェクトな1本と言えましょう。




Books
『午後の国物語 REMIX+』










【著】冨士宏
【発売】徳間書店
【発売日】2008年10月1日
【定価】950円


 『ワルキューレの伝説』や『スカイキッド』、『トイポップ』、『バベルの塔』など、ナムコ黄金期のキャラクターデザインを務めた冨士宏氏が83~86年にNGで連載していた全14話の短編SFマンガ。

 NG連載と同時期に隔月刊誌アニメック(ラポート)の増刊誌にも『午後の国物語』として全4話を連載し、87年には書き下ろし2話とNG版を加えた単行本が発売された。その後、ラポートの倒産により絶版となっていたが、02年に一部店舗限定で前述の「バレンタイン大作戦」を除くNG版とラポート版を収録した『午後の国物語 REMIX』が発売。本書はその増補改訂版として08年に3度目の単行本化として徳間書店から一般販売されたもので、07年から公式サイト(現在は閉鎖)で連載されていた『午後の国 グレイスサイド』の1話を追加収録している。

 文明の発達によって巨大化した都市と、戦争の傷跡により荒廃した大地が広がる遠い未来。都市部から離れた集落「バルハラ」を舞台に、主人公の「ベル」と有尾族の「クリップ」を中心とした住人達の日々を描いた物語。どのキャラクターも氏特有の暖かい絵柄で活き活きしており、読んでいてわくわくする良書だ。旧式の汎用量産型家事ロボット「マノン」もかわいくていい味を出している。

 氏の作品は世界観からキャラクター、ストーリー、そのどれもがとても丁寧に描かれていて、特に子供達の表情が素晴らしいのだ。また、本書ではメカのデザインセンスやいい意味で80年代を感じさせる世界観も大好きなのだが、残念ながら未完である。短編物語としてはこの1冊で完結していると言ってもいいかもしれないが、大局を描く前に出版社が倒産してしまったのだ。氏の場合、不人気による打ち切りではなく、掲載誌が廃刊になるか大元の出版社が倒産するという不運に何度も遭遇している。これは『城物語』(マッグガーデン)も同じだ。冨士宏ファン最大の不幸は、そのどれもが良質な作品であるにも関わらず、そのどれもが不運な形で未完となっている事だ。




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