2014/11/07

ツインビー

【発売】コナミ
【開発】コナミ
【発売日】1986年1月4日
【定価】4,900円
【媒体】ファミコン用カートリッジ
【容量】192Kbit
【ジャンル】シューティング




必然性から生まれたポップな世界観


【ストーリー】 
 宇宙歴2801年、ドンブリ島の住民は平和な毎日を送っていた。ある日、この島に伝わる「宝の玉」を狙って、スパイス大王率いる軍団が現れ、島ごと占領してしまった。この「宝の玉」は大王直属の4人の将軍に分け与えられ、島を4つに分けて統括させた。住民達はなすすべもなかったが、島のはずれに住む一風変わった科学者・シナモン博士は、大王をやっつけるため、ユニークな戦闘機ツインビーとウインビーを造り上げた。彼は住民達の気持ちを2人の息子に託し、それを受けた兄弟は深い信頼を胸に大王に立ち向かった。



【概要】
 85年にアーケードで発売された縦スクロールシューティングゲームの移植作。軽快なBGMとポップなグラフィック、独特のパワーアップ方法、2人同時プレイが人気を呼び、以降、様々なプラットフォームで多くの続編が作られたコナミ(現コナミデジタルエンタテインメント)の看板タイトル。91年発売のシリーズ5作目『出たな!!ツインビー』からはキャラクターが独り立ちをし、ラジオやコミックなどのメディアミックス展開も行われた。


【ゲームシステム】
 基本的にはオーソドックスなシューティングゲームだが、全5面を通して明るくポップに貫かれた個性が光り、とかくマニアックになりがちなこのジャンルにおいて、確たるポジションを築いた。ファミコンの電源を入れてまず目に入るタイトル画面からして、黒バックが多かったこの時期のゲームの中では珍しい青のバック。そこにピンクと白のグラデーションがかかったポップなロゴが入る。プレイヤーが操る「ツインビー」も、機械なのに手が生えててポップ!グラフィックもキャラクターから背景に至るまでポップ!特に背景や地上の敵キャラクターは今見ても完成度が非常に高く、ドッターさんの腕とセンスが光る。

 地上の敵を攻撃するために生えている「手」。シューティングゲームの無機質な自機にキャラクター性を持たせるという意味では、古くは80年発売の『サスケvsコマンダー』(新日本企画)、本作登場から1年後の86年に発売された『ファンタジーゾーン』(セガ・エンタープライゼス)などがあり、特に珍しかったわけではないが、ツインビーの手には「地上の敵を撃つ」という対地戦用の機能が備わっている。対空対地を撃ち分けるシステムは『ゼビウス』(ナムコ)が確立したものだと思うが、そこは各自で調べましょう。被弾すると手がもげてしまうが、直後にサイレンを鳴らして登場する「救急車」と合体すれば、一度だけ復活する。つまりこの手は、「キャラクター性」、「機能」、「自機の状態」の3つの意味をプレイヤーに瞬時に理解させるために付けられているのだ。深いぜ手!たぶん。

 ツインビーは雲の中に隠れている「ベル」を取る事でパワーアップする。撃つ度に色が変わるベルは、スピードアップの「ブルー」、2方向に撃てるツイン砲「ホワイト」、バリアの「レッド」、カレーが好きな力持ち「イエロー」、分身の「ピカピカ」の4種類あるが(一部うそ含む)、敵を撃ちながらor敵の弾をかわしながら任意の色を出す事も、また、取るまでにその色をキープしておく事もなかなか難しく、わりかし無茶である。けれども、「見た目ポップで中身はしっかり」というこのゲームの個性がそれをよしとさせているのだ。ただし、パワーアップのインフレ化が起こると、その1機がやられた時点で立て直しは困難となり、特に敵の攻撃が激しく距離も長い最終面では非常に難しい。


【総評】
 当時、僕の周りには『ツインビー』を持っている人が結構いたんだけど、それはやはり「2人同時プレイができる」ってのが大きかったと思うのだ。対戦、もしくは交互にという2人プレイゲームが多い中、協力して遊べるゲームはあまりなかった。2プレイ側は赤い「ウインビー」を操り、時にパワーアップをした方がしてない方にベルを譲り、時に画面の左右を分担して敵をやっつける。そうやって協力しながら進めていくうちに、人は一人では生きていけない事を学んだのでした(ほんとかよ)。

 今でもレトロゲームの代表ソフトに必ず挙げられるだけはあり、88年にディスクカード、04年にゲームボーイアドバンスへ移植された他、Wii、Wii U、ニンテンドー3DSの各ダウンロード販売も行われているため、現在でも比較的容易に遊ぶ事ができるぞ。人との付き合いが希薄になって久しい混迷する現代をトレンドに生き抜かんとする若人はひと時の繋がりを求めてSNSなんかやってないで、このゲームで協力しまくろう!




(C)Konami 1986

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