
【発売】ソニー・コンピュータエンタテインメント
【開発】ソニー・コンピュータエンタテインメント、ミレニアムキッチン、アトリエドゥーブル、草薙
【発売日】2000年6月29日(PlayStation the Best版:2001年6月14日)
【定価】5,800円(PlayStation the Best版:2,800円)
【媒体】プレイステーション用CD-ROM
【ジャンル】コミュニケーション
【周辺機器】アナログコントローラ対応(振動のみ)
【受賞】2001年:第5回日本ゲーム大賞ニューウェイブ賞
【受賞】2001年:第5回日本ゲーム大賞パッケージデザイン部門賞
大人になってしまった、あなたに
【ストーリー】

1975年、夏。小学3年生のボクは、おじさんの家で「なつやすみ」の1ヶ月を過ごす事になりました。おじさんの家のある村は、都会育ちのボクが見た事のないものでいっぱいです。
さあ、どんな「なつやすみ」になるのでしょうか。
【概要】
母親が臨月を迎えたため、8月の1ヶ月間だけ田舎の叔父宅に預けられた9歳の「ボク」が体験する、古き良き時代の日本の夏を追体験するコミュニケーションゲーム。8月1日から31日までの間、舞台となる「月夜野(つきよの)」の中を自由に行動できる。キャラクターデザインは、ライオンの「キレイキレイ」やNHK『きょうの料理』でお馴染みのイラストレーター上田三根子氏。背景美術は、『サザエさん』のオープニングをはじめ多くのアニメーション美術を手がける草薙が担当。大藤史氏の歌うテーマソング「この広い野原いっぱい」は、67年に森山良子氏が発表したフォークソングのカバー曲だ。第5回日本ゲーム大賞ニューウェイブ賞及び同パッケージ部門賞受賞。第3回文化庁メディア芸術祭展示作品。
【ゲームシステム】


【総評】


ゲーム中のBGMは、ミンミンゼミやヒグラシ、スズムシなどの虫の声に川のせせらぎなどが主で、まるで環境ソフトみたいな仕様が実に心地よく、時折挿入されるジングル的な扱いの曲も地味ながら切なさを感じさせてくれる。ゲームのBGMと言うのは、テレビや映画など他のメディアとは比較にならないほど長時間耳にするため、この「曲を流さない」という仕様は英断だと思う。空野家の面々の声は、ボク役と詩役に子役を起用している他、おじちゃん役は東宝特撮ファンにはお馴染みの佐々木勝彦氏。この佐々木氏の芝居がこれまた実にいい。一方、ナレーションのダンカン氏はちょっと聞き取り難い感じなのが残念。

舞台となる月夜野は、「北関東のどこかにある架空の田舎」という設定だが、群馬県利根郡の月夜野町ではないかと言われている(本作発売から5年後の05年に合併し、現在はみなかみ町となっている)。僕はこの昭和50年に生まれたので、ゲームではボクの弟と同い年になるんだけど、ちょうど僕がボクと同じ歳の頃、母が病気で入院して祖父母の家にしばらく預けられた事があった。そこは大分県玖珠郡の山奥で、朝はトラックの荷台に乗ってカブトムシやクワガタを探して砂糖水をクヌギの木に塗り、昼は叔母が採れ立てのトウモロコシやトマトを食べさせてくれ、数日おきの夕方になると日用品を積んだ移動販売車が来てお菓子を買ってもらった。テレビの民放はチャンネルが2つしかなかったけど、夜は花火やバーベキューをしたり、牛も飼っていたので牧場でキャンプをしたりと、あの頃の夏休みの思い出は今でも宝物だ。でも、トイレが外にあったのだけはいくつになっても慣れずに、怖くて嫌だったなぁ(笑)。


Books
【著】本田やよい、ファミ通編集部責任編集
【発売】エンターブレイン
【発売日】2000年8月4日
【定価】950円
ファミ通編集部責任編集本の中でも、著者名が明記されている本はその編集者の愛情溢れる作りになっている場合が多く、ハズレが少ないと思っているんだけど、これもそんな1冊だ。目を三角にして真のエンディングを目指すとか虫のフルコンプリートを目指すとかそういう類のゲームではないが、ボクが書いた絵日記やおばちゃんが作ってくれる朝ごはんと晩ごはんのメニュー、上田三根子氏によるふんだんなイラストなど、読み物としても楽しめる内容。月夜野の全体地図や虫獲りのポイントマップ、昆虫図鑑にイベントカレンダーなど、ファミ通編集部責任編集本の得意とするデータ類も充実している。表紙の装丁もナイス。
【発売日】2000年8月4日
【定価】950円

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